医政・行政ニュース

第1回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会

 厚生労働省は9月30日、歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会を創設しその初会合をオンライン開催し、「『歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会』開催要綱」「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討について」「歯科技工におけるリモートワークについて」について議論が行われた。座長には、昭和大学客員教授の赤川安正氏が選出された。

 この検討会は、近年、歯科技工技術の高度化やデジタル化、就業歯科技工士数の減少など、歯科技工士を取り巻く状況の変化を踏まえ、デジタル技術を活用した歯科技工や、チェアサイドでの歯科技工など、歯科技工士の業務の在り方や必要な教育等に関して具体的な検討を行うために設置したされたもの。

 第1回検討会では、歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究結果や業務内容の見直しに向けた調査研究、また歯科技工に関する検討会の議論などを振り返り、2021年6月18日に閣議決定した規制改革実施計画の「デジタル化の進展等に対応するための歯科技工業務の見直し」に対応するため、2021年度中に歯科技工士の業務形態について、①歯科技工におけるリモートワークのあり方、②歯科技工所間の連携のあり方―について検討することになっており、今回の議論では、「歯科技工におけるリモートワークを行う場所、リモートワークを行う者についてどう考えるか」「歯科技工においてリモートワークが想定される業務として、どのような業務が考えられるか」「歯科技工におけるデジタルデータの情報管理や、歯科技工所と歯科医療機関とのデジタルデータの授受方法についてどう考えるか」などを取り上げた。2022年度中に①歯科技工士の業務について(チェアサイドにおける業務についても含む)、②業務の検討に応じた教育内容等について―を検討する。

 構成員は以下の通り。(敬称略)

【構成員】赤川安正(昭和大学客員教授)、扇照幾(OAK Dental Studio)、大島克郎(全国歯科技工士教育協議会会長)小畑真(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士)、尾松素樹(公益社団法人日本歯科医師会)、陸誠(株式会社コアデンタルラボ横浜代表取締役社長)、杉岡範明(公益社団法人日本歯科技工士会会長)、馬場一美(公益社団法人日本補綴歯科学会理事長)古畑公治((株)デントライン インターナショナル)、三代知史(公益社団法人日本歯科医師会)、柳澤智仁(東京都多摩立川保健所 歯科保健担当課長)

【専門委員】野﨑一徳(大阪大学歯学部附属病院医療情報室室長)、松井哲也((株)ハーテック・デンタルサービス)、山下茂子((株)Dental Digital Operation

「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」を設置し初会合を開催/厚生労働省

厚生労働省は9月30日、「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」を設置し、その初会合をオンラインにより開催した。

超高齢社会を迎える中で、患者に対して質の高い歯科医療を提供するためには、義歯等の歯科補てつ物が適切に提供される体制を構築することが重要であり、歯科医師と歯科技工士のより密接な連携が求められる。また、近年、歯科技工技術の高度化やデジタル化、就業歯科技工士数の減少など、歯科技工士を取り巻く状況は大きく変化している。

こうした状況を踏まえ、デジタル技術を活用した歯科技工や、チェアサイドでの歯科技工など、歯科技工士の業務の在り方や必要な教育等に関して具体的な検討を行うため、同検討会が設置されたもの。

◆検討事項

具体的な検討内容は、①歯科技工士の業務に関すること、②歯科技工士業務に関連する教育内容について、③その他、歯科技工士に関すること―の3項目となっている。

◆メンバー

なお、検討会のメンバーは以下各氏

赤川安正:昭和大学客員教授、扇照幾:OAK Dental Studio、大島克郎:全国歯科技工士教育協議会会長、小畑真:弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士、尾松素樹:公益社団法人日本歯科医師会、陸誠:株式会社コアデンタルラボ横浜代表取締役社長、杉岡範明:公益社団法人日本歯科技工士会会長、馬場一美:公益社団法人日本補綴歯科学会理事長、古畑治:(株)デントラインインターナショナル、三代知史:公益社団法人日本歯科医師会、柳澤智仁:東京都多摩立川保健所歯科保健担当課長、野﨑一徳:大阪大学歯学部附属病院医療情報室室長、松井哲也:(株)ハーテック・デンタルサービス、山下茂子:(株)Dental Digital Operation

医療費国庫補助10兆円超に 2022年度厚労省概算要求案

◆オンライン資格確認システムも推進

 厚生労働省の2022年度(令和4年度)予算概算要求案が8月31日、財務省に提出されたが、そのうち保険局関係の主な要求内容が明らかになった。 

 保険局予算案の柱は、①地域包括ケアシステムの構築等に向けた安心で質の高い医療・介護サービスの提供、②健康で安全な生活の確保、③地域共生社会の実現に向けた地域づくりと暮らしの安全確保、④東日本大震災や熊本地震をはじめとした災害からの復旧・復興への支援―の4本となっている。 

 これらのうち、①の地域包括ケアシステムの構築に向けた安心で質の高い医療等サービスの提供では、各医療保険制度などに関する医療費国庫負担を2022年度予算では10兆1788億円(2021年度予算では9兆8533億円)、 国民健康保険への財政支援3104億円(同3104億円)、被用者保険への財政支援825億円(同820億円)―などを要求している。

 これにより、各医療保険制度などに関する医療費国庫負担に要する経費を確保し、その円滑な実施を図り、保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた保険者への財政支援の拡充、保険者努力支援制度等の継続実施に必要な経費を確保し、拠出金負担の重い被用者保険者の負担の軽減と短時間労働者の適用拡大にかかる財政支援に必要な経費を確保する方針。

 また、医療分野等におけるデータ利活用を推進させるため、医療保険のオンライン資格確認等システム等の改修およびオンライン資格確認等システム導入の周知広報等に関する必要経費を確保し、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)や介護保険総合データベースなど健康・医療・介護情報を連結・解析する環境を整備・拡充。

