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連載/遊歩道 第3回 CAD/CAMブリッジをどう使う?「シンボー」の特徴と臨床上の注意点


連載/遊歩道 第3回 CAD/CAMブリッジをどう使う?「シンボー」の特徴と臨床上の注意点

2026年6月、新たに公的医療保険にYAMAKIN株式会社のCAD/CAMブリッジ用材料「KZR-CAD ファイバーブロック シンボー」(以下、シンボー)が期中改定により保険収載された。これにより、本材料によるCAD/CAMブリッジが保険適用となった。
メタルフリーのブリッジは、すでに約6年前の18年4月に高強度硬質レジンブリッジ「エクスペリア」(株式会社ジーシー)が保険収載されている。しかし、適用条件が厳しいため、必ずしもその選択頻度は高いとはいえない。近年、主に世界情勢に影響されて貴金属価格が高騰しており、歯科にとって歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金パラ)の問題は無視できない状況になって久しい。そのため、適用条件が厳しくなく、信頼性も担保されたメタルフリーのブリッジの保険収載が望まれていた。

◆CAD/CAMブリッジの留意事項
CAD/CAMブリッジは、メタルフリーのコンポジットレジンによるブリッジであるため、保険収載に際し、高強度硬質レジンブリッジの準用技術となっている。前号に高強度硬質レジンブリッジとの違いを概要として示したが、今回、「CAD/CAMブリッジの留意事項」のさらなる詳細を示す(表1)。

◆CAD/CAMブリッジ用材料「シンボー」について
「シンボー」は、グラスファイバー強化型レジンである芯材(フレーム材)とレジン材料(CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)・KZR-CAD HR ブロック3 ガンマシータ)が一体となった構造である(図1、2)。したがって、CAD/CAM冠と同様の加工性があり、歯科用CAD/CAMシステムにより、ブロックからブリッジが製作できる。色調はA2、A3、A3・5が用意されている。図3に芯材の配置イメージを示す。
なお、咬合面に芯材が露出するのではないかとの懸念が散見される。しかし、咬合面のレジン材料の厚みが1・0mm以上に設定されるため、すぐに問題が生じる可能性は高くないと思われる。

図1

図2

図3

◆CAD/CAMブリッジの設計
「シンボー」によるブリッジの適応症は限定されていて、第二小臼歯、第一大臼歯を中間欠損とする3ユニットブリッジ症例(④5⑥、⑤6⑦)である。なお、ブリッジの連結部に芯材を配置することが困難なケースや、クリアランスを十分に確保できないケースは適用外である。

◆支台歯形態
表2に各面のクリアランス量とマージン部付近の水平幅を、図4に望ましい支台歯形態を示す。必要な咬合面クリアランス量は、従来の小臼歯、大臼歯のCAD/CAM冠で推奨されている数値と同じである。したがって、CAD/CAMブリッジでは芯材が内蔵されることから、咬合面クリアランス量を多くしなければならないと考えがちであるが、そうではないことを理解して支台歯形成をする。なお、隅角部は丸みをつけ、マージン形態はディープシャンファー、あるいはラウンデッドショルダーで形成する。
CAD/CAMブリッジは、CAD/CAM冠と同様に支台歯形成がもっとも重要といえるため、形成量の確認は、プロビジョナルブリッジの厚みをメジャリングデバイスなどで計測して確認することを推奨する。

図4

◆装着の際の注意事項
CAD/CAMブリッジの装着は、CAD/CAM冠などと同じく接着性レジンセメントで行う。CAD/CAMブリッジの接着前処理は、アルミナ・サンドブラスト処理およびプライマー処理などを行い、内面処理加算1を算定する。一方、支台歯側は、象牙質、コンポジットレジン、メタルなどが混在しているケースがあるため、使用する接着システムのメーカー指示に従う。
今回、条件付きとはいえ新たに「シンボー」によるCAD/CAMブリッジが保険収載され、臨床での選択肢が増えたことを評価したい。しかし現在、高い臨床エビデンスがあるとはいえないため、現時点で示されている適応症の選択、支台歯形成、印象採得などの臨床操作、さらに調整、装着など、すべてのステップに理解と注意が必要である。そして、メタルフリーであるCAD/CAMブリッジが欠損補綴の選択肢の一つとして、患者、国民にとって価値のある補綴物になることを望む。

東京歯科保険医協会
副会長 坪田 有史


連載/協会探訪 その⑫  日本における歯科医療のはじまり その その1 /東京歯科保険医協会会長 早坂美都


連載/協会探訪 その⑫  日本における歯科医療のはじまり その その1 /東京歯科保険医協会会長 早坂美都

これから「協会探訪」は、協会や保団連の歩みを振り返っていきます。
その前に、少し寄り道をして、日本の歯科医療がどのように発展してきたのかについておおまかに触れておきたいと思います。


◆ 最初の「歯磨き」?
日本には古くから歯磨きの習慣があったと考えられています。4~7世紀頃の人骨から、臼歯の外側に特徴的な摩耗が確認されています。これは、楊枝や粒子の粗い歯磨き剤を用いて歯を清掃していた痕跡とみられています。
歯磨きに関する最古の記録は、平安時代に編さんされた日本最古の医書『醫心方(いしんほう)』です。984(永観2)年、医家・丹波康頼が円融天皇に献上したもので、現在は国宝に指定されています。醫心方には「食後にうがいをすれば虫歯を防ぐ」との記述があります。かつては神事のためのお清めであったうがいが、口腔衛生のためにも行われるようになったことがうかがえます。


◆ 「耳目口歯科」から「口中科」へ
「歯科」の起源となる言葉は、701(大宝元)年制定の律令「医疾令」に見られます。当時は「耳目口歯科」と呼ばれ、耳・目・口・歯は一つの診療分野でした。その後、「口歯科」「口科」「口中科」へと名称が変化し、江戸時代には口中医のほか、入れ歯師や歯抜き師、さらには香具師が抜歯や歯薬の販売も行っていたようです。

◆ 歯科医学の伝来
日本において本格的に近代歯科医学が始まったのは明治に入ってからです。経路は、南蛮医学・蘭学、中国医学など諸説あります。また、来日した外国人歯科医師から直接学んだ日本人が、その技術を広めたとも考えられています。
その中でも、日本の近代歯科医学に大きな足跡を残した人物が、アメリカ人歯科医ウィリアム・クラーク・イーストレーキです。イーストレーキは1860(万延元)年頃に来日し、長崎や横浜で歯科医院を開業したことから、「日本近代歯科医学の父」とも称されています。
イーストレーキは81(明治14)年に再来日し、再び横浜で診療を開始しました。福沢諭吉とも親交を結び、近代歯科医学の普及に尽力したとされています。当時、日本では西洋医学、とりわけドイツ医学の導入が進められており、日本の医療制度が大きく転換する時代でありました。イーストレーキが紹介した近代歯科医学も、その流れの中で発展していくことになります。
余談ですが、66(慶応2)年に、横浜で開業していた外国人歯科医レスノーが、陶材や金属を用いた義歯を紹介する広告を『海外新聞』に掲載しています。この頃にはすでに、こういった材料を用いた修復治療が日本でも行われていたことが分かります。
このように、日本の歯科医療は古くからの口腔衛生の知恵に、西洋から伝わった近代歯科医学が加わることで大きく発展していきました。次回は、その礎を築いた日本初の歯科専門医・小幡英之助の足跡をたどってみたいと思います。


【参考文献】
・丹波康頼撰「医心方」復刻版(『日本古典全集 1~7』所収・1980・現代思潮社)
・一般社団法人 京すずめ文化観光研究所
・中外医事新報1251号(中外医事新報社)1938年1月発行
・歯科医師衛生史(全巻)(日本歯科医師会)1940年10月発行
・検証・歯科医学史の書誌(日本歯科医学史学会会誌 第29巻第3号通巻11号)
・医政百年史(厚生省)1976年9月発行

