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牧原秀樹厚労副大臣と坪田会長、橋本理事が懇談/歯科保険医の切実な現場の声を直接届ける

牧原秀樹厚労副大臣と坪田会長、橋本理事が懇談/歯科保険医の切実な現場の声を直接届ける

―本日28日に副大臣室で歯科医療の改善求める要請書も手渡す

9月28日、協会の坪田有史会長と橋本健一理事は、牧原秀樹厚生労働副大臣と懇談した。懇談内容は、①2018年診療報酬改定、②院内感染症対策など。

協会では、現在、次期診療報酬改定に向け会員署名に取り組んでいる。署名には多くの会員から「義歯、根管治療の報酬を上げてほしい」「現状では感染症対策もままなりません」「保険の範囲で良い診療をしたいと常に思っています」など、切実な声が寄せられている。

これらの会員の声を坪田会長から牧原副大臣に直接伝え、医療従事者の技術料を正当に評価する「診療報酬の改善」「院内感染症対策への理解と実践を促す方策」「患者さんの窓口負担の軽減」「消費税問題の改善」などについて、引き続きご尽力をいただくよう要請した。牧原厚労副大臣は、坪田会長からの院内感染対策などについて真剣に耳を傾け、担当部署にもその旨を伝えるとした。

坪田会長の説明に真剣に聞き入る牧原秀樹厚労副大臣

牧原厚労副大臣に歯科医療改善を求める要請書を手渡し

歯科医療の充実訴える/当協会の坪田会長も報告行う/「保険でよい歯科医療の実現を求める9.28市民集会」に230名が参加

歯科医療の充実訴える/当協会の坪田会長も報告行う/「保険でよい歯科医療の実現を求める9.28市民集会」に230名が参加

「保険で良い歯科を」全国連絡会(雨松真希人会長)が主催する、「保険で良い歯科医療の実現を求める9.28市民集会」が9月28日、国会議事堂至近の憲政記念会館で開催された。全国から歯科医師をはじめ、歯科技工士、歯科衛生士など230名が参加し、歯科に関す連する各職種についての様々な課題が取り上げられ、報告や協議・検討が加えられた。

各団体や地域からの報告では、当協会の坪田有史会長、兵庫県保険医協会理事で神戸常盤大学短期大学部教授の足立了平氏、巨摩共立歯科診療所長の榊原啓太氏、全国商工団体連合会常任理事の今井誠氏、保険適用拡大を願う会代表の小尾直子氏ほかによる挨拶や報告などが行われた。

9.28市民集会で歯科の現状と次期改定に関して報告に立つ協会の坪田有史会長

理事会声明「ハンドピース滅菌問題解決の方策を国に求める」/機関紙2017年10月1日号(№571)3面掲載

理事会声明「 ハンドピース滅菌問題解決の方策を国に求める」

2017年5月30日に厚生労働科学研究費補助金研究「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」が公表された。この研究の中で、「使用済みハンドピースを患者毎に交換、滅菌している医療機関は半数の医療機関に留まっている」旨の報告がされた。

2017年7月5日付の読売新聞はこのことを、「未だに半数の歯科医院が、前の患者さんに使用したハンドピースを何もせずにそのまま使用している」と国民に誤解を招く記事として報道した。協会は本紙八月号で強く抗議をしたところである。

9月4日に厚生労働省は歯科保健課長名により「歯科医療機関における院内感染対策の周知について」を通知した。通知は、「都道府県に、使用したハンドピースは患者毎に交換し、オートクレーブ滅菌処理などの院内感染対策を取り組むよう歯科医療機関に周知すると共に、各保健所には歯科診療所の立入検査の際には、これらの衛生管理を重点検査項目とし、公衆衛生上重大な危害が生ずる恐れがある場合には歯科医療機関および歯科医師に対し指導を徹底すると共に厚労省に報告すること」を求める厳しい内容である。

2009年8月に協会が実施した開業歯科医院を対象とした院内感染予防対策会員アンケートでは、オートクレーブやケミクレーブなどを使用する医療機関は九五%を超えていることや、グルタラールなどの滅菌薬剤を多くの医療機関が使用していることがわかる。歯科診療所では診療報酬上の裏付けがない中、その時点でのふさわしい感染予防対策を行ってきた。

感染予防対策に係る費用としては、オートクレーブ滅菌処理で劣化するハンドピースや各種器具の問題や、滅菌処理を行う人件費など多面的に捉える必要がある。基本診療料でそのすべてを賄うことはきわめて困難で、日本歯科医療管理学会では、「患者1人当たりの院内感染対策費は約1058円」との報告がある。

また、厚労省が「感染予防対策を評価した」と言われる歯科外来診療環境体制加算は、感染対策を純粋に評価したものではなく、偶発症に対する緊急時や医療事故時の対応も課している。さらに、届出医療機関が全国で25.6%(平成29年6月1日時点)でしかない現実は、感染予防対策に役に立っていないと言える。