 研究者や民間事業者など幅広い主体への提供等を行い、国民健康保険団体連合会が診療報酬の審査支払等を行うための国保総合システムと社会保険診療報酬支払基金との審査基準の統一化や審査システムの整合的、効率的な運用を実現するため、2021年3月に策定した「審査支払機能に関する改革工程表」に基づき、2024年度の次期更改に向け、システム整備の支援を行うとしている。

2022年度予算要請 東京都と意見交換

東京都庁

 協会は、9月2日に東京都第二庁舎10階会議室にて、東京都福祉保健局と2022年度東京都予算に関する意見交換を行った。今回の要請では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言下にあることを踏まえて、東京都側の一部回答者がWEBによるオンラインでの参加となった。
 今回、当会からは、「①緊急事態宣言時の指導」「②高点数による個別指導」、③生活保護の医療要否意見書、④妊産婦への医療費助成制度、④介護保険の自己負担額の軽減策、⑤自治体が行う歯科健診、⑥子ども医療費助成制度、⑦訪問診療の推進、⑧在宅歯科医療実践ガイドブック、⑨緊急時の医療提供体制、⑩医療機関の減収補填、⑪検査費用等の補助、⑫歯科衛生士の再就職、⑬歯科衛生士学校について―など17項目について東京都に対して要請を行った。


――高点数による個別指導は廃止を求める
 厚労省保険局医療課指導監査室から発令された事務連絡「令和3年度における指導監査等について」(2021年1月18日)では、今年度の高点数の保険医療機関等に対する個別指導は実施しないことや今年度の集団的個別指導に選定された医療機関に対しては、2022年度も引き続き、高点数であっても2023年度における高点数を理由とする個別指導は実施しないことが盛り込まれている。情報提供や再指導などによる個別指導に対して、高点数による個別指導を行う必要性が乏しいことを示していると考えられる。当会は東京都福祉保健局に対し、高点数による個別指導廃止の要望があることを報告。関東信越厚生局東京事務所から厚生労働省に向け、意見を上げるよう求めた。
 東京都側は、協会の考えに理解を示した上で、高点数による指導は、指導大綱に基づき実施している点を強調。関東信越厚生局には、要望があったことを伝えると返答した。


――妊産婦に関する医療の在り方を検討
 東京では、2025年以降人口が減少し、少子高齢化がさらに進行することが見込まれている。そのため生産年齢人口の減少、単独世帯や高齢世帯の増加などが懸念されている。2019年に東京都が行った「都政モニターアンケート」調査によれば、少子化に歯止めがかからない背景には、「働きながら子育てができる社会環境が十分でない」(49・1%)が最も高く、「経済的な理由で結婚に踏み切れない人が増えている」(48・0%)、「結婚する必要性を感じない人が増えている」(45・8%)などと続いている。当会は、東京都福祉保健局に対し、現役世代への補助が大切であることを訴え、妊産婦への助成は重要とデータを基に説明し、東京都でも妊産婦に新たな助成制度を設けることを求めた。
 東京都側は、妊産婦への対応は重要であることを述べ、妊産婦に関する医療の在り方について検討していく方針を示した。


――歯科衛生士の復職支援の場は必要
 また、昨年に続いて、歯科衛生士問題に関しても要請を行った。現在、歯科衛生士の有資格者は約27万人いるにも関わらず、実際に就業している人数は約13万人に留まっている。その点について、日本歯科衛生士会が行った「勤務実態調査」によれば、非就業者の47・2%が「自分のスキル」を再就職の障害とし、再就職に結びついていないと考えられている。当会は、新型コロナウイルス禍で就職先を失った有資格者である歯科衛生士の就職の幅を広げるためにも、東京都は復職支援の場を設けることを求めた。


 東京都側は、引き続き東京都歯科衛生士会に支援を行うとした。

コロナ加算は9月末で終了。乳幼児感染予防策加算は10月から28点に。

 歯科外来等感染症対策実施加算5点および介護報酬の0.1%加算は9月末で終了となり、10月以降は算定できません。

 なお、乳幼児感染予防策加算55点は10月以降は28点に減算となり(2022年3月末まで算定ができます)、新型コロナ歯科治療加算298 点は引き続き算定できます。そのほか、9月28日から、レセプトの摘要欄に「コロナ特例」と記載の上で、下記(1)~(5)の算定ができるようになります。

 また、10月からは金パラなどが引き上げになりますが、原価割れが解消するかは不透明です。協会は金パラ原価割れの解消を求める署名を再開しました。ぜひこちらにご協力をお願いします。☞金パラ原価割れの改善を求める署名はコチラをクリック

1)非経口摂取患者口腔粘膜処置(100 点)

 新型コロナウイルス感染症患者であって、呼吸管理を行っている者に対して、口腔衛生状態の改善を目的として、口腔の剥離上皮膜の除去等を行った場合、1日につき1回算定。

2)歯科治療時医療管理料(45点) ・在宅患者歯科治療時医療管理料(45 点)

 新型コロナウイルス感染症患者に対して、患者の脈拍、経皮的動脈血酸素飽和度等を把握して歯科治療を行った場合に算定。

3)歯科特定疾患療養管理料(170点)

 新型コロナウイルス感染症患者であって、口腔乾燥を訴える者に対して、服薬、栄養等の療養上の指導を行った場合に算定。

4)総合医療管理加算(50 点)・在宅総合医療管理加算(50 点)

 新型コロナウイルス感染症患者に対して、当該疾患の担当医から、歯科治療を行うに当たり当該患者の全身状態や服薬状況等の必要な診療情報の提供を受け、必要な管理及び療養上の指導等を行った場合に、1日につき1回算定。 同一保険医療機関の医科の担当医からの診療情報の提供又は文書以外の方法による診療情報の提供を受けた場合においても算定して差し支えないが、算定に当たっては当該情報提供に関する内容を診療録に記載する。

5)歯科訪問診療料

 自宅・宿泊療養を行っている者又は歯科、小児歯科、矯正歯科若しくは歯科口腔外科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関に入院している新型コロナウイルス感染症患者に対して歯科訪問診療を行った場合、診療時間が20 分未満の場合でも、歯科訪問診療1・1100点を算定できる。