地域医療研究会 「口腔機能低下症から摂食嚥下までのとらえ方」

※この研究会は、当協会の会員限定の企画です。未入会の先生は、ご入会が必要です。
↓↓↓入会に係る資料請求はこちら↓↓↓
https://www.tokyo-sk.com/merit/merit01/

地域医療研究会
「口腔機能低下症から摂食嚥下までのとらえ方」

外来診療や訪問診療において、今年度の診療報酬改定でも「口腔機能低下症」が重要視されています。そこで今回は、「嚥下障害リハビリ」の第一人者である戸原玄氏をお招きし、口腔機能低下症から摂食・嚥下までをどのように捉え、診療につなげていくのかについてご講演いただきます。口腔機能低下症と摂食・嚥下について理解を深める機会ですので、ぜひご参加ください。

<講師より>
口腔機能低下症や摂食嚥下リハビリテーションというと、何らかの機器を用いて評価して、その結果次第で口腔周囲の筋肉のトレーニングを行うものだと思うかもしれません。しかしそれは単なる表層ですし、それこそインターネットで調べるといくつも出てくると思います。そういった部分ではなくどのように考えるか、また発展的な研究の紹介を通した視点などをご紹介できればと考えております。

 【日時】12月9日(月)19時00分~21時00分(予定)  
【講師】戸原玄氏(東京科学大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授)
【会場】Zoomウェビナーを用いたライブ配信または協会会議室(東京都新宿区高田馬場1-29-8いちご高田馬場ビル6階)
【参加条件】当協会の会員
【定員】Zoomウェビナー:450名協会会議室:20名
【参加費】無料※未入会の場合はご入会が必要です。
※ZOOMウエビナーに登録できるメールアドレスは、会員1名につき1アドレスです。
【留意事項】会員限定の研究会になるため、登録内容を照会し、万が一会員確認ができなかった場合は研究会に参加できません。
【問い合わせ先】

☎03-3205-2999(地域医療部)

お申込みはこちらから

これからはじめる歯科訪問診療講習会-保険請求編-


「歯科訪問診療に取り組みたいけど、あと一歩が踏み出せない」
「保険請求の仕方が不安で、歯科訪問診療を始められない」
という先生のために、実際に歯科訪問診療を行っている講師から、医療・介護報酬の請求方法を中心に解説します。
2026年度診療報酬改定の内容も含めて解説します。
過去の参加者からは「講演を聞いてより歯科訪問診療の算定のイメージがわきました」「非常にわかりやすかったです。訪問に行ってみます」などの声が寄せられています。
講習会に参加して、訪問診療の一歩を踏み出しましょう。

日時:9月28日(月)19時00分~21時00分(予定) 
講師:池川裕子氏(東京歯科保険医協会 理事/出張歯科 四ツ木)
会場:Zoomウェビナーおよび協会会議室(東京都新宿区高田馬場1-29-8いちご高田馬場ビル6階)
定員:Zoomウェビナー:450名、協会会議室:20名
参加費:無料


お申込みはこちらから

<受付中>2026年度第6回院内感染防止対策講習会

NEW 初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)の研修会のご案内

※本講習会は当協会会員限定となっております。参加するには入会が必要です。

この研修会は、初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)の研修要件(抗菌薬の適正使用を含む)を満たす内容で開催をします。

※6月の診療報酬改定において、歯初診の研修要件に「抗菌薬の適正使用」の内容が追加されました。それに伴い、6月以降に受講する研修は、「抗菌薬の適正使用」の内容を含む必要があります。

一方で、現時点で4年の有効期限を迎えない受講歴をお持ちの先生は、「抗菌薬の適正使用」の内容が含まれていなくとも、次回の有効期限を迎える前までに「抗菌薬の適正使用」の内容が含まれた研修会を受講いただければ歯初診の要件を満たすことになります。そのため、直近の歯初診に係る研修の受講歴をご自身で確認してください。

以上をご確認いただいたうえで、Zoom登録・受講料の決済を行ってください。受講資格は会員に限定されます。

【日時】

第6回 9月30日(水) 午後1時~午後2時20分

【開催形式】
Zoomウェビナー

【対象】
会員
※未入会の方はご入会が必要です。
※会員確認に時間を要する場合がございます。ご登録から承認まで、2~3日(土日祝を除く)いただいております。予めご承知置きください。

【受講料】
1,000円
※Zoomご登録後、会員資格の確認ができましたら、承認とともに決済URLをお送りします。クレジット決済または銀行振込から決済方法をお選びください。

【予約】
①本ページのZoomウェビナー登録より必要事項を登録
※登録したメールアドレスを使用できる端末(PCやスマホ等)からZoomウェビナーの参加を推奨いたします。
※登録するメ―ルアドレスは、@docomo.ne.jpまたは@ezweb.ne.jpなどのキャリアメールからの登録は文字制限がかかり、Zoomからのメールが届かない場合がありますのでご注意ください。

②登録後、Zoomウェビナー(no-reply@zoom.us)より登録確認メールが届きます。確認メール本文に記載されているURLから決済(受講料1,000円)へお進みください。
※決済の際に登録するメールアドレスは、Zoomウェビナーに登録したメールアドレスと同様のものをご登録ください。
※決済はクレジットカードもしくは銀行振込をお選びいただけます。また、決済代行サービス「ゼウス」を経由します。

③決済後、「ゼウス」より決済確認メールが届きます。
※決済後、受講料の返金は承れませんので、あらかじめご了承ください。

【修了証明の発行】
・メールの本文内に研修内容を記載予定(書面での発行はしません)。
・修了証明は大切に保管してください。

【レジュメについて】
講習会開催の1週間前と前日、1時間前のリマインドメールに当日の資料のダウンロードURLを掲載します。

【注意事項】
・Zoomが正しく起動するかどうかを受講日までにご確認ください。受講日の直前の確認になると開始時間に間に合わないなど、不具合が生じることがあります。
・当日は、開始時間の1時間前より入室可能です。
・遅れて入室した場合や、途中退室した場合、修了証明は発行しません。
・講義終了後、確認テストを行います。必ず確認テストの回答をお願います。回答がない場合、修了証明は発行できません。

お申し込みはこちら  ↓(会員専用ページのデンタルブックに移行します)

https://dentalbook.tokyo-sk.com/member/private/Member_index

<次回以降のスケジュール>**************************************

第7回 1028日(水) 同上 ※予約開始日:10月1日~

第8回 1125日(水) 同上 ※予約開始日:11月1日~

第9回 2027年2月24日(水) 同上 ※予約開始日:2月1日~ 【今年度ラスト開催】

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号

ここをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号No.677

1面】

 1.熊本地震により被災された皆様にお見舞い申し上げます

 2.健康保険証での資格確認 7月末で終了/今後はマイナ保険証・資格確認書で

 3.OTC類似薬の保険給付外し/歯科の軟膏や鎮痛薬まで負担増対象か

 4.「社会保障費の抑制は容認できない」/『骨太の方針』受け談話発表

 5.保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

 6.探針

 

2面】

 7.集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/91718日に実施予定

 8.生活保護法による個別指導/2026年度は8件を予定

 9.保険収載されたCAD/CAMブリッジ

10.光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は/8月末まで!           

