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地域医療部長談話「新型コロナウイルス感染症蔓延下でもニーズに応える歯科訪問診療体制の整備を」

2021年 1月 1日 : Featured, 協会ニュース, 理事会声明

新型コロナウイルス感染症蔓延下でもニーズに応える歯科訪問診療体制の整備を

2020年4月、新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」発出に合わせ、厚生労働省の「歯科訪問診療を含む歯科に対する診療の自粛(延期)を促す」通達が出され、メディアからも「歯科の受診は新型コロナウイルスへの感染リスクを高める」と報じられた。その影響により、外来診療をはじめ、歯科訪問診療でも受診控えが広がり、患家や施設への外部からの立ち入りを禁止されるケースもあった。

そこで、東京歯科保険医協会地域医療部では、歯科訪問診療の抑制による在宅患者または施設入所患者の口腔内への影響を把握すべく、部内関係者が歯科訪問診療を行っている東京近郊の在宅または施設(有料老人ホームや特別養護老人ホーム等)を対象にアンケート調査を行った。

アンケート結果では、口腔内のことで困った利用者が「いた」、「少しいた」との回答が約90%、「緊急事態宣言」の発令とともに歯科訪問診療の中止を余儀なくされたものの、「歯科訪問診療の必要性を感じた」との回答が約90%に及んだ。また、施設のスタッフから「患者の口腔内に変化があった時に即座に対応できないことへの不安」の声や「継続的な歯科訪問診療を必要」、「食形態の判断が難しかった」との声が多いことが特徴的であった。

さらに、個々の患者の口腔内に目を向けると、歯周病の悪化や嚥下機能の低下、歯の動揺の増加や歯根破折により抜歯になるケースがあった。これまで継続的に行っていた歯科訪問診療を自粛(延期)したことが少なからず患者の口腔内に悪影響を与えたことが窺えた。

歯科医師・歯科衛生士の行う専門的口腔ケアは、QOLの維持・向上をもたらすことや、誤嚥性肺炎やインフルエンザの予防に効果があるとのエビデンスがある。歯科訪問診療の中断は、歯科疾患の重篤化や誤嚥性肺炎をはじめ、新型コロナウイルス感染への悪影響が懸念される。今回のアンケート結果からも継続的な歯科訪問診療の必要性が示された。

地域医療を担う歯科医師として、第3波に屈することなく、ニーズに応える歯科訪問診療体制の整備が必要である。

2021年1月1日

東京歯科保険医協会

地域医療部長 横山靖弘

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運動本部長談話「後期高齢者の窓口負担は原則1割とし応能負担は保険料や税に求めるべき」(機関紙2020年12月号<609号>2面掲載)

2020年 12月 4日 : Featured, 協会ニュース, 理事会声明

 

 

 

 

 

 

 

後期高齢者の窓口負担は原則1割とし応能負担は保険料や税に求めるべき

 

75歳以上の患者が医療機関で支払う窓口負担について、現在の原則1割を2割に引き上げる「後期高齢者の窓口負担案」が、内閣府、財務省、厚生労働省(以下「厚労省」)で具体案が示された。

 厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会医療保険部会(以下「社保審」)において、複数案が提示されており、早ければ年内に議論をまとめ、後期高齢者の負担割合を引き上げる法案が、来年の国会に提出される見通しとなっている。

 

◇財政審は「2割」、社保審は「原則2割」を主張

 75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担をめぐって、10月8日の財政制度等審議会財政制度分科会(以下「財政審」)では、①75歳以上になると他の世代に比べ、1人当たり医療費や要支援・要介護認定率は大幅に上昇すること、②2025年、2040年にかけて、医療・介護費用は大きく増加していくこと、③現役世代の保険料負担がますます重くなること―などの理由を挙げ、財務省は現在1割負担となっている後期高齢者の医療費の窓口負担を、2割負担に引き上げることを主張した。

 また、11月12日の社保審では、保険者の委員から現役世代の保険料負担軽減を図る観点から、年収383万円未満の人のうち、一定所得の人を2割に見直すことを改めて主張した。

 

◇医療費負担が多い高齢者

 現在、75歳以上の窓口負担は、年収383万円以上の人は「現役並み」として窓口負担は3割となっているが、年収383万円未満の人の負担割合を1割から2割に引き上げれば、高齢者の受診抑制に繋がりかねない。

