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8月定例報告を巡り歯科医療機関大混乱 協会への問い合わせ 8月累計2000件超


8月定例報告を巡り歯科医療機関大混乱 協会への問い合わせ 8月累計2000件超

◆施設基準や選定療養の報告が大幅変更

施設基準の届出や選定療養の報告を行っている医療機関では、毎年8月1日時点の状況を同月31日までに厚生局へ報告することが義務付けられている。2025年度に報告が必要な施設基準等の総数は12項目あり、そのうち一般的な診療所で届出や報告が必要だったのは4から8項目ほどだ。

これに対し、26年度の定期報告からは金属床義歯、歯科衛生実地指導料などの算定状況、初診料(歯科)の注1の報告などが不要となったため、求められる報告は、特別なものを除けばわずか2項目のみに減少した。無駄な事務作業が減ることは大歓迎だが、この大幅な削減が事前に十分に周知されていなかったため、現場では「何を提出すればよいか分からない」など大きな混乱が生じた。

◆混乱の中心はベースアップ評価料の報告

26年度の歯科診療報酬改定では、ベースアップ評価料の仕組みが大幅に変更された。その影響で、同評価料を25年度から算定しており、26年度も引き続き算定を希望する医療機関は、6月1日までに再届出を迫られることとなった。さらに、8月には25年度分の実績報告書および26年度分の中間報告書の提出も必要となり、現場は対応に追われた。

加えて、同評価料の算定を26年度から新たに開始した医療機関においては、6月1日までに算定開始のための届出をするのに加え、8月には26年度分の中間報告書の提出を求められ、混乱に拍車がかかった。

その結果、実績報告書や中間報告書の提出が間に合わない医療機関が続出。最終的に提出締め切りが延長される事態となり、受け手である厚生局の窓口でも大混乱が生じることとなった。

◆分かりにくい制度の問題が露呈

実績報告等の報告書への記載内容自体も分かりづらく、困惑が広がった。そもそも「定期昇給」と「ベースアップ」が明確に区別されていない小規模な歯科医院にとって、ベースアップ評価料の概念自体が理解しにくい。さらに、非常勤やパートタイムの職員を雇用している場合、何を基準に計算すべきかが不透明であった。また、評価料の過不足が生じた際の処理方法や、法定福利費分の扱いが、現場の実務に即していないことも混乱を深める原因となった。

◆交付金との連動でさらに複雑化

東京都の診療所等賃上げ支援事業(給付額15万円)の交付金を、報告書にどのように記載すべきかも大きな問題となった。交付金を活用して引き上げた分は、評価料による賃上げではないため、報告書の計算から除外しなければならない。給与の引き上げ分を、ベースアップ評価料による部分と、交付金による部分、それ以外の部分に分割して計算することが必要となった。

さらに、この交付金制度そのものの設計も不自然であった。制度内容が公表されたのは2月であるにもかかわらず、交付金の対象となる賃上げ期間は「昨年12月から今年5 月まで」と、過去にさかのぼる形に設定されていた。そのため、過去の対象月分については一時金(賞与など)として遡及支給するなどのイレギュラーな対応が必要となり、報告を含めた事務処理を極めて複雑にした。

◆直前の情報開示とつながらない厚生局

必要な様式の公表の遅れもあった。3月に改定内容が発表されていたにもかかわらず、8月報告の用紙や詳細なマニュアルが公開されたのは、5ヵ月も経過した報告書提出月の8月だった。また、ベースアップ評価料関連の届け出に限っては、従来の施設基準の届け出方式とは異なり、原則電子メールでの提出を求められるなど、医療機関は厚生局の都合に振り回され続けた。

こうした状況下で、歯科医療機関が確認のために問い合わせを試みても、厚生局の電話回線は常に話し中で、全くつながらない状態が続いた。
協会への問い合わせ件数も、8月としては異例の2千200件を上回った。

◆混乱の原因を明らかにし改善を

26年度の診療報酬改定は、医療DXの一環として施行時期を後ろ倒しにしてから2回目の改定であった。にもかかわらず、これほどまでに現場が混乱した原因はどこにあるのか。

これまでも混乱を引き起こした診療報酬改定は多々あった。しかし、そのほとんどは診療内容にかかわるものである。

今回の混乱の原因は、診療には直接かかわらない施設基準を設定していること、歯科医療機関の実態を考慮せず、どのような混乱が起きるかも想定せず、ただただ政府の都合で対応を進めたことにあると考えられる。

そもそも施行時期後ろ倒しの本来の目的は、「医療機関・薬局等やベンダの集中的な業務負荷を平準化する」(23年8月2日・第551回中央社会保険医療協議会)ことであったはずだ。しかし、医療機関での業務負荷は平準化どころか、過度の一途をたどっている。厚生労働省は今回の事態の原因を反省し、同じような混乱を起こさないよう対策を取るべきである。

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)9月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)9月1日号

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【1面】

1.熊本地震・千葉豪雨 相次ぐ  全壊で閉院する医療機関も

2.一人で悩まない「安心」をお届けします ぜひ協会へのご入会・ご紹介を

3.OTC負担増による歯科への影響

4.探針

 

【2面】

5.ご注意ください! 2026 2026 年度診療報酬改定における 「画像診断」の考え方について

6.第4回口腔機能実地指導料のための 講習会を開催! キャンセル待ち〝400人超〟の人気講習会

7.第1回 施設基準のための講習会診療報酬改定後初開催76名が参加

8.「よい『歯』連絡会」が市民講演会を開催「口は命の入り口、心の出口」 災害時の口腔健康を考える

 

【3面】

9.医療資材に関する緊急アンケート 価格高騰が顕著

10.「参加してよかった」新規開業医講習会カルテ記載と保険請求の基本を見直す機会に

SPTやCAD/CAM冠、画像診断の算定要件の変更など診療報酬改定内容を網羅

11.2026年 年9月 歯科用貴金属の随時改定情報

 

【4面】

12.パートタイム・有期雇用に関するルールが10月から変わります!

13.第2世代顔認証付きカードリーダー買い替えに関するQ&A

14.第2世代顔認証付きカードリーダー保守期限到来に伴う補助金

 

【5面】

15.研究会・行事ご案内

 

【6面】

16.連載/協会探訪 連載/協会探訪 その⑫  日本における歯科医療のはじまり その その1

17.東京歯科保険医協会 活用ガイド

 

【7面】

18.各種助成金一覧

19.通信員便り

20.理事会だより

 

【8面】

21.遊歩道

22.IT相談室 「ホームページじまい」を考える③ IT版「引き際の思考」

 

【9面】

23.症例研究

 

【10面】

24.引き際の思考

 

【11面】

25.現場の実態を国政へ 今こそ私たちの声を届けよう

26.【予告】物価高・賃料値上げの経営危機を世論に訴え 歯科医療と診療所経営を守る 「いのちまもる総行動」開催へ

27.神田川界隈

28.いまさら聞けない いまさら聞けない…患者提供文書の勘所① 歯科疾患管理料の記載不備を防ぐために 「歯科疾患管理計画書(初回用)」の活用を

29.イイ歯デー&歯の供養祭開催 昨年に続き とげぬき地蔵尊「髙岩寺」で ぜひご参加を!

