年別アーカイブ: 2017年

東京都歯科医師会の新会長に高橋哲夫氏

東京都歯科医師会の新会長に高橋哲夫氏

東京歯科医師会代議員が6月22日、千代田区四谷の日本歯科医師会館で開催された。今回は、高橋哲夫会長の任期満了に伴い、これまで副会長を務めていた山崎一男氏が新たな会長に選出された。そのほか、新副会長3名、理事13名、監事3名が選出された。

第45回定期総会「決議」/機関紙2017年7月1日号(№568)2面掲載

第45回定期総会「決議」

政府は、2017年度政府予算案で、一般会計の総額を前年度当初比0.8%増の97兆4547億円とし、軍事防衛関係費を5年連続増額の5兆1251億円とした。しかし、社会保障費は、2016年度から2018年度の3年間で自然増を1兆5000億円に抑制し、更にその抑制方針を2020年まで継続しようとしている。

伸びの抑制に導入されるのは、70歳以上の高額療養費制度の上限額引き上げ、介護保険利用料の3割負担導入など高齢者を狙い撃ちにした自己負担の引き上げである。このことは、医科よりも低い高齢者の歯科受療率を更に引き下げ、歯科疾患の重症化を招きかねない。患者の負担増を進める動きには反対する。

さらに、歯科医療機関の経営は厳しい。第20回医療経済実態調査結果では、都内23区を集計した1級地の医療収益の伸び率は-1.2%であり、その減収分を歯科材料や医薬品などの経費削減で補っている現状が明らかになった。在宅医療や基礎疾患を持つ高齢者へ歯科治療が重視される中、患者に安心・安全な歯科医療を提供できる体制が脅かされている。歯科診療報酬の引き上げを行うとともに、保険診療に係る仕入れ価格のうち消費税分の負担を強いる損税問題も早期に解決すべきである。

私たちは、社会保障削減策を推し進める動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療の充実の実現に向けた運動を国民とともに力を合わせ、以下の要求を表明する。

一.わが国の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする社会保障制度を充実させること。

一.高齢者の医療保険や介護保険の自己負担を引き下げること。

一.歯科医療機関の経営を抜本的に改善するため、歯科診療報酬を引き上げること。

一.社会保険診療に係る消費税非課税制度を、ゼロ税率に改めること。

一.保険医を萎縮診療に誘導し、結果患者の受療権を侵害する高点数を理由とした一切の指導を行わないこと。

一.生命と健康を脅かすものを排除し、平和を尊ぶ社会を目指すこと。                          

2017年6月18日

東京歯科保険医協会

第45回定期総会

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

6月18日、協会は「東京歯科保険医協会2017年度第45回定期総会」を中野サンプラザで開催した。今総会では、2016年度の活動・予算決算などの報告のほか、2017年度の活動計画案と予算案などの議案について審議・検討を加え、すべて賛成多数で可決された。また、6項目による総会決議も採択した。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、今総会は役員改選の年に当たるため、定款に則り会長、副会長、理事が選出され、新会長には、これまで副会長、政策委員長などを担当していた坪田有史氏が選ばれた。

 

◆坪田新会長あいさつ

坪田新会長はその就任に当たり挨拶し、その中で、これまで会員からいただいた支援、協力について、今後も引き続きお願いしたい旨を述べるとともに、「歯科のおかれている現状は厳しい。少子高齢化が進み総人口も減少しており、歯科でも疾病構造が大幅に変化しているのも事実。なかなか難しい時代だが、頑張っていきたいと思う」と訴えた上で、「公的医療保険の中で総枠拡大はどうしても必要と考える。いろいろと前向きに考えたい」と、来年度の診療報酬・介護報酬同時改定を視野に入れた今後の方向を示唆。さらに「副会長、理事者、執行部とともに、また事務局とスクラムを組んで進みたい。会員、国民、都民、患者、協会の将来のために頑張りたい」と抱負を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆近未来の歯科医療語る/医療ジャーナリストの田辺功氏が記念講演

総会に続き、記念講演として、医療ジャーナリストで元朝日新聞編集員の田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」をおこなった。田辺氏は、自身の科学部で医療問題を担当していた記者時代からの経験を紹介した後、歯科は今後も口腔関係の専門家であるとともに、食と栄養に関する専門家であるべき点を指摘し、「口腔ケア」の概念と全身の健康と疾患の関係が解き明かされてきた経緯を説明。しかし、その重要性とは裏腹に、現状では病院歯科は減少しており、病院では「口腔ケアの実情を見聞することもしなければ、厚生労働省が推進を図ろうとしなければやろうとしない。これはおかしい」とした。さらに、「厚労省の一番の関心事は、基本的には医療費減らしとその方法論、医科・歯科の医療の“質”のことを忘れている」と訴えた。また、歯科と医科の関係についても言及し、歯科は医療の質を注視すること。および歯科は、口腔内の専門家とともに栄養の専門家であってほしいとした。

◆懇親会の模様

総会、記念講演後に開催された懇親会には、記念講演を行った田辺氏も参加し、さらに国会議員、都議会議員や協会顧問弁護士、顧問税理士、友誼団体関係者も加わって議論を重ね、さらに交流を深めた。

懇親会会場で壇上に上がった新役員オールキャスト

日本歯科医師会代議員会で堀氏が会長再選・信任され2期目へ

日本歯科医師会代議員会で堀氏が会長再選・信任され2期目へ

6月15、16日の2日間にわたり、第185回日本歯科医師会代議員会が日歯会館で開催され、堀憲郎氏が会長として再選・信任され、堀執行部2期目がスタートした。

また、来賓として、歯科医師でもある自民党の白須賀貴樹衆院議員、島村大参院議員のほか、高橋英登日本歯科医師連盟会長、住友雅人日本歯科医学会会長らが挨拶を行った。

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

来たる6月18日(日)午後2時から、当協会の第45回定期総会が開催される。その第2部の記念講演「近未来の日本の医療と歯科」の講師を務める医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏が、本日15日午後4時半、協会事務局を訪れ、当日のスライド資料ほかの最終調整を行った。そのなかで田辺氏は、「明るいイメージを抱いて歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!」と重ねて強調された。

田辺氏作成の資料は、当日の記念講演とともにご覧いただくこととなるが、ここでは、協会の機関紙に2015年9月1日号(No.546号)~2017年2月1日号(No.563号)に連続掲載された『歯科医療点描』全18回分を再編集したものをご紹介させていただく。表記をクリックしていただき、全6ページ18話のPDF版をご覧いただきたい。また、記念講演の柱の一部は、この連載内容をベースに、さらに詳しい内容出会届けすることとなっており、18日(日)午後4時30分から中野サンプラザ11階「アネモルーム」で開催する記念講演に、ぜひお越しいただきたい。当日のご参加も大歓迎です。

◆田辺功氏略歴

たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

★「歯科医療点描」全18話PDFダウンロードはここをクリック!!