 

3面】

11.経営・税務相談Q&A No.443/従業員の夏季休暇と、有休の計画的付与

12.20269月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14 カラット金合金引き下げへ

13.施設基準の8月定例報告について

14.2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10

15.8月会員無料相談デー

16.41回保団連医療研究フォーラム

17.7月協会活動日誌

 

4.5面】

18.戦後81年特別インタビュー/平和を祈る戦後81募る危機感 被爆した師の教え「勇気を持つこと」(俳優 斉藤とも子)

19.会員写真投稿「平和への飛翔」(吉田真理/武蔵野市)

20.共済部だより

 

6面】

21.研究会・行事ご案内

 

7面】

22.神田川界隈「Patient Centered Care-臨床30年でたどり着いた診療のかたち-」(理事・相馬基逸/品川区)

23.理事会だより

24.暑中お見舞い名刺広告

 

8面】

25.各種助成金一覧

26.圧巻の講演でワンランク上の接遇を伝授

27.第2回メディア懇談会 まもなくオン資訴訟判決/「負けずに繰り返し何度も」 早坂会長が思い伝える

28.「患者提供文書」価格改定のお知らせ

2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10)

2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10)

7月17日付で厚生労働省より「疑義解釈資料の送付について(その10)」が通知されたので、多くの歯科医療機関に関わる部分を以下に抜粋する。
【チタンブリッジ】
(問)チタンブリッジについて、④5⑥⑥、⑤6⑥⑦または⑥6⑦などの分割抜歯や分離切断を行った歯を支台歯とする場合も、当該ブリッジは算定できるのか。
(答)分割抜歯または分離切断した歯を支台歯としたチタンブリッジをやむを得ず製作する場合は、残った歯冠や歯根の状態から、歯科医学的に適切な場合に限り、算定して差し支えない。この場合、チタンブリッジは1装置として取り扱うが、支台歯については、分割抜歯を行った場合には、「M017」ポンティックの留意事項通知(7)のハおよびニと同様の取り扱いとし、分離切断を行った場合には大臼歯1歯分として算定する。なお、分割抜歯や分離切断した歯に対するレジン前装加算は、ポンティックのみ算定する。

施設基準の8月定例報告について

施設基準の8月定例報告について

◆報告事項が一部変更に
今年も施設基準等の届出状況報告(以下、8月定例報告)の時期がきた。2026年度診療報酬改定により、定例報告事項の一部が撤廃され、報告内容が変更されている。
25年度まで報告対象となっていた歯科初診料の注1(歯初診)の施設基準、歯科衛生実地指導料(実地指)・訪問歯科衛生指導料(訪衛指)の算定実績および金属床総義歯等の選定療養の実施状況等の報告は不要となっている。
なお、定例報告に使用する様式は、関東信越厚生局のホームページに掲載される予定で提出期限は8月31日(月)とされている。様式の提出先は関東信越厚生局東京事務所となる。
◆ベースアップ評価料の中間報告について
26年6月1日時点で、歯科外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準の届出を行っている全ての医療機関は、8月に賃金改善中間報告書(以下、中間報告書)を提出する必要がある。何らかの理由により、算定実績がなかった場合でも、実績「0件」として報告を行わなければならない。
さらに、26年3月1日時点で算定を行っていた医療機関は、中間報告書に加えて、25年度分の実績報告書も提出が必要となる。


協会では、デンタルブックで実績報告および中間報告の届出書の作成方法を解説する動画を公開しているので、ぜひご視聴いただきたい。
なお、歯科技工所ベースアップ支援料の実績報告は、27年8月に提出予定のため、26年の提出は不要。

2026年9月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14カラット金合金引き下げへ

2026年9月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14カラット金合金引き下げへ

7月22日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、歯科用貴金属価格の9月随時改定が決定した。
9月1日からの歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金(金パラ)の告示価格は1g当たり5232円(5746円から514円の引き下げ)、30g当たりで15万6960円(17万2380円から1万5420円の引き下げ)となる。
また、歯科用貴金属の随時改定では、金パラのほか銀合金、14カラット金合金も引き下げとなる。
9月からの詳細な点数は、公表され次第、本紙および協会ホームページ、デンタルブックなどでもお知らせする。

光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は8月末まで!

光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は8月末まで!

現在、光ディスクなどでレセプト請求を行っている医療機関が10月以降も引き続き同じ方法で請求を継続するためには、「光ディスク等を用いた請求に係る猶予届出書兼オンライン請求への移行計画書(様式第1号)」(以下、猶予届)の提出が必要となっている。届出は1年更新のため、毎年提出する必要があり、継続を希望する場合には8月31日までに医療機関等向け総合ポータルサイトから猶予届を提出する。
なお、書面での提出も可能だが、その場合は社会保険診療報酬支払基金(支払基金)および東京都国民健康保険団体連合会(国保連合会)にそれぞれ送付する必要があるため、注意してほしい。また、2025年に提出した猶予届の理由と、今年提出の猶予届の間に齟齬が生じないように提出前によく確認する必要がある。
審査支払側は、医療DX化および業務効率化のため、医療機関の置かれている状況を考慮せず、オンライン化を急いでいる。理不尽な理由での差し戻しなど、対応に困った際には、ぜひ協会にご相談いただきたい。

保険収載されたCAD/CAMブリッジ

保険収載されたCAD/CAMブリッジ

協会には毎月1000件を超える保険請求の相談が寄せられている。改定があった今春は、その件数が倍増した。相談の中心はベースアップ評価料、および施設基準に関するものであったが、診療に関する問い合わせで多かったものの一つに、「CAD/CAMブリッジ」がある。
本年6月にこのホームページ上でご紹介したことに続き、今回と来月の2回にわたり、CAD/CAMブリッジの詳細を取り上げることとした。併せて、会員から寄せられている問い合わせを抜粋して掲載するので、診療報酬請求の参考にしていただきたい。
併せて、11月18日(水)にCAD/CAMブリッジに関わる学術研究会を開催するのでご参加いただきたい。

2026年6月、新たに公的医療保険にYAMAKIN株式会社のCAD/CAMブリッジ用材料「KZR-CAD ファイバーブロック シンボー」(図1)が、同社からの保険適用希望書の提出により承認され、企業ルートにより期中収載された。その結果、本材料によるCAD/CAMブリッジが保険適用となった。既に保険適用されてから2カ月が経過しているが、協会には本技術への問い合わせが少なくない。(※)
26年度改定と同時にCAD/CAMブリッジは保険収載されたが、区分C2での新規技術としての期中収載である。したがって、8年前の18年度改定に保険収載された高強度硬質レジンブリッジ「エクスペリア」(株式会社ジーシー)の準用技術の位置付けであり、技術料は3000点が準用されている。なお、この点数の変更は、早くても次期の28年度改定時となる。

表1に高強度硬質レジンブリッジとの違いが比較しやすいよう「CAD/CAMブリッジの留意事項」を示した。


また、(一社)日本歯科理工学会と(公社)日本補綴歯科学会が示したCAD/CAMブリッジの材料要件を表2に示す。現状、表内の(1)はCAD/CAMブリッジとなる。したがって、CAD/CAMブリッジは、2200N以上の荷重に耐える強度が求められている。なお、YAMAKIN社のデータでは、約4500Nの強度があると示されている。次回は、臨床的視点で解説する。

 

 

 

 

 

東京歯科保険医協会
副会長 坪田 有史

集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/9月17・18日に実施予定

集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/9月17・18日に実施予定

協会が行った関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)への開示請求により、9月に実施予定の集団的個別指導の基準平均点数などが明らかになった。
◆基準平均点数は1488点
2026年度の集団的個別指導は、25年度のレセプト1枚当たりの平均点数が東京都の平均点数(1240点)の、1.2倍を超える基準平均点数1488点以上の上位8%にあたる433歯科医療機関を対象に実施される。実際に選定された医療機関の平均点数は1489点以上で、9月17日または18日の2回に分けて行われる(表参照)。

