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東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号No.672

【1面】
 1.2026年度歯科診療報酬改定/大幅な見直し/改定項目が多岐にわたるも問題点は依然解決せず
 2.理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」
 3.オン資訴訟控訴審 6月結審へ/医療機関の混乱 改めて訴える
 4.4月からの資格確認/マイナ保険証・資格確認書でどう対応したら良い?
 5.探針
 6.ニュースビュー
 
【2・3面】
 7.2026年度診療報酬改定 主なポイント

【4面】
 8.2026年度改定の個別改定項目を議論/理事・部員政策学習会を開催
 9.新しい助成金案内/2025年度医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
10.2026年3月/歯科用貴金属の随時改定情報

【5面】
11.研究会・行事ご案内
12.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内
13.経営・税務相談Q&A No.438/新規採用に向けての2つの注意点~労働条件通知書の準備、無料求人広告勧誘~
14.書籍/保険医の経営と税務 2026年版/会員は1冊無料!2026年最新の税務対応版を発行!
15.会員無料相談デー

【6面】
16.連載 協会探訪 その⑦/~経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする~経営管理部
17.確定申告相談会を実施/顧問税理士が一人ひとりに対応
18.書籍「医院経営と雇用管理 2025年版」/会員1人につき1冊無料
19.理事会だより/2025年度第13回
20.2月協会活動日誌
21.会員優待サービス
22.共済制度春募集PR

【7面】
23.IT相談室/再考 これからのSNSと歯科医院②―事例:院内指示メール装うフィッシングメール―
24.神田川界隈「歯科医療の来し方、そしてこれからの協会」(監事・西田紘一/八王子市)
25.院内感染防止対策講習会を開催/初診料の「注1」に規定する施設基準に対応
26.通信員だよりNo.158

【8面】
27.OTC類似薬の「保険外し」/患者負担の大幅引き上げ/ロキソニン・ブルフェンなど日常診療にも影響か
28.第38回東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」
29.協会アンケート/訪問診療しない原因浮き彫り 訪問車両の駐車問題も浮上
30.貴金属高騰で歯科医療機関経営に影/「Nスタ」が早坂会長を取材

【9面】
31.2026年度診療報酬改定 新点数説明会

【10面】
32.春の共済募集キャンペーン

賃上げ支援事業(15万円)の注意点―「満額ありき」の賃上げは要注意‼―

 


「15万円もらえるから、ベースアップ評価料を届出した」

「従業員に15万円を山分けして、特別ボーナスで支払おう」

このように考えている先生は、少し立ち止まって確認が必要です。
 
15万円の満額支給を前提に賃上げを行うと、6月以降もその水準を維持・向上する必要があるため、人件費が増加し、医院経営の負担が大きくなる可能性があります。
 
厚生労働省は、2月27日に本事業のリーフレットおよびQ&Aを公表しました。

医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について|厚生労働省

賃上げ支援事業リーフレット

医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業に関するQ&A

申請スケジュールの公開は、東京都HPにて4月下旬以降に案内されます。

東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業

主なポイントと注意点をまとめました。

1.ベースアップの実施期間
202511月末時点の賃金水準と比較し、202512月~20265月までの6か月間ベースアップを実施し、20266月以降もベースアップ後の額の維持・向上が必要とされています(※例外あり申請パターン(3))。
 
2.12月からベースアップできなかった場合
ほとんどの医療機関がこちらに当てはまりますが202512月からベースアップが実施できなかった場合、202512月~20263月の4か月分を一時金・特別手当として2026331日までにスタッフに支給する必要があります。
 
3.支援金の充当範囲
支援金は、202512月~20265月の賃金改善分に充当します。
対象となるのは、以下の費用です。
・基本給の引上げ
・毎月支払う手当の引上げ
・ベースアップに連動して増える賞与
・時間外手当の増加分
・法定福利費(事業主負担分)の増加分
 
4.特に注意が必要な点
支援金の給付を前提に賃上げを行うと、20266月以降もベースアップを維持・向上する必要があります。6月以降支援金の有無は不明です。支援金がないと、人件費の増加が継続するため、特に小規模医療機関は医院経営を圧迫する可能性があります。
そのため、ベースアップ評価料の算定見込み、医院の人件費の状況を踏まえながら、12月~5月のベースアップ額を慎重に検討することが重要です。
 
【申請パターン】

(1)基本パターン


・賃金基準は25年11月分の給与
・ベースアップの割合(%)はいくらでもよい
・毎年、別の時期にベースアップをしていても、改めて12月からベースアップを行うこと
・支援金を充ててよいのは、25年12月~26年5月の黄色部分のみ。
・15万円より黄色部分が少ない場合は、黄色部分の金額を申請する。


(2)12月にベースアップを行えなかった場合


・4月から必ずベースアップを行う。
2512月~26年3月分を一時金として支給。支給期限は3月31日まで。
・支援金を充ててよいのは、2512月~26年5月の一時金部分+黄色部分のみ。
15万円より一時金+黄色部分が少ない場合は、一時金+黄色部分の合計額を申請する。
・6月以降は診療報酬改定による新たなベースアップ評価料を財源に4月の賃金水準を維持します。1か月の基準は3月以前と4月以降で同一でなくともよいですが、極端な配分はできません。

(3)25年12月の賃金水準が、3月31日時点の水準と比較して 2.0%を上回ってベースアップされている場合

・2%を上回るベースアップ分の25年12月~26年5月が支給対象となる。なお、2%を上回っている部分にベースアップ評価料による賃金改善分が含まれている場合は、当該部分を除いた部分が対象となる。
・支援金として充ててよいのは、25年12月~26年5月の黄色部分のみ。
・15万円より黄色部分が少ない場合は、黄色部分の金額を申請する。
・25年12月より更なるベースアップを行った場合は対象となる。

(4)26年6月改定で新たに届け出る場合(現在、スタッフが受付専従や勤務医のみ)
・上記①②の方法どちらかでの実施が必要。なお、現時点では②となる。

【申請例】


150,000円を申請するためには、150,000円÷6か月=25,000以上(医院合計)のベースアップが必須
ただし、ベア評価料の算定の金額(当該医院の場合は3/1~算定分)は減算。
A氏300,000円(2025年11月時点)➡320,000円(2025年12月~)(6.6%UP)
B氏200,000円(2025年11月時点)➡207,000円(2025年12月~)(3.5%UP)
 ※12月からスタッフにベースアップの支払ができていない場合は、25年12月~26年3月分を一時金((20,000円+7,000円)×4カ月=108,000円)として26年3月31日までに支給。4月からは給与で支払う。

[申請対象金額]
(20,000円+7,000円)×6か月分(2025年12月~2026年5月)=162,000円
   -ベア評価料-
初診10点×20回=2,000円 再診2点×100回=2,000円 合計4,000円
4,000円×3か月分(3~5月)=12,000円

[申請額]
162,000円-12,000円=150,000円
 ※2026年6月以降も、給与の維持もしくは改善をしなければならない。
➡6月以降のベースアップ分は、ベースアップ評価料算定分を減算するとすべて医院の持ち出しとなる。
1カ月のベースアップ 27,000円
1カ月のベア評価料算定 
初診31点×20回=6,200円 再診6点×100回=6,000円 合計12,200円
医院の持ち出し:27,000円―12,200円=14,800円/月

■お願い
15万円ありきで賃上げ額を決めるのではなく、初診・再診と連動するベースアップ評価料の算定見込みを踏まえ、医院がいくら持ち出しとなるか、医院経営への影響を考慮しベースアップ額を判断してください。