 なお、患者又は現にその看護に当たっている者からの訴えにより、速やかに歯科訪問診療を行った場合には、手術後の急変等が予想される場合に限らず、歯科訪問診療料に緊急歯科訪問診療加算を加算できる。

〇詳細はこちらをクリック:コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて〇

〇参考:「感染防止対策の継続支援」の周知について〇

【お知らせ】募集期間延長!東京都による「在宅歯科医療設備整備事業」について

東京都が行っている「在宅歯科医療設備整備事業」の募集期間が延長されました。

この事業は、主に高齢期・寝たきり者等に対する在宅歯科医療の推進に資するため、在宅歯科医療を実施する医療機関に対し、在宅歯科医療機器等の設備を整備することにより、安全で安心な質の高い歯科医療提供体制の充実を図ることを目的としています。

↓↓↓詳細をご覧になりたい方は、以下のURLをご確認ください。↓↓↓

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/h_gaiyou/zaitakusikairyousetubiseibi.html

 

社保審医療部会 次期改定「基本方針」の議論開始

社会保障審議会の第80回医療部会が8月5日、オンライン方式で開催され、7月29日に開催された医療保険部会に引き続き、2022年度診療報酬改定の「基本方針」に関する協議・検討が始まった。
 検討にあたっての柱は、「健康寿命の延伸、人生百年時代に向けた『全世代型社会保障』の実現」「患者・国民に身近な医療の実現」「どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進」「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」としている。
 また、改定の基本的視点は、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」「患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」とした。

社会保障費抑制方針は「骨太2018」を踏襲

今回の社保審の検討の中で、特に歯科に関する内容を見ると、感染症対策にも関連する口腔健康管理の充実、通院困難者への医療提供の必要性などを踏まえて改定の必要性が指摘されている。さらに、新型コロナウイルス感染症への諸対策を念頭に置いた議論が必要であることなども指摘されている。
 そのほか、「改正医療法等の施行に向けた検討状況について」「データヘルス改革に関する工程表及び今後の検討について」「専門医に関する広告について(医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会における検討状況)」「『経済財政運営と改革の基本方針2021』、『成長戦略(2021年)』および『規制改革実施計画』の概要について」の報告があった。

 今後の動向には十分な注視が必要
 既に、政府の2022年度予算概算要求基準については、去る7月7日に「令和4年度予算概算要求に当たっての基本的な方針」、いわゆる概算要求基準を閣議決定しており、各省庁等では、本年8月末が財務省への提出期限となっている2022年度予算概算要求案の編成作業に入っている。社会保障関連経費については、「骨太方針2018」の中で掲げられた社会保障費抑制方針の路線をそのまま踏襲している。

間隆一郎氏が厚生労働省の「口腔ケア」担当審議官に

厚生労働省が9月7日付で行った幹部の人事異動内示の中で、口腔ケア担当の審議官として間隆一郎氏が就任したことが注目されている。間氏は、正式には「大臣官房審議官 (口腔ケア、医療介護連携、データヘルス改革担当)(医政局、老健局併任)」が肩書となっている。歯科医師資格はないものの、今後の活躍が注目されている。

磁性アタッチメントを用いた義歯の請求

2021年9月1日から磁性アタッチメントの保険請求が認められるようになりました。
以下に請求に関する情報を掲載いたします(2022年2月25日更新)。


1.使用できる磁性アタッチメント
「フィジオマグネット」

「マグフィットM」

2.製作時

(1)キーパー付き根面板(支台歯側)
<略称>
「RCK」

<点数>
・形成:KP60点
・印象採得:連合印象64点(*1)
・キーパー付き根面板(1歯につき)(*2)
金パラ、大臼歯→1,186点
金パラ、小臼歯・前歯→1,010点
銀合金、大臼歯→565点
銀合金、小臼歯・前歯→556点
・装着:45点+装着材料料
*1 印象の点数は連合印象を行った場合の点数。
*2 キーパーを根面板に装着する装着材料料(17点)を含む。

<レセプト>
・「歯冠修復及び欠損補綴」欄の「その他」欄に、大臼歯に金パラを用いた場合は「キ大パ」、小臼歯及び前歯に金パラを用いた場合は「キ前小パ」、大臼歯に銀合金を用いた場合は「キ大銀」、小臼歯及び前歯に銀合金を用いた場合は「キ前小銀」と表示し、点数及び回数を記載する。

(2)義歯に装着する磁石構造体
<略称>
「マグ」

<点数>
・磁石構造体の装着(1個につき):1,029点

<レセプト>
・「歯冠修復及び欠損補綴」欄の「その他」欄に、「マグ」と表示し、点数及び回数を記載する。

<ロット番号等の保存>
・使用したキーパーまたは磁石構造体の製品に付属している使用した材料の名称及びロット番号等を記載した文書(シール等)を保存して管理する(診療録に貼付する等)。

(3)除去
・キーパーまたは磁石構造体の除去(1個につき1回):20点
・キーパー付き根面板の除去
歯根の長さの3分の1以上のポストを有する場合:70点
歯根の長さの3分の1未満のポストを有する場合:42点
・同一歯について、キーパー及び根面板の除去を一連に行った場合は、主たるものの除去に対する点数のみを算定する。

(4)キーパー除去後に新しいキーパーを装着する場合
磁気共鳴コンピューター断層撮影等に当たってキーパーを除去した後、再度新しいキーパーを根面板に装着する場合

<点数>
・キーパーの装着:323点(*)+セメント料
*内訳:キーパー233点+装着料45点+内面処理加算2・45点の合計

<レセプト>
・「歯冠修復及び欠損補綴」欄の「その他」欄に、「キーパー」と表示し、点数及び回数を記載する。その他の項目については、所定の欄に点数および回数を記載する。

(5)その他
・実施においては、「磁性アタッチメントを支台装置とする有床義歯の診療に対する基本的な考え方」(令和3 年8 月 日本歯科医学会)を参考にする。
・軟質材料を用いて床裏装を行った義歯は対象外。