国は早急に必要な原価計算などを行った上で、診療報酬上で感染予防対策を評価した点数を新設すべきである。また、感染予防対策に必要な器材の購入や人の配置に係る費用を軽減するために、補助金や基金の創設などの手当を早急に検討いただきたい。それと並行して、安価で滅菌処理をしても劣化をしないエアータービンや手狭な歯科診療所でも設置ができるオートクレーブやウォッシャーディスインフェクターなどの開発が必要だと考える。国は産業界や大学などの研究機関と共同で開発を進めるようリーダーシップを発揮すべきである。

協会は、スタンダードプリコーションへの歯科医療機関の理解と実践を促すために尽力する。それと同時に、将来にわたって国民皆保険制度を維持し、安心・安全な歯科医療を提供するための方策を患者と共に国に求める。

2017年9月28日

東京歯科保険医協会

理事会

会長談話「政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う選挙」/機関紙2017年10月1日号(№571)2面掲載

会長談話「政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う選挙」

安倍首相が9月25日、首相官邸で記者会見を開き、9月28日召集の臨時国会で、冒頭に衆議院を解散して総選挙を行う意向を正式に表明した。

それを受け、総選挙は10月10日公示、10月22日投開票となった。さらに安倍首相は会見で、この解散を「国難突破解散」とし、総選挙の大義を消費税増税の使途変更、北朝鮮情勢の2点とした。消費税については、約2兆円を「子育て支援」「教育無償化」のために確保し、『全世代型』の社会保障制度の実現を図るという。また、北朝鮮情勢を「国難」と規定し、北朝鮮への圧力強化路線の堅持を表明した。

しかし、9月26日付の新聞各紙は「国会を軽視し、憲法をあなどる政治姿勢は、安倍政権の体質」(朝日)、「(森友・加計学園問題)実質審議はなくなっても、一連の疑惑に関する首相や政府の説明責任は残る」(読売)「(消費税)使い道の見直しは民進党が既に打ち出している課題だ。解散して信を問うテーマと言うには説得力を欠く」(毎日)、「もろ手を挙げて賛同できる案ではない」(日経)、「歳出拡大は約束するが、財政再建の検討は後回しというだけでは都合が良すぎる」(産経)、「首相は会見で『憲法上問題はない』と強調したが、憲法軽視との誹りは免れまい」(東京)など厳しい意見が並んでいる。

また、共同通信社の全国電話調査(9月23日、24日実施)では、北朝鮮情勢が日増しに緊迫感が高まる中で、衆議院の解散・総選挙によって政治的空白が生じることへの不安の声が上がっており、この時期の解散に64.3%の人が反対している。安倍首相は、2つの大義について「速やかに国民の信を問わねばならない」と訴えた。「速やかに」としているが、消費税の2%増税が予定されているのは2年後である。何故、この時期に国民に信を問わねばならないか理解できず、疑問である。

前回、2014年の総選挙では、経済再興を全面に出し、原発再稼働、集団的自衛権、TPP、痛みを伴う改革など、与野党の主張に明確な争点があったとは評価されていない。さらに戦後最低の投票率52.7%も追い風となり、与党が改憲発議に必要な3分の2を超える議席を確保した。だが、今は社会保障、北朝鮮、年金、景気対策、農業改革、教育改革、あるいは待機児童問題など、対応・対策が急がれる数多くの問題がある。今回の総選挙は、主権者たる国民の良心と政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う重要な選挙となるだろう。

来年は、医療・介護報酬同時改定が行われる。政府は2018年度までの社会保障費の自然増分を毎年5000億円に抑え込む方針で、さらにその方針の期間延長が検討されている。その抑制分は、診療報酬を中心とする旨が、すでに財務省から示されている。だが、「国民生活に関する世論調査(内閣府:2017年6月15日~7月2日実施)」では、政府が力を入れるべき政策としては、「医療・年金等の社会保障の整備(65.1%)」が最も高くなっていた。多くの国民が望んでいる政策は、社会保障の充実であることは明らかだ。

来る総選挙では、自らの一票が今後の日本の方向、そして社会保障への影響を考えて行動することが望まれる。

2017年9月28日

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

開催!第2回 若手歯科医師向け学術ベーシック講座

成功率向上のために根管治療の基礎を学ぶ

 第1回に続き、第2回目の学術ベーシック講座を開催しました。
 今回は「根管治療の基礎~成功率を高めるための基本的な手技を中心に~」をテーマに当協会の理事である本橋昌宏氏が講演され、会員32名が参加しました。