院内感染防止対策講習会を開催/初診料の「注1」に規定する施設基準に対応

院内感染防止対策講習会を開催/初診料の「注1」に規定する施設基準に対応

院内感染防止対策講習会を開催/初診料の「注1」に規定する施設基準に対応

協会は218日、Zoomウェビナーで「第5回院内感染防止対策講習会」を開催した。講師は協会理事の濱﨑啓吾氏が務めた。

本講習会は、歯科点数表の初診料の「注1」に規定する施設基準(歯初診)に対応しており、今回は77名が参加した。

当該施設基準は4年以内に1回以上受講することと、毎年8月に関東信越厚生局に報告することが要件となっている。

第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

1月31日、東京反核医師の会は第38回総会・記念講演を東京保険医協会セミナールームで開催し、代表委員の矢野正明氏(当協会理事)が参加した。

冒頭、東友会の家島昌志代表理事が挨拶に立ち、東京反核医師の会が被ばく者や被爆二世の健康保持・相談事業に協力していることへの謝辞を述べると共に、「被爆体験の継承に共に取り組んでいこう」と呼びかけた。

続く議事では、2025年度の活動報告、決算案が承認された。報告では、憲法大集会や原水爆禁止世界大会への参加のほか、米国のイラン核施設攻撃、イスラエルによるガザ攻撃に対する抗議声明などが挙げられた。また、26年度活動計画案として、広島での原水爆禁止世界大会や全国反核医師のつどいへの代表派遣などが提案され、全て満場一致で承認された。

◆斉藤とも子氏記念講演

総会後、「被ばく者の声を未来に伝えるために」と題し、俳優で社会福祉士の斉藤とも子氏による記念講演が行われた。

斉藤氏はその中で、12歳で俳優デビューしたものの、役柄と自己の境遇との乖離に悩み、33歳で引退を考え、その際「人の役に立ちたい」と社会福祉士を目指して大学へ進学。同時期に井上ひさし氏原作の舞台『父と暮せば』の主役への依頼を受けたことが、広島を訪れる契機となったと語った。そして、現地で被爆者と交流を深める中で、原爆に関する凄惨な体験談を聞き、「被爆者の苦しみに比べれば、自分の悩みはちっぽけなもの」と衝撃を受け、ここが被爆者に寄り添う活動を始める原点になったとした。さらに、長年被爆者医療に携わった故肥田舜太郎医師のアドバイスに基づく、福島第一原発事故後の被災者支援、現在も続く裁判の支援活動に触れた。発災当時小学生で現在は25歳となった女性の訴状を読み上げ、会場全体が深い沈黙に包まれた。

最後に、被ばくの記憶を風化させず、次世代へ語り継ぐことの重要性を強調し、講演を締めくくった。

講演動画はオンデマンド配信中です。ぜひご覧いただきたい。

2026年度改定の個別改定項目を議論/理事・部員政策学習会を開催

2026年度改定の個別改定項目を議論/理事・部員政策学習会を開催

協会は2月1日、2026年度診療報酬改定をテーマに理事・部員政策学習会を開催し、去る1月23日の中央社会保険医療協議会(中医協)で示された「個別改定項目について」を中心に、解釈や疑問点などを議論した。
◆外来診療と医科歯科連携
外来診療については、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の対象患者の範囲拡大、CAD/CAM冠・インレーの算定要件の緩和と適用拡大は協会の要望が実現したと評価した。
一方、医科歯科連携について、歯科から医科に照会して連携が開始された場合でも、歯科医療機関連携強化加算が算定できるようにしてほしい、情報提供はFAXやメールでも認めてほしい、などの要望が出された。
◆歯科訪問診療を協議
歯科訪問診療については、訪問先の依頼により、診療を予定していなかった患者を急遽診療する必要性が生じた場合の歯科訪問診療1の運用が明確化されることを評価する声が多く上がった。
一方、在宅歯科医療推進加算が廃止され、在宅療養支援歯科診療所への加算となることで、歯科衛生士の配置が必須となり、歯科衛生士の採用難という現状に照らし合わせると不合理であるとの意見が出された。
◆コバルトクロムの鋳造はラボの設備投資次第
また、コバルトクロム合金の鋳造には特殊な設備が必要なため、歯科技工所が設備投資できずに製作ができなくなることを危惧し、金銀パラジウム合金を使用する「特段の理由」に「コバルトクロム合金の鋳造ができない」ことも認めてほしいとの声も上がった。
最後に松島良次政策委員長が、「今回の改定は協会からの要望も反映され、評価する点もあり、しっかり学べばプラスになる」とし、さらに「平均点数の上昇や患者一部負担金の増加につながるため、集団的個別指導や患者負担を気にして算定を控えることは、歯科界としても良いことではなく、適切な歯科医療や適正な保険請求から外れてしまう。2年に1度の診療報酬改定内容をしっかり診療に反映できるよう、新点数説明会で会員に伝えていくとともに、より良い改定となるよう、引き続き要望を続けていく」と締めくくり、閉会した。
なお、協会は4~5月に「2026年度診療報酬改定新点数説明会」を3回開催する。適正な算定、適正な評価を受けるためにもぜひ参加してほしい。

2026年度 歯科診療報酬改定/大幅な見直し

2026年度 歯科診療報酬改定/大幅な見直し

2026年度 歯科診療報酬改定/大幅な見直し

◆改定項目が多岐にわたるも 問題点は依然解決せず
6月1日から施行される次期診療報酬改定の答申が、2月13日の中央社会保険医療協議会(中医協)で示された。改定率は大臣折衝で示された通り、賃上げおよび物価対応に対して評価が行われた。一方で歯科固有の項目に関しては、既存点数の引き上げ、新たな項目の設定、要件の見直しも大幅に進められた。協会理事会では答申を受け、理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」を発表した。
◆歯科の改定率は0.31%
2025年12月に発表された改定率は、全体ではプラス3.09%であったが、歯科の改定率はプラス0.31%であり、点数の配分がどのようになるのか懸念されていた。これに対し答申では、歯科に関連するものだけでも少なくとも70以上におよぶ項目が示され、大幅な改定が行われることが分かった。
◆高齢者対応・DX対応・脱金パラなどが進んだ
25年には「団塊の世代」が全員75歳以上となり、今後一層高齢者への対応が求められる。こうした状況の中で口腔機能管理の点数が引き上げられ、歯科口腔リハビリテーション料の評価が見直された。高齢者は有病率が高まるため、医科との連携、特に糖尿病を中心とした連携が進むよう評価がされた。
歯科医療におけるDXも進んだ。期中収載された3次元プリント有床義歯の評価が明確化され、光学印象、非金属歯冠修復の評価が引き上げられ、CAD/CAM冠およびCAD/CAMインレーの適用拡大と評価が進んだ。
脱金銀パラジウム合金がさらに進んだことも特徴の一つである。チタンブリッジの導入、非金属の歯冠修復の適用が広がり、金パラによる治療がまた減ることになる。
歯科衛生士業務の評価の見直し、および歯科技工士との連携等も評価された。
◆問題点は依然解決せず
一方、歯科治療と直接関係のない項目が診療報酬体系の中に温存され、依然解決されていない。2024年度改定で導入されたベースアップ評価料は、東京の歯科医療機関の届出件数が28.18%(26年1月1日現在)と低いにもかかわらず、要件緩和および点数の引き上げが行われた。ベースアップ評価料は、行政が行う補助金の要件にも盛り込まれるなど問題点が多い。今次改定ではさらに物価高騰に対する項目が追加された。歯科治療と関係のないこれらの項目も、今後は個別指導のチェック項目にも入る可能性があるので注意が必要だ。
改定項目は多岐にわたるが、改定財源は限られている。協会では、この改定内容の詳細な解説を行う新点数説明会を予定している。ぜひ、ご参加いただきたい。

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

◆手法としては古典的

事 例 :「社内管理および連絡体制の整備のため、『社員連絡先一覧』の整理・提出を必須対応事項といたします。必ず返信メールにて提出してください。

  代表取締役 XXX

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このようなメールが多数送られてきて困っている、とのご相談を数多く受けております。

類似の事例は、かなり前から確認されており、「フィッシング」という分類になります。相手にアクションを起こさせて、メールアドレスやIDとパスワードなどを入力させるという古典的なタイプの詐欺です。

宅配便の未着や料金の未払いを装って、メールに記載されたリンク先でIDとパスワードを入力させるのが、典型的な手口です。相手から必要な諸情報を巧みに「釣り上げる」ことから〝フィッシング〟と呼ばれます。

