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歯科医国家試験制度改善検討会が今年度第2回会合を開催/出題基準と合格基準などをめぐり報告案を作成

歯科医国家試験制度改善検討会が今年度第2回会合を開催

―出題基準と合格基準などをめぐり報告案を作成

厚生労働省の「歯科医師国家試験制度改善検討会」(部会長:田上順次東京医科歯科大学副学長)の平成27年度第2回会合が3月18日に開催された。同部会は昨年10月に設置され、検討を重ねていたもので、今回は、その報告案が了承された。報告案の柱は歯科医師国家試験に関する内容としては、①出題内容:出題基準、出題内容、②出願方法等:出題数・出題構成、出題形式、③合格基準:必修問題、一般問題と臨床実習問題、禁忌選択肢数、必要最低点、④公募問題―などとなっているほか、多数回数受験者に関することやOSCEなどについても付記されている。

第109回歯科医師国家試験合格発表

第109回歯科医師国家試験合格発表

 ―合格者は1973名のうち新卒者は1436名

厚生労働省は3月18日、第109回歯科医師国家試験の合格発表を行った。厚生労働省2階講堂でも合格発表が行われ、例年通り、この会場に来て自身の合格を確認し、記念撮影を行う学生の姿が散見された。

今回の歯科医師国試は、本年1月30、31日の2日間にわたり実施されている。109回歯科医師国試は、出願者数3706人(うち新卒者2536人)、受験者数3103人(同1969人)で、合格者数1973人(同1436人)、合格率63.6%(同72.9%)となっている。

今回の国試合格者を大学別全体合格率(新卒合格率)で上位5校をみると、①東京歯科大学93.3%(94.5%)、②東京医科歯科大学歯学部91.0%(94.5%)、③九州大学歯学部82.3%(83.7%)、④北海道大学歯学部82.1%(88.9%)、⑤徳島大学歯学部78.7%(96.8%)―などとなっている。

なお、同日、厚生労働省内では平成27年度第2回目の開催となる医道審議会の「歯科医師国家試験制度改善検討部会」を開催しており、近く「報告書(案)」がまとまる予定となっている。

第109回歯科医師国試CIMG0864

理事会声明 「評価できるが、安心・安全な歯科医療提供には総額拡大が不可欠」/機関紙2016年4月1日号(№553)3面掲載

 

理事会声明

「評価できるが、安心・安全な歯科医療提供には総額拡大が不可欠」

今次診療報酬改定は、団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年に向けて地域包括ケアシステムを構築するため、医科に加え歯科・薬局の「かかりつけ機能」を新たに評価した。

歯科においては、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準を設け、「地域完結型歯科医療」として子供からお年寄りまで生涯にわたる長期管理を担う役割を規定した。う蝕に対してはエナメル質初期う蝕フッ化物歯面塗布、歯周病に対しては対象の拡大と歯周病安定期治療(Ⅱ)、在宅の患者には在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料が新設された。しかし、多くの点数が包括化されたため、見かけ上高点数となった。施設基準は11項目と厳しい内容であるため、届出を行える歯科医療機関は限られたものとなり、十分に機能するかが危ぶまれる。

また、この歯科診療所の機能分化の狙いが進めば、初・再診の問題と患者の囲い込みとしてのヨーロッパ型の登録制導入が危惧される。

改定率は、本体が+0.49%、薬価及び材料価格が-1.33%のなか、歯科は+0.61%とされた。改定率に対し「口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の充実」の項において、日常臨床で行われる基本技術が多くの項目で少ないながらも点数が引き上げられたことや、少なくない項目で臨床の実態に適応した運用に見直しがされたことなどは評価できる。また、関係学会から提出される医療技術評価提案書による保険収載や再評価が進んだことは今後への足掛かりとして重要である。しかし、歯科疾患管理料の文書提供を切り離した10点は影響率0.6%であり、引き上げ幅と同等である。必要に応じた文書提供は、患者の現状認識・治療への理解・行動変容に有用であり財源調整の道具とすべきではない。

訪問歯科診療においては、外来診療以上に機能分化が図られた。歯科訪問診療料3は大幅に引き下げられ、訪問専門の診療所も解禁された。代わりに在宅で行われる歯科訪問診療料1は算定用件が緩和され、外来診療を中心に行いそれに加え訪問診療を行うスタイルの診療所にはインセンティブが働くと思われる。しかし、訪問診療を行う医療機関に「歯科訪問診療を行った患者数の割合」が95%未満であるかの届出を義務付けたのは誠に遺憾である。この施策が現場に混乱をきたし、在宅患者に必要な医療が提供されない事態を招かないようにしなければならない。

2015年改定の消費税引き上げ分を除く+0.12%に比べ+0.61%とされたことは大きいが、この引き上げは、1歯科医療機関あたり月2万円ほどの増加にすぎない。中医協調査で今年度は前回に比べ所得が増えたこととなっているが、その実態は人件費・設備投資・技工料を削減した結果であり、歯科医療が危機的な状態であることには変わりはない。協会は引き続き総額拡大を求める運動を推進してゆくものである。

 

2016年3月10日

東京歯科保険医協会 第22回理事会

歯科診療報酬改定2016①/歯科診療報酬改定で厚生労働省が第1回目の通知

歯科診療報酬改定2016①/歯科診療報酬改定で厚生労働省が第1回目の通知

厚生労働省は、本日3月4日付で2016年度診療報酬改定に関する諸事項について「通知」した。そのうち、歯科に関する部分は以下の通り。ボリュームがあるため、ここでは全文を紹介できないため、厚労省の配信を直接ご覧いただきたい。

 

 

◆歯科通知

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335813&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114869.pdf

◆歯科様式

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335814&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114870.pdf

◆在宅専門

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335818&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114874.pdf

「歯科医師になってよかった」/GReeeeNのリーダーHIDEが震災時の経験と思いを述懐

「歯科医師になってよかった」/GReeeeNのリーダーHIDEが震災時の経験と思いを述懐

昨日、3月11日(木)、TBSテレビの報道番組『NEWS23』で、GReeeeNのリーダーを務めるHIDEが2011年3月11日の東日本大震災における自身の経験について、インタビューに応じた模様が報道された。GReeeeNはメンバー4人が全員歯科医師(奥羽大学歯学部卒)のボーカルグループで、奥羽大学歯学部卒業。メンバーは、HIDE、navi、92、SOHの4名で、グループ結成は福島県内で行われている。

メンバーは、これまでも業としての歯科医師の診療と音楽活動を展開するため、基本的に顔を伏せ、マスコミ取材はほとんど受けない姿勢を貫いてきたが、あの震災に関して自らの経験があり、“歯科医師”として関わった思い、そして被災地の本当の復興を願う思いから、今回のインタビューに応じたものと察せられる。

◆インタビューの概要

昨晩の報道では、震災以後、福島第一原発の20キロ圏内から放射線被ばくした遺体の身元確認の「検死」が行われていたが、HIDEも福島県相馬市内の遺体安置所で身元確認の検視にあたる歯科医師の1人として、その中に加わっていた。自身も被爆の危険性を承知した上での作業であったが、その時の心情は、「1人でも家族のもとに帰したいという思い」だったという。

番組は、初めてHIDEが当時の思いを告白し、語る形で紹介され、「・・・いつもなら、頭の中で音楽のメロディを探すのですが、思いつかなかった。自分の中で、音楽を失ったというか・・・」と自問自答に陥っていたことを話し、体験したさまざまな体験を語り、当時のことを振り返りつつ「ご遺族の方にお会いできて、お手伝いができたことで、歯科医師になってよかったと本当に思えた」と述懐した。

