医療費国庫補助10兆円超に 2022年度厚労省概算要求案

◆オンライン資格確認システムも推進

 厚生労働省の2022年度(令和4年度)予算概算要求案が8月31日、財務省に提出されたが、そのうち保険局関係の主な要求内容が明らかになった。 

 保険局予算案の柱は、①地域包括ケアシステムの構築等に向けた安心で質の高い医療・介護サービスの提供、②健康で安全な生活の確保、③地域共生社会の実現に向けた地域づくりと暮らしの安全確保、④東日本大震災や熊本地震をはじめとした災害からの復旧・復興への支援―の4本となっている。 

 これらのうち、①の地域包括ケアシステムの構築に向けた安心で質の高い医療等サービスの提供では、各医療保険制度などに関する医療費国庫負担を2022年度予算では10兆1788億円(2021年度予算では9兆8533億円)、 国民健康保険への財政支援3104億円(同3104億円)、被用者保険への財政支援825億円(同820億円)―などを要求している。

 これにより、各医療保険制度などに関する医療費国庫負担に要する経費を確保し、その円滑な実施を図り、保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた保険者への財政支援の拡充、保険者努力支援制度等の継続実施に必要な経費を確保し、拠出金負担の重い被用者保険者の負担の軽減と短時間労働者の適用拡大にかかる財政支援に必要な経費を確保する方針。

 また、医療分野等におけるデータ利活用を推進させるため、医療保険のオンライン資格確認等システム等の改修およびオンライン資格確認等システム導入の周知広報等に関する必要経費を確保し、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)や介護保険総合データベースなど健康・医療・介護情報を連結・解析する環境を整備・拡充。

 研究者や民間事業者など幅広い主体への提供等を行い、国民健康保険団体連合会が診療報酬の審査支払等を行うための国保総合システムと社会保険診療報酬支払基金との審査基準の統一化や審査システムの整合的、効率的な運用を実現するため、2021年3月に策定した「審査支払機能に関する改革工程表」に基づき、2024年度の次期更改に向け、システム整備の支援を行うとしている。