 講演では、根管治療の目的、方法、使用薬剤・機材の紹介など、日常の臨床症例を複数症例提示し、X線画像や臨場感あふれる臨床中の動画を用いて解説をしました。また、ラバーダム防湿の必要性ならびに根管内感染防止のための仮封の重要性についても解説されました。

 参加者からは、「明日からの診療に是非役立てたい」「カラー写真や動画が取り入れられていて、受講して大変良かった」「日常の臨床をもとにしており、大変参考になった」などの感想が寄せられました。

 社保・学術部では、学術ベーシック講座以外にも外部講師を招いての研究会など日常の臨床技術向上のための講座・研究会を随時開催しております。是非、ご参加ください。

講師:本橋理事

か強診の施設基準等で議論沸騰/2017年度第3回(通算64回)メディア懇談会を開催

か強診の施設基準等で議論沸騰/2017年度第3回(通算64回)メディア懇談会を開催

9月8日、第3回メディア懇談会を開催した。当協会からは山本鐵雄副会長、早坂美都広報・ホームページ部長が出席した。今回は①8月18日に協会が厚生労働省に対して行った「診療報酬にかかわる要望について」の概要と当日の模様、②8月31日に東京都に対して行った「2018年度東京都予算に対する請願」の概要と当日の模様、③協会が独自に6月に実施した「か強診アンケート」の集計結果について、④7月2日の読売新聞朝刊報道を皮切りとした一連のハンドピース関連記事に対し、厚生労働省が9月④日付で出しました通知についてなどを話題に取り上げ、参加したメディア4社との意見交換が行われた。

議論が集中したのは、厚労省への要望関係についてで、メディアから、「口腔外バキュームは、外国では使われていない」「国内外を問わず、実際、これまでに歯科医療機関でハンドピースによる感染事故発生事例は確認されているのか」「か強診の施設基準や訪問診療の三十分要件は、届出が増えすぎないよう、行政が設けたものではないのか」「臨床現場の歯科医師のおよそ八~九割が『おかしい』との意見が出ているのだから、もっと強く厚労省に訴えるべきではないか」といった、厳しい意見が相次いだ。

第1回 学術ベーシック講座を開催しました

第1回 若手歯科医師向け

学術ベーシック講座

今年で6年目となる若手歯科医師向け学術ベーシック講座を開催しました。

第1回は、「歯性炎症・感染症について~開業医で行う歯性感染症への対応~」をテーマに濱崎啓吾理事が講演され、会員27名が参加しました。

講演では、歯性感染症の病態と特徴、感染症拡大と臨床解剖、歯性感染症の病態評価、歯性感染症の治療の各項目について、症例を示しながら基本的な解説をしました。

また、患者の症状・病態から感染程度を把握し、投薬・処置を始め、どの時期に病院歯科(口腔外科)への紹介するのが適切なのかも説明し、医院や患者にとって無理のない診療を行うことが大切と解説されました。

炎症時に使用する抗菌薬については現在のガイドラインに沿って、基本的な特性や効果を説明し、抗菌薬の選択を行えるよう話がされ、参加者からは、「基礎的なことが学べた」「抗菌薬の再考になった」などの感想が寄せられました。

第2回は、9月9日に根管治療の基礎をテーマに講座を開催します。満員御礼で今年も大人気の当講座は、若手の歯科医師向けにあくまでも基本的なことを学んでもらうことを趣旨とし開催しています。ぜひ、日常診療でお困りな先生方に参加していただきたい講座です。

2017年秋の共済普及キャンペーン始まりました!

 

秋の共済普及期間:9月1日(金)~10月25日(水)

 協会では、先生方が安心して日々の診療を行っていただく事を目的に下記の共済制度を取り扱っており、9月1日より秋の共済募集キャンペーンが始まりました。

 どの制度も先生方のライフステージやライフイベントに応じて必要な保障を用意できるよう、歯科医師向けのシンプルな制度設計となっています。

 多くの先生から支持をいただいている制度です。この機会にぜひご検討下さい!

35周年!会員加入NO.1  グループ生命保険

万が一の時、家族の安心のために、手頃な掛金でしっかり保障!最大4000万円まで備えられます。

剰余金は配当としてお返ししています。(昨年度実績 保険料の約69%)

日本有数の私的年金 保険医年金

将来に備えてしっかり貯蓄!1.259%の高利率で積立できます。さらに、受託生命保険会社の運用実績に応じて配当がつくこともあります。(昨年度実績+0.102%)

いつからでも受取可能で、減口、払込中断にも対応でき、使いやすい保険です。

医業にあった保障の形 保険医休業保障共済保険

傷病での休業の際に手厚い保障!最長730日の長期保障です。入院はもちろん、自宅療養でも、代診をおいても給付が受けられます。掛金は加入時のまま上がらず、掛け捨てではありません。

共済制度への加入や説明を希望される場合は、協会にご連絡いただくか、下記リンクからメールで送信して下さい。メールをいただいた場合は、担当者よりご連絡させていただきます。この機会に会員だけが加入できる共済制度をご検討ください。