そして、番組の膳場貴子キャスターが当時の歯科医師が現地で作成した遺体検案書を紹介するとともに、アンカーの岸井成格氏が、歯科医師の職務の重要性を説明した。

◆3.11とGReeeeNの楽曲創作

なお、震災後の5月6日に、GReeeeNは震災復興プロジェクトを開始し、楽曲「GReeeeN boys」を期間限定無料配信しているほか、日本歯科医師会の楽曲創作依頼を受け「♪ユメノート」を創り昨年4月1日から配信し、現在も日歯のホームページのバナーをクリックするとメロディーを聞くことができる。ぜひ、ご視聴されたい。

※協会ホームページ「コンテンツライダー」と本文の写真は、TBS「NEWS23」のホームページより。

中医協が次期診療報酬改定を「答申」/かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の特色浮上

中医協が次期診療報酬改定を「答申」/かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の特色浮上

中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」/会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)本日2月10日(水)、塩崎恭久厚生労働大臣に対 し、2016年度診療報酬改定についての『答申』を提出しました。当協会では現在、歯科診療報酬改定に関して深く読み込み、その内容に関しての分析、協 議・検討を加えています。

◆歯科の臨床現場の声も

答申の添付資料の中では、かかりつけ歯科医機能強化歯科診療所にはかなりの項目の施設基準が設定されているほか、在宅療養支援歯科診療所の施設基準に変更が予定されているなど、施設基準の方向に注意が必要となっている。また、注目されていた歯科訪問診療に関しては、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所と一般歯科診療所との間に、請求できる点数に違いができている。さらに、「レジン前装金属冠、ジャケット冠若しくは硬質レジンジャケット冠の歯冠形成を行うことを予定している歯について、当該歯 に係る処置等を開始した日から当該補綴物を装着するまでの期間において、1歯につき1回を限度として算定する」など、歯科の臨床現場からあがっていた声が反映されている点も注目されます。

中医協「答申」の歯科診療報酬関連部分抜粋のダウンロードはここをクリック

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★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」/会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)本日2月10日(水)、塩崎恭久厚生労働大臣に対し、2016年度診療報酬改定についての『答申』を提出しました。当協会では現在、歯科診療報酬改定に関して深く読み込み、その内容に関しての分析、協議・検討を加えています。

◆改定内容をふんだんに盛り込んだ「日本で一番早く開催される説明会」は当協会の新点数説明会だけです・・

ところで、今次改定の施行に備え、当協会では「2016年度診療報酬改定新点数説明会」を開催します。テキストには、現在編集中の「2016年改定の要点と解説」を使用します。きちんと編集したテキストを用い、厚労省の告示や最新の通知などをも取り込んだ新点数説明会は、国内で最も本格的な内容で、最も早く開催されるも診療報酬改定と新点数に関する説明会です。改定時にあわせて開催していますが、毎回1500人に及ぶ参加者があります。下記に、第1回から5回までの全日程をご紹介しますので、ぜひ、ご参加ください。

◆今回の新点数説明会は一味違います

今回開催する新点数説明会は、これまでとは一味違います。

まず第1に、より多くの方がご参加できるよう、第2・3回は3月27日の日曜日に開催、しかも午前、午後のダブルヘッダー開催を企画しました。さらにこの日は、託児(保育)サービスの利用ができます。

また、これまで「赤ちゃんがいるから新点数説明会に行かれない。何とかなりませんか…」との声が多数あり、今回はその声に応えるために、≪小学館集英社プロダクションHAS≫による託児(保育)サービスをお願いしましたので、こちらもぜひ、ご利用ください。

 

【2016年度改定新点数説明会のご案内】

 

第1回新点数説明会文京シビック小ホール地図

◆日時 3月23日(水)

◆受付 16時30分~

〇第1回新点数説明会    (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                           (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 文京シビック大ホール(1802席)

◆交通 東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅、都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅下車すぐ

 


 

第2・3回新点数説明会

◆日時 3月27日(日)

よみうりホール

◆受付 9時30分~

〇第2回新点数説明会       (説明会会場へのご案内)  9時30分を予定しています。

                                            (開演)                        10時~12時30分

   ※レセプトコンピュータ等展示会は9時30分~15時

〇第3回新点数説明会       (説明会会場へのご案内) 13時頃を予定しています。

                                            (開演)

  13時30分~16時

◆会場 よみうりホール(1100席)

◆交通 JR山手線有楽町駅「国際フォーラム口」すぐ。東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営地下鉄三田線日比谷駅「D4 出口」より徒歩6分

*この第2・3回新点数説明会では、託児サービス(予約制)が利用できます。必ず事前にご相談ください。

 


 

第4回新点数説明会渋谷区文化総合センター「大和田」:カラー版

◆4月21日(木)「在宅医療」

◆受付 16時30分~

〇第4回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                            (開演)                    18時00分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 渋谷区文化総合センター大和田4階「さくらホール」(729席)

◆交通 JR・東急・東京メトロ渋谷駅下車徒歩5分

 

 


 

第5回新点数説明会

◆4月26日(火)

なかのZEROホール

◆受付 16時30分~

〇第5回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています

                                            (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会 16時30分~19時

◆会場 なかのZERO大ホール(1292席)

◆交通 JR中央線・総武線中野駅、東京メトロ東西線中野駅「南口」より徒歩8分

 

 

♥必ずお読みください・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

説明会の当日は、1000人を超える会員やスタッフの参加が見込まれます。会場では、協会係員の指示をお守りください。

1.会員の方のご参加について
 ☆「会員本人」および「会員の診療所スタッフ」の参加費は、会員証持参の1名無料で、2人目からは1人1,000円となります。
 ☆説明会では、「2016年改定の要点と解説(右図参照)」をテキストとして使用します。会員へは登録先に3月22日(火)頃に1冊送付致   しますので、必ずご持参ください。お忘れになった場合や同伴者で必要な方は、テキスト代の費用が別途1,000円かかりますのでご了   承ください。
 ☆紫色の会員証(有効期限が2017年6月末日のもの・右図参照)を必ずご持参ください。ご提示がない時、入場が遅れる場合やご入場で  きない場合がありますのでご注意ください。紛失された場合は、再発行(費用1,270円)の手続きをお早めにお申し出ください。
 ☆また、例年、受付が大変込み合い、スタッフの方が遅れてくる場合などの個別のご対応が難しい状況が続いております。全員揃った上  でご入場頂くよう、ご協力をお願い致します。


2.未入会員の方のご参加について
未入会員の方は、1説明会参加につき、参加費30,000円となります。事前の入会お手続きをお勧め致します(当日の入会手続きで不  備が生じた場合は、未入会員の参加となります)。


3.託児サービスのご利用方法について
3月27日(日)のよみうりホールでの説明会では託児サービスがご利用できます。(利用料金:1000円)。
 ご利用は、就学前の会員のお子様に限ります。ご利用希望者には申込書を送らせていただきます。必ず事前にご相談くださ い。

【お問い合わせ先】

入会・参加・託児サービスについて:組織部、内容について:社保学術部 TEL  03-3205-2999

地域包括ケアシステム研究会を開催!

「食」を中心に、歯科から関わりを!