 

【12面】

30.新 役 員 の ご 紹 介

31.原水禁世界大会2026 世界大会 in 広島 被爆電車に乗って、核兵器廃絶と平和を考える

32.保団連夏季セミナー 医療・社会保障の充実を 加藤・坪田副会長が発言

 

2025年度 「情報提供」による指導実績が計画を上回る 個別指導は103件、新規個別指導は244件に実施


2025年度 「情報提供」による指導実績が計画を上回る 個別指導は103件、新規個別指導は244件に実施

協会が関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)に行った行政文書の開示請求により、2025年度の個別指導は103件実施されたことが明らかになった。選定理由の内訳は、情報提供35件、再指導58件、高点数8件、その他2件(表1)。

◆「情報提供」を  優先して実施
25年度の「情報提供」を理由とした個別指導は11件の計画に対し35件が実施された。情報提供は、患者や保険者、審査支払機関、医療機関等の従事者からの情報に基づくものであり、保険請求の内容を確認し、面談による指導が必要と判断された医療機関に対して行われる。厚生局は、「年度途中の情報等により早急に指導が必要と認める保険医療機関について、適宜選定委員会において選定の上、実施する」としており、情報提供による指導が優先的に行われた結果、計画を大きく上回る実施件数となった。
「高点数」を理由とした個別指導では、24年度が2件、25年度が8件であったが、今年度は20件が計画されており一定の件数が実施されるとみられる。
なお、個別指導全体の指導結果をみると、44・4%が「再指導」となっており、依然として半数近い医療機関が再び個別指導の対象となった(表2-⑴)。

◆新規個別指導での再指導19件
新規指定を受けてからおおむね1年以内の医療機関を対象とする新規個別指導は、244件実施された。指導結果の内訳は、「概ね妥当」53件、「経過観察」172件、「再指導」19件となった( 表2-⑵)。新規個別指導の結果が「再指導」となった場合、次回の指導は個別指導と同じ方法で行われる。対象カルテは30件となり、持参物に金属材料、薬剤、その他歯科材料などの購入・納品伝票なども含まれる。
また、新規個別指導でも持参物不足などにより指導が中断となることがある。そのため、指導当日は必ず持参物を確認し、指導に臨むことが重要となる。

◆正しい知識とカルテ記載12月に講習会を開催
指導対策においては、正しい保険請求の知識と、その根拠となるカルテ記載がもっとも重要である。協会では、26年度改定を踏まえた保険点数の算定要件や指導に耐えうるカルテ記載などを分かりやすく解説する新規開業医講習会を12月に開催する。
これから指導を受ける予定の先生や、カルテ記載・保険請求に不安を抱える先生は、ぜひご参加いただきたい。
(文中に出てくる表は「東京歯科保険医新聞8月1日号」をご参照ください)

<受付中>第2回新規開業医講習会

新規個別指導は、概ね開業後、1年以内の医療機関が選定されています。

新規指導に限らず、個別指導対策は通知が届く前に、早い段階で準備を始めることが大切です。

講習会では指導で指摘されやすい事項を含め、保険診療の基本的なルールやカルテ記載、請求方法、自費と保険の考え方を丁寧に解説します。指導対策としてだけではなく、これから開業を検討している先生や、もう一度、保険診療について勉強したい先生、勤務医の先生にもぜひご参加いただきたい講習会です。

開催日間際でのお申込みの場合は、当フォーム入力後、必ず当会までご連絡(℡03-3205-2999)をお願いいたします。

◆日 時◆

2026年12月6日(日)12時00分~17時30分(予定)

※参加受付期日:11月30日(月)まで

◆講 師◆

協会講師団

◆会 場◆

ワイム貸会議室 高田馬場4F

◆定 員◆

50名

◆参加費◆

会  員:13,000円(スタッフなどの代理出席は認められません)

未入会員:30,000円(入会せず参加の場合)

※参加費の支払い方法は、事前振込制です。

※参加費の振込票(ゆうちょ銀行)は、11月中旬頃に当日のご案内とともに郵送にてお送りします。

▼申し込みはこちらから↓↓↓

https://forms.gle/i4Mh4bCxFCbW16757

10月より歯科技工指示書に「歯科技工所番号」の記載が必須に!


10月より歯科技工指示書に「歯科技工所番号」の記載が必須に!

2026年10月1日より歯科技工士法施行規則の改正が施行され、歯科技工指示書に「歯科技工所番号」の記載が必須となるため注意されたい。すでに歯科技工所には所管の保健所から「歯科技工所番号」が通知されているため、取引先の歯科技工所から「歯科技工所番号」を確認しておく必要がある。「歯科技工所番号」の記載が必要なのは10月1日以降の歯科技工指示書であり、さかのぼって記載をする必要はない。また手書きやゴム印の押印での記載で問題ない。
「歯科技工所番号」が無い歯科技工所への技工依頼は歯科技工士法違反になるため、必ず取引先の歯科技工所に確認をしていただきたい。

<受付中>2026年度第7回院内感染防止対策講習会

NEW 初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)の研修会のご案内

※本講習会は当協会会員限定となっております。参加するには入会が必要です。

この研修会は、初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)の研修要件(抗菌薬の適正使用を含む)を満たす内容で開催をします。

※6月の診療報酬改定において、歯初診の研修要件に「抗菌薬の適正使用」の内容が追加されました。それに伴い、6月以降に受講する研修は、「抗菌薬の適正使用」の内容を含む必要があります。

一方で、現時点で4年の有効期限を迎えない受講歴をお持ちの先生は、「抗菌薬の適正使用」の内容が含まれていなくとも、次回の有効期限を迎える前までに「抗菌薬の適正使用」の内容が含まれた研修会を受講いただければ歯初診の要件を満たすことになります。そのため、直近の歯初診に係る研修の受講歴をご自身で確認してください。

以上をご確認いただいたうえで、Zoom登録・受講料の決済を行ってください。受講資格は会員に限定されます。

【日時】

第7回 10月28日(水) 午後1時~午後2時20分

【開催形式】
Zoomウェビナー

【対象】
会員
※未入会の方はご入会が必要です。
※会員確認に時間を要する場合がございます。ご登録から承認まで、2~3日(土日祝を除く)いただいております。予めご承知置きください。

【受講料】
1,000円
※Zoomご登録後、会員資格の確認ができましたら、承認とともに決済URLをお送りします。クレジット決済または銀行振込から決済方法をお選びください。

【予約】
①本ページのZoomウェビナー登録より必要事項を登録
※登録したメールアドレスを使用できる端末(PCやスマホ等)からZoomウェビナーの参加を推奨いたします。
※登録するメ―ルアドレスは、@docomo.ne.jpまたは@ezweb.ne.jpなどのキャリアメールからの登録は文字制限がかかり、Zoomからのメールが届かない場合がありますのでご注意ください。

②登録後、Zoomウェビナー(no-reply@zoom.us)より登録確認メールが届きます。確認メール本文に記載されているURLから決済(受講料1,000円)へお進みください。
※決済の際に登録するメールアドレスは、Zoomウェビナーに登録したメールアドレスと同様のものをご登録ください。
※決済はクレジットカードもしくは銀行振込をお選びいただけます。また、決済代行サービス「ゼウス」を経由します。

③決済後、「ゼウス」より決済確認メールが届きます。
※決済後、受講料の返金は承れませんので、あらかじめご了承ください。

【修了証明の発行】
・メールの本文内に研修内容を記載予定(書面での発行はしません)。
・修了証明は大切に保管してください。

【レジュメについて】
講習会開催の1週間前と前日、1時間前のリマインドメールに当日の資料のダウンロードURLを掲載します。

【注意事項】
・Zoomが正しく起動するかどうかを受講日までにご確認ください。受講日の直前の確認になると開始時間に間に合わないなど、不具合が生じることがあります。
・当日は、開始時間の1時間前より入室可能です。
・遅れて入室した場合や、途中退室した場合、修了証明は発行しません。
・講義終了後、確認テストを行います。必ず確認テストの回答をお願います。回答がない場合、修了証明は発行できません。