25年度と比べ、平均点数は15点、基準平均点数は18点、それぞれ増点となった。なお、平均点数の算出に使用されるレセプトは、社会保険、国民健康保険の一般分、および後期高齢者分となる。
集団的個別指導の当日は、カルテなどの持参は不要で、2時間の講習を受けるのみである。ただし、正当な理由がなく欠席した場合は、個別指導の対象となるため、通知が届いた際は、必ず参加していただきたい。

 

◆社保研究会で最新情報を解説
なお、8月27日㈭には、26年度の個別指導や集団的個別指導についての解説を行う「社保研究会」をWEB併用で開催する。9月に実施される集団的個別指導の選定や仕組み、現在の個別指導の状況など最新の情報をお伝えする。ぜひ、参加いただきたい。

保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

全国保険医団体連合会(保団連)は628日、第1回代議員会を開催し、全国の協会・医会から代議員、保団連役員、事務局ら総勢297人が参加した。会務報告、2025年度決算報告、監査報告、決議などが審議され、承認された。併せて、新たな歯科代表選出の報告が行われた。

討論には全国から145本の発言通告が寄せられ、当協会からは会員から寄せられた声や、アンケート調査などを基に5本を提出。保団連に改善や活動の必要性を訴えた。

その中で早坂美都会長は、歯科技工所に対して実施した緊急アンケートを紹介し、歯科技工所ベースアップ支援料(歯技ベア)の実効性を高めるよう呼びかけた。それに対し、執行部からは、「歯科技工士の経済問題解決に向けた一助になるものと考え、歯技ベアの届出に協力する立場であるが、あくまでも一助にしかならず、根本的な問題である歯科技工の技術料の低さや『73の形骸化』を解決することが前提である」と回答。歯科技工に関する課題解決への取り組みの重要性について見解を示した。

◆森元理事―宇佐美先生の意思を継ぐ―

一方、65日に保団連の宇佐美宏氏が逝去したことに伴い、新たな歯科代表として第5回保団連理事会(同27日)で森元主税保団連副会長(当協会理事)が選出されたことが報告された。森元歯科代表は、「社会保障を充実させ、患者国民と医療運動を推進することが宇佐美先生の意思を継ぐことになる。一生懸命がんばります」と抱負を述べた。

OTC類似薬の保険給付外し/歯科の軟膏や鎮痛薬まで負担増対象か

OTC類似薬の保険給付外し/歯科の軟膏や鎮痛薬まで負担増対象か

厚生労働省は、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」(座長:武藤正樹/日本医療伝道会衣笠病院グループ理事)を立ち上げ、一部医薬品の自己負担増に向けた検討を始めた。歯科では、口内炎や口唇ヘルペスに対する一部の軟膏で自己負担額が増加する可能性が高まっている(表1)。

◆顎関節症への影響は… 曖昧な境界線

検討会では、使用頻度の高い鎮痛薬についても議論し、抜歯後の疼痛管理などの処置に伴う数日分の処方は、負担増の対象外とする方向性を示している(表2)。

しかし、例えば、具体的な処置を伴わない顎関節症の関節痛に対するロキソプロフェンナトリウム水和物の処方では、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会の審査提供事例で、審査上は認められているが、これが負担増の対象になるか否かは、現段階の資料からは読み取れず、境界線は曖昧なままである。

◆症状等に応じた負担割合 の変更は避けるべき

市販のOTC医薬品で対応できる症状であれば、患者は医療機関を受診しない。にもかかわらず、受診した患者の症状や処置などの有無によって窓口の負担割合を細かく変動させる仕組みは極めて不合理だ。

さらに、その複雑な運用への対応や患者への説明などの負担は、全て矢面に立つ現場の医療機関へと重くのしかかる。このような混乱を招き、患者に必要な医療へのアクセスを阻害する複雑な制度は導入すべきではない。協会は、患者が医療を安心して受けられるための働きかけを行っていく。

健康保険証での資格確認 7月末で終了/今後はマイナ保険証・資格確認書で

健康保険証での資格確認 7月末で終了/今後はマイナ保険証・資格確認書で

厚生労働省は、8月以降に従来の健康保険証による資格確認ができなくなると通知した。これにより、医療機関での資格確認は「マイナ保険証」「資格確認書」のいずれかで行う必要があり、健康保険証のみの持参は「保険証忘れ」と同じ扱いになるため注意が必要だ(表1)。

8月は後期高齢者の資格確認書の更新時期だが、今回から84歳以下でマイナ保険証の利用頻度が高い*被保険者には資格確認書が自動発行されない運用へ変更される(表2)。
◆進まないトラブル対応
マイナ保険証の利用拡大が進む一方、転居時の情報反映の遅れによって「資格無効」と表示されるなど、システムトラブルへの対策は不十分なままだ。厚労省は「マイナポータル画面」の提示などの代替措置を講じているが、現場の窓口対応を複雑化させている。マイナ保険証やマイナポータルの利用拡大よりも、カードリーダーを用いたオンライン資格確認システムを改善する方が重要である。

混乱を避けるため、協会は全ての後期高齢者への資格確認書交付の継続を求めており、5月27日には東京都に対して「75歳以上の方への資格確認書の一律公付継続を求める要望書」を提出した。大阪府では2026年度も全員への送付が決定している。
このように、当面は一斉交付を継続するなどの柔軟な対応が求められる。

第2回メディア懇談会/まもなくオン資訴訟判決「負けずに繰り返し何度も」

2回メディア懇談会/まもなくオン資訴訟判決「負けずに繰り返し何度も」

 早坂会長が思い伝える

協会は710日、第2回メディア懇談会を開催し、医療資材の供給不足や歯科技工所ベースアップ支援料に関する歯科技工所へのアンケート結果などを基に懇談。早坂美都会長、広報・ホームページ部の小林顕部長が出席し、メディア側は45名が参加した。

早坂美都会長

小林顕広報・ホームページ部長

不安定な中東情勢の影響により、多数の医療機関が直面している医療資材の不足を受けて実施したアンケートからは、代替品で対応したり、普段とは異なるサイズのグローブを使用したりしているという会員の声を紹介。供給状況が改善しても、価格が高騰していることで医療機関の経営を圧迫している状況を伝えた。

 

また、916日に判決が言い渡される、いわゆる〝オン資訴訟〟に関連して「この問題で診療を続けられなくなった先生も多くいる。デジタル化が多様な分野で進んでいるが、拙速に過ぎる様子がうかがえる」「必要な設備は国が貸与するべきではないか」などの意見が上がった。この問題に関連して早坂会長は、これまでの行政、議員への要請活動を振り返りながら「負けずに繰り返し何度も訴えていく。オン資の問題も引き続き頑張って取り組みたい」と意気込みを示した。

8月の施設基準に関する定例報告は大幅に削除・廃止になっています!