  1月21日(木)19:00より協会会議室にて、地域包括ケアシステム研究会「歯科が地域包括ケアシステムにどう関わるか」を開催し、会員・スタッフなど33名が参加した。講師は当協会理事の橋本健一氏、地域包括支援センター管理者の櫻井信幸氏、地域包括支援センター管理者の佐藤志穂子氏の3名が務めた。

 橋本氏は、地域包括ケアシステム(以下地域包括ケア)が求められる背景や概要を説明。2016年度診療報酬改定で議論している内容にも触れた。地域包括ケアに対する歯科の関わりとして、歯科はもっと自ら外に出て働きかけ、訪問歯科診療や専門的口腔ケアの重要性などの情報を発信していかなくてはならないと呼び掛けた。

 櫻井氏は、地域包括支援センターの業務と役割について解説を行った。地域包括支援センターは主任福祉士・主任ケアマネジャー・保健師の3職種が配置されていることにより、介護に関する相談が一カ所で解決できることが一番のメリットであると述べた。また、行政やボランティアと広く連携しており、在宅介護高齢者への力強い味方であるとした。

 佐藤氏は介護保険の問題点や地域包括ケアを構築していく上での課題について、2014年度介護保険改定により現場は大変混乱している。基本チェックリストに基づいて介護予防の受け入れを行っているが、医療の関わりが薄いことに不安を感じていると述べた。また、地域包括ケアについては、医師・歯科医師・薬剤師の連携が欠かせないとし、グループワークなどにもっと慣れ、積極的に関わってほしいと述べた。歯科との連携については、歯科は食べるということにもっと目を向けてほしい。食べたいものを食べることが人間の生きていくための基本だと思う。食支援は歯科とリハビリが中心になると思うので、ぜひ取り組んでほしい。また、ケアマネジャーには歯科が関わることの必要性や口腔ケアの重要性が伝わっていない。歯科が関わると何が変わるのか、どのような効果があるのかを症例などを交えながら分かりやすく伝えてほしいと訴えた。さらに、予約診療が中心である歯科では、予約の間違いや1日に何度も来院されるなど、認知症の患者の早期発見が出来ると思う。認知症が疑われる患者には、さりげなく地域包括支援センターを案内してほしいと呼び掛けた。

 講演後のディスカッションでは、「どのようなきっかけで介護職と関わればよいか」「勉強会や地域ケア会議に参加するにはどうすればよいか」「歯科訪問診療を必要としている高齢者を知る方法はないか」「病院からの退院時に歯科が関わる方法はあるか」などの質問が出された。講師陣から「まずは地区のお祭りや勉強会などに顔を出し、地域の一員として関わってほしい」「地区ごとのケアマネジャーの集まりなどがどこでもあると思う。また、地域ケア会議への参加は地域包括支援センターに相談しても良いと思う。歯科訪問診療が出来るとアピールするのではなく、具体的に何が出来るかを教えてほしい」「患者や家族は歯科訪問診療を知らない。希望があった場合はかかりつけ医と連絡をとるよう案内することが多い。通院している患者へのアピールや来院が途絶えている患者への連絡など、きめ細やかなフォローをしてほしい。」「退院時のカンファレンスは時間がない中で行われることが多い。制度として改善を求めていく必要があると思う。」などの回答があった。

 最後に講師陣から、時代が大きく動く中で、多職種の連携は重要となる。特に歯科は「食」を中心としたネットワークが作れると思う。職種間の壁を少しずつなくし、利用者のQOLを上げられるよう、連携をとっていきたいとまとめられた。

 アンケートでは「できるだけ地域に出ていき、地域包括ケアの一員として、歯科を通して支援を行っていきたい」「歯科からのアプローチのヒントが得られた」「歯科医師は地域包括ケアに対して“どう関わればいいの?”ではなく、専門職として“こんな支援の方法もある”と提案していけると思う」などが寄せられ、「歯科がどう関わるか」のヒントが得られた研究会となった。

今夏参院選の自民党公認の医療関係候補者の動向

今夏参院選の自民党公認の医療関係候補者の動向

今夏に行われる参議院比例区・都道府県選挙区選挙の公認候補の動きが活発になってきた。すでに日本医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本理学療法士協会、日本診療放射線技師協会、日本臨床検査技師協会が候補者を立て、自由民主党の公認を受けている。日本歯科医師連盟は、日歯連盟迂回献金事件を受け、この参議院選での候補擁立は行わないことを決めている。

◆自民公認医療関係候補

現在、自民党が公認している医療関係候補者は以下の通り。

・日本医師会                      自見英子氏:新・東海大学医学部卒・39歳、比例

・日本薬剤師会                  藤井基之氏:現2期・東京大学薬学部卒・68歳、比例

・日本看護協会       高階恵美子氏:現1期・東医歯大医学部保健衛生学科卒・52歳、比例

・日本理学療法士協会       小川活巳氏:新・64歳

・日本診療放射線技師会 畦元将吾氏:新・57歳

・日本臨床検査技師会     宮島喜文:新・64歳

理事会声明 「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

理事会声明

「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

 

1月6日正午、北朝鮮は初の水爆実験を行ったと発表した。北朝鮮による核実験は2013年2月に続き4回目となる。

このような核実験は、核なき世界実現への取り組みと、人々の平和及び安全に対する明らかな脅威である。

広島、長崎での原爆投下は一瞬にして20万人以上の人々の命を奪うとともに、生き残った被爆者は、原爆症による後遺症に苦しみ続けている。このような惨禍を再び繰り返すような核実験の行為は断じて許せない。

昨年は戦後70年の節目を迎え、11月3日の国連総会第一委員会では、核兵器廃絶決議案が156ヶ国と多くの国の支持の下に採択され、国際社会全体で核兵器廃絶への思いをいっそう強めた。

今回の核実験は、国際的な平和を目指す上で重要となる北東アジアの非核化に逆行するものであり、ASEAN諸国間での武力衝突を避けるには、北朝鮮が核兵器を放棄することが必須条件である。

私たちは国民のいのちと健康を守る、唯一の被爆国の歯科保険医の団体として、いかなる理由があろうとも、すべての核兵器と核実験に反対する。

 

2016年1月14日

東京歯科保険医協会

第19回理事会

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

塩崎恭久厚生労働大臣は本日1月13日、中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長/以下「中医協」)に対し、「平成28年度診療報酬改定について」を諮問した。

諮問された内容のうち数値をみると、診療報酬本体+0.49%で、各科ごとの改定率は、医科+0.56%、歯科+0.61%、調剤+0.17%となっている(下記参照)。

中医協はこの諮問を受けて必要な協議・検討作業に入り、来月中旬頃を目途に塩崎厚労相に対して「答申」を行う。その間、中医協はパブリックコメントの募集を行うとともに、今月22日(金)には埼玉県さいたま市内のホテルで公聴会を開催し、次期改定に関する意見聞き取りを行う。

中医協諮問②率550pix

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諮問所の改定率部分のダウンロードはここをクリック

政策委員長談話「+0.61%では患者の口腔は守れない。薬価引下げ分を本体に充当しない社会保障削減策に抗議する」

政策委員長談話

「+0.61%では患者の口腔は守れない。薬価引下げ分を本体に充当しない社会保障削減策に抗議する」

◆わずか+0.61%の引き上げで良い歯科医療を提供できるのか・・・・・・

 次期診療報酬改定の改定率はネットで-0.84%とされた。内訳は、本体が+0.49%、薬価および材料価格が-1.33%であり、歯科においては本体部分0.61%のプラス改定とはなった。しかし、この引き上げは、1医療機関当たり月2万円ほどの増加に過ぎない。

第20回医療経済実態調査結果で、東京23区の歯科医業収益は前年比-1.2%、1月当たり約4万6,000円分の減少になっている。厳しい中で、各医療機関は減価償却費や人件費などの経費節減で医療提供体制をなんとか保っているが、この僅かな引き上げでは十分な体制を保つことはできず患者の口腔は守れない。

 また、次期改定は在宅への訪問診療やかかりつけ歯科医など特定の分野が評価されるため、訪問診療の実施の有無など医療機関の診療スタイルにより改定で得られる評価に大きな格差が生じる。+0.61%の引上げ分でさえ全医療機関が等しく得られるとは限らない。