◆危険な新しい手口

今回、例示したメールで新たな手口といえるのは、メール内に実際に在籍している代表取締役の氏名が公開されており、送信先によって別の役員名や職員名に変更されていた点です。

医院のホームページには、院長やスタッフの名前が掲載されているケースが多く、スタッフの中にはSNSなどで勤務先などを公開している方もいると思われます。公開情報を悪用し、さらに不特定多数に同じ発信者名・内容を送るのではなく、送付先によりそれらを変えている点が特徴です。

◆届いたメールの真偽を判別する方法

事例のようなメールの真偽を判別するには、返信先メールアドレスが既知のメールアドレスかを確認します。メールの返信で情報をフィッシングする手法の弱点は、返信先(Reply-to)のメールアドレスを偽装できないことです。

なお、最も単純確実に真偽をチェックするには、メール内に記載されているスタッフ本人に直接確認するのが良いでしょう。

残念ながら、詐欺メールの受信自体を完全に防ぐのは困難です。確実な対策を行い、冷静に対処していただければと思います。

連載/協会探訪 その⑦ 「経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする」<経営管理部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑦ 「経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする」<経営管理部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都


開業医は、診療を業とする歯科医師であると同時に、経営者でもあります。「経営管理部」は、経営者としての先生方をサポートします。
経営形態は個人か法人か、診療所はテナントか所有物件か、診療体制も一人で診療か、勤務医やスタッフは雇用しているのか…。など多岐にわたります。
今回、ご紹介します経営管理部では、会員の先生方の経営環境から生じる多様な課題にお応えしています。その対応範囲は広く、経営に関するさまざまな相談だけでなく、労務、税務、法律、助成金、医療安全などにまで及びます。最近では承継や閉院に関するご相談も増加しており、日常的には担当の事務局員が適宜対応しています。
経営管理部の会員サポートの一つに、月に一度(第3木曜日)顧問弁護士・税理士による無料相談会があります。会員の先生であれば、相続、賃貸借契約、家庭問題など歯科に直接かかわらない内容でも相談することができます。完全予約制になりますので、事前に協会にご連絡ください。

◆ニーズに合わせた講習会・研究会の開催
そのほか、会員のニーズに合わせた医療安全講習会や経営管理研究会なども開催しています。今年度は「助成金の活用方法」や「サイバーセキュリティ対策に関する講習会」など、情勢に合わせたテーマで企画しました。デンタルブックにてアーカイブ配信も行っていますので興味がある方はぜひご覧ください。また、スタッフ向けの講習会も開催しています。
具体的には、「接遇」「TBI」や「未経験スタッフのための講習会」など、レベルアップに役立つ講習会を開催しております。個人の医院ではなかなか行うことができない講習会として、大変人気があります。
日常的に寄せられるさまざまな声を集め、自治体への改善要望や、経営支援を求める要請も行っています。インボイスや電子帳簿保存法など法改正の周知も大切な活動として位置付けています。

◆職場環境づくりの重要性
以前、私の医院でも、歯科衛生士になったばかりの新卒スタッフ、臨床経験20年以上のベテランスタッフと一緒に、毎年、接遇やTBIの講習会に参加しておりました。特に接遇の講習会では、患者さんの言葉に傾聴すること、診療室への誘導の仕方、電話対応の具体的な言葉遣い、また来たくなる医院作りなど、その道のプロによる貴重なお話を聞くことで、スタッフだけではなく、私自身も大変勉強になりました。そして、1回だけではなく、毎年必ず参加するようにしていました。人間、一度聞いただけではなかなか身に付かず、何度も繰り返し講習を聞き、実際に行動することで少しずつ進歩していくものだと実感しています。毎日の診療室では、どうしても「慣れ」が高じて「狎れ」となってしまうからです。
安心できる職場環境を整えることは、スタッフの定着、ひいては安定した医院経営にもつながります。そのような医院を作り上げるために先生方をサポートする専門部、それが経営管理部です。

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

2月13日に中央社会保険医療協議会総会が開催され、2026年度診療報酬改定の答申が出された。

歯科診療報酬においては、医療機関の物件費負担の増加を踏まえた歯科初・再診料等の引き上げ、歯科外来物価対応料や歯科技工所ベースアップ評価料が新設された。また、CAD/CAM冠・インレーの大臼歯までの適用拡大と咬合支持の有無などの要件廃止、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の算定要件や対象患者の拡大、麻酔薬剤料の算定対象の拡大、歯科用合着・接着材料の区分変更などの改善がされた。その他、Ni-Tiロータリーファイルによる加算要件緩和、接着補強芯などが医療技術評価として保険導入されるなど、協会が改善を要望していた不合理な事項が是正されたことは、現場の実態を把握し、歯科診療報酬を改善しようとする意図が感じられる改定内容であったと評価できる。

しかし、20251224日に大臣折衝を経て決定された、2026年度診療報酬の本体の改定率は3.09%の引き上げとされたものの、改定率の半分以上の1.70%が賃上げ対応分を占め、さらに物価高騰分として1.29%が割り当てられており、歯科の診療報酬の引き上げはわずか0.31 %に過ぎない。しかも、歯科の物価対応分は0.03%のみである。これでは、歯科診療報酬本体の初・再診料や医学管理、処置、手術、歯冠修復・欠損補綴などの引き上げに十分な点数が配分されていないことは明らかである。

歯科診療報酬本体に点数が配分されなければ、歯科医院経営の改善にはつながらない。協会は引き続き、診療報酬改定による算定要件の緩和、不合理是正を求めていくとともに、医療界の一致した要求である歯科診療報酬10%以上の引き上げを求めていく。

2026220

東京歯科保険医協会理事会

2026年度診療報酬改定/ 主なポイント

2026年度診療報酬改定/主なポイント

2月13日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会の「答申」を踏まえて、2026年度診療報酬改定の主なポイントを解説する。
なお、3月5日に発出される告示や通知で、各項目の具体的な取り扱いが示されるほか、改定項目がさらに増えることが想定される。
▶「2026年度診療報酬改定/主なポイント」一覧PDFはここをクリック

なお、2026年度診療報酬改定に関しては、適時、本ホームページ、デンタルブックメールニュース、F-Nexで紹介します。

<受付中>第1回スタッフ講習会~未経験スタッフのための講習会~

▼第1回スタッフ講習会~未経験スタッフのための講習会~

「新規スタッフを採用したけど、教育できる機会がない」、「歯科医療機関での業務が初めて・・・」、「数年働いたけど分からないことが多い・・・」などの不安を解消します!

未経験の方はもちろん、経験の浅い方、ブランクのある方など、健康保険制度の概要や歯科の基本を学べる講習会となっています。ぜひ、この機会にご受講を!

※実技研修やレセプト請求方法等の内容は含まれません。

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日時:4月23日(木)午後7時~午後9時

会場:東京歯科保険医協会 会議室

定員:30名(1診療所2名まで)

対象:会員の診療所に勤務するスタッフ(歯科業界未経験の方または経験の浅い方)

参加費:1名につき5,000円(歯科保険診療ハンドブック1冊付)※事前振込制

お申し込みはこちらから ↓ 

https://forms.gle/NspkNVNgGyeDu2gn9

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居宅への歯科訪問診療に関するアンケート報告書

居宅への歯科訪問診療の実施状況と課題を把握するため、202512月~20261月にかけて会員を対象にアンケート調査を実施した。回答は177件で、居宅・施設のいずれかで歯科訪問診療を実施している会員は全体の約45%だった。施設と居宅の割合では居宅のみに歯科訪問診療を実施している割合が約12%、施設のみは3.4%で多くの医療機関が施設と併せて居宅への訪問を行っていることがわかった。