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

来たる6月18日(日)に協会の第45回定期総会が開催される。会員各位には、既に当日の「定期総会議案書」をお届けさせていただいた。

先ずは、その裏表紙をご覧いただきたい。

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この定期総会で午後4時30分から開催する第2部記念講演「近未来の日本の医療と歯科」で講師を務める田辺功さん(医療ジャーナリストで元朝日新聞で医療問題に専門に取り組む科学部所属で編集委員も務めた)と、当日の聞き所などについてうかがってみた。同じく当日司会を務めるコーディネーターの早坂美都理事(広報・ホームページ部担当)との“放談”は90分に及んだ。

◆近未来の歯科の議論にフロアーも引き込む

田辺功さん。医療問題を取材して半世紀のキャリアを持つベテランだ

今回の田辺さんの視点としては、「広く日本の医療を捉え、その方向を占った上で、歯科医療に話題を絞り込み、2016年診療報酬改定とその後の歯科医療の現場での状況から、今後の歯科の進むべき方向を割り出す。

もちろん、18年度改定も視野に入れてのこと」と、医療問題を取材して半世紀に迫る経験と見識などをベースに、現在の歯科の問題を一歩進める方向に引っ張っていく。しかも、「参加者はすべて会員=現役歯科医師のため専門用語も使って話を進める。こうした流れの先に、“近未来の日本の歯科”について言及して行く。もちろん、診療現場での患者対応、設備や人員などの必要経費などを含めた形での正当な報酬の方向、現実的な診療所運営に関する一工夫なども話題に取り込む…」。とかなり欲張った内容の講演となりそうだ。

広報・ホームページ部担当の早坂美都理事。協会機関紙の「きき酒いい酒いい酒肴」や記名記事で読ませる文章が得意。今回は総会記念講演のコーディネーターを務める

一方、コーディネーター役を務める早坂理事は、臨床現場での実情を踏まえ、適時、日々の診療や同じ歯科医師仲間との情報交換などの中で把握したホットな話題を提供し、田辺さんとも軽快なやり取りをしながらフロアーを議論に引き込み、あるいは意見を募り、議論の輪を広げていく。

 

 

 

 

 

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

6月1日の署名集会とあわせて実施した国会議員要請行動では、共産党衆議院の宮本徹議員との懇談を行った。

宮本議員に対して協会の橋本健一理事は、現在歯が多いほど医療費が少ないこと、8020達成者は医科・歯科共に医療費が少ないことなどをデータをもとに説明。さらに、総医療費に占める歯科医療費は7%以下となっており、基本的な診療項目の診療報酬が上がらない、新規項目・技術がなかなか導入されないことなどを説明し、「このままでは口腔と全身の健康問題への対応など、歯科における疾病構造の変化に対応することができない」と、歯科の現状を訴えた。

宮本議員も橋本理事の説明に大きくうなずくとともに、患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるため、患者負担・窓口負担を減らすことが大切であると指摘するとともに、歯科での感染症対策などにもコストがかかるが今の診療報酬などでは対応できず厳しいことなどにも言及し、歯科医療への理解を示した。

橋本健一理事:歯科の現状のほか、診療報酬の充実と患者負担軽減は両輪であることを説明

宮本徹議員。患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるとの認識

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

全国保険医団体連合会(以下、保団連)と「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は1日、「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を衆議院第1議員会館内で開催した。

今回の署名提出集会は、今年度より、①70歳以上の患者負担限度額(高額療養費制度)の引き上げ、②65歳以上の療養病床の患者に対し、新たに居住費負担、③後期高齢者の低所得者などの保険料の引き上げなど段階的に進められる中で、医療・介護の負担増中止を求めるために開催された。「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の署名提出集会は、歯と口の中を健康な状態に保つことち前新進の健康は深く関係していること、国民がお金の心配をせず、歯科医療を安心して受けられるよう、窓口負担の軽減、さらに歯科医療の保険適用範囲拡大を求め開催されたもの。

国会会期中にもかかわらず、衆議院から郡 和子議員(民進党)、初鹿明博議員(民進党)、柚木道義議員(民進党)、升田世喜男議員(民進党)、田嶋 要議員(民進党)、中島かつひと議員(民進党)、畑野君枝議員(共産党)、堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)の各議員。

参議院から川田龍平議員(民進党)、岩渕 友議員(共産党)、武田良介議員(共産党)が駆け付け、挨拶し続けて「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名を各議員に託した。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「政府・行政は社会保障の削減について、『無い袖は振れない』と初めから患者負担増ありきで話が終わる。それで済ませるのではなく、歳出・歳入を見直して、患者さんが安心して医療を受けられるように政策を見直してもらいたい」と訴えた。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。

 

リース契約・委託契約などに関する注意点/機関紙2017年6月1日号(№567号)より 

リース契約・委託契約などに関する注意点

質問1 ユニットなどの設備をリース契約しようと検討中。リース契約を利用する際の注意点をご教示願いたい。

回答1 リース契約とはリース会社が借主の希望する設備・物品を購入し、リース物件の購入金額とリース取引の諸費用を借主が分割してリース料として支払う契約のことです。医療機器は高価なものが多いため、高額な資金が必要となりますが、リース契約であれば一括で支払う金額を抑えることができ、リース料金もすべて経費として処理できます。リース契約は初期費用面のメリットは大きいですが、リース料にかかる金利や契約終了時におけるリース物件の買い取りの可否、保証期間経過後の修理費用などについて該当する契約条項を確認しておく必要があります。リース物件は購入するわけではないので、固定資産税や機器等に対する損害保険料がかからず、減価償却費を計算する必要もありません。ただし、保証期間終了後の修理やメンテナンスは借主の負担になることが多いため、リース物件が使用できなくなった場合の代替機を使用できるか、メンテナンスの費用負担がどちら側にあるかなど、契約条項を十分に確認することが必要です。また、医療機器を購入した場合の税法上の特別償却が受けられない上に、リース会社が当該医療機器を購入し、購入代金をリース代金として支払う形式なので、原則として中途解約できません。閉院した後もリース料金を支払い続けなければならない場合があるので、あらかじめ注意が必要です。また、リース契約の支払いをカード会社を通して行っていたところ、契約中に倒産し、カード会社に対する支払いだけが残ってしまった等のトラブルが過去に何度もあるので、契約を交わす際はリース会社の信用性調査も行うのが良いでしょう。リース物件の所有権はリース会社にあるので、リース契約の継続をしたい場合は再リース契約として契約を延長する必要があります。