 

◆薬価引下げ分が歯科本体に充当されていない・・・・・・ 次期改定の影響は、国費ベースでは、本体が+498億円、薬価等が-1,247億円、後発医薬品などの医薬品価格や大型門前薬局の適正化などの制度改革事項が-609億円と発表されている。数字でみれば、本体のプラス分は、薬価等の引下げ分を充当したのではなく、制度改革事項の引下げ分を充当したとも言える内容だ。今まで通り薬価引き下げ分を本体に充当すれば、歯科医療の充実に多くの財源が割けたはずだ。

また、本体と薬価の他に、枠外として多くの制度改革事項を設けているが、それを加味すると実質の改定率は-1.43%と大幅なマイナスである。

 

◆医療崩壊を招きかねない社会保障費削減策は撤回を・・・・・・

 2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築が進められており、医療の供給体制が大きく変わる。しかし、このような社会保障費の削減が続けば、患者の口腔内を守るために必要な医療供給体制が構築できないばかりか医療崩壊を招きかねない。

協会は、改めて今回の社会保障費削減策に断固抗議する。

 

2015年12月28日 

政策委員長 中川勝洋

医科歯科医療安全講習会/「歯科と医科で診る感染症とその対策」

■ 内 容 :

医科歯科連携を目指し、2011年度から東京歯科保険医協会と東京保険医協会が合同で「医療安全講習会」を開催しております。今年度は、 感染症(HIVと肝炎)をテーマに開催しますのでぜひご参加ください。

■ 日 時 : 2016年123日(土) 17001900

■ 講 師 :

医科  青木 孝弘 先生

(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター勤務)

歯科  丸岡 豊 先生

(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科 診療科長)

■ 会 場 :「エムワイ貸会議室・お茶の水」(定員200名)

      〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4F 

        JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅 御茶ノ水橋口 徒歩2分
       東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅 2番出口 徒歩3分
       東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅 B1番出口 徒歩4分

■ 参加費 : 会員医療機関 無料(コメディカル、スタッフの方も歓迎です

■ 備 考 : 資料の印刷等の関係から、「事前にお申込み」のうえご参加くださいますようお願い致します。

■ お問い合わせ :

  東京歯科保険医協会

   ⇒ Tel 03-3205-2999 / Fax 03-3209-9918 担当:経営管理部

 

 

 

多職種連携を進めるポイントとは!

医療者同士の共通言語や暗黙知の共有が必要

 12月5日、東京の医科・歯科、千葉の3協会による医科歯科連携研究会を開催した。

◆中野区の多職種連携で活躍の講師陣

今年は「在宅高齢者における多職種連携の現状と課題」をテーマに中野区の摂食・嚥下機能支援に向けた取り組みについて、行政側からの視点として藤井康弘氏(中野区健康福祉部 副参事)、行政の歯科衛生士の視点から徳間みづほ氏(中野区南部すこやか福祉センター)、歯科医師の視点から田中英一氏(田中歯科クリニック小児歯科)、医師の視点から中村洋一氏(中村診療所)が講演を行った。

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◆講演では…

各氏の講演では、多職種連携は、関係者同士が共通の言語や暗黙知が共有できていない点に原因があるとし、丁寧な連携が必要であり、支援に対する課題を共有した上でそれぞれが専門性をもって判断を行うことが必要とした。医療や介護の提供では、在宅療養者を取り巻く生活状況や本人・介護者の意志を尊重したアプローチが必要と強調したほか、口腔ケアを実施することで在宅療養者のQOLも向上するなど、本人や連携関係者への一層周知が必要とされた。講演後は、ディスカッションが行われ、フロアーからの質問に各講師が丁寧に回答し、多職種連携への理解が図られた。

藤井康弘氏

藤井康弘氏

徳間みづほ氏

徳間みづほ氏

田中英一氏

田中英一氏

中牟田洋一氏

中牟田洋一氏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の歯科医療情勢を中心に議論/第4回メディア懇談会を開催

最近の歯科医療情勢を中心に議論/第4回メディア懇談会を開催

  12月4日、協会会議室において2015年度第4回メディア懇談会を開催(通算54回目)。メディア側の参加は3社・4名。協会からは濱克弥副会長、司会として広報部長の坪田有史副会長および事務局が参加した。

今回の主な話題は、政策委員長談話「マイナス改定では安心安全の歯科医療提供体制は維持できない」、次期改定に向けての当協会の対応、および署名活動の現況などであった。

最近の歯科医療情勢で、第20回医療経済実態調査の結果について、「全国的に数字だけ見ると歯科は儲かっているように見える」「特に都内の歯科医の経営実感とはかけ離れている数字が並んでいる」などの意見交換がなされた。

 

歯科が地域包括ケアシステムにどう関わるか

地域包括ケアシステム研究会を開催します!

超高齢社会に向けて、地域包括ケアシステムの構築が進められています。先日開催された中医協で、「地域包括ケアシステムにおける歯科医療提供体制の構築が必要」と議論されています。

しかし、実際は歯科がどのように関わっていけばよいのか、何を求められているのかがわかりにくいというのが現状であると思います。

今回は、実際に地域包括支援センターで地域包括ケアシステムを運用している方をお招きし、「現場で求められる歯科」について考えたいと思います。

外来診療を中心に行っている先生にとっても地域包括ケアシステムは他人事ではありません。ぜひ、一緒に考えましょう!
ご参加お待ちしています。

※協会機関紙12月号10面(研究会案内)の開催時間に間違いがありました。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。
正しくは2016年1月21日(木)19:00~21:00です。
ぜひご参加下さい。

日程 2016年1月21日(木)19:00~21:00chiikihoukatukeashika
講師 地域包括支援センター管理者の方 2名
    橋本健一氏(協会地域医療部担当理事)
会場 東京歯科保険医協会 会議室
対象者 協会会員 及び スタッフ
定員 40名
参加費 無料
要予約 03-3205-2999(担当:地域医療部)

『世界が食べられなくなる日』上映に160人が参加

『世界が食べられなくなる日』上映に160人が参加

「何を食べればよいのか」などの疑問点に安田節子氏が的確に回答

11月7日(土)、渋谷区の渋谷区総合文化センター大和田「伝承ホール」で、今年度2回目の自主上映会『世界が食べられなくなる日』を開催し、会員と一般の方々合わせて160名が参加した。

今回は、上映後に映画内容などを中心に質疑応答を行うことを重視。食、遺伝子組み換え作物、放射線の食物への影響などに詳しい「食政策センター ビジョン21」の代表を務める安田節子さんを招いて参加者の疑問点に充分に応えることとした。司会は、協会の竹田正史理事が務めた。

松島会長による協会の活動内容紹介に続き、上映開始。作品はフランス語編集のため字幕スーパーとなっているが、場面が2011年3月の福島第1原子力発電所事故に移ると、日本語がそのまま収録されているため、字幕を気にすることなく映画に見入ることができた。118分の上映時間は瞬く間に過ぎ、ラストシーンの福島の納付が手を振る姿の余韻が残る中で質疑応答に入った。

◆さまざまな質問に安田氏が回答

11.7自主上映会:安田氏250oixCIMG4812続く質疑では、「日頃、食材を選ぶとき、楽観的にしていないと生きていけない、と思って暮らしてきたが、映画を見て、ここまで来ると“何を食べていけばいいのか”という素朴な疑問を考えざるを得ない」「日本で、なるべく安全な食べものを手に入れるには、どうすればいいのか」「現在の食の問題について非常に考えさせられたが、私たち自身は、これからどうすればいいのか。何をすればいいのか」「食材を選ぶ際、どの地域の産物を選べばいいのか」など、さまざまな質問が出されたが、講師の安田節子氏(写真右)によりてきぱきと、質問者を十分納得する回答が出された。

◆アンケートの状況

終了後に回収したアンケートでは、遺伝子組み換え作物(GM作物)を給餌されたラットに全身の25%以上の大きさの腫瘍(がん)が発症したシーン、GM作物を扱う農民や荷揚げする港湾労働者のがん発症率が高いことを紹介するシーン、GMだけでなく農薬・化学肥料・食品添加物などへの疑問…、などが非常に印象的だったとの声が多かった。また、メディアではなかなか紹介されないドキュメンタリー映画を、今後も上映してほしいとの声も多数あった。

なお、安田氏提供の資料をご覧になりたい方は、下記をクリックしていただきたい。

安田氏提供資料を閲覧、ダウンロードされたい方はこちらをクリック

知らなかったでは済まされない 医院経営のいろは!