「歯科訪問診療を行わない理由」としては、人手不足や外来診療との両立の難しさに加え、算定方法の煩雑さ、またポータブルユニット等の設備投資への負担が大きいことや「駐車が難しい」など訪問車両などに関する課題もあげられた。「現在、訪問診療で困っていること」においても、人手不足や、時間調整、低い診療報酬や算定の難しさなど共通する点が多く、歯科訪問診療が広がらない要因といえる。一方、すでに訪問診療を実施している回答者からは、「担当医として最期まで支えられる」といった声が多く寄せられており、歯科医師としてのやりがいにつながっていることが確認できた。

本アンケートの結果を踏まえ、歯科訪問診療に関する講習会の継続的な実施や設備投資への補助金の要請、駐車許可証の課題解決などに取り組んでいく。また現在、歯科訪問診療の算定の基礎が学べる講習会動画をデンタルブック内で公開中。是非ご視聴いただきたい。

 動画視聴はデンタルブックブックから

 

 

 

 

これからはじめる歯科訪問診療講習会―保険請求編―

アンケート結果の詳細はこちら
<地域医療部>居宅への歯科訪問診療に関するアンケート報告書

 

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号No.671

【1面】

  1.中医協総会/2026年度診療報酬改定 歯科医療の個別改定項目を提示/人材確保 口腔機能管理 デジタル化 物価対応など配慮
  2.衆院選2月8日(日)/各会派の医療政策を注視しよう
  3.探針
  4.ニュースビュー

【2面】
  5.中医協総会/歯科技術で17項目を評価 協会の要請項目も対象
  6.物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声/診療報酬改定に向けたパブコメ
  7.<1面からつづく>各会派の主な医療政策に関する公約や政策/2月8日(日)投開票 衆議院議員総選挙
 8.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内

【3面】
  9.「資格確認書の一斉交付」/協会の陳情 杉並区議会が採択 マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩
10.中医協 公聴会をオンライン開催/初・再診料による歯科感染対策の恒久評価を
11.新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起 指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意
12.2025年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
13.26年度改定で適用拡大へ/口腔内スキャナー導入を 星憲幸氏が第2回学術研究会で例示
14.診療報酬改定巡り会員の窮状伝える/第5回メディア懇談会を開催 国が進める管理重視医療政策に懸念

【4面】
15.経営・税務相談Q&A No.437/確定申告の基本 ~措置法26条~
16.会員を対象にした法律・確定申告相談会のご案内
17.書籍/保険医の経営と税務 2026年版/会員は1冊無料!2026年最新の税務対応版を発行!
18.3年ぶりに改訂版完成「医院経営と雇用管理 2025年版」
19.3月実施/歯科用貴金属の随時改定情報

【5面】
20.研究会・行事ご案内
21.東京都生産性向上・職場環境等整備支援事業補助金/Jグランツ申請を行った全医療機関で実績報告が必要です!お忘れなく!
22.Pick up! 会員だけが購入できるオススメ書籍 新版「歯科 カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」/「レセプトは、どう審査されるのか」を徹底解説
23.“会員限定”優待のご案内

【6面】
24.連載 協会探訪 その⑥/次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ―地域医療部―
25.IT相談室/再考 これからのSNSと歯科医院①―SNSは何のためのツールか―
26.理事会だより/2025年度第12回
27.共済部だより
28.1月協会活動日誌

【7面】
29.2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)
30.通信員便り №157
31.第35回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会/テーマ「有病者歯科と健康長寿」

【8面】
32.第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出
33.関ブロ・大会代表交流会/各協会が活動を報告
34.次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載
35.神田川界隈「最近の歯科の取り巻きについて思うこと」(副会長・本橋昌宏/荒川区)

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

2025年1218日に開催された社会保障審議会医療保険部会において、次世代の顔認証付きカードリーダー(以下、顔認証CR)の仕様が公表された。21年から販売されている現行の顔認証CRの保守期限(通常、販売から5年間)が263月末から順次到来することを受け、今年度中に販売が開始される見込み。販売予定のメーカーは、キヤノンマーケティングジャパン、パナソニックコネクト、リコージャパンの3社で、導入にあたっては費用の補助も予定されている。

資料によると、現行機種との最大の違いは、本体にスマートフォンに搭載されたマイナ保険証(以下、スマホ保険証)の読み取り機能が標準搭載される点といえる。また、各社独自の機能として①テンキーによる操作(本体付属またはオプション)、②音声案内機能などが盛り込まれている。

◆低調なスマホ保険証

キヤノンマーケティングジャパン製以外の現行機種では、スマホ保険証の読み取りに別途「汎用カードリーダー(汎用CR)」が必要だが、次世代機を導入すれば本体だけで対応可能になる。

ただし、スマホ保険証の読み取りに対応している都内の歯科医療機関は、本年119日時点で3,530件(約34.1%)と低調だ。利用者への普及も途上にある。松本尚デジタル大臣の記者会見(16日)によれば、2512月末時点のマイナ保険証登録数9,000万件に対し、スマホ保険証の登録は約500万件(約5.6%)に留まっている。

 

◆混乱のない丁寧な対応を

スマホ保険証の導入当初、顔認証CRの機種によって汎用CRの追加購入の要否が分かれ、現場には困惑と不公平感が広がった。次世代機への移行の際は、同様の混乱が生じないよう、丁寧な情報提供と支援が不可欠である。協会としては、今後の動向を注視しつつ、現場の実情に即した要望を国や行政に行っていく。

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

全国保険医団体連合会(保団連)は124日、25日の2日間にわたり第52回定期大会を開催し、202526年度活動方針や予算、次期保団連役員の選任が承認された。全国の協会・医会から大会代表、事務局ら総勢332人が参加した。

1日目は副会長を除く次期保団連役員が選任され、当協会からは保団連理事として呉橋美紀・矢野正明各理事が選任された。会長は信任投票で竹田智雄氏が信任された。

役員選任の際に、保団連副会長の定員を9名から10名に増員することを求める動議が出され、承認された。2日目に10名の保団連副会長が選任され、当協会理事からは森元主税氏(現職)が副会長に再任された。

森元主税理事        (保団連副会長に再任)

早坂美都会長

加藤開副会長

発言は事前発言通告が162件、フロア発言は62件の計224件が行われた。当協会からは早坂美都会長が共済制度の保険会社の幹事交代に関して「幹事交代は慎重に検討すべき」と題し、口頭発言を行い、幹事交代時の莫大なコストや募集体制の維持が困難な点などの多数の問題を指摘した。それに対し、執行部からは、今までの経緯が説明された。そのほか、「介護保険利用者の一部負担割合引き上げに全国で反対しよう」「保団連として歯科会員の実態調査を希望する」「トラブルが解決するまでは、健康保険証の復活を」「個別指導・新規個別指導における提出文書の事務負担軽減を求める」「中小・歯科医療機関向けサイバーセキュリティ研修動画の整備を要望する」「医療機関の経営を守るため、次期改定で診療報酬の抜本的引き上げを求め、共に頑張ろう!!」「医療DXにフォーカスをあてた『歯科医療改革提言』の作成を」「2026年度診療報酬改定における歯科診療報酬と構造的課題」と題した8本を文書発言した。鳥取県保険医協会からは「賃上げ・経営努力と矛盾する高点数理由の指導は中止を」といった行政の不合理是正を強く求める発言が多く上がった。

執行部からは当協会を含む各協会の発言通告を真摯に受け止め、活動・改善していくことが答弁で示された。

引き続き、当協会としても保団連および全国の各協会・医会と連携し、歯科医療および社会保障の改善を行うべく活動していきたい。

最後に「国民皆保険制度を維持し、いのちと暮らし、平和を守る政治の転換を求める」と題し、診療報酬の10%以上の引き上げを継続して求めるなどの主旨が盛り込まれた決議案が採択され、大会は終了した。

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声/診療報酬改定に向けたパブコメ

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声

中央社会保険医療協議会(中医協)総会が1月14日に開催され、「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」が確認された。これを受け、厚生労働省は、1月14日から1月20日まで意見募集(パブリックコメント)を行った。