 厚労省の「医療保険に関する基礎資料(平成29年度実績に基づく推計値)」によれば、すでに後期高齢者は一人当たりの医療費が高く、75歳以上の1人当たりの年間一部負担額の平均は6.4万円(75~79歳)で、年収に対する患者一部負担の割合は約3.6%(9月16日 社会保障審議会医療保険部会資料「年齢階級別の平均年収」と「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の較(年額)」より試算) となっている。この割合は50歳~54歳の約1.3%と比べて高くなっており、高齢者の生活を圧迫していることを示している。

 また、11月19日の社保審で厚労省から示された資料によれば、窓口負担が1割の後期高齢者について、窓口負担を2割に引き上げた場合、医療機関の窓口で支払う額は年間11.5万円で3.4万円増える見込みとなっている。

 社保審の保険者の委員からは、高額療養費制度等があるため、単純に自己負担額が倍になるとは言えないとしているが、高額療養費制度の上限に達しない場合は、自己

負担額が2倍になる。

 

◇新型コロナ禍で窓口負担増は国民の理解を得られない

 現在、新型コロナウイルスの影響で、高齢者は受診を控えている状況にある。窓口負担を二割に引き上げれば、窓口負担が重荷となり、新型コロナウイルスによる受診控えに加え、負担増によっても受診控えを起こすことになる。ひいては持病の重症化など健康への影響が心配され、国民の理解を得られない。

 

◇国は安心して医療を受けられる体制を

 収入や所得に応じた応能負担は、保険料および税で求めるべきであり、国民の窓口負担から応能負担を求めるべきではない。

 とくに後期高齢者の負担割合については、高齢者の生活や心身の状態なども十分配慮し、国は国民が安心して医療を受けられる体制を維持することが重要だ。

 そのため、当会は後期高齢者の負担割合は、現在の原則1割を堅持することを要求する。

2020年11月27日

東京歯科保険医協会

運動本部長 坪田有史

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◇関連資料


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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理事会声明/東京都の感染拡大防止に向けてPCR検査の一層の拡充を

2020年 7月 31日 : Featured, 協会ニュース, 理事会声明

 東京歯科保険医協会は、2020年7月31日に開催した第7回理事会で、以下の理事会声明を決定しました。

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(新型コロナウイルス感染防止対策に関する理事会声明)
東京都の感染拡大防止に向けてPCR検査の一層の拡充を

新型コロナウイルスは、2020年1月に国内1例目が報告されて以降、日本全国に感染が拡大した。多くは軽症のうちに快癒するが、重症化する患者もいる。
特効薬や、ワクチンの開発が出来ていない現在、何よりも感染を拡大させないことが重要であり、マスクの着用や手洗いの推奨、外出自粛など様々な予防対策が取られてきた。
しかし、6月以降新型コロナウイルスの東京都における感染者は日々増加し、第2の波が広がりつつある。
感染防止対策には「検査・追跡・隔離」の徹底が有効であることはすでに知られている。広く検査を行い、感染者を特定、感染ルートを明らかにし、陽性者が陰性になるまで外部との接触を制限することが重要で、早くから検査の拡充が求められてきた。
しかし、PCR検査の実施件数は、東京都では7月30日付の7日間平均値は抗原検査と合わせても3,182.4件でしかない。米国ニューヨーク州では、居住者に対し1日70,000件の検査を実施している。無症状であっても無料で何度でも検査を受けられるようにしたことで、感染者数、死亡者数の激減を実現した。
秋冬にはインフルエンザの流行期を迎える。その前に新しい検査の導入・拡充が必要である。
東京歯科保険医協会は、東京の歯科医療を担う歯科保険医の団体として、新型コロナウイルス感染防止のために、国、東京都に対し、PCR検査の拡充をはじめとした諸対策の早急な実施を求める。

・希望者に対しPCR検査を、国や都の責任のもと無料で実施すること
・早急に新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)を都内のすべての区市町村で実施すること
・歯科を含む医療従事者に対して優先的で定期的なPCR検査の実施を認めること
・新型コロナウイルス感染症対応の専門病院を構築して医療施設をすみ分けること
・重症患者数の増加に備え,病床数ならびに人工呼吸器など機材を拡充すること
・中等症患者数の増加に備え,病床数を拡充すること
・軽症患者対象の隔離用宿泊療養施設(ホテルなど)を拡充すること
・新型コロナウイルス感染症の治療を担っている医療機関と医療従事者への経済的支援を行うこと
・各保健所への人的支援を行うこと