歯科医師は、歯科医療のエキスパートです。しかし、開業すれば事業主、スタッフを雇用すれば雇用主、そして、税金を納める納税者としての立場にも置かれています。日々変化する歯科医療の知識はもちろん、その他の知識と実務が要求されます。また、近年、患者さんやスタッフの意識も大きく変化し、対応を間違えたためにトラブルに発展するケースも見受けられます。昨今の現状を一日で勉強する機会を設けました。会員の先生に必要で有益な内容満載です。

 

 

 加藤社労士 写真

 

 

 

講師:加藤深雪氏(社会保険労務士)

【プロフィール】

特定社会保険労務士、株式会社第一経理。企業や医療機関の人事労務コンサルティングを手掛け、中小企業大学校講師や保険医団体の顧問社会保険労務士も務める。日経メディカル連載記事「院長を悩ます職員トラブル大研究」執筆。

 講演内容:スタッフ採用の際のポイントや労働基準法の基礎的なルール、診療所向けの補助金、日経メディカルに掲載された実際あったトラブル

 

 

荒川税理士写真★

 

 

 

講師:荒川俊之氏(税理士)

【プロフィール】

税理士法人税制経営研究所 共同代表社員(副所長)。

立教大学を卒業後、都内個人税理士事務所を経て、当該法人に2000年6月27日入所。

最近では「歯科医院の経営・税務・会計(清文社発行)」、「円満な相続と相続税対策(旬報社発行)」を出版している。

講演内容:最近の税務調査の注意点、マイナンバー制度、節税対策

 

 

  濱副会長 写真★

講師:濱克弥氏(東京歯科保険医協会副会長)

【プロフィール】

2011年から協会の副会長、2013年から経営管理部長(旧経営・税務・スタッフ教育部)を兼任。医療法人の理事長を務めながら、開業医目線を大切に歯科界の改善のために活動している。経営に関して、協会内外でも講演多数。

講演内容:東京の歯科開業医が今置かれている現状と問題点

 

 

日時:12月6日(日)10:00~16:00

会 場:東京歯科保険医協会 会議室

参加対象:会員の先生限定

(ただし、会員の配偶者など共同で経営している立場の方は参加可能)

定 員:50名

参加費:5,000円(昼食代込)

※要予約 経営管理部まで

 

 

無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』にご参加を

無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』にご参加を

◆東京歯科保険医協会では、来たる11月7日(土)に、無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』を開催します。

◆今回の企画は、本年4月に『モンサントの不自然な食べもの』上映後、参加者の多数の方々から「今回のような、あまり知られていないが内容の良い作品をぜひ見たい」との声がかなり聞かれたため、また、協会では従来から、口を通じて食することの大切さについて“口は食べることの入り口”との視点から食、食育、食と健康を歯科医療の重要な分野と位置付けていることから、今回の『世界が食べられなくなる日』の上映会を開催することとしたものです。

世界が…②世界が…③

◆定員は200名で、参加は会員の先生方はもとより、どなたでも無料で参加できます。上映開始時間は11月7日(土)の午後7時で、開場は午後6時30分となっております。会場の「伝承ホール」は、映写設備、映画上映設備に優れ、車いすの方向けスペース2席、小さなお子さん連れの方のための個室1室も配備されており、どなたでも安心してご覧になれます。

 

◆なお、今回は上映終了後に、遺伝子組み換え食品や福島第1原子力発電所事故に伴い強い関心を読んでおります放射線と食品に関する質問を受ける質疑応答も行います。そのため、遺伝子組み換え食品、食品と放射線の関係・安全性に関して幅広い知識と見識、現実的対応の仕方に詳しいヤスデ節子先生をお招きし。質疑への回答をお願いしています。「一体、何を食べればいいのか…」「安心して食べられる食品はどうすれば手に入るのか」「食品に関する安全、安心の本当の意味を知りたい」など、素朴な疑問でも構いませんので、ご質問ください。

◆なお、無料自主上映会のご案内は以下の通りです。

 

【無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』のご案内】

  • 内 容: モンサントの不自然な食べもの」に続き、今回も“食の安全”に真正面から取り組んだ2012年フランス製作のドキュメンタリー映画です。遺伝子組み換え食品の健康影響にメスを入れるとともに、福島第1原発事故にもカメラを回しており、農作物への放射線影響について、福島県の農家に足を運び、日本の報道機関とは違った視点からメスを入れており、日本にも関係する内容 となっています。
  • 日 時: 11月7日(土) 午後6時30分開場

                                                         午後7時上映開始予定

  • 講 師: 安田節子 氏(「食政策センター ビジョン21」主宰、NPO法人「日本有機農業研究会」理事)
  • 安田節子氏

    安田節子氏

  • 司 会: 竹田正史 氏(協会理事/協会機関紙で映画紹介“PRECIOUS TIME”執筆中)
  • 会 場: 渋谷区文化総合センター大和田「伝承ホール                                              住所:渋谷区桜丘町23-21
  • 交 通: JR・東急・東京メトロ線「渋谷」駅徒歩8分
  • 対象者: 会員とご家族、スタッフ、患者さん、一般の方、どなたでも無料入場可。
  • 定 員: 200名
  • 参加費: 無料
  • 要予約: 電話 03―3205―2999(担当:運動本部)

※協会特製PR用チラシは、こちらをクリックしダウンロードできます。

歯科医療の現状めぐり第3回メディア懇談会を開催

歯科医療の現状めぐり第3回メディア懇談会を開催

 協会は10月9日、協会小会議室で第3回メディア懇談会を開催した。今回の話題は、政策委員長談話「今こそ、診療報酬のプラス改定を求める」、今秋の各種署名や行事の取材案内等に振れはしたものの、やはり去る9月30日に東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で高木幹正氏(現・日本歯科医師会会長、全・日本歯科医師連盟会長)、村田嘉信氏(前・日本歯科医師連盟副理事長)、堤直文氏元日本歯科医師連盟会長の3名逮捕に関して議論が集中した。メディア側の参加者は歯科医療専門誌4社4氏、全国紙社会部東京地検担当記者1氏、フリーランス2氏の7名で、協会からは呉橋美紀副会長が説明・報告を行ったほか、司会は広報部長を務める坪田有史副会長が務めた。

今回の日歯連盟迂回献金疑惑に関する報道などを協会はどう見ているのか、歯科医療関係専門誌記者、編集者だけにとどまらず、一般紙の東京地検特捜部担当現役記者ほか全国紙社会部記者、財界に対し歯科医療についての記事を多数執筆しているジャーナリストを交えた意見交換では、「前回の臼田事件と今回の疑惑では、容疑内容が違うにもかかわらず、同じ扱いになっているのはおかしい」「今回のお金の流れについては顧問弁護士から問題ないとの返事を得てのことと説明されており、当事者たちも理解できず、当惑しているのではないか」「歯科の中での議論・理屈はあるが、社会からすれば違法なことをしたということ」「逮捕された3人は、否認し続けるでしょう。政治資金規正法違反での起訴されるのではないか。公職選挙法違反による起訴の可否も大きな問題」「政治家への取り調べ範囲が広がるかどうかも注意が必要」など意見が出された。

協会としては、現在、必要なコメントを出すことを前提に、必要な協議・検討を行っている。

共済制度 秋の募集期間中です!!