協会はこれを受け、デンタルブックメールニュースを通じて、歯科医療の現場の声を多く提出することを会員に呼び掛けていた。以下に、複数の会員が提出した意見を紹介する。

【会員が提出した意見より】

・物価高騰対策は、各診療所に委ねることなく、国民皆保険を守るため国主導で責任をもって全医療機関に対し一律に実施するよう求める。

CADCAMインレーおよびCADCAM冠の算定要件の簡素化を求める。

・歯科用貴金属は情勢に即している点数とは言い難く、情勢に即した価格設定にすべき。また、技術料についても随時改定を検討することを求める。

・改定率と実際のコスト上昇との乖離が大きい、このままでは持続可能な歯科医療提供体制を確保できない。ベースアップ評価料ではなく、初診料・再診料の大幅引き上げで評価することを求める。

・人件費や医療材料費、光熱水費など物件費の高騰が著しく、中小規模の歯科診療所ではその影響が大きい。ベースアップ評価料など施設基準や補助金などでこれ以上の事務負担をかけることなく初・再診料はもちろん、処置や手術、歯冠修復・欠損補綴などそれぞれの個別項目において保険点数の技術料に反映し、評価すべきです。

OTC類似薬を保険給付から外すことに反対です。たとえ保険から外さなくても、別途患者負担を追加することにも反対です。病気やけがで困っている患者からさらなる負担を求めることがおかしい。OTC類似薬の保険外しにより、国庫負担は減るかもしれないが、保険料の負担軽減はわずかなもので、むしろOTC類似薬が必要な患者の負担は増加してしまう。

第2回学術研究会/26年度改定で適用拡大へ 口腔内スキャナー導入を

第2回学術研究会/26年度改定で適用拡大へ 口腔内スキャナー導入を

協会は2025年12月18日、協会会議室(WEB併用)で第2回学術研究会を開催した。「歯冠補綴治療における口腔内スキャナーの有用性―保険導入されたCAD/CAMAインレーへの応用―」をテーマに、星憲幸氏(神奈川歯科大学教授・口腔デジタルサイエンス学分野)を講師に迎え、184人が参加した。

星憲幸氏

24年度診療報酬改定により、CAD/CAMインレーに限り口腔内スキャナー(IOS/Intraoral Scanner)による光学印象が、保険適用となった。本講演は、26年度改定でさらに光学印象の適用拡大の可能性があることを背景に企画、開催したもの。
講演では、IOS礎知識、従来法と光学印象との比較、IOSの印象以外の使用法などを解説した後、実際の使用方法やポイントを画像で示して説明した。また、主要なIOS製品の特徴、推奨用途、価格などをまとめた表で比較。IOSを臨床に取り入れるための有用な情報、講師の深い知見に基づいた解説が満載の講演であった。
参加者からは「口腔内スキャナーの具体的な使い方を知ることができた」「スキャンする際の注意点など、とても勉強になった」などの感想が寄せられ、参加者に役立つ講演となった。

 

 

◆デンタルブックで動画配信中
現在、本研究会のオンデマンド動画をデンタルブックに公開している。研究会に参加できなかった会員はぜひ、視聴いただきたい。

新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起/指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意

新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起/指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意

協会は118日、ワイム貸会議室高田馬場で新規開業医講習会を開催し、32名が参加した。講師は、協会の加藤開副会長、島倉洋造、三島桂両社保・学術部員が担当した。参加者は、2月以降に新規個別指導を受ける予定の開業医や、指導通知が実際届いた開業医、今後新規や遡及による開業を予定している勤務医、2026年度診療報酬改定を前に、改めて保険請求やカルテ記載を学び、万全を期そうとするベテランの開業医と勤務医の姿もあった。

講習会ではまず、新規個別指導の流れを解説し、年間計画のほか、指導通知が届いてから指導日までに準備すべき事項の流れ、指導時に指摘されやすい項目や、当日の持参物などを具体的に説明。また、保険と自費の混合診療の考え方や歯周治療と補綴までの流れ、協会に多く質問が寄せられる根C、Ce管理中のF局の算定方法やCAD/CAM冠の適用、SPTとP重防などにも触れた。

また、24年の新規個別指導では1割以上が「再指導」になった実態も挙げ、開業時からのカルテ記載が重要であると説明した。

なお、25年から指導通知の郵送方法が、簡易書留から特定記録郵便へ変更され郵便受けへの投函のみとなったことで、他の郵便物と紛れて見逃してしまう事例があったため、重ねて注意を促した。

参加者からは、「分かりやすい説明だった」「カルテ記載は大丈夫と思っていたが、知らなかったことも多くあり、参加してよかった」などの声が寄せられた。

◆今後は新点数への対応も

26年は診療報酬改定を控えており、6月以降に指導を受ける場合は新たな診療報酬をより一層理解しておく必要がある。協会は410日㈮、521日㈭、527日㈬に新点数説明会を開催する。ぜひ、ご参加いただきたい。

中医協 公聴会をオンライン開催/初・再診料による歯科感染対策の恒久評価を/歯科訪問診療の見直し提起

中医協 公聴会をオンライン開催/初・再診料による歯科感染対策の恒久評価を/歯科訪問診療の見直し提起

1月21日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会で2026年度診療報酬改定に向けた公聴会が開催された。石川県を中心に、支払側・診療側など計10名が次期診療報酬改定への要望を含めた意見を述べた。
物価高騰や人件費上昇、被災地における医療提供体制の維持、医療DXの推進などが共通論点となる中、歯科からは金沢市内で歯科診療所を開業する前多裕氏(歯科前多院長)が、地域で歯科医療を継続するため、基本診療料などの評価の充実を強く求めた。
◆前多氏の意見概要
歯科医師の前多氏は、感染対策について言及し、歯科診療は口腔内に直接触れる特性から、標準予防策の徹底は選択的対応ではなく前提条件であると指摘。ディスポーザブル製品の使用、器具の洗浄・滅菌、ユニットの消毒に加え、感染性廃棄物処理やマニフェスト管理など、恒常的な事務負担が発生していると説明した。消毒薬や滅菌関連機器、廃棄処理費の高騰により、現行の点数体系では対応が困難として、施設基準加算に限定せず、初診料・再診料での恒久的評価を求めた。
また、歯科訪問診療については、外来患者が高齢化などで通院困難となった場合、継続診療の延長として対応している実態を説明。歯援診などの施設基準は小規模診療所では満たしにくいとし、地域包括ケアの観点から、外来を基盤に在宅へつなぐ役割を適切に評価する制度設計を求めた。
さらに、麻酔薬剤料の算定ルールの不整合や、パノラマ撮影・光学印象による口腔内デジタル記録の社会的意義についても言及し、評価の見直しを強く訴えた。

歯科診療所で利用できる助成制度一覧

医療機関が利用できる助成制度や給付金制度についてリンクをまとめました。ご利用ください。


【都・国の補助金等】

<保険医療機関のみ>
東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業(診療所)
※事前申請が開始しました。6月10日(水)までに必ず行ってください。

<支援事業に関する案内ハガキにご注意ください>
誤った内容の案内ハガキがすべての歯科医療機関に4/30に送られています。
東京都事務局から訂正メールが5/1より順次送信されています。
加えて、正しい内容に差し替わったハガキが5/11頃に再送されています。
お手元に届く訂正メールまたは再送ハガキをご確認ください。
<正しい案内ハガキのデータはこちら>
 


1.診療所等賃上げ支援事業

 ◎支給額
  歯科診療所 150,000円(2026年3月1日時点でベースアップ評価料を届け出ていること)
  歯科技工所  75,000円

 2.診療所等物価支援事業
 ◎支給額
  歯科診療所 170,000円
  歯科技工所  85,000円

医療扶助におけるオンライン資格確認等導入に係る助成金
・・・医療扶助のオンライン資格確認の導入に伴うレセコン等の改修費用の助成金です。
※ 当面の間助成を受け付けるとしています(2026/4/3現在)
補助額 5.4万円を上限に補助(事業額の7.3万円の3/4を補助)

医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業
・・・医療費助成のオンライン資格確認に係る改修やマイナ診察券に係る改修費用の助成金です。
申請期限:2026年9月30日
補助額:5.4万円を上限に補助(事業費7.3万円を上限に3/4を補助