お申し込みはこちら  ↓(会員専用ページのデンタルブックに移行します)

https://dentalbook.tokyo-sk.com/member/private/Member_index

<次回以降のスケジュール>**************************************

第8回 11月25日(水) 同上 ※予約開始日:11月1日~

第9回 2027年2月24日(水) 同上 ※予約開始日:2月1日~ 【今年度ラスト開催】

これからはじめる歯科訪問診療講習会-臨床編-

「実際の現場をイメージできないため不安」「どんな器材を準備したらよいかわからない」
訪問診療未経験の先生からはこのような声をいただきます。
歯科訪問診療の実際の症例や器材の紹介なども含めた「臨床編」を開催します。
懇談会形式で経験豊富な講師と意見交換しながら歯科訪問診療への不安を解消しましょう。
過去の参加者からは「内容も具体的でわかり易くいろいろ聞けてよかった」
「実際に使用している機器や道具を見られたことも大変良かった」などの声が寄せられています。
少人数制で開催し、会員間の交流も深められたらと思います。ぜひ、ご参加ください。

◆日 時 10月26日(月)午後7時00分~9時00分(予定)

◆講 師 池川裕子氏(東京歯科保険医協会 理事/出張歯科 四ツ木)

◆会 場 東京歯科保険医協会会議室

◆ 人 数 15名

◆ 対 象 原則、歯科訪問診療未経験の会員本人
      ※同伴者は1名まで可

◆ 参加費 3,000円(テキスト代を含む。事前振込制)
      ※同伴者1名は無料

お申込みはこちらから

【連載】退き際の思考/「虚しくなった」― 診療スタイル貫き見えたもの(三好 眞知子さん【前編】)


【連載】退き際の思考/「虚しくなった」― 診療スタイル貫き見えたもの(三好 眞知子さん【前編】)

三好 眞知子さん(みよし歯科) ー前編ー

歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生にお話を伺い、引退を決意した理由や医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。今回は今春、半世紀におよぶ歯科医師人生を終えた三好眞知子先生(75歳)の前編。突如訪れた心身の変化や、自身の診療スタイルの将来を想像し、引退の二文字が頭に浮かんだと明かす―。

― 歯科医師を目指した理由から教えてください。

母から「仕事を持ち自分の力で生きていきなさい」と育てられたことがきっかけです。母自身は専業主婦で、父任せの人生をどこか歯痒く思っていたのかも知れません。その思いが私の中に自然と刷り込まれていたのだと思います。その後、高校卒業前後は大学紛争の影響で受験制度も大混乱でしたが、最終的に東京医科歯科大学(現・東京科学大学)に進学しました。受験前日にお茶の水のキャンパスを訪れた時の雰囲気がとても魅力的で、両親の反対を押し切って上京しました。

― そこから歯科医師になり、半世紀を経て歯科医師の引退を決めたきっかけは。

2024年のとある日に突然、それまで当たり前だったのに、気力に体力がついてこなくなりました。それまで自然にできていた集中力や体力の維持のために、自分を奮い立たせなければならなくなったのです。それまで、諸先輩のように80歳くらいまでは診療を続けるだろうとイメージしていました。自然治癒が期待できない保存補綴で、自身の治療の長期経過を追えるのは歯科医師の醍醐味です。ただ、私には「10年スパンで患者さまの口腔管理をしたい」という思いがあり、70歳を過ぎたあたりで10年先がギリギリで、20年先は無理だと気付き、葛藤すると同時に虚しくなりました。また、数年来続く医療DXについても、便利になった反面、たくさんの案件をスピーディーに処理しなければならなくなったと感じています。診療報酬や施設基準も毎年のように変わり年々複雑になり、事務作業が増える一方です。「もっと診療に集中したい、診療に力を注ぎたい」という思いが大きくなり、実態とのギャップを感じていました。

「同じ治療をしてくださるかは…」ありのままを患者さんへ

― 歯科医師である息子さんではなく、別の先生に診療所を託すそうですね。

息子は、自分の診療スタイルを築きたいという思いから別の場所で開業しました。そのため、診療所は新しい先生に引き継いでいただく形になりました。数名の候補の先生とお話ししましたが、最終的には長く診療を続けられる息子の先輩の若い先生にお願いしました。一緒に診療したことはありませんが、お話しする中で誠実な人柄が伝わってきて、安心して任せられると思いました。患者さまには正直に「私と同じような治療かどうかはわからない」と伝えました。しかし、かねてから「100人歯科医師がいれば100通りの治療がある」とお話ししてきたので、「真面目で信頼できる先生です」と自信を持ってお伝えしました。

― 閉院する上で苦労したことは?

診療を続けながらの閉院準備には苦労しました。設備の撤去やカルテ・模型の整理など膨大な作業がありました。患者さんに伝えると「なぜ辞めるの?」と質問が続き、診療にならないほどでした。そこで、「設備の老朽化に伴い全面改装を行い、新しい先生が診療を始めます」と、段階的にご説明するようにしました。加えて閉院中には、信頼のおける近所の診療所や地図が載った案内を患者さんに手渡し、従来の番号でメールと電話がいつでも私に届くようにしました。また、スタッフについてはコロナ禍以降、常勤の補充を控えていたこともあり、大きな混乱はありませんでした。最後まで勤務してくれたスタッフが、閉院後の片付けまで手伝ってくれたことには本当に感謝しています。

― 歯科医師人生を振り返っていかがですか。

勤務医時代も含めると、約半世紀にわたり歯科医療に従事し、長い患者さんでは40年以上、私のやり方に賛同していただき、毎月クリーニングに通ってくださった方も多くおられたことは何よりの財産です。とある日、母の血圧が不安定になり、別の病院を受診するよう勧めた時に母が言った言葉が記憶に残っています。「信頼する先生に従った結果、私の寿命が縮まったとしても本望だ」―と。普通なら生き延びるための最善策を探ると思いますが、“究極の信頼”だと感じました。歯科医師は命に関わるようなケースは少ないですが、私も少しは患者さまに信頼してもらえたかな、そんな思いを巡らせています。

―ありがとうございました。考えさせられる一言だと思います。
※後編では引退後の展望などを伺う予定。

第1回 施設基準のための講習会 診療報酬改定後初開催


第1回 施設基準のための講習会 診療報酬改定後初開催

協会は8月9日、ワイム貸会議室高田馬場で、「施設基準のための講習会」を開催した。講師は繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授)、坂下英明氏(明海大学名誉教授)、馬場安彦氏(協会副会長)、森元主税氏(協会理事)が務めた。

本講習会は、歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準(歯初診)および歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、口腔管理体制強化加算(口管強)、在療養支援歯科診療所(歯援診)の要件に対応している。

今回は、歯初診・外安全1・外感染2に対応したコースに16人、歯初診・外安全1・外感染2・口管強・歯援診に対応したコースに60人の計76人が参加した。

今次改定で歯周病重症化予防治療(P重防)と歯周病安定期治療(SPT)が歯周病継続支援治療(SPT)に統合された。その結果、口管強の届出をした医療機関は、旧P重防の対象患者でも、SPTが毎月算定できるようになるなど要件が緩和された。こうした動きもあり、前回に比べ参加者が増加した。

参加者からは、「1日で複数の施設基準の要件を満たす講習会が受けられて効的だった」「良い講義で勉強になった」などの声が寄せられた。次回講習会は日程が決まり次第、機関紙と協会ホームページ、デンタルブックなどで案内する。