 

↑ 各診療所に上記のハガキが届いています。
例年とデザインにあまり変化が無いので、同様の報告が必要だと思われる医療機関が多いようです。
初診料の注1の施設基準(歯初診)の研修会受講日や歯科衛生士の実地指導の報告などは廃止となっていますので、多くの歯科保険医療機関は報告が不要となっています。
詳細は下の厚生局の該当ページからご確認ください。

関東信越厚生局「歯科診療所に係る定例報告等について」

▼8月に定例報告が必要な主な施設基準などについての解説および届出状況の調べ方▼
① 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(歯外在ベ)
② 在宅療養支援歯科診療所1・2(歯援診1・2)
上記①②以外は特殊なものです。以下の画像に解説を載せています。
画像を押すと大きな画像が開きます。

 

 



また、以下のリンクから自院の施設基準の届出状況を確認していただき、万が一要件を満たしていないものがあった場合のみ「辞退届」を厚生局へ提出してください。
東京都の歯科保険医療機関の施設基準の届出状況一覧(2026年6月1日時点)(PDF版)
東京都の歯科保険医療機関の施設基準の届出状況一覧(2026年6月1日時点)(Excel版)
※Windowsはキーボードの「Ctrlキー+Fキー」、Macは「Command+F」でページ内検索ができます。
※検索項目は、「医療機関の電話番号」もしくは「医療機関コード(7桁)」で入力してください。

 

【談話】機械的な目標設定を排し、適切な歯科医療を提供できる実効性ある施策を求める

【談話】機械的な目標設定を排し、適切な歯科医療を提供できる実効性ある施策を求める

7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2026」(以下「骨太の方針2026」)が閣議決定された。骨太の方針2026は今秋から本格化する来年度の国家予算の方向性を示すものであり、今後の歯科医療提供体制を占う上で極めて重要な指標である。

骨太の方針2026には、歯科専門職の偏在・離職対策、いわゆる「国民皆歯科健診」の具体化、オーラルフレイル対策をはじめとする口腔健康管理の推進など、国民の健康寿命を延伸し安心・安全な歯科医療を提供するために重要な項目が昨年から引き続き盛り込まれた。さらに、物価高騰等により医療機関の経営に支障が生じた場合、2027年度予算編成過程で診療報酬上の必要な調整を行うとした点など、医療現場への一定の理解を示す記載も見られる。

しかしながら、歯科医療提供体制を揺るがしかねない重大な懸念も含まれている。以下の観点から国に対して強い懸念を表明するとともに、適切な施策と予算の確保を強く求める。

医療給付費の「数値目標」の導入は容認できない

本方針では社会保障改革の継続が示され、医療給付費について対GDP比や雇用者報酬の伸び等を参照した抜本的な見直しを行うとされた。医療給付費を経済指標などで機械的に抑制する手法は断じて容認できるものではなく、必要な医療が確実に提供されるように充実させることこそ最も重要である。

現在、中東情勢をはじめとする世界情勢の影響により歯科医療資材や光熱費などの高騰が著しく、現場の経営は厳しくなっており、閉院する医療機関も多い。現状では、医療従事者の処遇改善や、歯科医療の充実を図ることが求められている。悪影響を最終的に被るのは国民・患者にほかならない。

高齢者の窓口負担見直しによる「受診抑制」

高齢者の窓口負担割合について、原則3割の現役世代との均衡を図る見直しが盛り込まれた。一定の配慮措置が示されているとはいえ、自己負担増が受診抑制を引き起こすことは目に見えている。受診抑制により口腔環境が悪化すれば、結果として歯科疾患だけでなく全身疾患の重症化をも招き、医療費全体の増大につながる恐れもある。

寝耳に水の「OTC類似薬の保険給付範囲の更なる縮小」

2027年3月より、77成分1100品目のOTC類似薬の保険給付範囲が縮小され、自己負担が上がる。骨太の方針2026では、この保険給付範囲の縮小を今後推進する検討を進めることが書き込まれた。OTC類似薬の保険給付の在り方は厚生労働省の検討会で議論されている最中であり、その結論さえ待たずに保険給付範囲の更なる縮小を盛り込むことは、厚生労働省の委員だけでなくOTC類似薬が欠かせない患者・国民の意見を軽視しており容認は到底できない。

社会保障改革は、現場の声を踏まえてこそ

最も重要なのは、今秋以降の予算編成過程やそれに係る施策の検討において「適切な医療を提供できる施策が結実するか」である。そのためには、現場の声が欠かせない。

当会は、国民がいつでも安心して質の高い歯科医療を受けられる体制を維持・向上させるため、今後も現場の切実な声を国や行政へ届けるべく全力で取り組んでいく。

2026年729
東京歯科保険医協会 運動本部長
早坂 美都

熊本地震による被害へのお見舞い

このたびの熊本地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
1日も早い復興と皆様のご健康を心からお祈り申し上げます。

2026年7月29日
東京歯科保険医協会 役員・事務局一同

 

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)7月1日号



東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)71日号

こちらをクリック▶歯科保険医新聞2026年(令和8年)7月1日号No.676

【お詫びと訂正】本紙2026年6月1日号(第675号)2面に掲載した「2026年6月歯科用貴金属の改定情報」に誤りがありました。お詫びするとともに訂正いたします。

 

 

 

【1面】
  1.第54回定期総会/賛成多数で6議案承認
  2.第54回定期総会決議
  3.資材不足と価格高騰 歯科医療を直撃/医療資材不足アンケート<7面に続く>
  4.9月16日判決/控訴審が結審 オン資義務化撤回訴訟 「理論の整合性取れている」弁護団が見解
  5.探針

【2面】
  6.2026年度診療報酬改定情報
  7.CD-ROMなどでのレセプト請求/移行計画書は8月末までに
  8.「キャンセル料の徴収は『選定療養』のみ」に!!/厚労省が訂正を通知
  9.第54回定期総会懇親会参加来賓一覧(順不同、敬称略)
10.第54回定期総会祝電・メッセージ等一覧(順不同、敬称略)              

【3面】
11.公費助成制度に係る資格確認方法/オン資不具合▼マイナポータル画面での確認も可能に
12.PMHシステム改修費/26年度助成金申請受付がスタート
13.第2回新点数説明会今次改定の留意点を解説
14.第3回新点数説明会/在宅医療のポイント説明
15.「患者提供文書」価格改定のお知らせ

【4面】
16.経営・税務相談Q&A No.442/患者から「話し方が冷たい」と言われたら―信頼関係を築く接遇のポイント―
17.支援金情報/「賃上げ・物価上昇支援事業」「東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金」
18.「保険でよい歯を」東京連絡会市民講演会
19.第41回保団連医療研究フォーラム
20.7月会員無料相談デー

【5面】
21.研究会・行事ご案内

【6面】
22.連載/協会探訪 その⑪歯科医療の歴史と保険医協会/補綴含む歯科医療の背景に歯科医師法と健保法
23.「勉強が楽しい」/講習会会場で聞いた〝あの声、この声〟
24.共済部だより

【7面】
25.<1面からつづく>医療資材不足アンケート このままでは診療に影響大/資材確保と診療報酬引き上げを
26.神田川界隈(副会長・加藤 開/豊島区)/2026年度診療報酬改定                                                                                                                                                                                                                                                              
27.会員無料/「夏季休診案内」のご紹介
28.6月協会活動日誌
29.理事会だより
30.訃報/宇佐美宏保団連歯科代表 急逝
31.お詫びと訂正

【8面】
32.資材不足解消・患者負担増の中止求める/早坂会長 国会議員へ緊急要請
33.懇親会/会員交流深める 協会活動への期待も 第54回定期総会―多くの会員が来場
34.パブリックコメント提出のご協力とお願い/「歯科は後回し」とならないよう高額療養費制度の自己負担増に反対意見を
35.投稿募集



ご案内「令和8年度東京都歯科医師認知症対応力向上研修」

東京都から、「認知症対応力向上研修」の開催をお知らせします。都内に勤務する歯科医師や歯科医療従事者の方を対象に、認知症のあるご本人・ご家族を支えるための必要な基本知識や対応に当たっての歯科診療の実践、地域・生活における実践等に係る研修をWEB配信で開催します。

日 時
第1回 8月24日(月)午後6時から午後8時30分まで(ライブ配信)
第2回 9月10日(木)午後6時から午後8時30分まで(第1回の録画を配信)
※第1回と第2回は同内容を配信しますので、ご都合に合わせてお申し込みください。
内 容
「歯科の目線から認知症の人の食と生活を支援するための基礎知識(総論)」
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム 認知症と精神保健
歯科医師/専門副部長 枝広 あや子