ただ今秋の募集期間中です。
グループ生命保険・保険医年金・休業保障共済保険の加入は今がチャンス!

グループ生命保険・保険医年金は10月25日、休業保障共済保険は11月30日まで。

資料請求だけでも大歓迎♪ご連絡お待ちしています。

 

 

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※募集期間中は、所定の研修を受けた委託生命保険会社の職員が、制度のご案内にお伺いすることがございます。

 

歯科に求められる医療安全講習会 11月1日(日)開催!!

外来環・歯援診・医療安全 ~地域を守る歯科医院を目指して~ 

施設基準届出に必要な講習会が1日で!!

 超高齢社会を迎え、これからの歯科医療は、全身状態の把握・管理が必要な高齢者や有病者を診る機会が増えていきます。それに伴い、偶発症や緊急時に対応できる力や歯科訪問診療への応需体制などが求められていきます。そこで、これからの歯科医療に求められる施設基準や医療安全に対応した講習会を開催いたします!

「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」
患者にとってより安全で安心できる歯科医療の環境整備を図る取組の評価です。
☆初・再診療への加算(初診時+26点、再診時+4点)

「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」
在宅や社会福祉施設等における療養を歯科医療面から支援することへの評価です。
☆歯科訪問診療補助加算(1人+110点、2人以上+45点)・・・DHが同行訪問し、補助を行った場合
☆歯科疾患在宅療養管理料(140点)・・・歯科訪問診療を行っている患者の歯科疾患の継続的な管理を行った場合
☆口腔機能管理加算(+50点)・・・口腔機能の評価を行い、管理計画書を作成した場合 など

「医療安全管理」「感染対策」
医療従事者は年最低2回出席することが義務付けられています。

これら全てを1日で網羅することができます!
さらに、AEDやパルスオキシメーターなどの展示や実演もあり、会場限定の特別価格でのご案内が可能です。
地域を守る歯科医院として、聞いていただきたい内容が盛りだくさんです。ぜひこの機会にご参加下さい。
お申込みは、お電話またはFAXでお願いします。お申込みいただいた方には順次ご案内と振込用紙をお送りします。

<講習会プログラム>
11月1日(日)
10:00~12:00
 ・歯科外来環境体制加算と有病者・高齢者の歯科治療に必要な基礎知識

12:00~13:00
 ・外来環必要機材(AED等)の展示・実習

13:00~16:00
 ・高齢者の心身の特性 ~認知症を中心に~
 ・高齢者の口腔機能の管理 ~管理計画の立案も含めて~

<講師紹介>

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坂下 英明 氏  明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学第2分野

繁田副学長①

繁田 雅弘 氏  首都大学東京副学長 首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授

●森元先生IMG_7088

森元 主税 氏 東京歯科保険医協会理事

 <参加費>
 午前コース 午前10時~12時:5000円(外来環・医療安全の修了証代込) 
 全日コース 午前10時~午後4時:8000円(外来環・歯援診・医療安全の修了証、昼食代込)

*修了証の発行は会員のみとさせて頂きます。
*途中入室、途中退室の場合は修了証は発行できかねます。
*外来環・歯援診は、研修を受けた歯科医師の在籍が必要となります。そのため法人など複数の先生が在籍している医院では、みなさまでの参加をおすすめしています。

<会場>
 エムワイ貸会議室 高田馬場 エムワイ貸会議室 高田馬場地図
  新宿区高田馬場1-29-9 TDビル3F(東京歯科保険医協会 隣接ビル) 
  JR山手線・西武新宿線「高田馬場」駅 戸山口徒歩2分/東京メトロ東西線「高田馬場」駅 5番出口 徒歩5分

 

 

 

 

 

gairaikan haenshin chirashi

チラシ・FAX申込書のダウンロードはこちらからどうぞ

歯科訪問診療を始める第一歩!これから始める!歯科訪問診療講習会を開催

9月27日(日)10時から16時の1日コースで協会会議室にて、歯科訪問診療に取り組みたい、または経験が少ない会員を対象に講習会を開催しました。

 この講習会は歯科訪問診療を始めたいが、なかなか始められないという先生に対し、歯科訪問診療を行うにあたり知っておきたい知識や注意点を説明し、歯科訪問診療への一歩を踏み出すきっかけにしてもらうためのものです。参加者からは事前に、歯科訪問診療へのハードルにどのようなものがあるか、歯科訪問診療を行うにあたっての疑問点や不安点などを出していただきました。

 ●CIMG8193はじめに矢野副会長より、歯科訪問診療のニーズ、注意点について説明しました。超高齢社会が訪れ、地域包括ケアシステムが構築されていく中で、歯科訪問診療のニーズは確実に増えていること、歯科界はそれに応えていく必要があることを訴えました。また自身の経験に基づき、歯科訪問診療はやりがいのある仕事であること、患者さんに喜んでもらえること、何より楽しいことを動画などを用いながら説明し、口から食べることにこだわり、生涯にわたる「かかりつけ医」を目指しましょうと呼び掛けました。

 ●CIMG8199次いで馬場部長より、歯科訪問診療に関わる医療保険と介護保険について解説しました。歯科訪問診療に関わる点数に馴染みがないため、請求に不安があり一歩踏み出せないという意見も多かったため、丁寧な説明が行われました。

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馬場部長と森元理事が使用している器材を紹介しました。写真は器材を紹介する馬場部長。

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器材を紹介する森元理事

 昼食休憩時には、歯科訪問診療に必要な機材として、実際に講師が歯科訪問診療で使用している器材を展示し、使用方法などを説明しました。実物を見ることで、各講師が工夫している点や、準備のイメージを持ってもらうことができました。

 午後は歯科訪問診療の現状として、森元理事より「訪問診療を始めるための準備」、横山理事より「在宅歯科訪問診療の現状」、矢野副会長より「在宅歯科訪問診療特有の悩み」をテーマにそれぞれ講演いただきました。

 CIMG8275森元理事は、歯科訪問診療を始める前に、外来で来ている高齢の患者の状況をよく把握することが大切とし、外来診療のうちに、全身の疾病や障害の状況、家族構成、主治医、介護保険の利用状況などの確認やレントゲンを撮影したりしておく必要があると説明しました。さらに、外来診療のうちから口腔だけを診るのではなく全身・日常を診る視点と食べることを目的とすることが大切と述べました。また、訪問診療への声かけを積極的にしていくことが、歯科訪問診療につながり、生涯にわたる「かかりつけ歯科医」に近づけると述べました。その後歯科訪問診療で必要な機材や訪問診療の様子を紹介しました。

 ●CIMG8225横山理事は、歯科訪問診療の実際として、自身が行った歯科訪問診療の様子を動画で紹介しました。その中で、認知症患者への声かけ、接し方、訪問診療を行う環境などを説明しました。また、歯科訪問診療で求められるのは、義歯の修理や新製が多いことから、義歯の修理・新製のポイントを解説しました。義歯はただ作れば良いのではなく、食べられる義歯、使ってもらえる義歯とすることが大切と述べ、患者の状況に合わせた咬合とする事や、修理・作成を行ったら、何か食べてもらうことが大切だと説明しました。