こども DX 推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業
 ・・・上記の国の医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業の交付決定を受けた医療機関が対象の補助金です。本事業の2025年度申請受付は終了いたしました。なお、本事業は今年度(2026年度)も継続し、昨年度の申請が間に合わなかった医療機関は、今年度申請できる予定です。申請時期及び申請方法等の詳細は決まり次第、案内されます。
※補助額 1.8万円を上限に補助(または事業費の7.3万円の1/4を補助)

電子処方箋管理サービス等関係補助金
 ・・・2026年9月30日までに電子処方箋管理サービスを導入した医療機関等が受けられる補助金です(事業額の診療所上限1/2)。

◆東京都在宅歯科医療設備整備事業
 ・・・在宅歯科診療を実施する医療機関に対し、在宅歯科医療機器等の設備を整備し、歯科医療提供体制の充実を図るための補助金です。

<保険・自費で活用可>
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
 ・・・業務効率化(レセコン、予約管理など)を目的とした補助金です。
導入例
レセプトコンピューター
会計ソフト
勤怠管理システム
オンライン予約システム
など

東京都事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)(2025年度募集は終了しています。2026/4/3現在)
 ・・・「これまで営んできた事業の深化又は発展」に取り組み、これが経営基盤の強化につながると認められた場合に、当該取組に必要な経費の一部を助成します。
利用例
機器名        期待効果
歯科用CTスキャナー   精密診断による治療精度向上
デジタルレントゲン   被ばく量削減、画像診断の高度化
CAD/CAMシステム 院内技工による迅速な補綴物製作
など

<自費診療のみ活用可>
ものづくり補助金(医療法人は対象外)
 ・・・歯科用CT、CAD/CAM機、3Dプリンターなど、革新的な機器・設備導入に活用できます。
利用例
歯科用CAD/CAMソフト
歯科医療専用3Dプリンタ-
歯科医療専用3Dスキャン
歯科医療専用ミリングマシン

中小企業省力化投資補助金(一般型)
 ・・・中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援する補助金です。

<全事業者が活用可>
【東京都】カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金
・・・2025年4月1日以降事前エントリーまでに、カスタマーハラスメント対策に関するマニュアルの整備に加え、 カスタマーハラスメントを防止するための実践的な取組を実施した都内中小企業等に対し、 奨励金を支給します。
※申請には事前エントリーが必要であり、受付件数が2,000件に達した時点で、事前エントリーを終了します。
事前エントリー受付開始日時  2025年度の受付は終了しました。2026年度申請受付は準備中です。(2026/4/3現在)
奨励金  40万円

 

2025年に行った助成金・補助金についてのセミナーをアーカイブ配信しています。
上記助成金についても解説していますので参考にしてください。
視聴するには下記をクリックしてください。
第1回経営管理研究会/助成金・補助金セミナー_西岡敦氏
デンタルブックが開きますので「動画配信」から当該セミナーを選んでください。
注)視聴にはデンタルブックへの登録が必要です。


過去の助成金に関するページは以下をクリックしてください。
生産性向上・職場環境整備等支援事業(給付金・18万円)(2027年度)
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2025年4月~12月分)について

2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2月16日から2025年分所得税確定申告の受け付けが始まります。今回の申告で注意すべき所得税改正点および留意点のうち、主なものは以下の通りです。

なお、詳細は書籍「保険医の経営と税務2026年版」に記載されております。会員の先生に1冊無料で進呈します(トップページの「研究会・行事ニュース」コーナー参照)。ご希望の方は右のQRよりお申し込みください。

(1)基礎控除の変更

基礎控除が改正され、合計所得金額が2,350万円以下である場合の控除額が合計所得金額に応じて下記の通り変更となりました。改正前から10万円引き上げられ58万円となり、所得金額が下がれば基礎控除額が逓増し、所得金額が上がれば基礎控除額が逓減します。

 

 

 

 

(2)給与所得控除の改正

給与所得控除額が改正され、最低保障額が65万円(改正前:55万円)に引き上げられました。

 

 

 

(3)給与等の源泉徴収税額表の見直し

上記(1)(2)に伴い、源泉徴収税額表が見直されました。202511日以後に支払うべき給与等について適用されて税額が変わりますので、新しい税額表を使用してください。

(4)特定親族特別控除

居住者が19歳以上23歳未満の一定の親族等(特定親族)を有する場合には、その親族等の合計所得金額に応じて最大63万円が控除されることとなりました。子等の合計所得金額が85万円(給与収入が150万円)以下の場合は63万円の所得控除が適用され、それを超える場合は控除額が段階的に逓減する仕組みです。

 

 

 

(5)扶養親族等の所得要件

扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が58万円以下(改正前: 48万円以下)に引き上げられました。

(6)賃上げ税制

青色申告書を提出している事業者が一定の条件を満たした上で、前年より給与等の支給額を1.5%以上増加させた場合、給与等増加額の15%から最大40%を所得税額から控除することができます。税額控除額は、所得税額の20%が上限となりますが、改正により、控除しきれない金額がある場合には、その金額を5年間繰り越すことができることとされました。

(7)医療用機器の特別償却

青色申告者が1500万円以上の新品の医療用機器を取得した場合に、普通償却に加えて取得価額の12%の特別償却ができる制度の適用期限が2年間延長され、2027331日まで適用されることとなりました。

対象となる資産は、以下に掲げる一定の機器に限定されています。

①歯科用ユニット、②炭酸ガスレーザ、③エルビウム・ヤグレーザ、④ネオジミウム・ヤグレーザ、⑤ネオジミウム・ヤグ倍周波数レーザ、⑥デジタル式歯科用パノラマX線診断装置、⑦デジタル式歯科用パノラマ・断層撮影X線診断装置、⑧チェアサイド型歯科用コンピュータ支援設計・製造ユニット、⑨デジタル印象採得装置、⑩アーム型X線CT診断装置、⑪歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット

なお、今回の改正で202541日以後に取得した歯科用オプション追加型ユニットが対象から除外されました。

(8)その他の留意点

①金属売却収入

歯科金属や金歯・撤去冠などの歯科スクラップを金属業者へ売却した場合、忘れないよう雑収入に計上してください。

②国等から補助金等が支給された場合の取り扱い

下記の補助金等は事業所得の雑収入となります(消費税は対象外)。

・東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金等、自治体による物価高騰対策補助金、生産性向上・職場環境整備等支援事業補助金等

・オンライン資格確認に必要な機器の導入に係る補助金

※収入計上時期は支給決定時です。ただし、経費を補填するために交付を受ける助成金等については、その支出が発生した年分の収入とされます。

また、補助金等により固定資産を取得した場合には、国庫補助金等の総収入金額不算入制度(いわゆる圧縮記帳)を適用することにより課税の繰り延べをすることができます。

(9)2026(令和8)年度税制改正大綱

103万円の壁

給与所得者のいわゆる103万円の壁について、低所得層の税負担を軽減するため2025年については課税最低限が160万円まで引き上げられましたが、2026年には178万円まで引き上げられる見込みです。

②少額減価償却資産の必要経費算入制度

青色申告書を提出している事業者が購入金額30万円未満の資産を取得した場合、全額が必要経費となる制度について、202641日以降の取得についてはその基準が40万円未満に改正される見込みです。

★経営管理研究会(2024年10月22日開催)をオンデマンド配信中

なお、協会では「補助金・助成金セミナー~歯科診療所が活用できる補助金・助成金・支援金その最新情報と申請のポイント~」をテーマとして2024年10月22日に開催した第1回経営管理研究会をオンデマンド配信しています。ぜひ、デンタルブックの協会制作動画コーナーをご覧ください。