以上

2020年7月31日
2020年度第7回理事会

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政策委員長談話「2020年度診療報酬改定/世代毎の口腔管理の評価が不十分」(機関紙2020年7月号<604号>2面掲載)

2020年 7月 1日 : Featured, 協会ニュース, 理事会声明

 

政策委員長談話「2020年度診療報酬改定/世代毎の口腔管理の評価が不十分」(機関紙2020年7月号<604号>2面掲載)

2017年12月6日の中医協総会で示された「歯科治療の需要の将来予想(イメージ)」では、歯科の疾病構造が変化しており、将来さらに進むその変化に対応するために「治療中心型」から「治療・管理・連携型」へと歯科治療の構造変革が必要と示された。

2020年度診療報酬改定では、SPTの対象とならない歯周病患者の管理を評価した「歯周病重症化予防治療」(以下、「P重防」)が新設された。しかし、改定直前の疑義解釈で混合歯列期歯周病検査(以下、「P混検」)により治療を行っている患者を対象外にしたことで、乳歯列期やP混検で治療を行っている混合歯列期の患者がP重防の対象から除かれた。2019年4月10日の中医協総会においては、2018年度の5~17歳の患者の歯肉の炎症は全年齢でそれ以前の2008年度と比較して減少しているものの、炎症がある者の割合は依然として年齢とともに増加傾向であると指摘されている。学童期・思春期における口腔管理を推進するため、P混検の対象の患者であってもP重防を認めるべきである。

一方、高齢期の患者については、口腔機能に関する評価が歯科疾患管理料から独立した評価になったこと、あるいは日本歯科医学会の「基本的な考え方」の改定に伴う変更や診断に必要な舌圧検査の要件緩和に留まり、評価の引き上げや要件緩和は行われなかった。これでは、健康寿命を延ばすための高齢期の口腔機能に関する診療は現場で普及しない。

また、8020の達成者は2016年度で51.2%に達した一方で、う蝕歯の未処置歯・処置歯保有者率が年々増加しており、高齢者に特異的な根面初期う蝕の重症化予防治療の必要性が指摘されてきた。しかし、2020年度改定では何も対応されておらず、問題である。

在宅患者については、口腔機能の維持向上を推進するための対応が論点であった。しかし、実際にその対応として行われたのは非経口摂取患者口腔粘膜処置の新設のみである。6月超の継続管理をした場合の長期管理加算も、歯科疾患在宅療養管理料には加算できず、在宅での口腔機能の取り組みが推進されていない。

国は、全世代型社会保障を掲げているが、2020年度改定の内容は不十分と言わざるを得ない。早期の改善を求める。

2020年7月1日

東京歯科保険医協会

政策委員長 松島良次

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第48回定期総会「決議」(機関紙2020年7月1日号<No.604>1面掲載)

2020年 6月 30日 : Featured, 協会ニュース, 理事会声明

 

第48回定期総会「決議」(機関紙2020年7月1日号<No.604>1面掲載)

決議 

新型コロナウイルス感染症の影響で受診抑制が拡がり、歯科医療機関の経営は厳しさを増している。このままでは経営が立ち行かなくなる歯科医療機関が多くなるだけでなく、歯科医療に従事する人材を確保できない恐れがあり、地域医療の崩壊が懸念される。

第2波が想定される中で、感染拡大防止のため、診療間隔を空けた上で患者の体調のチェックを行い、感染防止対策に必要な機材を多用するなどの体制整備を強化している。現状の診療報酬の評価だけでは、とても足りない、国や都は、速やかに必要な補償と医療物資の供給を行うべきである。

患者が減ったことにより、多くの歯科医療機関で平均点数が高くなっている。高点数を理由に行う指導は、必要な医療の提供を歯科医療機関にためらわせるため、高点数による指導は廃止するべきである。

2020年診療報酬改定では歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準を届け出した場合の初・再診料が引き上げられるなど評価する面もあるが、依然として歯科診療に対する適切な評価には程遠い点数のままとなっている。全世代での口腔管理が実現していないなど、今後の課題も明らかになっている。