「認知症の人への歯科医療を支えるために実践編
東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科部長・研究所 研究部長 平野 浩彦
対象者:東京都内で勤務(開設を含む)している歯科医師
※歯科衛生士など他の歯科医療従事者の方の受講も受け付けていますが、定員を超過した場合は歯科医師を優先させていただきます。
定 員:各450名
受講料:無料(研修視聴時のデータ通信料は受講者負担となります。)
形 式:ZoomによるWEB配信(詳細は、参加者に別途お知らせします。)

申込期限:第1回8月20日(木)正午まで
     第2回9月7日(月)正午まで

申込方法:以下のフォームから申し込みください。
▼申込URL
https://logoform.jp/form/tmgform/1640008
申込みフォームに登録されたメールアドレスに、開催2日前までに当日の参加招待メールをお送りします。

【アンケートご協力のお願い】
本研修会開催に当たり、講師から事前アンケートへの協力のお願いがありますので、ご回答いただきますようお願いします。 
回答期限:7月31日(金)正午
▼アンケート
https://forms.gle/rcj1BtCURkr8hp4A7

 

改定テーマにシンポジウム/疑問解消へ活発な議論

改定テーマにシンポジウム/疑問解消へ活発な議論

定期総会終了後には、シンポジウム「今次診療報酬の〝?〞を〝!〞に変えるシンポジウム―疑問が納得に変わる―」を開催した。

このシンポジウムは、今次改定に伴い現場で生じている疑問点を解決し、日常診療に役立てることを目的に行われ、各分野の担当役員が具体例を交えながら解説した。司会は坪田有史副会長が務め、①補綴治療と歯科技工士連携、②医科歯科連携、③口腔機能管理と訪問診療―の3テーマについて、シンポジスト4名が説明した。

「診療に生かしたい」の声

まず「補綴治療と歯科技工士連携」では本橋昌宏副会長が担当。チタンブリッジや暫間歯冠補綴装置、歯科技工所ベースアップ支援料、クラウンなどの除去料について、実際の症例をもとに算定や運用上の留意点を説明した。特に、今次改定で関心が高まっている暫間歯冠補綴装置と歯科技工所ベースアップ支援料については、参加者から多くの質問が寄せられ、算定要件や歯科技工所との連携の在り方について活発な意見交換が行われた。

次に「医科歯科連携」は加藤開副会長、濱﨑啓吾理事が担当し、歯周病継続支援治療(SPT)、診療情報等連携共有料、歯科治療時医療管理料、総合医療管理加算などについて説明した。高齢化が進む中、全身管理を踏まえた歯科医療の重要性が高まっていることを背景に、医科との情報共有や連携体制の必要性を強調。会場からは、診療情報等連携共有料をどのように日常診療へ取り入れるかなどを巡る質問が相次ぎ、具体的な運用方法に高い関心が集まった。

最後の「口腔機能管理と訪問診療」は、池川裕子・松島良次の両理事が担当した。口腔機能低下症や口腔機能発達不全症の基本的な考え方、管理料の算定方法、新設された口腔機能実地指導料について説明した。また、在宅や施設での訪問診療の重要性にも触れ、地域包括ケアの中で歯科が果たす役割について解説した。参加会員からは、口腔機能管理料12の違いや、NSTとの関係を含めた口腔機能実地指導料の算定方法など、実務に直結する質問が多く寄せられた。

なお、参加者からは「制度の趣旨が理解できた」「日常診療に生かしたい」といった声が聞かれ、今次改定内容の理解を深める有意義な機会となった。

CD-ROMなどでのレセプト請求 移行計画書は8月末までに

CD-ROMなどでのレセプト請求 移行計画書は8月末までに

厚生労働省は6月10日、2026年10月以降もCD-ROM等を用いた請求を継続する場合には、届出書および移行計画書を8月31日までにポータルサイトで回答するか、書面で様式を提出する必要がある、と保険局長名で通知した。
書面で提出する場合は、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と東京都国民健康保険団体連合会(国保連合会)にそれぞれ提出する必要があるため注意してほしい。
なお、厚労省はポータルサイト上のWEBフォームでの提出を原則としている。昨年は、7月に支払基金や国保連合会から医療機関に案内が届いていたことから、現在も光ディスクでレセプト請求を行っている場合は、今後の通知を十分注視することが必要だ。
◆詳細は8月号で紹介
提出先などの詳細については、東京歯科保険医新聞8月号に掲載予定。

「キャンセル料の徴収は『選定療養』のみ」に!!

「キャンセル料の徴収は『選定療養』のみ」に!!

◆「誤った」解釈広がる

厚生労働省は327日付で、「『予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料』を保険診療とは別に徴収できる」と通知したため、歯科診療など一般的な予約においても、キャンセル料を徴収できるとの解釈が広がった。

しかし、厚労省は529日付で訂正通知を出し、これは「選定療養費における予約に基づく診察」のみに限定されることを訂正・通知した。通常の歯科診療の予約については、キャンセル料を徴収できないことを明示し、注意を求めた。

◆求められる正確かつ慎重な情報発信

当初公表された通知の文言が誤っていたことにより誤解を与え、医療機関などに混乱をきたした今回の問題。正確かつ慎重な情報発信を行うとともに、訂正は速やかに行うよう再発防止策を講じるよう求める。

資材不足と価格高騰/歯科診療を直撃/このままでは診療に影響大 資材確保と診療報酬引き上げを

資材不足と価格高騰/歯科診療を直撃/このままでは診療に影響大 資材確保と診療報酬引き上げを

医療資材不足アンケート

協会は、515日から31日にかけ、会員を対象とした「医療資材の在庫・供給状況緊急アンケート」を実施した。メール・FAXで会員5,215名にアンケートを送り、300医療機関(回答率5.8%)から回答を得た。その結果、94.0%が医療資材の入手困難を経験し、34.0%が既に診療への影響を受けていることが明らかとなった。

特に不足が深刻な資材は、グローブ(80.0%)、エプロン(58.7%)、滅菌バッグ(51.3

%)など、全て日常診療や感染対策に欠かせないものばかりである。回答者からは、「予約枠を縮小している」「治療延期も行っている」「代替品で対応している」など、切実な声が寄せられた。

代替品でしのぐ現場/高まる診療への不安

入手困難となっている上位3品目であるグローブ、エプロン、滅菌バッグの在庫状況を見ると、長くても3カ月分しかなく、多くは1カ月以内との回答であった()。歯科医療機関では3カ月後の診療予約を取ることもあるが、その時になっても必要な資材が確保できる保証がないという状況に置かれている。

また、従来使用していた製品の入手が困難となり、やむを得ず代替品へ切り替えているとの回答も寄せられた。サイズや使用感、品質や性能が普段とは異なる資材を使用しながら診療を継続している実態もみられる。現場の努力によって診療は維持されているものの、本来使用したい資材を十分に確保できない状況が続けば、医療提供体制への影響も懸念される。 歯科医療機関は患者の治療継続に責任を持ちながら先行きの見通しが立たない中で診療を続けている。

資材は確保できても/価格は下がらない

さらなる問題は価格高騰である。資材が確保できたとしても、購入価格は以前より大幅に上昇しているため多くの医療機関が経営上の負担増を訴えている。中東情勢や原材料価格の上昇などを背景に、今後の大幅な値下がりは期待しにくい状況だ。

今次診療報酬改定では/物価高騰対応は不十分

今次診療報酬改定では、物価高騰への対応が行われたが十分とは言えない。医療資材費をはじめ、人件費や光熱費なども上昇を続ける中、保険診療を担う歯科医療機関の経営は厳しさを増している。