歯科医師による新型コロナワクチンが72万回を超える/日本歯科医師会が公表

歯科医師による新型コロナワクチンが72万回を超える/日本歯科医師会が公表

 日本歯科医師会は831日、本年5月から7月末までに実施した歯科医師による新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況を公表した。

それによると57月末までに34都道府県、151会場で、延べ12,727人の歯科医師が、累計721,471人の接種を行ったことが明らかになっている。また、8月に入っても、引き続き全国の接種会場で歯科医師によるワクチン接種が行われているため、「接種回数はすでに100万回を超えている」と見込んでおり、集計が終わり次第報告する予定。

本年426日の厚労省通知「新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射の歯科医師による実施について」を受け、日本歯科医師会は都道府県の各歯科医師会に協力を要請した。また、日本歯科医師会が518日から開始したワクチン接種に係る教育研修では、現在、1万9,000人を超える歯科医師が受講を修了し、実技研修も受け、要請に備えて待機している状況だ。

都道府県歯科医師会からの報告では、57月にワクチン接種に協力した歯科医師の延べ数は11,342人、全国の歯科大学・歯学部、病院、学会等からの報告では、1,385人で、累計12,727人。接種回答(対象数)は、都道府県歯科医師会からの報告では629,559回、全国の歯科大学・大学歯学部、病院、学会等からの報告では91,912回で、累計721,471回にのぼるという。

 

2020年度概算医療費は42.2兆円で対前年度1.4兆円減/減少額・幅とも過去最大に

2020年度概算医療費は42.2兆円で対前年度1.4兆円減/減少額・幅とも過去最大に

―受診延べ日数は「8.5%減」に 

厚生労働省は831日、2020年度の「医療費の動向」を発表した。それによると、2020年度医の概算医療費は総額42.2兆円で、前年度比約1.4兆円減(対前年度比3.2%減)と、減少額・幅ともに過去最大となっていることがわかった。医療機関を受診した延べ患者数に相当する「受診延べ日数」は8.5%減と大幅に減少した。

◆歯科医療費は0.8%減の3.0兆円に

医療費の内訳を診療種類別にみると、入院17.0 兆円(構成割合 40.4%)、入院外 14.2 兆円(同33.7%)、歯科 3.0 兆円(同7.1%)、調剤 7.5 兆円(同17.9%)となっている。

また、医療費を診療種類別に見ると、入院が3.4%減の17.0兆円、入院外が4.4%減の14.2兆円、歯科が0.8%減の3.0兆円、調剤が2.7%減の7.5兆円だった。受診延べ日数の診療種類別伸び率は、入院が5.8%減、入院外が10.1%減、歯科が6.9%減となっている。医療費全体の減少分1.4兆円のうち、約1.24兆円が医科分に当たる。

◆1日当たり医療費は「5.8%増」に

1日当たり医療費の伸び率は5.8%増となった。診療種類別の内訳は、入院が2.6%増、入院外が6.4%増、歯科が6.6%増、調剤が7.3%増となっている。

※厚生労働省発表2020年度「医療費の動向」資料のダウンロードはここをクリック!!!

2022年度厚生労働省「保険局」予算概算要求案の主な内容

2022年度厚生労働省「保険局」予算概算要求案の主な内容

厚生労働省の2022年度予算概算要求案が831日、財務省に提出されたが、そのうち「保険局」の主な要求内容が明らかになった。

保険局予算案の柱は、①地域包括ケアシステムの構築等に向けた安心で質の高い医療・介護サービスの提供、②健康で安全な生活の確保、③地域共生社会の実現に向けた地域づくりと暮らしの安全確保、④東日本大震災や熊本地震をはじめとした災害からの復旧・復興への支援―の4本となっている。

これらのうち、①の安心で質の高い医療等サービスの提供では、各医療保険制度などに関する医療費国庫負担を2022年度予算では101788億円(2021年度予算では、98533億円)、 国民健康保険への財政支援3104億円(同3104億円)、被用者保険への財政支援825億円(820億円)―などを要求している。

2022年度厚労省予算概算要求案がまとまる/歯科保健課は「歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」などを要求

2022年度厚労省予算概算要求案がまとまる/歯科保健課は「歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」などを要求 

厚生労働省は831日、財務省に対し「2022年度予算概算要求案」を提出した。それによると、その概算要求額は、一般会計は前年度当初予算比8,070億円増の339,450億円となり、過去最大の要求案となっている。その中で、年金・医療等に係る経費が317,791億円となっている。

概算要求案の柱は、①新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築、②ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現、③⼦どもを産み育てやすい社会の実現、④安心して暮らせる社会の構築―の4本となっている。

◆主な歯科保健関連政策

概算要求案のうち歯科保健行政をつかさどる医政局の要求額は23622400万円(対前年度当初予算比1227500万円増)となっている。

その中で、歯科保健課関連の要求内容を見ると、「歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」に189800万円を要求しているほか、「歯周病予防に関する実証事業」に9600万円を要求している。ともに継続事業だ。

そのうち、歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」は、「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価報告書(平成30年9月)を踏まえ、地域の実情に応じた歯科口腔保健施策をさらに推進するため、自治体における歯科疾患の予防及び歯科口腔保健の推進体制の強化等の取組を支援するとともに、今後の歯科口腔保健施策の検討に必要な歯科保健状況を把握するための調査を実施することとしている。

また、「歯科保健医療ビジョン」や新型コロナウイルス感染症への対応等も踏まえた各地域での施策が実効的に進められるよう、これまで収集・分析をして蓄積してきた好事例を各地域で展開することにより、歯科保健医療提供体制の構築に向けて取り組む。あわせて、歯科専門職間の連携を進め、より質の高い歯科医療を提供する観点から、歯科衛生士・歯科技工士を確保するため、離職防止・復職支援のために必要な経費を支援するというもの。