私たち歯科医師は患者と共に健康に向き合い、国連の「平和と公正をすべての人に」(持続可能な開発目標SDGs)という目標を共有する。

私たちは、政府が推し進めている社会保障費を削減する動きや、患者への安心安全な医療の実現を妨げる動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療のより一層の充実に向けた運動を国民とともに力を合わせ、推進するために、以下の要求を国民、政府及び歯科保険診療に携わる全ての方に表明する。 

 

一.国や都は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、診療時間の短縮や受け入れ患者の減少により生じる減収などに対して補償を行うとともに、診療に必要な医療用マスクや消毒用アルコールなどの供給体制を整備すること。

一.国は、院内感染防止対策の診療報酬上の評価がコストに見合っていないことや歯周病重症化予防治療の対象が限定されているなど、歯科の診療報酬の問題点を改善すること。

一.国は、少なくとも現行の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする日本の社会保障制度や自治体が実施する歯科保健に関する事業などを更に充実させること。

一.国は、これ以上の患者負担増計画は中止し、医療保険や介護保険の自己負担率を引き下げ国民の負担を軽減し、公費助成を充実させること。

一.国は、高点数の保険医療機関を対象とした指導を行わないこと。

一.私たち歯科医師は、命と健康や平和を妨げるすべての動きに反対する。

 

2020621

東京歯科保険医協会

48回定期総会

 

 

 

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政策委員長談話「言葉だけでの推進で、現場の要望が反映されていない」(機関紙2020年3月号<600号>1面掲載)

2020年 2月 25日 : Featured, 理事会声明

政策委員長談話「言葉だけでの推進で、現場の要望が反映されていない」(機関紙2020年3月号<600号>1面掲載)

◆コストを無視した評価で負担を現場に押し付けている 

 職員研修を要件に、歯初診を届け出した場合の初・再診料が引き上げられる。しかし、消費税増税対応分を除いて、2018年改定時を含めても初診料は13点、再診料は5点しか引きあげられておらず、2007年の中医協で示された院内感染防止対策に必要なコスト分(268.16円)に遠く及ばない。ただでさえ新型コロナウイルスの影響でこれまで以上に高いレベルの院内感染防止対策が求められる中、十分な対策を行うために医療機関の持ち出しとなっている状況は解消されない。

 同様に、金銀パラジウムの高騰が現場では問題となっており、パブリックコメントで「市場実勢価格を踏まえた適正な評価に近づけていただきたい」との意見も233も寄せられていたが、何も改善策が示されなかった。

 現場では、仕方なく銀合金やCRで対応する歯科医師も増えてきていると聞く。

◆口腔機能管理や歯科衛生士の評価が不十分

 口腔機能管理に関する評価は要件緩和にとどまっており、診断に必要な検査をすべて保険収載することや管理料のさらなる評価は見送られた。重点課題であるはずの口腔機能低下への対応の充実には、不十分な評価だ。

 また、歯科衛生実地指導料など歯科衛生士に関する診療報酬の引き上げは行われなかった。ここ数年で給与は十数%上昇し、人材紹介会社を利用した場合の金額は180円というところもある。人件費の上昇に見合った改定とすべきである。

◆地域での連携がほとんど評価されていない

 2018年改定では、診療情報連携共有料など医科歯科連携の評価があったが、今次改定では医科が算定する周術期等口腔機能管理の依頼や予約に対する評価ぐらいで目立ったものがない。

 周術期や医科歯科連携は、もう何年も言葉だけが独り歩きして、一向に進まない。

◆課題が残ったままの長期管理の評価

 今次改定では、歯周病重症化予防治療や歯管に対する長期管理加算が新設される。歯科医療の将来の需要は、補綴が減り、重症化予防などの管理が増える方向へとシフトする中での評価である。

 しかし、一初診一回限りの算定となっている治療が多くある中で、再度その治療が必要になった場合はどうなるのか、再度の初診行為があった場合に初診料が算定できるのかといった課題は残されたままである。これでは実際の治療で多くの問題が起き、それにわれわれが振り回されることになるだろう。

 これらは、行政の政策が現場を見ずに、まさに机上の空論で改定を行っていることに根本的な問題がある。このしわ寄せが、最終的に患者さんに行かないことを切に望む。

 この談話は、今次改定の問題点を明らかにし、現場で混乱を生じないよう改善を求めるものである。

2020年2月25日

東京歯科保険医協会政策委員長

松島良次

 

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