安全で質の高い歯科医療を継続的に提供するためには、実態に即した診療報酬の期中改定や支援金の支給などによる対応が必要である。

【9月16日判決】控訴審が結審 オン資義務化撤回訴訟/「理論の整合性取れている」弁護団が見解

【9月16日判決】控訴審が結審 オン資義務化撤回訴訟/「理論の整合性取れている」弁護団が見解

記者らに説明する原告団

 オンライン資格確認システムの導入義務化を巡る訴訟の控訴審が6月10日、結審した。判決は9月16日(水)に言い渡される見通し。東京高等裁判所で行われた第3回口頭弁論には、原告18名が集まり、66名が傍聴席から見守った。原告側から提出された書類を確認した上で、三木素子裁判長は控訴審の結審を告げた。
 その後に行われた記者・原告説明会には、本訴訟の中で陳述書を提出した原告の石毛清雄氏(千葉市/天台歯科医院)が出席。オンライン資格確認が義務化されたことを受け、2027年1月を目途に閉院する予定で、「患者が減少する中で、(電子カルテなどを含む)オンライン関連の事業で医療機関が今後どのような影響を受けるか分からない。ここでやめるのが一番良いと考えた」と苦しい胸の内を明かした。

◆最高裁も視野に
 原告弁護団は、控訴審の結果に関わらず最高裁まで進む可能性が高いと指摘。既に多くの医療機関でオンライン資格確認システムが導入されている現状に触れ、喜田村洋一弁護士は「私たちが確認したいのは、カードリーダーを設置しなければいけない義務がないということだけ」と、現場の実態と訴訟の位置付けは異なることを指摘し、「少なくとも理論、あるいは法律全体の整合性は取れている。国の主張は我々の主張に向き合っていない」と原告優勢であるとの見方を示した。

連載/協会探訪 その⑪ 歯科医療の歴史と保険医協会<補綴含む歯科医療の背景に歯科医師法と健保法>/東京歯科保険医協会会長 早坂美都

連載/協会探訪 その⑪ 歯科医療の歴史と保険医協会<補綴含む歯科医療の背景に歯科医師法と健保法>/東京歯科保険医協会会長 早坂美都

私たち歯科保険医が、毎日、当たり前のように行っている歯科医療。今年も会員の先生方は、診療報酬改定で大変な苦労をしていることと察します。

東京歯科保険医協会は、医療運動、診療報酬改善、学術向上の融合的な発展を目指していますが、元々は運動団体です。19734月、「歯科保険医の経営・生活ならびに権利を守り、国民の歯科医療と健康の充実および向上をはかることを目的」に設立され、発足時にはたった180名の歯科医師でした。

以後、歯科保険医の要求に基づく自主的な団体として、今日までさまざまな活動を展開。その結果、会員数は202661日現在で6,094名となっています。

【大正11年の健康保険法制定から歯科医療は保険給付に】

1906年に旧歯科医師法制定さる

現在の日本の歯科医療制度の基礎ができあがったのは、1906(明治39)年で、旧歯科医師法が旧医師法と同じ時期に制定され、歯科医師が独立した専門職として法律に位置付けられました。

その16年後の1922(大正11)年に健康保険法が制定されました。関東大震災などの影響から保険給付は4年後の1926年から始まりました。そして、制度発足当初から、歯科医療(補綴を含む)は医療と同様に保険給付となりました。

このことは、日本の歯科医療の歴史の大きな転換点でした。補綴治療を保険給付することについては、時代背景とともにかなり議論されたようです。

【歯科補綴への健康保険給付】

ところで、旧歯科医師法についてですが、私が調べたところでは、1896(明治29)年頃から旧医師法を制定する動きがありました。しかしながら、1899(明治32)年に明治医会(東京帝国大学医学部系)が発表した医師法案は、「歯科医師について,本法は適用しない」との内容でした。その後、医師法案に歯科医師を入れる方策がないか、歯科関係者の間で医科関係団体との交渉を含めた対応が続きました。その結果、当時の大日本歯科医師会は、医師法とは別に歯科医師の身分に関する法律を制定することを目指し、歯科医師法草案を190410月に作成し、19063月、帝国議会で「医師法」と「歯科医師法」が同時に可決・成立しました。

一般的には、新たな法律を制定するには、それ相応のプロセスを要します。おそらく当時のこの動きがなければ医師法のみが制定され、歯科医師法の制定までには、さらに相当な時間を要した可能性が高いと考えられます。医師法と同時に歯科医師法が制定されたことで、その後の健康保険法の制定による診療報酬制度に対しても影響が出た可能性は否定できません。

健康保険法(1922年制定)では、歯科の給付において「保険経済上の観点から当分の間、歯科技工を含まない」との政府の方針がありました。補綴を給付に含めると保険財政が圧迫されてしまうことを懸念したためです。また、諸外国の給付状況も参考にされました。健康保険制度が始まった頃にモデルとなったヨーロッパでは、16カ国中歯科の給付が行われていたのはその半分でした。さらに、補綴を給付していたのは、イギリス、ソビエト、ハンガリーなど、わずかな国々だけだったのです。

歯科補綴への健康保険給付に対して、当時の日本聨合歯科医師会は血脇守之助会長名で内務大臣に対して「歯科治療は補綴を含めてはじめて意味があり、除外するのはおかしい」趣旨の意見書を提出しています。結果的に我が国の医療保険では、制度開始時から歯科補綴を含む標準的な歯科治療の多くが保険給付されています。

最近では、急速な人口の高齢化により、医療・介護の連携、要介護者に対する在宅歯科医療を提供していく機会が増えています。その多くが義歯の修理や調整であることを考えると、義歯の保険給付がなければ非常に困難な状況になることは容易に想像できます。少子高齢化に伴い、基礎疾患を持つ高齢者の歯科治療が増えてきております。このような状況を背景に、今後の歯科医療政策では、適切な歯科保険診療の充実と歯科医師臨床研修制度や教育内容などを含めた歯科医師養成が重要になります。

先人が築いた歯科医師法と健康保険制度で、歯科補綴を含めた歯科医療の基礎があるからこそ、私たち歯科保険医は国民皆保険を継承し、さらに発展をさせる必要があります。

次号より、日本における歯科医学の発展や歴史と共に、私たちが所属する「保険医協会」がどの地域から始まったのか、その後、どのような歩みにより日本全国に広がっていったのか、少しずつ紹介していきます。

≪参考文献≫

◆「日本の歯科医療制度の礎とこれからの展望」,上條英之(東京歯科大学歯科社会保障学教授),歯科学報

◆「戦後保険医運動の歴史」,保団連,労働旬報社

第54回定期総会で「決議」を承認

54回定期総会で「決議」を承認

決議

今次の歯科の診療報酬改定においては、医療機関の物件費負担の増加を踏まえた歯科初・再診料等の引き上げ、歯科外来物価対応料や歯科技工所ベースアップ支援料の新設、CAD/CAM冠・インレーの大臼歯までの適応拡大と咬合支持の有無などの要件廃止、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の算定要件や対象患者の拡大、麻酔薬剤料の算定対象の拡大、歯科用合着・接着材料の区分変更などの改善が行われた。しかし、20251224日に大臣折衝を経て決定された、2026年度診療報酬の本体は3.09%の引き上げとされたものの、その多くが賃上げ分など使途を限定したものになっており、歯科医療の充実につながる技術料に相当した引き上げ部分は0.31%に過ぎない。物価高の中、これでは歯科医療提供体制の充実は進まない。