11月18日(水)第1回学術研究会

【テーマ】 保険診療における間接法メタルフリー修復と歯科接着 〜CAD/CAM冠・インレー、エンドクラウン、CAD/CAMブリッジ〜

【抄録】
保険診療の間接法歯冠修復においては、2024年にエンドクラウンが新設された。また、2026年度診療報酬改定でCAD/CAM冠とCAD/CAMインレーの適用が大幅に拡大され、2026年6月の期中改定でCAD/CAMブリッジが新たに保険収載された。すなわち、脱金パラを進めたい行政側の意図がさらに進んだといえる。間接法のメタルフリー修復では、窩洞や支台歯形態の理解、ならびに歯科接着の活用が必須であり、それらを理解、習熟する必要がある。本講演で間接法メタルフリー修復の勘所を臨床の実際を含めて解説する。(講師より)

【日時】 11月18日(水)午後7時~9時

【講師】  坪田 有史 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

【会場】 東京歯科保険医協会会議室およびWeb開催

【定員】 協会会議室20名・Web450名

【対象】   会員とそのスタッフ

【参加費】  無料(会場参加の場合、同伴者1名につき1,000円)

【申込】  ここをクリックしてください

 

新規開業医講習会開催


新規開業医講習会開催

協会は8月2日、新規開業医講習会を開催し38人が参加した。協会では年間100件を超える新規個別指導および個別指導に関する相談を受けており、本講習会は、そうした相談事例を踏まえ、指導で指摘されやすい点について理解を深める場となっている。

参加者には、開業から1年未満で新規個別指導を控えた歯科医師が多く見られたほか、日頃のカルテ記載や保険請求を見直すために、ベテラン歯科医師も参加した。

講習会では、まず本橋昌宏副会長が「保険医として知っておくべきこと」と題し、最新の新規個別指導の状況などを解説。続いて、島倉洋造社保・学術部員が「保険点数の算定要件の勘所①」として、指導時に指摘されやすい抜歯や加圧根充の算定時の注意点などを解説した。最後に、濱﨑啓吾理事が「保険点数の算定要件の勘所②」として、実際の症例を例にカルテ記載の方法を解説した。
参加者からは「充実した内容で新規指導への不安が和らいだ」「勤務医時代に知っておきたかった」など、好評の声が寄せられた。

本講習会は、協会が特に力を入れている講習会の一つである。新規個別指導を控えている歯科医師はもちろん、開業後の保険診療やカルテ記載を改めて確認したい先生、保険診療について学びたい勤務医の方にも、ぜひ参加してほしい。次回は年末頃の開催を予定している。

第2世代顔認証付きカードリーダー買い替えに関するQ&A


第2世代顔認証付きカードリーダー買い替えに関するQ&A

顔認証付きカードリーダーの第2世代が公表され、メーカーなどから案内が届いている。
協会に寄せられた問い合わせから、買い替えなどに関するものをピックアップして紹介する。買い替えなどを検討する場合の参考にしてほしい。

【Q1】第2世代顔認証付きカードリーダー(以下、カードリーダー)の購入にあたる補助金の案内が届いた。すでに顔認証付きカードリーダーを使用しているが、買い替えなければならないのか。
【A1】
買い替えは任意です。現在使用しているカードリーダーの保守期限を迎えるタイミングや、不具合の発生頻度、レセコンとの相性などを考慮してご検討ください。なお、現在公表されている補助金の申請期限は、2027年2月1日までです。

【Q2】現在使用しているカードリーダーの保守期限まで1年程度残っているが、現時点で買い替えるべきか。
【A2】保守期限までは現在使用しているカードリーダーをそのまま使用していただいて問題ありません。

【Q3】保守期限満了後には保守の延長は受けられるのか。
【A3】メーカーによって対応は異なります。「USEN―ALMEX(旧アルメックス)」は、保守期限が延長できますが、その他のメーカーは延長に対応していません。

【Q4】補助金の申請期限が切れた後、同様の補助金が公表される可能性はあるのか。
【A4】現時点で明らかな情報はありません。ただし、オンライン資格確認(カードリーダーの導入)が原則義務化されたのが23年であるため、多くの保険医療機関が28年頃に保守期限の満了を迎えます。その時期に合わせ、申請期限の延長や新たな助成金が公表される可能性はあります。


デンタルブックのご案内

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デンタルブックは、診療報酬や保険請求に関する解説、研究会・講習会の動画、医院運営に役立つQ&Aなどを掲載する電子書籍サービスです。スマートフォンやパソコンから、ご都合に合わせてご利用いただけます。

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デンタルブックでできること

01 / 調べる

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診療報酬改定や保険請求に関する解説、Q&A、症例を掲載。日々の診療やカルテ記載、レセプト請求の確認に役立ちます。

02 / 学ぶ

解説動画で理解を深める

協会の研究会・講習会などの動画を配信。ご都合に合わせて視聴でき、知識の習得や復習にご活用いただけます。

03 / 活用する

医院運営に役立つ資料

院内掲示のひな形や、経営・税務などに関するQ&Aを掲載。日々の医院運営を支える資料としてご利用いただけます。

04 / 受け取る

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口腔機能実地指導料のための 講習会を開催! 次回(9/16)が今年最後の開催


口腔機能実地指導料のための 講習会を開催! 次回(9/16)が今年最後の開催

協会は2026年8月6日、第4回口腔機能実地指導料のための講習会を開催した。講師は協会の松島良次理事と松島歯科医院の歯科衛生士・塚本佳子氏の2人が務めた。参加予約で400人を超えるキャンセル待ちが出る人気ぶりの中、会員の医療機関に所属する歯科衛生士297人が参加した。

松島氏からは口腔機能低下症と口腔機能発達不全症に対しての臨床上の口腔ケアの考え方、塚本氏は実際に歯科衛生士がどのように声掛けや指導するかなど実践面からそれぞれ講演した。

参加後アンケートでは「参加前は2時間という長時間の講義をやや敬遠していたが、実際に参加してみると分かりやすく、集中して聞くことができた」「どういった内容を指導すべきか、なんとなく理解していたが、歯科衛生士の方のお話を聞くことで、具体的なイメージができた」などの声が寄せられ、好評を博した。

◆次回は9月16日

次回開催は9月16日㈬に予定しており、歯科医師も参加可能となっている。今回参加できなかった歯科衛生士の方はもちろんのこと、会員の先生方にもご参加いただきたい。


ご注意ください! 2026 2026 年度診療報酬改定における 「画像診断」の考え方について


ご注意ください! 2026 2026 年度診療報酬改定における 「画像診断」の考え方について

2026年度歯科診療報酬改定において、一連の症状を確認するための撮影の取り扱いが無くなるなど「画像診断」の考え方の整理・明確化がなされた。以前のままの算定方法だと低い点数を算定してしまうことがあるのでご注意いただきたい。以下に「歯科保険診療の研究2026年6月版」から該当部分を抜粋(表)するので、今後の保険算定の参考にしていただきたい。また、算定に迷った際は、協会にご相談いただきたい。(03―3205―2999)

算定の基本

1 画像診断の費用は、診断料、撮影料、フィルム料を合算して算定する。

2 撮影料は、アナログまたはデジタルの区分により、所定点数を算定する。

3 同一の部位につき、同時に2枚以上のエックス線撮影をした場合、2枚目以降の診断料は、50/100で算定する。

4 同一の部位につき、同時に2枚以上同一の方法により、撮影した場合の撮影料は、特に規定する場合を除き、第2枚目から第5枚目までの撮影については50/100で算定する。第6枚目以後の撮影については算定できない。