 最後に矢野副会長は、歯科訪問診療で一番悩みを抱えることが多い、多職種連携のポイントを中心に説明しました。ケアマネジャーや医科と連携することで、既往歴や服薬の状況、過去のトラブルや患者の性格なども教えてもらうことができ治療もスムーズに行えるため、気後れせず、何でも聞くことが大切だとしました。また、現在診療報酬制度の情報提供料では、情報を求めた側が何も算定出来ないという問題点に触れ、お互いに算定出来るようになれば、情報連携が進むのではないかと述べました。また、口腔ケアについて、口腔ケアは介護職の中では意識は上がっているが、決して良好な口腔状況ではないことを紹介し、実際の口腔ケアで使用している材料や歯科衛生士の感想などを交えながら説明しました。最後に食べることは生きること、患者の生き方に寄り添って支えることが歯科訪問診療の醍醐味とまとめました。

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小グループに分かれてのディスカッション。活発な意見が飛び交いました。

 講義の後には、小グループに分かれディスカッションを行いました。歯科訪問診療を始めたいという意欲を強く持った参加者が多く「実際に始めるためにどこを突破口に声をかけるべきか」「実際に歯科訪問診療の依頼を受けているためすぐにでも始めたい」などの意見が多く出されました。講師からは、ポスターやお知らせを掲示して、歯科訪問診療を行っていることをアピールする方法や、外来の高齢の患者やケアマネジャー、ヘルパーの仕事をしている患者などに直接声をかけるなど、これまでのつながりを利用して始めるのが一番取り掛かりやすいなどアドバイスを送りました。

 まとめとして、森元理事から自身の歯科訪問診療を始めたきっかけを紹介し、食べることは家族までも幸せにするということを歯科訪問診療で教えてもらった、ターミナルまで関われるすばらしい職業だと呼び掛けました。

●CIMG8288 最後に松島会長から、これからは間違いなく超高齢化社会になり、在宅歯科医療が求められている。かかりつけ歯科医として、患者を最後まで看取るために、これからも在宅歯科訪問診療を広めるよう協会としても頑張っていきたいと、在宅で待つ患者のためにも、在宅歯科訪問診療を広げる必要性を訴えました。

 事後のアンケートでは、ほとんどの参加者が歯科訪問診療を行ってみようと思うと回答し、「少しずつ出きる事をやろうと思う」「不安が解消できたので行ってみたい」「可能性を見出せた」など前向きな意見が多く集まりました。

 次回はすでに歯科訪問診療を行っている先生向けに、在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の講習会を11月1日(日)に開催します。今回はこれからの歯科に求められる医療安全や外来環境体制加算の講習会を1日で網羅できるプログラムとなっています。

 緊急時の対応や高齢者・有病者への対応、感染症対策、医療事故対策など、地域を守る歯科医院として、学んでおきたい内容です。施設基準の届出をしない先生でもぜひ聞いて頂きたいと思います。また、修了証の有効期限は外来環3年、歯援診4年となっております。詳しくは機関紙10月号の研究会・行事のご案内やHPをご覧ください。みなさまのご参加お待ちしております。
研究会案内はこちら

マイナンバー研究会、18日(金)に開催します!

一体何をしたらいいの?

その声にお応えします

 

マイナンバー制度を紐解く!

9/18(金)in 文京シビック小ホール

 

 

いよいよ10月から、国民それぞれに12桁のマイナンバーが交付されます。

歯科医療機関は、行政庁に提出する税務書類や従業員のマイナンバーなどを取り扱うことになります。

日常業務で必要な対応はもちろんのこと、制度の問題点まで解説いたします。

是非、ご参加下さい!!

 

日 時:9月18日(金)午後7時~9時

講 師:櫻木敦子氏(東京歯科保険医協会顧問税理士)

会 場:文京シビック小ホール

参加費:会員無料 (同伴者一名につき1,000円)

※予約不要 当日は、会員証を受付にてご提示ください。

 

政府広報/内閣府発信の動画(約20分)を事前にご覧いただき、研究会にお越しください。

動画タイトルは「事業者向けマイナンバー社会保障・税番号制度がはじまります」です。

以下URLが政府広報/内閣府のHPです。

(URL:http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/ad/kj_movie/jigyosya.html

事前にご覧いただけない方は、研究会開始前の午後6時40分から7時まで流します。

 

 

埋伏抜歯の手順をもう一度見直す /第2回若手歯科医師向けベーシック講座開催

埋伏抜歯の手順をもう一度見直す /第2回若手歯科医師向けベーシック講座開催

 

9月12日協会会議室にて「歯科医院で行う埋伏智歯の抜歯処置」と題し、西田紘一氏(協会監事)を講師として、第2回若手歯科医師向け学術ベーシック講座が開催された。

当日は33名の会員が参加した。講演では、下顎智歯の抜歯手順をフロートチャートを用いて丁寧に解説。また、麻酔、歯冠除去・骨開削、歯根分割などポイントでは動画を使用し説明を行い、へーベルの使い方では2人1組となりポジショニングの確認を行った。

(へーベルのデモを参加者と一緒に行った様子)

へーベルのデモを参加者と一緒に行った様子

その他、休憩時間では、講師が抜歯時に使用する器具32点を展示し、見入る参加者の姿があった。

 

 

 

 

 

(展示:32点の抜歯器具)

展示:32点の抜歯器具

次期歯科診療報酬改定にも言及/社保審保医療保険会で次期診療報酬改定の基本方針4本柱を提示

次期歯科診療報酬改定にも言及/社保審保医療保険会で次期診療報酬改定の基本方針4本柱を提示

厚生労働省は本日9月11日、社会保障審議会傘下の医療保険部会(座長:遠藤久夫学習院大学経済学部教授)を開催し、今後の課題や懸案事項などについて議論した。

席上、事務局は、次期診療報酬改定の基本方針を示しつつ、①医療機能の分化・連携の推進、②患者にわかりやすく、QOLを高める医療、③充実が求められる領域の評価、④効率化できる領域の適正化―の4つの柱を提示し、説明を加えた。

その中で、特に歯科に関連しては「口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進」と重要な懸案事項として提起されており、参考資料として2014年度歯科診療報酬改定の概要を提示した。その内容は以下の通り。

なお、社保審医療部会のメンバーには歯科医師は含まれていない。

 【厚労省事務局が整理・提示した2014年度歯科診療報酬の概要】

▼在宅歯科医療の充実等:在宅療養患者に対する訪問を中心に実施している歯科診療所の評価、在宅歯科医療における医科医療機関と歯科医療機関の連携に係る評価、歯科訪問診療2の見直し及び歯科訪問診療3の新設など。

▼周術期口腔機能管理の充実等:周術期口腔機能管理が必要な患者における医科医療機関と歯科医療機関の連携に係る評価、周術期口腔機能管理を実施した患者に対する手術料の加算の新設など周術期口腔機能管理の充実。

▼正常な口腔機能の獲得・成長を促すための対応(小児期):小児保隙装置の評価、小児義歯の適応拡大、口腔機能の維持・向上を図るためにおける対応(成人期)、舌接触補助床等の訓練の評価及び有床義歯の継続的管理の見直し、歯周治療用装置の要件の見直しなど。

▼歯の喪失リスク増加:歯周病安定期治療の評価体系等の見直し、フッ化物局所応用に関する評価の見直し、口腔機能の維持・向上、回復に資する技術の評価の見直しなど。

▼新規医療技術の保険導入:歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯科矯正治療の評価、局部義歯に係るコンビネーション鉤の評価、顎関節治療用装置装着患者に対する訓練等の評価など。また、歯科医療サービスの提供体制の変化と今後の展望として、「歯の形態回復に加え、口腔機能の維持・回復の視点を含めた地域包括ケア(地域完結型医療)における歯科医療提供体制の構築をめざしていく。