さらに追い打ちをかけるように、緊迫する中東情勢を受けた原油価格の高騰が、歯科医療現場に深刻な打撃を与えている。日常診療に不可欠な医療用手袋や滅菌袋、医療用エプロンなどの資材不足が顕著となっており、国の備蓄放出が行われるも、現場が求めるサイズ等のニーズを十分に満たしていない。これら医療資材の枯渇は診療制限に直結し、患者の口腔の健康を根本から脅かすものである。

加えて、本国会で成立した「健康保険法等の一部を改正する法律案」も看過できない。薬剤費に留まらず、検査や処置等の診療行為にも拡大可能な「一部保険外療養」の創設は、患者の自己負担を加速度的に増加させ、受診抑制による疾病の重症化を招く。特に歯科においては、重症化による抜歯やそれに伴う補綴処置の増加を引き起こし、結果として歯科医療費の膨張を招くという悪循環を生むことは明白である。

また、協会は安心安全な歯科医療の提供を脅かす動きに強く反対し、原爆投下80年の節目を超えてなお戦争が続く世界情勢に断固抗議する。

私たちは、国民の生活、歯科医療の充実、およびその前提である平和な社会を脅かす動きを断じて許さず、社会保障の充実を通じて誰もが安心して暮らせる社会を実現するため、以下の要求を表明する。

一.国は、現行の社会保障制度を後退させず、世界の国々が模範とする日本の社会保障制度をさらに充実させること。

一.国は、歯科医療の充実や医療従事者の処遇改善が進むよう、診療報酬を大幅に引き上げること。

一.国は、医療用手袋や滅菌袋、医療用エプロンなど重要な医療資材の安定供給に資する実効性ある対応を行うとともに、物価高騰に対応した緊急の財政措置を図ること。

一.国は、患者の自己負担増と受診抑制を招き、歯科医療を崩壊させる「一部保険外療養」の創設を見直すこと。

一.国は、健康保険証の発行停止を撤回すること。少なくともマイナ保険証の有無にかかわらず資格確認書を一斉発行するよう、各自治体に要求すること。

一.私たち歯科医師は、平和を妨げるすべての動きに反対する。

以上

2026年6月14日

東京歯科保険医協会 第54回定期総会

第54回定期総会/賛成多数6議案承認

第54回定期総会/賛成多数6議案承認

協会は6月14日、千代田区のKKRホテル東京で2026 年度第54回定期総会を開催した。第1部の総会に53人、続く第2部のシンポジウムには72人、その後の懇親会には82人が参加した。

挨拶した早坂美都会長

定期総会の開催にあたり、早坂美都会長は、「近年の物価高騰や人手不足が医院経営に影を落とし、国民の口腔内の健康を守ることが厳しい中で、国会議員要請や国会内集会などを実施し、現場の声を伝えてきた。会員を支え、都民、そして国民がより安心して歯科医療を受けられるよう尽力していく」と挨拶した。
続いて関係団体や議員から寄せられた祝電とメッセージが紹介された後、議長に橋村威慶氏(文京区)、副議長に島倉洋造氏(千代田区)が選出された。議事では① 2025 年度の活動報告、② 2025年度決算報告、③ 2026年度の活動計画案、④2026年度予算案、⑤選挙管理委員、⑥決議―の6議案の全てが賛成多数により承認された。

質疑応答の中では、4名の会員から「診療報酬改定において協会が厚労省に要請した内容を教えてほしい」「各社からさまざまな無料セミナーやサービスの営業を受ける中で、協会はどのように組織拡大に取り組んでいくのか」「集団的個別指導や高点数による個別指導を不安に思う会員が多い。そのような会員の不安を払拭するために、広報をどのように進めていくのか」「集団的個別指導の基準となる平均点数の算出に問題があり、改善するよう要望してほしい」などの質問や意見が出され、早坂会長、加藤開副会長が回答した。
◆故・川戸理事に感謝状/川本理事が退任
3月に逝去した川戸二三江理事(渋谷区)の生前の活動や功績に感謝の意を表し、早坂会長が感謝状を読み上げた。さらに、2019年2月から理事を務めた川本弘氏(足立区)が本総会をもって退任することとなり、感謝状と花束が贈呈された。

定期総会に参加した会員

東京都歯科技工士会・石川功和会長インタビュー/新設の〝歯科技工所ベア支援料〟歯科医院に望むこと

東京都歯科技工士会・石川功和会長インタビュー/新設の〝歯科技工所ベア支援料〟歯科医院に望むこと

2026年度診療報酬改定では、歯科技工士の賃上げを目的とした歯科技工所ベースアップ支援料が新設された。ベースアップ評価料の導入から2年―。ベースアップに関する新たな診療報酬に対し、現場は何を感じているのか―。本紙5月号の東京都歯科衛生士会への取材に続き、今号では東京都歯科技工士会・石川功和会長にお話を伺った。

― 歯科技工所ベースアップ支援料が新設された意義をどのように捉えていますか。
歯科技工所ベースアップ支援料は、単なる加算ではなく、歯科技工士の処遇改善と人材確保を目的とした施策として位置づけられた点に大きな意義があると捉えています。歯科技工士に関する加算が明示されたことも含め、診療報酬の中で歯科技工士の役割や重要性がこれまで以上に明確に示されたことは、大きな前進であると考えています。
さらに、前回、前々回の「骨太の方針」においても歯科技工士に関する記載が盛り込まれたことは、国として歯科技工提供体制の維持や人材確保を重要な課題として認識し始めた表れであり、大変意義深いものと受け止めています。歯科技工士不足や高齢化が進む中、本制度が将来にわたり安定した歯科技工士の確保につながることを期待しております。

― 歯科技工所ベースアップ支援料が新設されたことを受けて、歯科医院に望むことはありますか。
歯科技工所ベースアップ支援料につきましては、単なる技工料金の値上げとしてではなく、将来にわたり良質な歯科医療提供体制を維持するための施策としてご理解いただきたいと考えております。
現在、歯科技工士不足や高齢化が進む中、安定した歯科技工提供体制の確保は歯科医療全体の重要な課題となっています。一方で、現場からは、本支援料の趣旨や配分方法について、歯科医師側にもまだ十分に浸透していないとの声も聞かれております。ぜひ、お付き合いのある歯科技工所から本制度に関する相談や説明があった際には、その趣旨をご理解いただき、お話を聞いていただければ幸いです。

― 東京都内の歯科技工所の状況を踏まえ、歯科医療機関に伝えたいことはありますか。
東京都内においても、歯科技工士の高齢化や人材不足は年々深刻化しており、将来にわたる良質な歯科補綴物の安定供給体制の確保が大きな課題となっています。そのような中で、私たちが製作した補綴物が患者さんの口腔内で良好に機能することは、歯科医療全体の価値を高めるうえでの基本中の基本であると考えています。
それは歯科技工士だけの力で成り立つものではなく、適切な診断・治療計画の立案・形成・印象採得などを担う歯科医師、口腔衛生管理や予防処置、保健指導を担う歯科衛生士、そしてその情報をもとに補綴装置や義歯などを製作する歯科技工士など、それぞれの専門職が連携することで、質の高い歯科医療が実現できます。今後も良質な歯科医療を維持していくため、歯科技工士との連携とご理解をより一層お願いしたいと思っております。
今回のベースアップ支援料の新設をはじめ、歯科技工士に対する支援体制が整備されてきていることは、大変ありがたく心強いことだと感じています。一方で、単に厳しい現状を訴えるだけではなく、今後は歯科技工士という仕事の素晴らしさや魅力、そして人の健康や笑顔を支えるやりがいを広く伝えていくことが重要だと考えています。そのことによって、自ら歯科技工士を目指したいと思う若い世代が一人でも増えていくことを願っております。