全ての歯科医院で歯科技工所ベースアップ支援料の届出および算定を!

2026年度歯科診療報酬改定にて、歯科技工士の処遇改善を目的に、歯科技工所ベースアップ支援料が新設されました。
歯科技工士問題検討委員会では、歯科技工所へ緊急プレアンケートを実施し、結果を受け、歯科技工士問題検討委員長談話を発出いたしました。

全ての歯科医院で歯科技工所ベースアップ支援料の届出および算定を!
 報道にもあるように、歯科技工士は担い手の減少や、高齢化の進行などにより、厳しい状況が続いている。当会が2020年、2023年に都内歯科技工所に対して実施した歯科技工所アンケートでも、小規模歯科技工所を中心に、低賃金・長時間労働による厳しい勤務状況や、後継者不足が示されている。これ以上歯科技工士が減少すれば、義歯に限らず、その他の保険の補綴物の受注先が見つからず、歯科診療に大きな影響が出る可能性がある。
 今改定では、歯科技工所で働く歯科技工士の処遇改善、賃上げ対応として、「歯科技工所ベースアップ支援料」が新設された。歯科技工士の賃上げにつなげるための重要な仕組みとして位置づけられており、歯科医院において広く施設基準の届出を行い、算定をすることが求められる。
 2026年4月30日~5月7日かけて緊急に実施した歯科技工所アンケートでは、契約先医療機関が歯科技工所ベースアップ支援料を算定することを約90%の歯科技工所が「希望する」と回答している。一方、70%超の歯科技工所が、ベースアップ支援料は「実効性があるか疑問」と回答している。自由記述欄には「歯科医院側から言ってほしい」「歯科医院が申請してくれるか不安」「歯科技工士から話をして仕事がなくなる可能性がある」など、歯科医師の対応に不安を感じる声が多く寄せられている。
 一方で、制度設計が複雑であることや、歯科医院側の事務負担が大きいこと、実際の賃上げにどのようにつながるのか見えにくいこと、委託1装置につき一律の点数であり、手間のかかる有床義歯ほどプラス感が薄れることなど、問題点も多岐にわたる。本来は、技術料の評価を引き上げ、「7:3告示」に基づき、歯科技工士の処遇改善を図るべきである。
 しかし、問題点を理由に施設基準の届出や、歯科技工所ベースアップ支援料の算定が進まなければ、歯科技工士の処遇改善は依然として進まない。歯科技工所ベースアップ支援料は、歯科技工士の賃金改善をするための原資を確保する項目であり、歯科医院の届出・算定によって実効性が保たれるものである。歯科技工所ベースアップ支援料の施設基準届出率や、算定率が低ければ、歯科医師は歯科技工士の処遇改善に消極的だと取られかねない。
 協会では、歯科技工所ベースアップ支援料の制度上の問題点を訴え、改善を求めるとともに、診療報酬総枠拡大と技術料評価の引き上げを求めていく。
 各歯科医院においては、歯科技工所、歯科技工士、ひいては国民の口腔健康を守るために、今改定の趣旨を十分に理解し、全ての歯科医院で積極的に施設基準の届出を行い、算定を行ってもらいたい。
2026年5月14日
歯科技工士問題検討委員会
委員長 森元 主税

ダウンロードはこちらから
全ての歯科医院で歯科技工所ベースアップ支援料の届出および算定を!

アンケート結果もご覧ください。
アンケート結果まとめ