質問2 医療廃棄物の処理業者と委託契約を交わすのだが、医療廃棄物の処理に関する委託契約に関し、詳細をご教示願いたい。

回答2 歯科医療機関が感染性廃棄物の処理を業者に委託する場合は、事前に廃棄物処理法に定められている主に以下の内容に沿った委託契約を交わす必要があります。

 


①運搬については運搬業者に、処分については処分業者にそれぞれ委託しなければならない、
②契約は業者と書面により直接締結しなければならない、
③契約書には委託する感染性廃棄物の種類および数量をはじめ、一定の事項についての条項が含まれていなければならない、
④医療関係機関などは、業者が都知事または東京都内で保健所を設置する区市長から感染性廃棄物の収集・運搬または処理業の許可を受けたものであることを確認しなければならない。また、歯科医療機関は業者に感染性廃棄物を引き渡す際に、廃棄物の種類、数量、性状 取り扱い方法などを記載した産業廃棄物管理表(マニフェスト)を交付 し、適正に処理されたことを業者から返送されるマニフェストで確認しなければならない。

 

以上のことが定められています。

政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質の低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載

政策委員長主張「需給問題が歯科医師の質の低下に」

本年3月、「第110回歯科医師国家試験」の合格発表があり、新たに1983名の歯科医師が誕生した。

今回の合格率は、全体で65.0%となり、第106回が71.2%で、第107回から第109回までの3年間が63%台であったので久しぶりのアップであった。

◆歯科医師国試合格者数4年連続2000人前後の背景は

一方、合格者数は4年連続2000人前後である。推測ではあるが、直近4年間は合格者数を2000人程度とすることが、初めから決められていたのではないだろうか。来年以降も合格者数に注目していく必要がある。推測が正しければ、合格率は受験者数によって微増減した数字になっているだけで、大きな意味を持たないこととなる。また、過去は資格試験の意味合いが強かった歯科医師国家試験が、近年では競争原理が働く選抜試験の様相を呈している。そのため、大学によっては国家試験の合格率を上げることに注力し、人格的に良質な資質を有する歯科医師を育成する本来の歯学教育の目的が疎かになってはいないだろうか。

◆増加する卒業認定のみ人数と今後

新卒において、出願者数2462人、受験者数1855人、合格者数1426人の結果、不合格者数は429人であった。なお、出願者数と受験者数の差は607人で、前年11月に出願したが、留年、卒業延期、そして国家試験は受験できず卒業認定のみとなった方たちの総数で、その数は年々増加している。特に、いくつかの私立大学で卒業認定日を操作することによって、国家試験を受験することはできないが、卒業はさせるということで、合格率の粉飾を図る戦略を行っていることが疑われる。これらの方たちは、次の第111回では新卒に分類されると考えられ、先送りにしただけに過ぎない。学生を大学から卒業させたということは、間接的に歯科医師国家試験を受験できる知識や技術などを身につけたと判断したことである。したがって、卒業認定のみを行うことは、大学自体が学生の最終目標である歯科医師免許取得のための教育を放棄し、卒業後は免許取得のため、各自で国家試験の勉強をせよと通告したこととなり、責任の所在に大いに疑問がある。

2016年度の29大学歯学部・歯科大学の入学定員数は2449人である。合格者数が2000人前後の現状からみると、前提としての入学定員数が多すぎるのではないだろうか。厚生労働省(以下、「厚労省」)は過去、歯科医師の需給に関して議論を行い、大学の入学・募集定員について数回の提言が出されている。その結果、各大学が取り組み、すでに削減が行われているが、十分なのであろうか。

「第110回歯科医師国家試験」での既卒の受験者数は1094人で不合格者数は637人である。厚労省サイドでは、以前から受験回数制限の議論が行われており、将来的に受験回数が制限される可能性があるが、現時点では、いわゆる国家試験浪人の方たちも多くの方が諦めることはないと思われる。したがって、入学定員数が維持され、2000人の合格者数を続けるならば、大学を卒業しても歯科医師になれない方たちが増え続けることとなる。このことは歯科界のみならず、社会的な問題といっても過言ではない。

◆学生の質か教育内容の差か

一方、最低修業年限の歯科医師国家試験合格率からみると、2010年4月入学者が六年間の教育を受け、2016年3月の「第109回歯科医師国家試験」に合格した比率は、29大学歯学部・歯科大学で平均50.7%、17私立大学に限ると平均42.7%である。全体でも半数の学生が留年や退学などの理由により、いわゆるストレートで歯科医師免許を取得していない。また、私立大学では、最高74.2%から最低13.2%までと、大学間での差が大きい。この原因は、そもそも学生側の質に問題があるのか、医育機関である各大学の教員や教育内容に差があるためか、証左がないため判らず断定できない。しかし、この格差は異常な状態といわれても致し方ない数字である。

◆歯科医療費の総枠拡大と歯科医師の将来の量的供給そして「質」

2014年の歯科医師総数は10万3972人、そのうち医療施設従事者数は10万965人で、人口10万対歯科医師数は81.8人である(厚生労働省「医科・歯科医師・薬剤師調査」)。1970年の人口10万対歯科医師数が35.2人であったので、大幅に増加しているといえる。しかし、世界的にみるとこの数字は多いほうとはいえない。また、歯科医療サービス提供体制の充実のためにさらに歯科医師を増やす必要があるという論理にはなるが、国民皆保険を堅持する立場からいえば、歯科医師が増えれば歯科医療費の総枠拡大が不可避となる。政府が社会保障費の削減を推し進めている現状では、その論理に同意することは困難である。

総人口の減少、あるいは疾病の軽症化などを背景に考えると、現在の歯科医療を持続することだけを進めるならば、歯科医師の需要予測としては厳しい。したがって、将来的に予防や継続管理の充実、在宅歯科医療などにシフトしていかなくてはならない。

このことは、2016年診療報酬改定で「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」も新設、SPTの要件緩和、初期う蝕への評価など、厚労省はすでに動き出している。しかし、変化する歯科的ニーズに対して歯科医療が良好にシフトチェンジできたとしても、将来的な量的供給は今後も現状維持できるのであろうか。