それら推進のため、8020運動・口腔保健推進事業、歯科疾患実態調査、歯科医療提供体制構築推進事業、OSCEの在り方・評価者養成に係る調査・実証事業、歯科衛生士の人材確保推進事業、歯科技工士の人材確保対策事業、歯科医療関係者感染症予防講習会―2021年度に引き続き継続実施する計画だ。

唾液PCR検査 無症候性の新型コロナウイルス感度60%未満/米国の医学雑誌JAMAにて発表

米国の医学雑誌JAMAの2021年8月13日号にZion Congrave-Wilson氏の‶Change in Saliva RT-PCR Sensitivity Over the Course of SARS-CoV-2 Infection”という論文が発表された。

内容は、唾液を用いたPCR法と鼻咽頭によるPCR法を3〜7日ごとに最大4週間にわたり検査を行い、それぞれの感度の割合を調査したものだ。

結果として、唾液を用いたPCR法は感染初期の数週間に有症状の人の新型コロナウイルスを検出するには感度が高かった。しかし、無症候性の新型コロナウイルスキャリアの感度は、すべての時点で60%未満だったという。

唾液を用いたPCR法は、自費検査を提供する検査機関においても実施されており、陰性の場合は、希望があれば海外渡航用の陰性証明書も発行される。

今後、唾液を用いたPCR法の感度について、さらなる研究結果について注目される。

論文URL:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2783249

社保審医療部会が次期改定の「基本方針」の議論開始

社保審医療部会が次期改定の「基本方針」の議論開始/概算要求基準は7月7日に閣議決定済み

8月5日、社会保障審議会の第80回医療部会がオンライン方式で開催され、729日に開催された医療保険部会に引き続き、2022年度診療報酬改定の「基本方針」に関する協議・検討が始まった。

今回の検討の中で、特に歯科に関する内容を見ると、感染症対策にも関連する口腔健康管理の充実、通院困難者への医療提供の必要性などを踏まえて改訂の必要性が指摘されている。そのほか、新型コロナウイルス感染症への諸対策を念頭に置いた議論が必要であることなども指摘されている。

◆概算要求基準は77日に閣議決定済み

既に、政府の2022年度予算概算要求基準については、去る77日に「令和4年度予算概算要求に当たっての基本的な方針」、いわゆる概算要求基準を閣議決定しており、各省庁等では、今月末が財務省への提出期限となっている2022年度予算概算要求案の編成作業に入っている。社会保障関連経費については、「骨太方針2018」の中で掲げられた社会保障費抑制方針の路線をそのまま踏襲している。

東京オリンピック110メートル障害ハードルの金井選手:アスリートから「歯科医師」目指す

東京オリンピック110メートル障害ハードルの金井選手:アスリートから「歯科医師」目指す

東京オリンピックの男子110メートル障害ハードルに出場した金井大旺選手(25)は、一昨日の84日、準決勝に進出したが、結果は転倒に終わった。

金井選手は、本年1月14日時点では、NHKのテレビニュースの取材に対し、オリンピック終了後には、歯科医師を目指すことを表明しており、今後が注目されている。金井選手の実家は北海道函館市内の「金井歯科医院」で、現在は父の金井敏行氏が診療を行い、地域の歯科医療を担っている。

厚生労働省主要歯科技官ポストの異動状況を見る/8月3日時点

厚生労働省主要歯科技官ポストの異動状況を見る/8月3日時点

今夏、新型コロナウイルス対策が新たな局面に直面している中、各省庁では幹部の人事異動が行われている。8月3日時点での、厚生労働省における歯科技官の主要ポストの人事異動状況は、以下の通り。

新型コロナウイルス感染症拡防止に向けての各種政策が実施、あるいは計画されている中での移動となっており、まだ公表されてはい2022年度予算概算要求案の中での新型コロナ対策実施に向けての布陣の意味も含まれていると推測される。また、2022年度診療報酬改定作業が本格化することもあり、保険局医療課の歯科医療管理官はその中心的なポストになる。その改定作業にも大きくかかわってくるのが、今後の歯科保健分野で大きな課題を提起した、本年6月18日閣議決定の「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(いわゆる「骨太方針2021」)。その中では、歯科医療に関し①生涯を通じた切れ目のない歯科健診、②オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、③歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、④飛沫感染等の防止を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化、⑤歯科におけるICTの活用推進―などを明示しており、これらへの対応が求められよう。

小椋正之・医政局歯科保健課長

小嶺祐子・同歯科口腔保健推進室長

宮原勇治・保険局歯科医療管理官

自民党が来夏参院選挙の第1次公認46名を発表/歯科系議員の関口・山田両議員も公認

自民党が来夏参院選挙の第1次公認46名を発表/歯科系議員の関口・山田両議員も公認

自民党は714日、2022年夏に予定されている第26回参院選挙の第一次公認候補46名(選挙区29名、比例代表17名)を発表した。その中には、歯科系議員の関口昌一参議院議員(歯科医師・埼玉選挙区・68歳・4)、歯科医師ではないものの歯科医療界に理解を示し、骨太方針にも歯科を取り込むことに活躍した山田宏参議院議員(比例・63歳・1)が明記されている。

与野党ともに、既に来夏参院選に向けての選挙活動を開始しており、他の政党の公認候補発表なども含め、今後の展開が注目されよう。

 

中医協総会がWEB開催/9月メドに「意見の整理」取りまとめの予定

中医協総会がWEB開催/9月メドに「意見の整理」取りまとめの予定

7月7日、中医協はWEB方式で総会を開催した。今回の議題として、「次期診療報酬改定に向けた主な検討内容」、「コロナ・感染症対策(その1)」、「外来(その1)」の3項目について取り上げた。これにより、第1ラウンドの議論が本格的にスタートした形だ。

これらのうち「次期診療報酬改定に向けた主な検討内容」について、「主な内容」として①コロナ・感染症対応、②外来、③入院、④在宅、⑤歯科、⑥調剤―の6項目を提示し、さらに、「個別事項」として、①働き方改革の推進、②不妊治療の保険適用、③医薬品の適切な使用の推進、④歯科用貴金属の随時改定―の4項目を示し、合計10項目を提起した。