⑴「同一の部位」とは、部位的な一致に加え、通常は同一フィルム面に撮影しうる範囲をいう。

⑵「同時に」とは、診断するため予定されるものをいう。ただし、処置または手術後の評価を目的として撮影した場合は「同時に」に該当しない。

⑶「2枚以上」とは、特に規定する場合を除き、撮影方法の別によらず2枚以上のエックス線写真を撮影した場合をいう。

⑷「同一の方法」による撮影とは、単純撮影、特殊撮影、歯科用3次元エックス線断層撮影または造影剤使用撮影のそれぞれの撮影方法をいい、デジタル撮影およびアナログ撮影については「同一の方法」として扱う。

⑸第1枚目の撮影では診断困難な異なる疾患に対する診断を目的に撮影した場合は、2枚目も所定点数で算定する。


会員拡大月間 一人で悩まない「安心」をお届けします ぜひ協会へのご入会・ご紹介を 東京歯科保険医協会組織部長 福島 崇


一人で悩まない「安心」をお届けします ぜひ協会へのご入会・ご紹介を

日々歯科医療に携わる先生方に敬意を表します。近年医院経営に関わるさまざまな制度が複雑化し、対応に悩まれる先生が多くいらっしゃいます。当協会は、保険診療を中心に多角的にサポートしています。私は組織部長として、会員の皆さまが安心して診療に専念できる環境づくりに注力しています。

日常の疑問を「電話一本で即解決」
「この算定で合っているのか?」「指導の通知が届いた…」など不安や疑問が生じた時は、一人で悩まず協会へお電話ください。最近では助成金などの申請に関する相談も増え、経営的な問題にも対応しています。

施設基準・ベア評価料など徹底サポート
口腔管理体制強化加算などの施設基準については、講習会の開催だけではなく、届出から8月の定例報告までを電話相談や解説動画などでサポートしています。また、歯科外来・在宅ベースアップ評価料などの相談にも対応しています。さらに、冊子「歯科保険診療の研究」と無料電子書籍「デンタルブック」が、保険診療のルールへの理解のレベルアップと算定漏れの防止に役立ちます。

手厚い共済制度で生活にも安心を
病気やケガの休業時に頼れる「休業保障制度」、割安で配当もある「グループ生命保険」、増減口が自由で資産形成を後押しする「保険医年金」で、先生のライフプラン設計を強力に支えます。

ご入会・お知り合い紹介を
役員は全員、都内で診療する現役の歯科医師です。先生方と同じ目線で、行政への改善も働きかけています。孤立しがちな医院経営のパートナーとして、ご自身のご入会と、お知り合いのご紹介をぜひお願いいたします。

東京歯科保険医協会組織部長 福島 崇

連載/遊歩道 第3回 CAD/CAMブリッジをどう使う?「シンボー」の特徴と臨床上の注意点


連載/遊歩道 第3回 CAD/CAMブリッジをどう使う?「シンボー」の特徴と臨床上の注意点

2026年6月、新たに公的医療保険にYAMAKIN株式会社のCAD/CAMブリッジ用材料「KZR-CAD ファイバーブロック シンボー」(以下、シンボー)が期中改定により保険収載された。これにより、本材料によるCAD/CAMブリッジが保険適用となった。
メタルフリーのブリッジは、すでに約6年前の18年4月に高強度硬質レジンブリッジ「エクスペリア」(株式会社ジーシー)が保険収載されている。しかし、適用条件が厳しいため、必ずしもその選択頻度は高いとはいえない。近年、主に世界情勢に影響されて貴金属価格が高騰しており、歯科にとって歯科鋳造用金銀パラジウム合金(金パラ)の問題は無視できない状況になって久しい。そのため、適用条件が厳しくなく、信頼性も担保されたメタルフリーのブリッジの保険収載が望まれていた。

◆CAD/CAMブリッジの留意事項
CAD/CAMブリッジは、メタルフリーのコンポジットレジンによるブリッジであるため、保険収載に際し、高強度硬質レジンブリッジの準用技術となっている。前号に高強度硬質レジンブリッジとの違いを概要として示したが、今回、「CAD/CAMブリッジの留意事項」のさらなる詳細を示す(表1)。

◆CAD/CAMブリッジ用材料「シンボー」について
「シンボー」は、グラスファイバー強化型レジンである芯材(フレーム材)とレジン材料(CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)・KZR-CAD HR ブロック3 ガンマシータ)が一体となった構造である(図1、2)。したがって、CAD/CAM冠と同様の加工性があり、歯科用CAD/CAMシステムにより、ブロックからブリッジが製作できる。色調はA2、A3、A3・5が用意されている。図3に芯材の配置イメージを示す。
なお、咬合面に芯材が露出するのではないかとの懸念が散見される。しかし、咬合面のレジン材料の厚みが1・0mm以上に設定されるため、すぐに問題が生じる可能性は高くないと思われる。

図1

図2

図3

◆CAD/CAMブリッジの設計
「シンボー」によるブリッジの適応症は限定されていて、第二小臼歯、第一大臼歯を中間欠損とする3ユニットブリッジ症例(④5⑥、⑤6⑦)である。なお、ブリッジの連結部に芯材を配置することが困難なケースや、クリアランスを十分に確保できないケースは適用外である。

◆支台歯形態
表2に各面のクリアランス量とマージン部付近の水平幅を、図4に望ましい支台歯形態を示す。必要な咬合面クリアランス量は、従来の小臼歯、大臼歯のCAD/CAM冠で推奨されている数値と同じである。したがって、CAD/CAMブリッジでは芯材が内蔵されることから、咬合面クリアランス量を多くしなければならないと考えがちであるが、そうではないことを理解して支台歯形成をする。なお、隅角部は丸みをつけ、マージン形態はディープシャンファー、あるいはラウンデッドショルダーで形成する。
CAD/CAMブリッジは、CAD/CAM冠と同様に支台歯形成がもっとも重要といえるため、形成量の確認は、プロビジョナルブリッジの厚みをメジャリングデバイスなどで計測して確認することを推奨する。

図4

◆装着の際の注意事項
CAD/CAMブリッジの装着は、CAD/CAM冠などと同じく接着性レジンセメントで行う。CAD/CAMブリッジの接着前処理は、アルミナ・サンドブラスト処理およびプライマー処理などを行い、内面処理加算1を算定する。一方、支台歯側は、象牙質、コンポジットレジン、メタルなどが混在しているケースがあるため、使用する接着システムのメーカー指示に従う。
今回、条件付きとはいえ新たに「シンボー」によるCAD/CAMブリッジが保険収載され、臨床での選択肢が増えたことを評価したい。しかし現在、高い臨床エビデンスがあるとはいえないため、現時点で示されている適応症の選択、支台歯形成、印象採得などの臨床操作、さらに調整、装着など、すべてのステップに理解と注意が必要である。そして、メタルフリーであるCAD/CAMブリッジが欠損補綴の選択肢の一つとして、患者、国民にとって価値のある補綴物になることを望む。

東京歯科保険医協会
副会長 坪田 有史


連載/協会探訪 その⑫  日本における歯科医療のはじまり その その1 /東京歯科保険医協会会長 早坂美都


連載/協会探訪 その⑫  日本における歯科医療のはじまり その その1 /東京歯科保険医協会会長 早坂美都

これから「協会探訪」は、協会や保団連の歩みを振り返っていきます。
その前に、少し寄り道をして、日本の歯科医療がどのように発展してきたのかについておおまかに触れておきたいと思います。