他方、重要なこととして需給問題は歯科医師の質と密接な関係がある。職業として歯科医師を選択する人が減少していることは、私立大学歯学部・歯科大学の競争倍率の低下や大学予備校の発表している偏差値の数値に現れている。入学定員が充足していない大学、また偏差値をインターネットで調べると、46以下とされている大学が複数あるのは厳然たる事実である。

◆協会は新規参入1200名を提言

6年間という長い期間、さらに6年間で卒業できるとは限らず、歯科医師国家試験のハードルも高く、何年も浪人しても歯科医師になれない可能性は現実的にありうる。また、歯科医師になっても「ワーキングプア」が少なくないとメディアから喧伝され、必ずしもイメージがいいとはいえない。私立大学ならば、かかる学費も決して安くない。それらの背景があり、歯科医師を目指す高校生、受験生が多くはないのが、残念ながら現状といえる。

歯科医師全体の質の低下は国民のためにならないことは間違いない。総合的に考えると抜本的な解決のためには、歯科医師の需給から考えることが現実的ではないだろうか。

東京歯科保険医協会は、2010年に発表した「21世紀にふさわしい歯科改革提言」の中で「歯学部の統廃合をすすめ地域偏在をなくし、歯科医師の新規参入は1200名に削減すること」と提言している。急激な変化を望むわけではないが、入り口を制限しても、早くても結果が出るのは6年、研修医期間を考えると7年かかる。大学の所管は文部科学省であり、厚労省と協同して速やかに対策を講じる必要がある。今回、将来の歯科界を危惧し、あえて主張させていただいた。

 

2017年6月1日

東京歯科保険医協会

政策委員長 坪田有史

映画紹介№34「手紙は覚えている/ Remember」 【2015年カナダ・ドイツ製作/アトム・エゴヤン監督】

映画紹介№34「手紙は覚えている/ Remember」 【2015年カナダ・ドイツ製作/アトム・エゴヤン監督】

「覚えているか?君が決行すると言ったことを」
「君が覚えていられるように、ここに書き出しておいた」
 認知症の高齢者が物忘れを補うために、物の名前などメモしておくことは日常、よく行われます。
 この映画は、誰かが「あなたはこの名前でこんな生い立ちだ」と誘導すれば、認知症の高齢者などはその人物になりきってしまうという乱暴な仮説をもとに展開するサスペンス作品です。
 主人公セヴは老人ホームに入居する90歳の高齢者。急に認知症が進行し、目を覚ますと眠る前のできごとをすっかり忘れ、ただオロオロしている老人です。
 同じ入居者の老人マックスから一通の手紙を受け取ります。手紙には、君も私もナチス親衛隊員に家族を殺されたアウシュビッツの収容所の生存者だ。敗戦間近に親衛隊員の収容所ブロックの責任者がユダヤ人になりすまし、戦後、アメリカへ移住し、ルディー・コランダーという名に変えて生きている。今、その名に該当する男は四人いるが、本名はオットー・ヴァリッシュだ。自分は脳梗塞で車椅子生活なので、体を動かせる君に、この男を探して復讐して欲しい…。と記されています。
 この1通の手紙とまだらな記憶だけを頼りに、まるで徘徊するように、よぼよぼのセヴ老人は、この男の暗殺の旅に出かけます。

口径22ミリのデリンジャーを購入し、移動…


 手紙には、クリーブランドに行き、翌朝は迎えに来た車に乗り、銃砲店で老人でも扱える軽い口径22ミリの拳銃を手に入れ、ホテルに泊まれと書いてありました。
 1人目の男も2人目の男も人違いで、3人目の男はすでに他界し、これも人違いでした。
 そして4人目の男。その男は、ソルトレークの湖の近くに住んでいました。
 男を待つ間、セブが居間にあったグランドピアノで得意の「ワグナー」を弾いていると
「ユダヤ人ならワーグナーは好まんだろう」と男が現れます。セブはその声に覚えがありました。
「いつか、君が来ると思っていた」
「私はナチの親衛隊員で、アウシュビッツのブロック責任者、クニベルト・シュトルムだ」
「違う、あんたはオットー・ヴァリッシュだ」
「何を言ってるんだ。君がオットー・ヴァリッシュじゃないか」
「 ともにアウシュビッツのブロック責任者だった」
「腕を見てみろ。君の番号は98814だ」
「私は98813だ」
「戦後、逃亡するために互いに彫ったんだ」
「忘れたのか。 君はセブと名前を変えたんだよ」
 すべてを悟り、絶望したセブは男を撃ち、そして自分の頭に銃口を向け、引き金を引きます。
 老人ホームに入居したセブが、実は、正真正銘のオットー・ヴァリッシュだとマックスは気付いていました。
 認知症がひどくなり、記憶が曖昧になってきたセブに偽の記憶の手紙を渡し、二人をまとめて、葬ろうと謀ったのです。
 スクリーンには、サウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマーをはじめ、超ベテラン俳優が顔を揃えます。最近、これほど面白い認知症サスペンス映画はみたことがありません。
(協会理事/竹田正史)

きき酒いい酒いい酒肴No.25『鯉のぼりを眺めたしなむ「菖蒲酒」の楽しみ』(機関紙2017年5月1日号/No.566号)

きき酒いい酒いい酒肴No.25『鯉のぼりを眺めたしなむ「菖蒲酒」の楽しみ』(機関紙2017年5月1日号/No.566号)

—若葉の香りで清々しい気持にさせてくれる先人の知恵

◆端午の節句
五月晴れの青空に、鯉のぼりがみられる季節になりました。5月5日は端午(たんご)の節句です。古来、午月(うまづき)にあたる5月は凶の月とされていたそうです。そのため、月初めの午の日である「端午」には「菖蒲酒」を飲み、「菖蒲湯」につかり、粽(ちまき)を食べれば、邪気が払われ、疫病が除かれるといわれていました。中国伝来のしきたりで、屋根に菖蒲をかけて蓬でつくった人形(ひとがた)を門戸に飾ることがあります。この慣習は、日本でも普及したそうです。

◆端午の節句の変遷―鎌倉時代
その後、鎌倉時代には、走る馬の上から的を射る「流鏑馬(やぶさめ)」の競技が武士の間で行われるようになります。「菖蒲」が「勝負」「尚武」に通じるということ、そして、菖蒲はその葉形が刀剣に似ているので、邪気を斬り払う力を持つとされていました。子どもたちが地面を打ち合う「菖蒲打」という遊びも現れ、菖蒲の葉を「菖蒲刀」として使います。