今後は、これら項目に関する協議・検討を進めるとともに、論点整理を行い、本年9月をメドに「意見の整理」の取りまとめを行う予定だ。さらに、その後は第2ラウンドとして次期診療報酬改定に向けての、より具体的な議論を進めることになる。

都議会議員選挙の投開票実施される/投票率は都議選史上2番目に低い42.39%

都議会議員選挙の投開票実施される/投票率は都議選史上2番目に低い42.39%にとどまる

東京都議会議員選挙の投開票が7月4日に行われた。その結果、自民党が現有議席を上回る33議席を得て第1党となった。小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党の「都民ファーストの会」は31議席となった。

なお、投票率は42.39%となっており、都議選史上最低だった1997年の投票率40.80%に次ぎ、2番目に低い投票率となった。

都議会議事堂正面

「骨太の方針2021」を閣議決定/「生涯を通じた切れ目のない歯科健診」を提唱

「骨太の方針2021」を閣議決定/「生涯を通じた切れ目のない歯科健診」を提唱

政府は6月18日、「経済財政運営と改革の基本方針2021」、いわゆる「骨太方針2021」を閣議決定した。今回の骨太方針のメインテーマは「「日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」となっている。同日の閣議に先立って開催された経済財政諮問会議では、議長の菅義偉首相が「骨太方針では、まずは新型コロナ対策に最優先で取り組みながら、特にグリーン、デジタル、活力ある地方づくり、少子化対策の4つの課題に重点的な投資を行い、長年の課題に答えを出し、力強い成長を目指していく」とし、感染症が拡大、蔓延延した場合の病床の確保、ワクチンや治療薬の実用化などの法的措置について、速やかに検討する方針を明らかにしている。

「骨太の方針2021」全体の構成は、①新型コロナウイルス感染症の克服とポストコロナの経済社会のビジョン、②次なる時代をリードする新たな源泉~4つの原動力と基盤づくり、③感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革、④当面の財政運営と令和4年度予算編成に向けた考え方―の4章からなり、その下に中項目、小項目が設けられ、具体策が明記されている。全体的としては、政府の最重要事項はコロナ対策であることを打ち出している。

◆今回指摘された歯科関連事項

4章の中で、特に歯科に関しては③の「感染症で顕在化した課題等」の中で触れており、「全身との関連性を含む口腔の健康の重要性に係るエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた切れ目のない歯科健診、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護、障害福祉機関等との連携を推進し、歯科衛生士・歯科技工士の人材確保、飛沫感染等の防止を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む」方針を打ち出すとともに、「今後、要介護高齢者等の受診困難者の増加を視野に入れた歯科におけるICTの活用を推進する」とし、歯科におけるICT活用を重視する方針を打ち出している。

◆これまでの歯科の記述

過去、骨太方針で明記された歯科関連内容を振り返ると、「骨太方針2019」で初めて歯科関連事項が打ち出され、口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者を始めとする国民に対する口腔機能管理の推進など歯科口腔保健の充実や地域における医科歯科連携の構築など歯科保健医療の充実に取り組む、病院・診療所の機能分化・機能連携等を推進しつつ、かかりつけ機能の在り方を踏まえながら、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の普及を進める2点が明記された。一方、「骨太方針2020」では、「感染症の予防という観点も含め、口腔の健康が全身の健康にもつながるエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、フレイル対策・重症化予防にもつながる歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護等関係者との連携を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む」などが明記された。双方ともに「生涯を通じた歯科健診」が必須である点を強調しており、この点は今回の骨太方針でも継承されている。

また、今年の方針で歯科関連事項の中で新たに打ち出された視点は、「飛沫感染防止」と「歯科におけるICT活用」の2点だ。

◆医療費削減策の緻密化や医療費扶助の在り方検討も

一方、医療費削減に関する取り組みについては、都道府県医療費適正化計画での「医療に要する費用の見込み(以下「医療費の見込み」という。)については、定期改訂や制度別区分などの精緻化」を図りつつ、医療費が見込みを著しく上回る場合の対応、都道府県の役割や責務の明確化を図るとしている。また、「後期高齢者医療制度の在り方、生活保護受給者の国保及び後期高齢者医療制度への加入を含めた医療扶助の在り方の検討を深める」方針を打ち出している。

◆マイナンバーとオンライン

そのほか注視すべき点を見ると、昨年暮れに閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」との関連で、「2022年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとの方針の下普及に取り組む」とし、具体策として「マイナンバーカードの健康保険証、運転免許証との一体化などの利活用拡 大、スマホへの搭載等について、国民の利便性を高める取組を推進する」方針も打ち出している。

また、「デジタル時代の官民インフラを今後5年で一気呵成に作り上げる。」ことや「オンライン化されていない行政手続の大部分を、5年以内にできるものから速やかにオンライン化し、オンライン化済のものは利用率を大胆に引き上げる」など、向こう5年以内のオンライン化目標を掲げている。

「2020年学校健診後治療調査」、保団連マスコミ懇談会で報告!

2021年6月17日に保団連において行われた「マスコミ懇談会」に当会の森元・橋本両理事が報告者として参加してきました。この場では、当会も取り組んだ「学校健診後治療調査」について報告してきました。

NHKや朝日新聞等、複数社が参加しました。

懇談会後、橋本理事がNHK(報道局 社会部)から取材を受けました。

「学校健診後治療調査(全国版)」の概要はこちらから

学校検診後治療調査(全国版)

この取材の模様がNHKでも取り上げられました。オンライン配信はこちらから

NHKオンライン配信「”コロナ禍 子どもの健康悪化が” 4割の学校調査結果がまとまる

「学校健診後治療調査(東京版)」の概要はこちらから

学校健診後治療調査(東京版)

「学校歯科治療調査報告書(2018年3月発表分)」はこちらから

学校歯科治療調査報告書(2018年3月発表分)

 

 

 

 

