資材不足と価格高騰/歯科診療を直撃/このままでは診療に影響大 資材確保と診療報酬引き上げを
◆医療資材不足アンケート
協会は、5月15日から31日にかけ、会員を対象とした「医療資材の在庫・供給状況緊急アンケート」を実施した。メール・FAXで会員5,215名にアンケートを送り、300医療機関(回答率5.8%)から回答を得た。その結果、94.0%が医療資材の入手困難を経験し、34.0%が既に診療への影響を受けていることが明らかとなった。
特に不足が深刻な資材は、グローブ(80.0%)、エプロン(58.7%)、滅菌バッグ(51.3
%)など、全て日常診療や感染対策に欠かせないものばかりである。回答者からは、「予約枠を縮小している」「治療延期も行っている」「代替品で対応している」など、切実な声が寄せられた。
◆代替品でしのぐ現場/高まる診療への不安
入手困難となっている上位3品目であるグローブ、エプロン、滅菌バッグの在庫状況を見ると、長くても3カ月分しかなく、多くは1カ月以内との回答であった(図)。歯科医療機関では3カ月後の診療予約を取ることもあるが、その時になっても必要な資材が確保できる保証がないという状況に置かれている。
また、従来使用していた製品の入手が困難となり、やむを得ず代替品へ切り替えているとの回答も寄せられた。サイズや使用感、品質や性能が普段とは異なる資材を使用しながら診療を継続している実態もみられる。現場の努力によって診療は維持されているものの、本来使用したい資材を十分に確保できない状況が続けば、医療提供体制への影響も懸念される。 歯科医療機関は患者の治療継続に責任を持ちながら先行きの見通しが立たない中で診療を続けている。
◆資材は確保できても/価格は下がらない
さらなる問題は価格高騰である。資材が確保できたとしても、購入価格は以前より大幅に上昇しているため多くの医療機関が経営上の負担増を訴えている。中東情勢や原材料価格の上昇などを背景に、今後の大幅な値下がりは期待しにくい状況だ。
◆今次診療報酬改定では/物価高騰対応は不十分
今次診療報酬改定では、物価高騰への対応が行われたが十分とは言えない。医療資材費をはじめ、人件費や光熱費なども上昇を続ける中、保険診療を担う歯科医療機関の経営は厳しさを増している。
安全で質の高い歯科医療を継続的に提供するためには、実態に即した診療報酬の期中改定や支援金の支給などによる対応が必要である。