◆端午の節句の変遷―室町・江戸時代
室町時代には「兜人形」がつくられ、江戸時代になると、立身出世のシンボルとして「滝登り」をする鯉を布でつくり、その「鯉のぼり」を庭に立て、子どもの健康と出世を祈る祭りへと変身していきました。

◆菖蒲の効果効能
そんな古い時代から習慣があった菖蒲湯や菖蒲酒ですが、単に厄除けとかの意味合いだけでなく、体に与える効能効果にはどんなものがあるでしょうか。
まず、よく使われるのは葉の部分ですが、実は葉よりも根茎部分の方に アザロン、オイゲノールなどの精油成分が多く含まれています。その独特の香りが邪気を払うと信じられ、厄除けとして使われていたようです。漢方では、菖蒲の根茎部分を天日干ししたものを「菖蒲根」といって使います。鎮痛、血行促進、リラックス効果があります。

◆植物学的に見る菖蒲
ショウブ、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ…。これらは外見が似ており間違いやすいのですが、違う品種となります。ショウブ(菖蒲)はショウブ科で、以前はサトイモ科に分類されていました。そして、アヤメ(菖蒲)、ハナショウブ(花菖蒲)、カキツバタ(燕子花、杜若)はいずれもアヤメ科です。漢字で書くとショウブもアヤメも「菖蒲」と書きます。漢字は同じですが、植物学的にはまったく違う品種です。ここが、日本語の不思議で面白いところだと思います。有名な尾形光琳の屏風は、燕子花です。
さて、菖蒲酒の作り方ですが、本来は菖蒲の根茎の部分を刻んで清酒に漬け込みます。しかし、なかなか根茎は手に入りにくいので、お酒に菖蒲の葉を浮かべて飲むだけでも、楽しむことができます。若葉の香りを楽しみ、清々しい気持にさせてくれる先人の知恵を現在の生活の中にも取り入れていきたいものです。


(協会理事/早坂美都)

 

かかりつけ歯科医に関し厳しい意見や指摘相次ぐ/中医協総会で

かかりつけ歯科医に関し意見や指摘も相次ぐ/中医協総会で

厚生労働省の中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長)の総会(第352回)が本日5月31日、同省2階講堂で開催された。

今回は、2016年度診療報酬改定に関する「診療報酬改定結果検証部会」からの報告と歯科医療をめぐる報告が行われた。歯科に関しては、①歯科医療を取り巻く現状、②地域包括ケアシステムの構築推進、③口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応―について事務局側から説明が行われた。その中では、人口10万対歯科医歯数の経年的推移、国民医療費に占める歯科医療費の推移、最近の高齢者の在宅医療の状況などが報告、説明された。

続けて、病院が増えると病院内に歯科を設置する病院も増えるのではないか、との意見も提起され、病院内の歯科と他の診療科との連携が図られる可能性や、病院歯科と院外の歯科との連携が進む可能性が示唆された。

また、地域包括ケアシステムの報告に入るところで「かかりつけ歯科医」に議論が集まった。医院の間からは、「いつも行っている歯科医とかかりつけ歯科医との違いについての整理が十分とは言えない点や、かかりつけ歯科医機能強化型診療所の施設基準を設けることの必要性をとう意見などが提起された。さらに、「か強診をつくることには、最初から反対だった」といった意見や、か強診を作った後から後付けのように議論することへの不満を示唆する意見が続いた。

なお、「地域包括ケアシステムの推進」の課題そのものに関しては、①2016年度新設の「かかりつけ歯科医機構強化型歯科診療所」においては、それ以外の歯科診療所よりも地域の在宅医療・介護を担う施設等と連携を行っている割合が高かった、②周術期口腔機能管理は、病院併設の歯科を中心に算定され、全体の約3割が実施しているが、300以上の病院の約半数で実施されている、③2016年度新設の歯科医師連携加算(栄養サポートチーム加算)については、栄養サポートチーム加算を算定している病院の約3割が算定されていた、④歯科診療外来環境体制加算の施設基準の届出は年々増加し、2015年で全体の約16%―などが提起されている。

そのほか、去る5月22日に開催された第4回「歯科医師の資質向上等に関する検討会」(江藤一洋座長)での議論内容も紹介された。

第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

6月18日(日)に第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

東京歯科保険医協会の第45回定期総会を来たる6月18日(日)午後2時から中野サンプラザで開催します。当日は3部制で、総会、記念講演、懇親会の順に進めます。当協会会員のみ、どなたでも参加できます

第2部の記念講演では、講師に医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏をお迎えし、「近未来の日本の医療と歯科」を行います。今後の日本の医療の進む方向と歯科の未来について、歯科医療の質をどうするのか、患者・国民から支持される歯科医療とはどのようなものか…など、日本の医療と歯科の近未来をイメージして行きます。

詳細は下記をご覧ください。また、参加のお問い合わせ・お申し込みは協会事務局までご連絡ください(tel:03-3205-2999 / e-mail:info@tokyo-sk.com)。

第45回定期総会当日スケジュールPDFはここをクリック

かかりつけ歯科医を医政局検討会が協議・検討/歯科医師資質向上等に関する検討会が第4回会合を開催/歯科保健医療ビジョン策定に向け検討開始

かかりつけ歯科医を医政局検討会が協議・検討/歯科医師資質向上等に関する検討会が第4回会合を開催/歯科保健医療ビジョン策定に向け検討開始

厚生労働省は5月22日、同省内で第4回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋・医療系大学間共用試験実施機構副理事長)を開催した。昨年11月以降開催されていなかった同検討会ではあるが、

本年4月6日に同省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が報告書を取りまとめたこと、さらに3月17日の第110回歯科医師国家試験合格発表後のデータ解析なども終了したことも背景にあると思われる。それらを背景に今回は、「今後の歯科保健医療の需要を踏まえたあるべき歯科保健医療の提供体制(歯科保健医療ビジョン)の策定にむけた検討」が取り上げられた。

また、江藤座長の要望で、同検討会傘下の①歯科医師需給の問題、②女性歯科医師の活躍について、③歯科医療における専門性―の3ワーキンググループの検討状況の報告も行われた。

◆かかりつけ歯科医師が議論の俎上に

一方、上記の歯科保健医療ビジョンの検討の中で「かかりつけ歯科医」に関する議論が展開された。1996年の旧・厚生省健康政策局時代に、「歯科保健・福祉のあり方に関する検討委員会」が行った答申の中で、かかりつけ歯科医の考え方が提示されたが、今回の検討会では、新たに「現時点におけるかかりつけ歯科医のイメージ」を示した。医政局内の検討の場で、かかりつけ歯科医のイメージなどが正式に示されたのは、これが初めてのこと。新たに示したイメージでは、かかりつけ医の具体的役割として、①訪問診療を実施していない場合は、実施歯科医療機関と連携すること、②予防活動を通じた地域住民の口腔の健康管理を行うこと—などが新たに盛り込まれている。

次期診療報酬改定に関する議論は、保険局所管の中医協で検討されることになるが、今回医政局で議論された内容、論点を含めた審議・検討が行われることが予想される。

検討会開始3分前の会場内の様子

☆東京保険医協会主催「慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させるBスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会」に・・・当協会会員も参加できます!!

慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させる Bスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会

東京保険医協会(鶴田幸男会長)研究部から、「慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させるBスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会」に、当協会の会員の参加呼びかけがありました。ご興味、ご感心をお持ちの方は、直接、東京保険医協会研究部(TEL:03―5339―3601)までご連絡ください

◆日時:6月3日(土) 15:30~17:30

◆概要:長年の頭痛、肩こり、めまい、自律神経障害を改善させる療法です。多くの不定愁訴は慢性上咽頭炎が引き起こす。60年のベテラン耳鼻科医による講演と実技です。「私が行ってきた慢性上咽頭炎の治療法(Bスポット療法)とその効果について皆様にお伝えしたい」(講師より)

◆講師:谷俊治氏(相田歯科耳鼻科クリニック)

◆会場:東京保険医協会セミナールーム

◆申込み・問合せ:東京保険医協会研究部まで→TEL:03―5339―3601

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問い合わせは協会共済部03-3205-2999またはFAX03-3209-9918まで

東京歯科大学の上條教授の研究が第三者提供承諾案件に/厚労省がレセプト情報等の提供に関する有識者会議開催

東京歯科大学の上條教授の研究が第三者提供承諾案件に/厚労省がレセプト情報等の提供に関する有識者会議開催

5月17日、厚生労働省の「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(座長:山本隆一/一般財団法人医療情報システム開発センター理事長)が開催され、①「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の改正」に関する対応、②第三者提供の現状についての報告―を中心に議論が行われた。

このうち①については、「現行の行個法における個人情報の定義」「個人情報の提供」「有識者会議での審査」「NDB第三者提供」「改正行個法におけるNDB第三者提供の位置づけ」5項目について説明が行われた。

詳細な説明は避けるが、今回、歯科領域からの第三者提供承諾案件が資料配布され、東京歯科大学教授の上條英之氏による「長期の歯のメンテナンス治療による生活習慣病と医療費適正化並びに就業と歯科疾患への影響に関する研究」、日本歯科総合研究機構研究員の恒石美登利による「歯科治療状況と医療受療動向との関連調査」の2件を含む137件が紹介された。

女性歯科医師の窮状と改善の必要性を説明/保団連女性部会の自見はなこ議員懇談に当協会の早坂理事が参加

女性歯科医師の窮状と改善の必要性を説明/保団連女性部会の自見はなこ議員懇談に当協会の早坂理事が参加

本日5月15日、保団連女性部は、自民党参議院の自見はなこ議員と懇談を行った。当協会からは、早坂美都理事が参加した。早坂理事はこの懇談の企画・準備段階から歯科サイドの課題に対応するために参加していたもの。

懇談の具体的な内容は、①保団連が2015年に行った女性開業医師歯科医師アンケート調査の結果、②今年2月に自民党が立ち上げた「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」について、③新専門医制度について、など。

懇談の中で自見議員は、「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」の今後の議論の方向や大事な着眼点として、医療の質を落とさないこと、医師の応召義務と自己研鑽には配慮する形で医師の働き方を見直し、子どもの目線から見た親との愛着形成期や女性医師の母性に配慮した環境づくりも検討することなどを説明。それとともに、女性医師・歯科医師の産休と育児休暇問題。国保による出産手当て金給付の必要性を指摘した。さらに、女性が働きやすい病院へのマル適マーク付与とその病院名等の公表の仕組みを検討する必要性を語った。当協会の早坂理事は、女性歯科医師の勤務実態、開業歯科医師の出産と育児の実情・窮状、現在の日本の人口構成の少子高齢化や医師・歯科医師の高齢化の現実を見れば女性歯科医師の母性に配慮した働き方に改善することは急務である点などを示唆すると、自見議員も大きくうなずいた。

そのほか自見議員は、医科での臨床研修制度の改革にも検討が必要で、患者・国民本位の視野から良質な地域医療を育てるための検討にも着手したいと語り、真に医師養成に必要な医学教育と臨床研修制度のあり方を考える必要性を強調した(下写真左は自見はなこ議員。右は早坂美都理事)。

歯科医療界の現状と協会の対応状況を説明・議論/2017年度第1回(通算62回)メディア懇談会を開催

歯科医療界の現状と協会の対応状況を説明・議論/2017年度第1回(通算62回)メディア懇談会を開催

協会は本日5月12日、会議室に置いて2017年度第1回メディア懇談会を開催した(2008年3月の第1回開催以来、通算で62回目)。メディア側の参加は5社。協会からは、来月開催する協会の第45回定期総会の主催案内の件もあることから松島良次会長が列席して説明に当たり、司会は広報・ホームページ部の坪田有史部長が務めた。

今回の話題は、①第45回定期総会の案内、②4月20日の国会行動での松島会長による島村大議員(自民党参議院議員)、自見はなこ議員(同)、青木愛議員(自由党)との懇談について、③4月から協会会員に導入が始まったデンタルブックについて、④第110回歯科医師国家試験の合格者数と歯科医師需給問題、⑤最近の歯科医療情勢と協会の対応状況―などとした。

このうち、②の3議員との懇談に関してはメディア側から、今回のように与党議員とのコンタクトを取った場合の今後の対応の重要性、国政・都政に携わる議員との日常的な対応の重要性などが指摘されるなどした。また③に関しては、メディア側から他の歯科医療団体を含め、このような事業を開始した団体は初めての可能性があることや、その仕組みや編集内容などについて質問が続き、協会からは可能な範囲での回答を行った。

当日は、福岡で13日までの日程で日本歯周病学会第60回春季学術大会に参加するメディアが多数ある中で、歯科学図書を専門に発行する社からの参加もあり、話題をめぐる議論は定刻を過ぎても続いた。