◆ 最初の「歯磨き」?
日本には古くから歯磨きの習慣があったと考えられています。4~7世紀頃の人骨から、臼歯の外側に特徴的な摩耗が確認されています。これは、楊枝や粒子の粗い歯磨き剤を用いて歯を清掃していた痕跡とみられています。
歯磨きに関する最古の記録は、平安時代に編さんされた日本最古の医書『醫心方(いしんほう)』です。984(永観2)年、医家・丹波康頼が円融天皇に献上したもので、現在は国宝に指定されています。醫心方には「食後にうがいをすれば虫歯を防ぐ」との記述があります。かつては神事のためのお清めであったうがいが、口腔衛生のためにも行われるようになったことがうかがえます。


◆ 「耳目口歯科」から「口中科」へ
「歯科」の起源となる言葉は、701(大宝元)年制定の律令「医疾令」に見られます。当時は「耳目口歯科」と呼ばれ、耳・目・口・歯は一つの診療分野でした。その後、「口歯科」「口科」「口中科」へと名称が変化し、江戸時代には口中医のほか、入れ歯師や歯抜き師、さらには香具師が抜歯や歯薬の販売も行っていたようです。

◆ 歯科医学の伝来
日本において本格的に近代歯科医学が始まったのは明治に入ってからです。経路は、南蛮医学・蘭学、中国医学など諸説あります。また、来日した外国人歯科医師から直接学んだ日本人が、その技術を広めたとも考えられています。
その中でも、日本の近代歯科医学に大きな足跡を残した人物が、アメリカ人歯科医ウィリアム・クラーク・イーストレーキです。イーストレーキは1860(万延元)年頃に来日し、長崎や横浜で歯科医院を開業したことから、「日本近代歯科医学の父」とも称されています。
イーストレーキは81(明治14)年に再来日し、再び横浜で診療を開始しました。福沢諭吉とも親交を結び、近代歯科医学の普及に尽力したとされています。当時、日本では西洋医学、とりわけドイツ医学の導入が進められており、日本の医療制度が大きく転換する時代でありました。イーストレーキが紹介した近代歯科医学も、その流れの中で発展していくことになります。
余談ですが、66(慶応2)年に、横浜で開業していた外国人歯科医レスノーが、陶材や金属を用いた義歯を紹介する広告を『海外新聞』に掲載しています。この頃にはすでに、こういった材料を用いた修復治療が日本でも行われていたことが分かります。
このように、日本の歯科医療は古くからの口腔衛生の知恵に、西洋から伝わった近代歯科医学が加わることで大きく発展していきました。次回は、その礎を築いた日本初の歯科専門医・小幡英之助の足跡をたどってみたいと思います。


【参考文献】
・丹波康頼撰「医心方」復刻版(『日本古典全集 1~7』所収・1980・現代思潮社)
・一般社団法人 京すずめ文化観光研究所
・中外医事新報1251号(中外医事新報社)1938年1月発行
・歯科医師衛生史(全巻)(日本歯科医師会)1940年10月発行
・検証・歯科医学史の書誌(日本歯科医学史学会会誌 第29巻第3号通巻11号)
・医政百年史(厚生省)1976年9月発行

地域医療研究会 「口腔機能低下症から摂食嚥下までのとらえ方」

※この研究会は、当協会の会員限定の企画です。未入会の先生は、ご入会が必要です。
↓↓↓入会に係る資料請求はこちら↓↓↓
https://www.tokyo-sk.com/merit/merit01/

地域医療研究会
「口腔機能低下症から摂食嚥下までのとらえ方」

外来診療や訪問診療において、今年度の診療報酬改定でも「口腔機能低下症」が重要視されています。そこで今回は、「嚥下障害リハビリ」の第一人者である戸原玄氏をお招きし、口腔機能低下症から摂食・嚥下までをどのように捉え、診療につなげていくのかについてご講演いただきます。口腔機能低下症と摂食・嚥下について理解を深める機会ですので、ぜひご参加ください。

<講師より>
口腔機能低下症や摂食嚥下リハビリテーションというと、何らかの機器を用いて評価して、その結果次第で口腔周囲の筋肉のトレーニングを行うものだと思うかもしれません。しかしそれは単なる表層ですし、それこそインターネットで調べるといくつも出てくると思います。そういった部分ではなくどのように考えるか、また発展的な研究の紹介を通した視点などをご紹介できればと考えております。

 【日時】12月9日(月)19時00分~21時00分(予定)  
【講師】戸原玄氏(東京科学大学大学院医歯学総合研究科医歯学系専攻老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授)
【会場】Zoomウェビナーを用いたライブ配信または協会会議室(東京都新宿区高田馬場1-29-8いちご高田馬場ビル6階)
【参加条件】当協会の会員
【定員】Zoomウェビナー:450名協会会議室:20名
【参加費】無料※未入会の場合はご入会が必要です。
※ZOOMウエビナーに登録できるメールアドレスは、会員1名につき1アドレスです。
【留意事項】会員限定の研究会になるため、登録内容を照会し、万が一会員確認ができなかった場合は研究会に参加できません。
【問い合わせ先】

☎03-3205-2999(地域医療部)

お申込みはこちらから

これからはじめる歯科訪問診療講習会-保険請求編-


「歯科訪問診療に取り組みたいけど、あと一歩が踏み出せない」
「保険請求の仕方が不安で、歯科訪問診療を始められない」
という先生のために、実際に歯科訪問診療を行っている講師から、医療・介護報酬の請求方法を中心に解説します。
2026年度診療報酬改定の内容も含めて解説します。
過去の参加者からは「講演を聞いてより歯科訪問診療の算定のイメージがわきました」「非常にわかりやすかったです。訪問に行ってみます」などの声が寄せられています。
講習会に参加して、訪問診療の一歩を踏み出しましょう。

日時:9月28日(月)19時00分~21時00分(予定) 
講師:池川裕子氏(東京歯科保険医協会 理事/出張歯科 四ツ木)
会場:Zoomウェビナーおよび協会会議室(東京都新宿区高田馬場1-29-8いちご高田馬場ビル6階)
定員:Zoomウェビナー:450名、協会会議室:20名
参加費:無料


お申込みはこちらから

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号

ここをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)8月1日号No.677

【1面】

 1.熊本地震により被災された皆様にお見舞い申し上げます

 2.健康保険証での資格確認 7月末で終了/今後はマイナ保険証・資格確認書で

 3.OTC類似薬の保険給付外し/歯科の軟膏や鎮痛薬まで負担増対象か

 4.「社会保障費の抑制は容認できない」/『骨太の方針』受け談話発表

 5.保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

 6.探針

 

【2面】

 7.集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/9月17・18日に実施予定

 8.生活保護法による個別指導/2026年度は8件を予定

 9.保険収載されたCAD/CAMブリッジ

10.光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は/8月末まで!           