▼先進医療の保険導入等:歯科用CAD/CAM装置を用いて製作された歯冠補綴物の評価、歯科CT撮影装置及び手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術の評価。

▼患者の視点に立った歯科医療:初再診時における歯科外来診療環境体制加算の見直し。

歯科にも重要な消費税課税について協議・検討などを要望/厚生労働省2016年度税制改正要望

歯科にも重要な消費税課税について協議・検討などを要望/厚生労働省2016年度税制改正要望

厚生労働省が財務省に提出した「平成28年度税制改正要望事項」の内容が明らかになった。毎年重ねて要望されている診療報酬への事業税非課税措置の存続は今回も継続して盛り込まれている。要望全体の柱は、①健康・医療、②医療保険、③介護・社会福祉、④生活衛生―など8本で構成されている。

これらのうち、まず①の中で注目されるのは、「医療に係る消費税の課税のあり方の検討」だ。これは、医療に関する消費税などの税制のあり方について、消費税率10%引き上げが予定されている中、抜本的な解決に向けた措置を行えるよう、個々の診療報酬項目に含まれる仕入税額項目相当分を「見える化」するなどにより、実態の正確な把握を行いつつ、医療保険制度での手当のあり方の検討なども合わせ、医療関係者、保険者など意見を踏まえた総合的な検討を行い、結論を得ることを求めている。

これは、昨年暮れの12月30日に決まった「自民党・公明党平成27年度税制改正大綱」の中で検討事項として盛り込まれていたもの。

◆厚労省が対財務省説明で「損税」を明言

ところで、この要望が行われた背景について、厚労省が財務省に説明した内容は、まず「社会保険診療は国民に必要な医療を提供するという極めて高い公共性を有していることを踏まえ、社会保険診療に係る消費税は現在非課税とされている」との現状を説明。次に、「医療機関等の医療機器等の仕入れにかかる消費税については課税扱いであるため、社会保険診療報酬において消費税分を上乗せすることで医療機関等に負担の内容措置してきた」と、保険診療の消費税対応の現状を説明。さらに、「しかしながら、一部の医療機関等からは、社会保険診療報酬の消費税分の上乗せ幅は十分ではなく、仕入れに要した分の消費税の一部が還付されていない(いわゆる損税)状態になっている」と明言し、「損税」との用語を対財務省説明で用い、保険診療の中で「損税」が発生していることを認めている。そして、消費税法の中で「医療に係る消費税課税の在り方については、引き続き検討する」との一節を用いて、今後の議論を行う必要性を訴えている。

通常、税制改正要望では、特定の項目の非課税や減税を要求するスタイルをとるが、議論・検討を行うことを要望するのは異例なこと。

また、厚労省が「損税」という表現を使い始めた点については、協会では社会保険診療に関する消費税については、3年前から損税解消のために「ゼロ税率課税」を求め、会員署名活動も実施し、他の医療関係団体も「ゼロ税率課税」を要求しているが、それら一連の動きにより、厚労省も損税解消という視点から動き始めたとも受け取れよう。

◆患者申出療養への消費税非課税を要望

そのほか、混合診療推進につながるとみられる「患者申出療養」については、厚労省は財務省に対し、消費税非課税を要望している。その理由として厚労省は、「将来的な保険収載に向けて評価を行うことを前提に、社会保険診療と併用して行われる医療サービスの提供であり、高い公共性を有する」ことを理由に、「下支えが必要」なため「消費税を課さない」と説明している。

歯科保健医療政策を概観する②完/2016年度厚生労働省歯科保健関連予算概算要求案

歯科保健医療政策を概観する②完/2016年度厚生労働省歯科保健関連予算概算要求案

前回は、厚生労働省歯科保健課の来年度予算概算要求案について、「歯科保健医療の充実・強化」の政策内容のうち、新規政策の「歯科口腔保健支援事業」「歯科疾患実態調査」を中心に紹介したが、今回はそれ以外の要求内容を紹介する。

◆歯科医師臨床研修経費は昨年度比微増を要求

厚労省医政局歯科保健課の来年度予算要求案の中の主な内容を見ると、①歯科保健分野の情報化の推進:1900万円、②歯科医師臨床関係費:13億8500万円、③歯科医療従事者等の資質向上:600万円、④へき地等における歯科医療確保500万円―となっている。

これらのうち、①の情報化推進については、歯科医療機関が電子カルテなどで保有する身元確認に関する歯科診療情報の標準化とその活用を検討するとともに、モデル事業充実を図るというもの。また、②の歯科医師臨床研修関連では、歯科医師臨床研修費が対前年度比800万円増と、微増ながら増額要求を行っている。さらに③では、歯科医療関係者感染予防講習会、歯科技工士実習施設指導者等養成講習会、予防・在宅歯科医療等対応教員養成講習会を引き続き実施する。

◆75歳以上の歯科検診をバックアップ

一方、医政局ではなく保険局高齢者医療課所管の来年度予算概算要求案の中での歯科保健関連事業をみると、「後期高齢者医療の被保険者に係る歯科健診」に関し、後期高齢者医療広域連合が実施する高齢者の特性を踏まえた歯科検診の実施の支援を行うこととし、8億6000万円を要求している。

なお、この保険局要求8億6000万円に、前回から紹介した医政局歯科保健課要求6億円を加えると、14億6000万円となり、厚労省全体の歯科保健医療経費となる。

歯科保健医療政策を概観する①/2016年度厚生労働省歯科保健関連予算概算要求案

歯科保健医療政策を概観する①/2016年度厚生労働省歯科保健関連予算概算要求案

厚生労働省の2016年度予算概算要求案が8月末に財務省に提出されたが、総額は30兆6000億円となったが、その中で歯科保健医療関連予算の詳しい内容が明らかになった。

歯科保健医療関連予算は総額14億6000万円。その内訳は、①歯科保健医療の充実・強化:6億円、②歯科口腔保健の推進:8億6000万円―の2本となっている。以下に具体的な紹介するが、これらの事業は政府が2014年度から設けた“新しい日本のための優先課題推進枠”での要求となっており、厚労省全体で進める健康寿命延伸に向けた取り組みの一環と位置付けられている(2回連載)。

◆歯科保険医療の充実・強化

厚労省医政局歯科保健課が所管する各種事業のうち、2016年度新規政策として要求しているのは、「歯科口腔保健支援事業」と「歯科疾患実態調査」の2本。

支援事業は、地域での住民との対話の場を設けることやシンポジウム開催など、国民に対する歯科口腔保健の普及活動を推進するというもので321万円を要求。また、歯科疾患実態調査は、これまでは6年ごとに実施されていたこの調査を、今後は5年ごとの実施に変更するもので、日本の歯と口腔に関する健康状態を把握し、歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項の評価を行うなど、今後の歯科保健医療対策の推進に必要な基礎資料を収集するもので、3454万円を要求している。

そのほかの主な継続事業としては、「口腔保健推進事業」(要求額3億1061万円)で口腔保健支援センター設置事業を増額するほか、「8020運動推進特別事業」(同1億1552万円)では人件費補助の増額を図る。また、「歯科保健サービスの効果実証事業」(同1億3665万円)も継続して進められ、従来から行っている糖尿病患者や要介護高齢者に対する歯科検診実施を通じた重症化・疾病予防効果や効果的なスクリーニング・歯科保健指導実施方法などを引き続き検証するほか、厚労省内の健康局、老健局、児童家庭局などと連携しながら各ライフステージごとの歯科保健サービスの実証を行う。