第2回広報・ホームページ部会を開催しました

第2回広報・ホームページ部会を開催しました

5月8日(月)午後8時~9時40分まで、今年度第2回広報・ホームページ部会を開催しました。議事は、①機関紙5月号の批評、②この1カ月間の医療、歯科医療、社会全般の情勢、③機関紙6、7月号の編集予定、④ホームページの現況、⑤5月12日開催の2017年度第1回メディア懇談会(通算62回目)の開催時準備―などでした。

◆機関紙5月号は自見、島村、青木の各議員との懇談がメインの記事に

5月号では、1面に4月20日実施の国会行動に松島良次会長が同行し、議員会館の議員事務所において、自民党参議院議員で日本医師会推薦の自見はなこ氏、東京歯科大OBで神奈川選挙区当選の島村大氏、自由党の青木愛氏の3氏と懇談したことを大きく取り上げました。また、前号に引き続き第45回定期総会への参加案内をおこなっています。また、協会の情報開示請求で開示された2017年度指導計画の内容と高点数などの特色、今後の協会の姿勢などを解説しています。「患者トラブル110番⑤」を掲載しましたが、この連載は6回連載のはずでしたが、会員、そして役員からも好評のため、広報・ホームページ部会としては、12回まで延長して連載するよう、医事相談部に相談することとなりました。

ことになりました。そのほか、「共謀罪」の問題点を協会顧問弁護士の前川雄司氏にご寄稿いただいているほか、「使いこなせ!デンタルブック」の連載がスタートしています。

◆アベレージが着実に向上している協会ホームページ

協会ホームページに関しては、週末にかけて閲覧数がギュッと向上し、月曜日にストンと落ちる傾向がありますが、過去3年間の毎月の閲覧数を比較すると、最低数そのもののアベレージが上がっており、会員内外に着実に閲覧されている状況がわかりました。

テナントをめぐる オーナーとのトラブル/機関紙2017年5月1日号(№566号)より 

テナントをめぐる オーナーとのトラブル

質問1 歯科医院のテナントオーナーから家賃の値上げを言い渡された。最近は周辺の建物の賃料が上がっているとのことで、それに伴う値上げを行いたいそうだ。値上げを拒むことはできるか。

回答1 借地借家法第32条より、建物の賃料が土地や建物の租税や価格、その他の経済事情の変動、または近くの同種の建物と比較して不相当となった時は、契約の条件に関わらず、当事者は賃料の額の増減を請求することができると定められています。ただし、一定期間建物の賃料を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従うことになるので、まずは契約書を見直しましょう。今回のケースでは周辺地域の経済事情の変動による賃料の値上げを求めているため、近隣の賃貸物件などの相場がどの程度のものかを把握し、交渉するときの参考にしてください。

質問2 テナントオーナーから「最近患者さんが増えているようなので、賃料を上げさせてもらってもいいか」と言われ、困惑している。実際はそれほど患者さんが増えておらず、値上げされては困るのだが、どう対応すべきか。

回答2 値上げの請求については、借地借家法第32条より借主の許可がなくとも行うことができますが、必ず応じなければいけないわけではありません。値上げに応じたくない場合は双方で話し合いの場を持ちましょう。話し合いの期間は従前の家賃の支払いを行ってください。支払いがない場合は家賃不払いで契約を解除される可能性があります。賃料の交渉が折り合わず、従前の家賃をオーナーが受け取らない場合は、家賃を供託金として供託所に納めることで、家賃不払いによる立ち退きを免れることができます。話し合いや調停で合意がなされない場合、裁判により適正な家賃を決めてもらうことになります。

質問3 新しいオーナーに代わり「分譲マンションにしたいので、テナントを購入するか、立ち退いてくれ」と言われている。この要求には必ず応じなければならないか。

回答3 立ち退きや購入に応じる義務はありません。立ち退きについては、借地借家法第28条より、正当な事由がなければ認められません。今回のケースは、どうしても分譲にしたいので立ち退いてもらいたいということであれば、オーナー側が借主側に立ち退き料を支払うことで正当事由を補完する必要があります。購入の依頼についても、オーナー側の都合になりますので、応じる必要はありません。最近は、テナントに関する相談が多く寄せられています。思わぬところで日常診療の妨げを作らないためにも、契約を行う時は、契約書の内容をしっかり確認した上で行いましょう。また、この機会にぜひ、契約内容を再度ご確認ください。協会では月に一度、無料で顧問弁護士による法律相談を行っていますので、お困りの際はぜひ、協会経営管理部までご相談ください(電話/03―3205―2999)。

第1回ドクター・スタッフ講習会 『あなたがずっと選ばれ、愛され続けるための接遇セミナー』

エアライン・ホテル・テーマパークの一流サービスのプロが教える!

院長はじめスタッフみんなが患者さんに愛され患者さんも愛され、医院も愛されるような接遇

 

現在、歯科医院は日本全国で7万を超え、同じ地域の中にいくつもひしめき合っている状態。その中から選ばれ、初診からファンとなり、愛され続ける歯科医院になるためには「安心感・信頼感・感じの良さ」が欠かせません。

今回の講習会では、そのために必要なマナー、コミュニケーション、マインドについてお伝えします。せっかくご縁があって出逢えたみなさまです。ここでお伝えする内容は決して歯科医院での仕事においてのみではなく、プライベートやみなさまの人生そのものに役立つ内容です。これまでANAやディズニーのみならず、不動産や歯科クリニックなど様々な業界でサービスや接遇マナー研修をし、これまで2500名以上の受講者と携わってきた経験から、みなさまの心に火をつける時間をご提供します。多くのみなさまにお会いできるのを心より楽しみにしております。

 

日 程 6月27日(火)午後7時~9時 

講 師 桑野麻衣氏(マナー講師)

    ※講師の「アメブロ:愛されマナー美人のためのブログ」も是非ご覧ください。

桑野麻衣氏

     検索画面に括弧の内容を入れて検索してください。   

内 容「安心感・信頼感・感じの良さ」に必要なマナー、コミュニケーション、マインド

会 場 文京シビック小ホール

参加費 会員証1枚につき1名無料、同伴者1名につき1,000円

対象者 会員の先生及びその診療所に勤務するスタッフ

要予約 電話03-3205-2999(担当:経営管理部)※当日は会員証を受付にご提示ください

「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を要請

「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を要請

4月20日、当協会は松島良次会長を中心に「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を求め、厚生労働委員に選出された議員、東京選出の議員を中心に要請と懇談を行った。