 

【3面】

11.経営・税務相談Q&A No.443/従業員の夏季休暇と、有休の計画的付与

12.2026年9月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14 カラット金合金引き下げへ

13.施設基準の8月定例報告について

14.2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10)

15.8月会員無料相談デー

16.第41回保団連医療研究フォーラム

17.7月協会活動日誌

 

【4.5面】

18.戦後81年特別インタビュー/“平和を祈る”戦後81年…募る危機感 被爆した師の教え「勇気を持つこと」(俳優 斉藤とも子)

19.会員写真投稿「平和への飛翔」(吉田真理/武蔵野市)

20.共済部だより

 

【6面】

21.研究会・行事ご案内

 

【7面】

22.神田川界隈「Patient Centered Care-臨床30年でたどり着いた診療のかたち-」(理事・相馬基逸/品川区)

23.理事会だより

24.暑中お見舞い名刺広告

 

【8面】

25.各種助成金一覧

26.圧巻の講演でワンランク上の接遇を伝授

27.第2回メディア懇談会 まもなくオン資訴訟判決/「負けずに繰り返し何度も」 早坂会長が思い伝える

28.「患者提供文書」価格改定のお知らせ

2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10)

2026年度診療報酬改定の疑義解釈(その10)

7月17日付で厚生労働省より「疑義解釈資料の送付について(その10)」が通知されたので、多くの歯科医療機関に関わる部分を以下に抜粋する。
【チタンブリッジ】
(問)チタンブリッジについて、④5⑥⑥、⑤6⑥⑦または⑥6⑦などの分割抜歯や分離切断を行った歯を支台歯とする場合も、当該ブリッジは算定できるのか。
(答)分割抜歯または分離切断した歯を支台歯としたチタンブリッジをやむを得ず製作する場合は、残った歯冠や歯根の状態から、歯科医学的に適切な場合に限り、算定して差し支えない。この場合、チタンブリッジは1装置として取り扱うが、支台歯については、分割抜歯を行った場合には、「M017」ポンティックの留意事項通知(7)のハおよびニと同様の取り扱いとし、分離切断を行った場合には大臼歯1歯分として算定する。なお、分割抜歯や分離切断した歯に対するレジン前装加算は、ポンティックのみ算定する。

施設基準の8月定例報告について

施設基準の8月定例報告について

◆報告事項が一部変更に
今年も施設基準等の届出状況報告(以下、8月定例報告)の時期がきた。2026年度診療報酬改定により、定例報告事項の一部が撤廃され、報告内容が変更されている。
25年度まで報告対象となっていた歯科初診料の注1(歯初診)の施設基準、歯科衛生実地指導料(実地指)・訪問歯科衛生指導料(訪衛指)の算定実績および金属床総義歯等の選定療養の実施状況等の報告は不要となっている。
なお、定例報告に使用する様式は、関東信越厚生局のホームページに掲載される予定で提出期限は8月31日(月)とされている。様式の提出先は関東信越厚生局東京事務所となる。
◆ベースアップ評価料の中間報告について
26年6月1日時点で、歯科外来・在宅ベースアップ評価料の施設基準の届出を行っている全ての医療機関は、8月に賃金改善中間報告書(以下、中間報告書)を提出する必要がある。何らかの理由により、算定実績がなかった場合でも、実績「0件」として報告を行わなければならない。
さらに、26年3月1日時点で算定を行っていた医療機関は、中間報告書に加えて、25年度分の実績報告書も提出が必要となる。


協会では、デンタルブックで実績報告および中間報告の届出書の作成方法を解説する動画を公開しているので、ぜひご視聴いただきたい。
なお、歯科技工所ベースアップ支援料の実績報告は、27年8月に提出予定のため、26年の提出は不要。

各種報告、届出および請求について

 
    施設基準等の届出状況等の報告について(令和8年度定例報告)  

施設基準等の届出を行っている保険医療機関・保険薬局・訪問看護ステーションは、 毎年8月1日現在における施設基準等への適合状況を確認し、その結果を報告することとされています。

報告の流れ・様式等

該当する項目を確認し、必要な様式等をダウンロードして記載のうえ、 8月31日(月)までに報告してください。

1.別添2-2 施設基準の届出の確認について

PDF Word

報告対象: 自己点検の結果、要件を満たしておらず、辞退となる施設基準がある場合

辞退となる施設基準がある場合は、別途「辞退届」の提出が必要です。

▶ 施設基準に係る辞退届

2.別紙様式4-2 特別の療養環境の提供(外来医療に係るもの)に係る届出状況報告書

PDF Excel

報告対象: 外来医療に係る特別の療養環境の提供を実施している場合

届出内容に変更がある場合は、別途、変更の報告が必要です。

▶ 保険外併用療養費に関する届出

3.予約に基づく診察等の保険外併用療養費届出状況報告書

PDF Excel

報告対象: 特別の料金の徴収を行っている場合

届出内容に変更がある場合は、別途、変更の報告が必要です。

▶ 保険外併用療養費に関する届出

4.別紙様式9 費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書の発行に関する報告書

PDF Excel

報告対象: 「正当な理由」に該当するため、明細書を全患者に無料で発行していない診療所

これまで届出を行っていた医療機関が、明細書を無料で交付することとなった場合は、取り下げの届出が必要です。

▶ 明細書発行に関する届出

5.別紙様式19 在宅療養支援歯科診療所・支援病院の施設基準に係る報告書

PDF Excel

6.【特掲】旧様式98 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ) 賃金改善実績報告書(令和7年度分)

下記リンク先から報告様式をダウンロードしてください。

報告様式を確認する

報告対象:令和7年度に歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定している場合

※6・7については、原則として郵送ではなくメールによる提出となります。

7.【特掲】100の別添1 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ) 賃金改善中間報告書(令和8年度分)

下記リンク先から報告様式をダウンロードしてください。

報告様式を確認する

報告対象:令和8年度に歯科外来・在宅ベースアップ評価料を算定している場合

※6・7については、原則として郵送ではなくメールによる提出となります。

酸素の購入価格の届出

保険医療機関は、当該年の4月1日以降の診療に係る費用の請求に用いる酸素の単価並びに、 その算出の根拠となる前年1月から12月までに購入した酸素の対価及び容積を、 当該年の2月15日までに地方厚生(支)局長へ届け出る必要があります。

なお、新たに保険医療機関の指定を受けた場合等には、随時届出が必要となる場合があります。

▶ 酸素の購入価格の届出概要

届出様式

▶ 酸素の購入価格に関する届出書(Excel)

▶ 酸素の購入価格に関する届出書(PDF)

▶ 記載例(PDF)

届出書の記載要領

  • 「酸素の購入価格に関する届出書」は、酸素の購入実績がある保険医療機関のみ提出が必要です。酸素の使用・購入実績がない場合は提出不要です。
  • 届出書の1欄(前年1月~12月)に該当がない場合でも、2欄(前々年以前または当該年1月)に該当がある場合は、直近の購入価格を記載して提出する必要があります。
  • 大型ボンベは、ボンベ1本当たり3,000リットルを超えるもの(通常7,000リットルまたは6,000リットル用)、小型ボンベは3,000リットル以下のもの(通常1,500リットルまたは500リットル用)をいいます。
  • 酸素の容積について、ボンベの場合は35℃・1気圧に換算した容積を、液化酸素の場合は気体に換算した容積を記載します。不明な場合は、酸素の購入業者に確認してください。
  • 各欄の酸素の購入価格は、1銭未満の端数を四捨五入して記載してください。
  • 「3 その他」欄の購入業者名及び種類を必ず記載してください。
  • 今回の届出による1リットル当たりの購入単価は、届出書を提出した年度の次年度の診療報酬請求に対応する価格となります(上限あり)。レセコン等の酸素価格についても、必要に応じて変更してください。
診療報酬請求における酸素価格の上限
購入価格が以下の金額を超える場合は、下記の金額を上限として酸素価格を算出します。

離島等以外の地域に所在する保険医療機関

区分 上限
定置式液化酸素貯槽(CE)0.19円/L
可搬式液化酸素容器(LGC)0.32円/L
大型ボンベ(3,000L超)0.42円/L
小型ボンベ(3,000L以下)2.36円/L