「骨太の方針2021(仮称)原案」の内容判明/歯科分野では「受診困難者を視野に入れた歯科におけるICTの活用」の方針打ち出す

「骨太の方針2021(仮称)原案」の内容判明/歯科分野では「受診困難者を視野に入れた歯科におけるICTの活用」の方針打ち出す

6月9日、第8回経済財政諮問会議(議長:菅義偉/内閣総理大臣)が総理大臣官邸で開催された。その際に内閣府事務局から資料として「経済財政運営と改革の基本方針2021(仮称)原案」、いわゆる「骨太の方針2021」が提示され、構成員による協議・検討が加えられた。第1章では「新型コロナウイルス感染症の克服とポストコロナの経済社会のビジョン」を取り上げ、政府としての最重要事項がコロナ対策であることを打ち出している。

特に歯科に関係する事項・記述を見ると、第3章「感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革」の中で、「全身との関連性を含む口腔の健康の重要性に係る国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、オーラルフレイル対策・重症化予防にもつながる歯科医師、歯科衛生士による歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護、障害福祉機関等との連携を推進し、飛沫感染等の防止を含め歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む」ことを強く訴えるとともに、「今後、要介護高齢者等の受診困難者の増加を視野に入れた歯科におけるICTの活用を推進する」としている。

これまでの骨太の方針の中における歯科に関連の記述を振り返ると、「骨太方針2019」では、口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者を始めとする国民に対する口腔機能管理の推進など歯科口腔保健の充実や地域における医科歯科連携の構築など歯科保健医療の充実に取り組む、病院・診療所の機能分化・機能連携等を推進しつつ、かかりつけ機能の在り方を踏まえながら、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の普及を進める2点を初めて打ち出した。また、「骨太方針2020」では、「感染症の予防という観点も含め、口腔の健康が全身の健康にもつながるエビデンスの国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、フレイル対策・重症化予防にもつながる歯科口腔保健の充実、歯科医療専門職間、医科歯科、介護等関係者との連携を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む」ことが明記された。

それらに対し、今年の「骨太方針2021」は、新たに「飛沫感染防止とICT活用」という視点を打ち出したものとうかがえる。

オーラルフレイルを巡り歯科専門家3氏の見解を紹介/6月20日付「サンデー毎日」誌上で取り上げる

オーラルフレイルをめぐり歯科専門家3氏の見解を紹介/「サンデー毎日6月20日号」誌上で取り上げる

サンデー毎日の620日号で「オーラルフレイル/人は口から老化する/オーラルフレイル万全対策/わが家が一番危ない!/大反響第29弾<人は口から老化する>」として、オーラルフレイル対策について詳細に取り上げている。

歯科の2代疾患である齲蝕、歯周病にも触れてはいるが、柱はあくまでも「咬む、飲む、話す」などの口腔機能となっている。さらに、口腔機能低下による「口腔機能低下症」の意味、およびそれへの対応に言及し、日常生活上の注意点を含め、歯科の重要性を訴えている。そして、①口の汚れから全身疾患リスク、②口の渇きから全身QOL低下、③うがいは究極の口腔トレ―の3点について、平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長)、稲垣幸司氏(愛知学院大学短期大学部教授)、伊藤加代子氏(新潟大学医歯学総合病院口腔リハビリテーション科助教)の3氏の見解が紹介されている。

歯科保健医療対策の充実に向け地域医療介護総合確保基金の一層の活用を/厚生労働省

歯科保健医療対策の充実に向け地域医療介護総合確保基金の一層の活用を/厚生労働省

厚生労働省はこのほど、地域医療介護総合確保基金における歯科保健医療関連施策を取りまとめ各都道府県に、この基金の一層の活用を指示した。

この基金は、平成266月に成立した医療介護総合確保推進法に基づき、各都道府県に設置したもので、この基金を活用することで①病床の機能分化・連携に必要な基盤の整備、②在宅医療の推進、③慰労従事者等の確保・要請に必要な事業―などを支援するというもの。歯科保健医療に関する事業についても、「在宅歯科医療の体制整備」、「歯科衛生士・歯科技工士の確保」など、地域の事情に応じた諸対策を実施できることになっている。

さらに同省は、これまでに同基金で実施してきた歯科保健医療関連の具体的な事業例を医科の用に提示した。

【地域医療介護総合確保基金における事業例(歯科関連事業のみ抜粋)】

1.地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院等の患者に対する歯科保健医療の推進:

・地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院等の患者に対して全身と口腔機能の向上を図るため、病棟・外 来に歯科医師及び歯科衛生士を配置又は派遣し、患者の口腔管理を行う。 また、病院内の退院時支援を行う部署(地域医療連携室等)等に歯科医師及び歯科衛生士を配置又は派遣し、退院時の歯科診療所の紹介等を行うための運営費に対する支援を行う。

 2.在宅医療の実施に係る拠点の整備:

・市町村及び地域の医師会が主体となって、在宅患者の日常療養生活の支援・看取りのために、医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師が連携し、医療側から介護側へ支援するための在宅医療連携拠点を整備することにかかる経費に対する支援を行う。

3.在宅歯科医療の実施に係る拠点・支援体制の整備:

・在宅歯科医療を推進するため、都道府県歯科医師会等に在宅歯科医療連携室を設置し、在宅歯科医療希望 者の歯科診療所の照会、在宅歯科医療等に関する相談、在宅歯科医療を実施しようとする医療機関に対する歯科医療機器等の貸出の実施にかかる運営費等に対する支援を行う。

4.在宅歯科医療連携室と在宅医療連携拠点や地域包括支援センター等との連携の推進:

・現在、都道府県歯科医師会等に設置されている在宅歯科医療連携室を都道府県単位だけでなく二次医療 圏単位や市町村単位へ拡充して設置し、在宅医療連携拠点、在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養支援歯科診療所、地域包括支援センター等と連携し、在宅歯科医療希望者の歯科診療所の照会、在宅歯科医療等に関する相談、在宅歯科医療を実施しようとする医療機関に対する歯科医療機器等の貸出にかかる運営費等に対する支援を行う。