要請では当協会が行った「受診実態調査」で、会員の47%が「経済的な理由」から患者の治療中断が「あった」と回答していることを説明。補綴物セット時に窓口負担を伝えると受診をしなくなることなどを伝えた。

次期診療報酬の改定に関しては、口腔内の健康の維持が全身の健康に重要な役割を果たすことが明らかになっているにもかかわらず、総医療費に占める歯科医療費の割合が6.8%程度に止まっていることを指摘。国民の健康と安心のためにも、歯科の診療報酬の引き上げに更なる尽力をお願いした。

また、同日は衆議院第2議員会館・多目的会議室で介護保険法改正に反対する集会が行われ、医師・歯科医師、市民ら200人が参加した。

なお、今回懇談が実現した議員は島村大(自民党)、自見はなこ(自民党)、青木愛(自由党)各参議院議員。その他、要請した議員は以下の通りである(順不同/敬称略)。

【衆議院議員】

萩生田光一、菅原一秀、平将 明、木原誠二各議員(以上自民党)

松原仁、初鹿明博各議員(以上民進党)

【参議院議員】

石井みどり議員(自民党)

牧山ひろえ、川田龍平各議員(以上民進党)

小池晃議員(共産党)

 

 

4.20「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を開催

4.20「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を開催

保団連は20日、「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を衆議院第2議員会館内で開催した。

診療報酬・介護報酬の同時改定を来年に控え、医療機関や老人福祉施設を取り巻く諸環境が厳しくなっている中、介護保険法の改正論議が衆議院厚労委員会で可決。議論の中心は参議院に移った。今回の集会は、会議保険法改正案の内容や審議の進め方などに大きな問題点があることから、その廃案を求めるために開催されたもの。

国会開催中にもかかわらず、衆議院から堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)、升田世喜男議員(民進党)、田島要議員(民進党)、初鹿明宏議員(民進党)、大野元裕議員(民進党)、斉藤和子議員(共産党)の各議員。参議院からは、福島瑞穂議員(社民党)、田村智子参院議員(共産党)、武田良介参院議員(共産党)らか駆け付け、法案を批判する趣旨の挨拶が行った。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「初めから無茶・無理な法案。それにも関わらず、その審議時間もわずかな中で、委員会では急遽、強行可決という暴挙に出た。参院での法案を廃案に追い込む議論に期待したい」と訴えた。

また、今回の法案内容・背景に関する基調報告が行われ、「性格が異なる31本の法改正を一本化して、一括処理。医療、介護、福祉会計に関してそれを一括りという雑な扱い。多くの部分が政省令に委ねられており、詳細な内容がほとんど明らかにされていない」と、問題点を指摘した。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。

歯科領域を医療・介護同時改定で重視/厚労省の第2回意見交換会で

歯科領域を医療・介護同時改定で重視/厚労省の第2回意見交換会で

厚生労働省は19日、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、「第2回医療と介護の連携に関する意見交換会」を開催した。同時改定は6年サイクル巡ってくるもので、前回は本年3月22日に開催されている。

この意見交換会は、従前から指摘されているように、団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」に対応するための体制や受け皿づくりや、医療と介護の連携促進を図ることが目的で開催されたもので、医療については中医協、介護に関しては社保審の関連委員が出席した。

◆歯科領域が「連携」の視点から重視される

今回の意見交換会では、資料として①リハビリテーション、②関係者・関係機関の調整・連携―の2点が示された。

このうち、②の中では、特に歯科に関する事項が「歯科医療機関と介護施設の連携」として取り上げられている点が目を引く。重度の歯周病が糖尿病のリスクファクターとなること、口腔衛生管理が要介護被保険者などの誤嚥性肺炎の発症を低下させることなどに触れている。

なお、2025年における75歳以上の人口は18%を超えることが推計されており、ここに端を発する各種の問題に対し、厚生労働省は診療・介護報酬同時改定の中で「地域包括ケアシステム」を構築して対応する方針だ。

意見交換会の歯科関連部分資料PDFダウンロードはここをクリック

 

歯科を含めたチーム医療を位置づけ/第3期がん対策推進基本計画/厚生労働省のがん対策推進協議会で

歯科を含めたチーム医療を位置づけ/第3期がん対策推進基本計画/厚生労働省のがん対策推進協議会で

厚生労働省の「がん対策推進協議会」(会長:門田守人/堺市立病院機構理事長、会長代理:山口健/静岡県立がんセンター長)が4月13日、厚生労働省内の会議室で開催された。

今回の会合では、新たに策定する「第3期がん対策推進基本計画」についての骨子案が提示された。さらに、構成メンバーの中の桜井なおみ氏(CSRプロジェクト代表理事)、若尾直子氏(NPO法人がんフォーラム山梨理事長)、道永麻里氏(日本医師会常任理事)、松村淳子氏(京都府健康福祉部長)が参考資料を配布し、ポイントの説明・報告を行った。

その中で桜井氏は、全体目標として①がん予防の充実、②患者中心の良質・的確ながん医療の実践、③尊厳を持ち、安心して暮らせる社会構築―の3本の柱を打ち出した。さらに、②の個別目標の1項目としてとして「チーム医療の実践(がんリハビリテーション・歯科衛生・栄養学などを含む)めたチーム医療の実践」を明示し、周術期における口腔衛生の確保や口腔ケアの必要性を示唆した。そのほか、「稀少がん医療提供体制の充実」「がんと診断された時からの緩和ケアの推進・心のケアの充実」なども指摘している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、がん対策推進協議会の構成メンバーには歯科関係者は含まれていないため、櫻井氏の指摘は非常に大切であり、今後の協議・検討の動向が注目される。

歯科関連内容も掲載/厚生労働省がホームページに「保険診療における指導・監査」コーナーを新設

歯科関連内容も掲載/厚生労働省がホームページに「保険診療における指導・監査」コーナーを新設

厚生労働省はこのほど、同省ホームページに「保険診療における指導・監査」のコーナーを新設した。掲載されているのは、①集団指導用資料:保険診療の理解のために(平成28年度版)、②特定共同指導・共同指導における指摘事項:平成27年度の主な指摘事項、③関係法令等:根拠規定、指導大綱・監査要綱、指導・監査の流れ、④指導・監査の実施状況:平成27年度、⑤保険診療に関する照会先:地方厚生局都道府県事務所一覧、となっており、ダウンロードできるようになっている。

同省ホームページを「政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医療保険 > 保険診療における指導・監査」の順に検索する。