離島等に所在する保険医療機関

区分 上限
定置式液化酸素貯槽(CE)0.29円/L
可搬式液化酸素容器(LGC)0.47円/L
大型ボンベ(3,000L超)0.63円/L
小型ボンベ(3,000L以下)3.15円/L
令和8年度診療報酬改定 施設基準等の届出について
保険医療機関・薬局におけるオンライン請求

(1)光ディスク等を用いた請求に係る猶予

▶ 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令及び介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令の一部を改正する命令等の公布について(令和5年11月30日)

▶ 「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の一部改正について(令和8年6月10日)

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投稿日時:

2026年9月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14カラット金合金引き下げへ

2026年9月実施 歯科用貴金属随時改定情報/金パラ・銀合金・14カラット金合金引き下げへ

7月22日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、歯科用貴金属価格の9月随時改定が決定した。
9月1日からの歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金(金パラ)の告示価格は1g当たり5232円(5746円から514円の引き下げ)、30g当たりで15万6960円(17万2380円から1万5420円の引き下げ)となる。
また、歯科用貴金属の随時改定では、金パラのほか銀合金、14カラット金合金も引き下げとなる。
9月からの詳細な点数は、公表され次第、本紙および協会ホームページ、デンタルブックなどでもお知らせする。

光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は8月末まで!

光ディスクなどでのレセプト請求継続の届出は8月末まで!

現在、光ディスクなどでレセプト請求を行っている医療機関が10月以降も引き続き同じ方法で請求を継続するためには、「光ディスク等を用いた請求に係る猶予届出書兼オンライン請求への移行計画書(様式第1号)」(以下、猶予届)の提出が必要となっている。届出は1年更新のため、毎年提出する必要があり、継続を希望する場合には8月31日までに医療機関等向け総合ポータルサイトから猶予届を提出する。
なお、書面での提出も可能だが、その場合は社会保険診療報酬支払基金(支払基金)および東京都国民健康保険団体連合会(国保連合会)にそれぞれ送付する必要があるため、注意してほしい。また、2025年に提出した猶予届の理由と、今年提出の猶予届の間に齟齬が生じないように提出前によく確認する必要がある。
審査支払側は、医療DX化および業務効率化のため、医療機関の置かれている状況を考慮せず、オンライン化を急いでいる。理不尽な理由での差し戻しなど、対応に困った際には、ぜひ協会にご相談いただきたい。

保険収載されたCAD/CAMブリッジ

保険収載されたCAD/CAMブリッジ

協会には毎月1000件を超える保険請求の相談が寄せられている。改定があった今春は、その件数が倍増した。相談の中心はベースアップ評価料、および施設基準に関するものであったが、診療に関する問い合わせで多かったものの一つに、「CAD/CAMブリッジ」がある。
本年6月にこのホームページ上でご紹介したことに続き、今回と来月の2回にわたり、CAD/CAMブリッジの詳細を取り上げることとした。併せて、会員から寄せられている問い合わせを抜粋して掲載するので、診療報酬請求の参考にしていただきたい。
併せて、11月18日(水)にCAD/CAMブリッジに関わる学術研究会を開催するのでご参加いただきたい。

2026年6月、新たに公的医療保険にYAMAKIN株式会社のCAD/CAMブリッジ用材料「KZR-CAD ファイバーブロック シンボー」(図1)が、同社からの保険適用希望書の提出により承認され、企業ルートにより期中収載された。その結果、本材料によるCAD/CAMブリッジが保険適用となった。既に保険適用されてから2カ月が経過しているが、協会には本技術への問い合わせが少なくない。(※)
26年度改定と同時にCAD/CAMブリッジは保険収載されたが、区分C2での新規技術としての期中収載である。したがって、8年前の18年度改定に保険収載された高強度硬質レジンブリッジ「エクスペリア」(株式会社ジーシー)の準用技術の位置付けであり、技術料は3000点が準用されている。なお、この点数の変更は、早くても次期の28年度改定時となる。

表1に高強度硬質レジンブリッジとの違いが比較しやすいよう「CAD/CAMブリッジの留意事項」を示した。


また、(一社)日本歯科理工学会と(公社)日本補綴歯科学会が示したCAD/CAMブリッジの材料要件を表2に示す。現状、表内の(1)はCAD/CAMブリッジとなる。したがって、CAD/CAMブリッジは、2200N以上の荷重に耐える強度が求められている。なお、YAMAKIN社のデータでは、約4500Nの強度があると示されている。次回は、臨床的視点で解説する。

 

 

 

 

 

東京歯科保険医協会
副会長 坪田 有史

集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/9月17・18日に実施予定

集団的個別指導 平均点数1489点以上が選定対象/9月17・18日に実施予定

協会が行った関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)への開示請求により、9月に実施予定の集団的個別指導の基準平均点数などが明らかになった。
◆基準平均点数は1488点
2026年度の集団的個別指導は、25年度のレセプト1枚当たりの平均点数が東京都の平均点数(1240点)の、1.2倍を超える基準平均点数1488点以上の上位8%にあたる433歯科医療機関を対象に実施される。実際に選定された医療機関の平均点数は1489点以上で、9月17日または18日の2回に分けて行われる(表参照)。

25年度と比べ、平均点数は15点、基準平均点数は18点、それぞれ増点となった。なお、平均点数の算出に使用されるレセプトは、社会保険、国民健康保険の一般分、および後期高齢者分となる。
集団的個別指導の当日は、カルテなどの持参は不要で、2時間の講習を受けるのみである。ただし、正当な理由がなく欠席した場合は、個別指導の対象となるため、通知が届いた際は、必ず参加していただきたい。

 

◆社保研究会で最新情報を解説
なお、8月27日㈭には、26年度の個別指導や集団的個別指導についての解説を行う「社保研究会」をWEB併用で開催する。9月に実施される集団的個別指導の選定や仕組み、現在の個別指導の状況など最新の情報をお伝えする。ぜひ、参加いただきたい。

保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

保団連第1回代議員会開催 当協会・森元理事が歯科代表に/代議員会に全国から各種の意見

全国保険医団体連合会(保団連)は6月28日、第1回代議員会を開催し、全国の協会・医会から代議員、保団連役員、事務局ら総勢297人が参加した。会務報告、2025年度決算報告、監査報告、決議などが審議され、承認された。併せて、新たな歯科代表選出の報告が行われた。

討論には全国から145本の発言通告が寄せられ、当協会からは会員から寄せられた声や、アンケート調査などを基に5本を提出。保団連に改善や活動の必要性を訴えた。

その中で早坂美都会長は、歯科技工所に対して実施した緊急アンケートを紹介し、歯科技工所ベースアップ支援料(歯技ベア)の実効性を高めるよう呼びかけた。それに対し、執行部からは、「歯科技工士の経済問題解決に向けた一助になるものと考え、歯技ベアの届出に協力する立場であるが、あくまでも一助にしかならず、根本的な問題である歯科技工の技術料の低さや『7対3の形骸化』を解決することが前提である」と回答。歯科技工に関する課題解決への取り組みの重要性について見解を示した。

◆森元理事―宇佐美先生の意思を継ぐ―

一方、6月5日に保団連の宇佐美宏氏が逝去したことに伴い、新たな歯科代表として第5回保団連理事会(同27日)で森元主税保団連副会長(当協会理事)が選出されたことが報告された。森元歯科代表は、「社会保障を充実させ、患者国民と医療運動を推進することが宇佐美先生の意思を継ぐことになる。一生懸命がんばります」と抱負を述べた。