5.在宅で療養する疾患を有する者に対する歯科保健医療を実施するための研修の実施:

・在宅で療養する難病や認知症等の疾患を有する者に対する歯科保健医療を実施するため、歯科医師、歯科衛生士を対象とした、当該疾患に対する知識や歯科治療技術等の研修の実施に必要な経費の支援を行う。

6.在宅歯科医療を実施するための設備整備:

・在宅歯科医療を実施する医療機関に対して在宅歯科医療の実施に必要となる、訪問歯科診療車や在宅歯科 医療機器、安心・安全な在宅歯科医療実施のための機器等の購入を支援する。

7.在宅歯科患者搬送車の設備整備:

・在宅歯科医療を実施する歯科医療機関(在宅療養歯科支援歯科診療所等)でカバーできない空白地域の患者に対して必要な医療が実施できるよう、地域で拠点となる病院等を中心とした搬送体制を整備する。

8.在宅歯科医療を実施するための人材の確保支援:

・在宅歯科医療を実施する歯科診療所の後方支援を行う病院歯科等の歯科医師、歯科衛生士の確保を行う。

9.医科・歯科連携に資する人材養成のための研修の実施:

・医科・歯科連携を推進するため、がん患者、糖尿病患者等と歯科との関連に係る研修会を開催し、疾病予防・疾病の早期治療等に有用な医科・歯科の連携に関する研修会の実施にかかる支援を行う。

10.歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の確保対策の推進:

・歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士を確保するため、出産・育児等の一定期間の離職により再就職に 不安を抱える女性歯科医師等に対する必要な相談、研修等を行うための経費に対する支援を行う。また、今後、歯科衛生士、歯科技工士を目指す学生への就学支援を行う。

11.歯科衛生士・歯科技工士養成所の施設・設備整備:

・歯科衛生士、歯科技工士の教育内容の充実、質の高い医療を提供できる人材を育成するために必要な 施設・設備の整備を行う。

75歳以上の医療費窓口負担を2割に引き上げる法案、参議院厚労委員会可決

 参議院厚生労働委員会は63日、年収200万円以上(単身世帯の場合)ある75歳以上の医療費窓口負担を2割に引き上げる医療制度改革関連法案について、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決した。翌4日の参議院本会議で成立する見通し。立憲民主党、日本共産党は、高齢者のみに負担を押しつける法案だとして反対した。

 また厚生労働委員会は、税制も含めた総合的な議論に着手することなどを盛り込んだ付帯決議も、賛成多数で採択した。

「歯科医療提供体制等に関する検討会」が第2回会合を開催/厚生労働省が6月2日に

「歯科医療提供体制等に関する検討会」が第2回会合を開催/厚生労働省が6月2日に

厚生労働省は6月2日、「歯科医療提供体制等に関する検討会」の第2回会合を港区内の施設で開催した。

今回は、日本歯科医師会が20201015日に取りまとめた「2040年を見据えた歯科ビジョン」の内容に検討を加えたほか、資料として「歯科医療提供体制に関する当面の進め方について」が示され、その中で本年2月の第1回会合で示された意見を整理した内容が示され、確認された。その中で、「歯科医療提供体制に関すること」については、①歯科では予防が何よりも重要で、それに対するしっかりとした報酬という体制づくりも、今後は必要、②矯正歯科もニーズがある分野、③地域包括ケアシステムで、歯科に求められているのは、摂食嚥下を含んだ「噛んで、食べて、飲み込む」であり、歯のみでなく口腔の医療を提供することが必要、④歯科は、生涯を通じて食べる機能の障害に向き合っていく必要がある―などが指摘された。

また、「歯科医療機関の機能分化と連携」については、①地方自治体、病院歯科、歯科診療所、それぞれの役割をもとに連携の在り方を検討する必要がある、②口腔外科、小児歯科の問題等が多様化しており、一人の歯科医師があらゆる専門性をカバーするのは難しくなっている、③一人の歯科医師であらゆる専門性をカバーするのが難しい状況下では、連携、グループ化、大規模化や、マネジメントの在り方を検討する必要がある―などを確認。

さらに、「かかりつけ歯科医機能」に関しては、①受療者側の視点からは、一生を通じて、いつでも安心して歯科を受診できるシームレスな歯科医療提供体制の構築が求められる、②生涯を通じた関わりの中で、機能、形態の維持が重要、③現状で、歯科保健医療ビジョンや地域包括ケアシステムなどを熟知している歯科医師は多くない。情報発信を行い、歯科医師が共通の認識をもって臨床にあたり、地域で活動することが重要、④周術期口腔機能管理の視点からも、地域のかかりつけ歯科医の役割、連携が重要―などを確認している。

一方、前回会合での歯科専門職に関する議論の取りまとめについては、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士とも、地域事情がある点を考慮し、数のみならず今後のニーズをデータに基づいて分析することも大事であるとしたうえで、歯科医師に関しては、歯科医師の適正数の見直しの必要性を指摘しつつ、歯科医師と歯科衛生士・歯科技工士とのタスクシフトやタスクシェアも考えていく必要があると指摘。その上で、歯学教育と歯科医師養成を巡り、①歯科医師の養成は共用試験、国家試験、臨床研修など、全体を俯瞰的に捉えた議論、検討が必要、②今後求められる歯科保健医療のビジョンをしっかり示していくことが重要―などを確認している。

歯科衛生士については、①復職支援だけでなく、早期離職予防も非常に重要、②歯科診療所や病院の歯科衛生士がどのようにフレイル予防へ貢献―などが確認されている。また、歯科技工士に関しては、歯科技 工士の高齢化が進み、今後の人材不足への懸念を示唆した上で、①歯科技工士は離職も多く、離職する人の7割が20代で、いったん離職すると、復帰は非常に難しい、②歯科技工士の3割が病院や診療所で、7割が歯科技工所で働いているという状況であり、歯科技工所の職場環境の整備は大きな課題―との認識にとどまっているようだ。