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

 ◆画期的な採択 世田谷・渋谷区を先例に

協会は20257月、世田谷・渋谷両区を除く都内全区市町村に対し、国保加入者への資格確認書の一斉交付を求める陳情書を提出した。

その結果、26114日の杉並区議会本会議でその陳情が採択され、今後、同区では一斉交付について検討を始めることになった。今後の動向を注視したい。

◆国に健康保険証の復活を求める

また、同本会議では東京保険医協会の「健康保険証を復活させるよう国に対して意見書の提出を求める陳情」も採択され、区から国へ意見書が提出された。

その杉並区の意見書の内容を見ると、国民の不安が払拭されていない現状を指摘し、健康保険証の復活と円滑な受診環境の確保を国に強く求めているほか、情報のひも付けや10割負担の請求、負担割合の相違などの関連するトラブル事例も記し混乱する現場の状況に理解を示す内容となっている。

◆現場の実態と声を行政へ

これらは、資格確認で困っている現場の声を行政に届けた結果、採決につながったもの。協会は引き続き現場の実態と声を行政へ届けていく。諸活動への理解と協力をお願いするとともに、ぜひ、現場の声を協会までお寄せいただきたい。

中医協総会/2026年度診療報酬改定/歯科医療の個別改定項目を提示 人材確保 口腔機能管理 デジタル化 物価対応など配慮

中医協総会/2026年度診療報酬改定/歯科医療の個別改定項目を提示/ 人材確保 口腔機能管理 デジタル化 物価対応など配慮

【歯科の実態に配慮した多岐にわたる見直し内容に】

◆個別改定項目の検討

中央社会保険医療協議会(中医協)は123日に総会を開き、2026年度診療報酬改定に向けて提案された「個別改定項目について(その1)」(いわゆる〝短冊〟)に検討を加えた。

その中で歯科医療分野を見ると、①物件費の高騰を踏まえた対応、②賃上げに向けた評価の見直し、③歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の要件ならびに評価の見直し、④継続的・効果的な歯周病治療の推進、⑤歯科治療のデジタル化等の推進―をはじめとする、歯科医療の実態を踏まえた多岐にわたる見直しが盛り込まれている。

◆物件費の高騰関連

①では、これまでの物価高騰による医療機関における物件費の負担増加への対応も示された。

歯科診療報酬については初・再診料(地域歯科診療支援病院歯科初・再診料を含む)の引き上げが示されている。

さらに、26年度および27年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料などの算定に併せて算定可能な加算として、「歯科外来物価対応料(1日につき)」を新設するとしている。

◆歯科技工士の賃金改善

次に②では、賃上げに向けた評価の見直しとして、歯科技工所の歯科技工士の確実な賃上げを図る観点から、歯科技工所ベースアップ支援料(1装置につき)を新設する。

◆各種の口腔機能管理関連

また③では、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料について、算定要件と評価の見直しが行われる。小児から高齢者までの口腔機能管理について、対象患者の範囲を拡大し、実態に即した評価に見直す方針が示された。

◆歯周病治療関連

さらに④では、評価体系の再編が打ち出された。歯周病安定期治療および歯周病重症化予防治療について、歯科診療の実態を踏まえ、歯周病継続支援治療として整理・統合し、評価を見直す。

併せて、歯周病ハイリスク患者加算については名称を「重症化予防連携強化加算」に変更する。主治医に対する歯科診療情報の提供を要件に追加し、糖尿病患者などへの対応を通じて医科歯科連携を一層推進する方針が示された。

◆デジタル化推進

そのほか⑤では、CAD/CAM冠およびCAD/CAMインレーの評価や要件の見直し、光学印象の対象拡大が示された。

◆有床義歯管理に一石を投じるか

有床義歯管理では、「新製有床義歯管理料の算定単位を、1口腔単位から1装置単位に見直し、評価を見直す」としている。さらに、歯科口腔リハビリテーション料1と新製有床義歯管理料における義歯指導の違いを明確化するとともに、「歯科口腔リハビリテーション料1との併算定を可能とする運用を見直す」との内容が打ち出された。

◆歯科衛生士関連

歯科衛生士による口腔機能に関する実地指導を行った場合の評価とし、歯科衛生実地指導料の加算であった口腔機能指導加算を「口腔機能実地指導料」として独立させる。

これは、研修を受けた歯科衛生士が、主治の歯科医師の指示の下で口腔機能の発達不全や口腔機能が低下した患者に指導を行い、その指導内容に関する情報を文書で提供した場合に月1回算定できる評価で、歯科衛生士の専門性を生かした口腔機能管理を後押しする内容となっている。

歯科医師と歯科技工士の連携については、「歯科技工士連携加算の評価の範囲や施設基準を見直す」として、連携体制の強化が図られる。

そのほか、画像診断や病理診断などについて解釈を明確化するとともに、暫間歯冠補綴装置、ディスキング、補綴前処置など、新たな評価項目が整理されている。歯科固有の技術についても、評価や運用の見直しが行われる。

今後の中医協での点数設定や算定要件の具体化に向けた議論が注目される。

連載/遊歩道  第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

連載/遊歩道 第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

 

前会長の坪田有史氏が歯科について執筆するコラムを新たにスタートさせます。タイトルは「遊歩道」。「遊歩道」は散歩や自然観察、景観を楽しむこと(遊歩)を目的として作られた道のことです。コラム「遊歩道」は、さながら、遊歩道を散歩しているがごとく、時には立ち止まり、時には遠くを見つめながら、坪田氏独自の視点で歯科界を自由に解説していきます。ぜひ、ご期待ください。

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【2026年度改定に向け厚生労働省へ要請】

◆厚労省要請で保険請求の不合理是正を要望

協会は2026年度診療報酬改定に対して、協会会員から寄せられた要望や意見を伝えるため、25124日に5名の役員と2名の事務局員が厚生労働省を訪ね、要請活動を行いました。本稿では、その内容を抜粋して報告するとともに、私見を述べます。

要請時点で、既に26年度改定の内容については、中央社会保険医療協議会(中医協)において骨子や方向性が示されていました。その上で今回の要請の趣旨は、「歯科医療の質の向上および国民の口腔の健康を図るため、現行の告示および通知における運用上の課題について、臨床実態に即した見直しを行い、制度の実効性を高めることを要望すること」でした。すなわち、歯科保険医が日々診療を行う中で、保険請求において不合理と感じる点や疑問に思う点などを、診療報酬を所管する官庁である厚労省側に直接要請することでした。

◆なぜ、私が協会で活動するのか

約14年前、私は東京歯科保険医協会に入会し、協会活動に参画しました。その理由は、所属していた大学で研究・臨床を行う中で、特に研究テーマの一つであった支台築造について、エビデンスに基づかない保険算定要件の縛りや不合理な解釈を改善したいと考えたからです。

当時、厚労省の改定を担当された方に要請し、理解を得て、支台築造の算定要件の改善を実現しました。一人の歯科医師の声が協会を通じて保険制度の内容を改善したことは、とてもうれしい経験でした。

この成功体験は、今でも私が歯科保険医、そして患者・国民のために協会活動を行う土台、礎となっています。私の経験を、ぜひ他の先生方にもお伝えしたい、そして実際に経験していただきたいと思っています。協会会員の先生方はもちろんのこと、まだ協会に入会されていない先生方も、日々保険診療を行う中で疑問に思うこと、改善してほしいと感じることがあるはずです。声を上げなければ、それは行政側には届きません。私は、多くの先生方に協会活動へ参画していただくことを望みます。それが叶わなくとも、協会は先生方の声を行政に届けますので、ぜひご要望、ご意見を協会までお寄せください。それが患者、国民はもとより、必ず歯科保険医、歯科技工士、歯科衛生士、メーカーなどの歯科医療関係者へのフォローになります。

◆今後の改定動向を注視

1月に学会ルートである医療技術評価提案書を通じて、評価される新技術や既存技術の改善に関する提案が発表されます。そして2月には、26年度改定の具体的な内容が明らかになります。その内容が、前述した要請の趣旨に沿ったものとなるよう、協会は今後も臨床現場からの意見を提示していきます。

今後とも、協会活動へのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

★機関紙「東京歯科保険医新聞」2026年1月1日号(No.670)8面掲載

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

東京歯科保険医協会は、衆議院選挙(2026年2月8日投開票)に向けて、各政党に対し歯科医療などに関する政策についてアンケート調査を実施しました。アンケートを依頼したのは、自由民主党、中道改革連合、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、参政党、れいわ新選組、日本保守党、チームみらいの各党です。

以下は質問内容と、各政党からの回答(2/5 12:00時点)です。クリックすると回答が閲覧できます。 歯科に関する政策理解を深めていただく一助となれば幸いです。

アンケートの結果一覧(PDF)はこちらからご覧いただけます

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院①-SNSは何のためのツールか-

IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院①―SNSは何のためのツールか―

 ◆SNSに「集患」を期待する時代は終わった

「もうホームページの時代ではない。これからはSNSの時代だ」―この言葉も既に古くなってしまいました。さらに、ホームページに加えてYouTubeinstagramなどのSNSを開設すれば「2倍、3倍の効果がある」「開設しなければSNSで医院を選んでいる層にアプローチできない」…。こうした認識も、現在の通説とは異なります。現在のSNS活用のポイントは、「SNSに集患のチャンネルとしての効果は期待できない」ということです。

◆SNSはミスマッチを減らす経営ツール

医院を選ぶ前の検索行動でSNSを確認する行動は、今後も増えていくでしょう。そこで閲覧されるのは症例数や最新の医療機器の導入状況ではなく、院長やスタッフの価値観、治療方針の説明、院内の空気感です。「こんな医院なら通ってみたいな」という感覚を呼び起こす装置がSNSといえるでしょう。

SNSは患者を「集める装置」ではなく、ミスマッチを減らし、不安低減につながる「経営ツール」として位置づけ、設計すべきではないでしょうか。これは、集患はもとより、特に求人においても重要な役割を担います。

◆更新しないのなら、やらない方がいい

では、SNSは導入した方が良いのでしょうか。もし、ご自身が「SNSは必要」と判断するのなら導入しましょう。なぜなら、医院やスタッフのパーソナリティを理解した、ミスマッチの少ない集患や求人の効果が期待できるからです。

ただし、更新されていないSNSは、間違いなく「運営されていない印象」を強く与えるだけに留まらず、単にSNSを導入していない場合よりも「途中で放置された」「管理が行き届いていない」というマイナス評価につながりやすく、医院への信頼感を引き下げる要因になります。

更新終了を明示している場合は例外ですが、それ以外であれば、更新できないSNSはリンクを掲載しない方が、経営上は安全な判断といえます。

連載/協会探訪 その⑥「次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ」<地域医療部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑥「次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ」<地域医療部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

地域医療部は、1988年度に新設された専門部です。85年に医療法が改正され、各都道府県で「地域医療計画」の策定が始まりました。その結果、全国的に地域医療活動に注目が集まりました。協会でも小児科、産婦人科と連携して、子どもの虫歯予防などを推進するため、盛んに必要な活動を計画、実施していました。

こうした中、88年に独立した専門部として発足したのが地域医療部です。

◆高齢社会に応じた地域医療の改善活動

発足当初は、「健康テレホンサービス」「健康相談」「寝たきり高齢者の往診、歯科健診」などを東京保険医協会と協力して進めました。その後、歯科訪問診療の推進、歯科健診事業への取り組み、介護保険への対応、国保問題や学校歯科の諸課題への取り組みなど、次々と浮上する地域の歯科医療が抱える課題を検討、改善につながる要請活動を実施してきました。

直近では、まだ歯科訪問診療に取り組んでいない会員を対象とした講習会の開催に取り組んでいます。また、東京都からの依頼に基づいて、会員に歯科医師認知症対応力向上研修の周知にも協力しています。

超高齢社会に突入している現状を踏まえると、要介護高齢者や障害者など、在宅や施設で療養しているために、かかりつけ歯科医への通院が困難な方々はますます増加していきます。

このような状況の中で地域医療部は、今後の医療制度、医療提供体制を見極めた現状分析と将来展望を持ち、地域包括ケアシステムも含め、地域医療の改善運動に取り組んでいます。

◆子ども医療費助成制度の格差撤廃について

さらに、学校歯科治療調査の実施、およびその結果を基にした養護教諭との懇談会の開催、地域の医療受療格差をなくすための子ども医療費助成の拡充要請も地域医療部が担当しています。要請は東京23区と多摩地区の地域ごとの格差是正であり、養護教諭との懇談会で出された要望に基づくもので、地域医療部ならではの取り組みとなりました。

また、都内で子ども医療費助成制度に自己負担が残っている16自治体に対して調査を行ったところ、財源不足が課題であることが分かりました。子育てしやすい東京を実現するため、東京都の財政補助により、自己負担の撤廃を要望いたしました。

2024年6月24日に開催した「学校歯科治療調査懇談会」の模様

 

 

 

 

 

 

 

◆給食後歯磨き推進に向け公立学校水道設備の拡充の要望

都内の公立小・中・高等学校では、水道設備が少数または老朽化、蛇口の数が少ないことにより、昼食後の歯磨きの習慣づけが困難な状況にあります。口腔衛生の保持および校内での歯磨きの習慣獲得のためにも水道設備の整備、拡充は必要であることを要望しました。

そのほか、地域医療部が作成した歯科訪問診療用のポスターを用意しております。ぜひ、活用してください。

衆院選に向け、東京の候補者に推薦状をお渡ししました

衆院選に向け、東京の候補者に推薦状をお渡ししました

若宮健嗣候補(東京5区・下段左)、松原仁候補(東京26区・下段右)へ、28()の衆議院議員総選挙に係る推薦状をお渡ししました。 歯科医療分野には様々な課題がありますが、その改善のためには、業界だけに留まることなく様々な方々に応援していただけるよう、幅広く活動を広げることが必要です。 東京歯科保険医協会として、日頃お世話になっている若宮議員および松原議員との連携を深めることによって、より良い歯科医療の未来づくりを進めていきます。 

衆議院選当日まであと数日ですが、1人でも多く、歯科医療分野にご理解を頂ける先生方が当選されることを願っています。

<会員1冊無料>書籍「経営と税務ー2026年版ー」

経営と税務-2026年版-発行のご案内です。 

日々の記帳から確定申告までの手順をコンパクトに解説。日々の税務対策を通じて経営を見直し、医業経営の改善にもつながる一冊です。開業・継承・閉院のほか、相続・贈与、勤務医・スタッフの税務、消費税などについても解説しています。

会員1名につき、1冊無料で送付いたします。

ご希望の方は、下記よりお申込みください。

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オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

2025年124日に開催された「保険証を返せ!国会集会」で、全国保険医団体連合会(保団連)が2510月から11月にかけて行った「20258月以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査」(以下、実態調査)の中間報告を公表した。それによると、回答した医療機関の69.8%がオンライン資格確認システム(以下、オン資)でのトラブルを経験しており、挨拶に立った保団連の竹田智雄会長は、「トラブルは改善していない。混乱は健康保険証を残せば解消する」と指摘した。

スマホ保険証*の導入率未だ25・1%と低迷

122日以降の資格確認方法は、表の通りである。マイナ保険証の有無、マイナ保険証(マイナンバーカード)かスマホ保険証か、オン資の導入状況などにより、資格確認方法は複数に分かれる。

また、同11月のマイナ保険証の利用率は39.24%と低迷している。同9月から始まったスマホ保険証も、対応可能な都内の歯科医療機関は同1215日付で2,594件に留まっており、12月1日付の保険医療機関数が10341施設であることを考慮すると、導入率は25.1%と低調である。

◆進まない資格情報無効のトラブル対策

実態調査のトラブルの多くは、「が出る」と「資格情報が無効」が占めている。前者について厚生労働省は、26年度を目途に多くの解消を目指す施策を示したが、後者の解消策は示されていない。「資格があるはずなのにオン資で資格無効と表示される。最新情報が反映されていない」との相談は協会に度々寄せられており、厚労省は対応策を示すべきである。

協会は、引き続き適切な対応を求めていくので、トラブルが起きた場合は遠慮なく相談してほしい(☎ 03-3205-2999)。

*マイナ保険証をスマートフォンで利用すること