グループ生命保険 加入者特典

チラシ・FAX送信表のダウンロードは下記イラストをクリックしてください♪

医療への消費税課税検討など盛り込む/2018年度税制改正要望書を財務省に提出

医療への消費税課税検討など盛り込む/2018年度税制改正要望書を財務省に提出

厚生労働省は8月31日、財務省に対して2018年度「税制改正要望」を提出した。要望の柱は、子ども・子育て、健康・医療、医療保険、介護・社会福祉、雇用、生活衛生その他―の7項目となっている。

これらの中で、医療、歯科医療に特に深い関連があるものを拾うと以下のような状況である。なお、◆印下の説明文は、同省作成のまま引用している。

【健康・医療】

◆医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税、地方消費税)

医療に関する消費税などの税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられるまでに、抜本的な解決に向け、適切な処置を講ずることができるよう、税制上の措置について、医療保険制度における手当のあり方の検討などと併せて、医療関係者、保険者などの意見を、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘も踏まえ、平成30年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。

◆医療機関等の設備投資等に関する特例措置の創設(所得税、法人税等)

控除対象外消費税の負担が医療機関等の設備投資を抑制する一因となっているとの指摘がある中、国民に必要な医療を効果的・効率的に提供していくための設備投資などは進めていく必要がある。このような中で、医療に関する諸費税の問題が抜本的に解決されるまでの間、都道府県で策定された医療計画などに資する固定資産税を医療機関等が取得した場合に、税制上の特例措置を創設する。

◆社会保険診療報酬にかかる非課税措置の存続(事業税)

社会保険診療の高い公共性に鑑み、診療報酬に係る事業性の非課税措置を存続する。

◆医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続(事業税)

人口減少による地域機能の衰退と医師の高齢化などを踏まえ、地域の保健・医療・介護を支える個人解説医療機関の事業承継の円滑化のため、税制上の所要の措置を講ずる。

◆社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し(所得税、法人税、法人住民税、事業税、固定資産税等)

医療・介護をめぐる社会情勢の変化の中で、地域医療の中核的存在である社会医療法人の認定要件(社会保険診療収入などの対象)について、見直しを行う。

◆国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率引き上げ(たばこ税、地方たばこ税)

国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため、たばこ税および地方たばこ税の税率を引き上げる。

【医療保険】

◆国民健康保険法の改正に伴う税制上の所要の措置(国民健康保険税)

国保法等の一部を改正する法律の施行に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。

◆国民健康保険税の課税限度額の見直し及び低所得者に係る国民健康保険税の軽減判定所得の見直し(国民健康保険税)

①国保税の基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額及び介護納付金課税額の限度額の見直しを行う。

②低所得者に対する国保税の軽減措置の対象となる世帯の軽減判定所得について、経済動向などを踏まえ、所要の見直しを行う。

◆国民健康保険税の軽減判定に用いる被保険者の所得の算定方法の見直し(国民健康保険税)

国保税に係る軽減措置の判定に用いる被保険者の所得について、一部、住民税上の金額を用いることができるよう、算定方法の見直しを行う。

【介護・社会福祉】

◆介護医療院の創設等に伴う税制上の所要の措置

介護医療院の創設等に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。

第2回歯援診・外来環・か強診・医療安全のための講習会

お待たせいたしました!今年度2回目の開催です!

2016年度診療報酬改定では、地域包括ケアシステムに対応した歯科診療所の評価として「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」が導入され、施設基準が新たに設けられました。

また、医療法では年2回程度「医療安全(院内感染対策を含む)」の受講が定められています。

この講習会は、1日で「歯援診」・「外来環」・「か強診」・「医療安全」の4つに対応した修了証を取得できます。この機会にぜひご参加ください。

毎回満席になるほど、多くのお申込みを頂いております。ご希望の方は早めにお申込み下さい。

日 時 10月15日(日)午後1時~6時30分(予定)

講 師 坂下 英明 氏 明海大学歯学部病態診断治療学講座

口腔顎顔面外科学第2分野教授

繁田 雅弘 氏 東京慈恵会医科大学精神医学講座教授

森元 主税 氏 東京歯科保険医協会理事

内 容 偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策、高齢者の心身の特性、口腔機能の管理

会  場 エステック情報ビル21F 会議室B 

交 通 JR中央線・総武線・山手線・東京メトロ丸の内線 新宿駅徒歩5分

    ※都庁方面に向かい工学院大学ビルの鄰。

参加費 8000円(か強診・外来環・歯援診・医療安全の修了証代込)

定  員  150名

対 象 会員のみ。代理の方の出席はできません。

要予約 TEL03-3205-2999(担当:経営管理部&地域医療部)

※遅れて参加された場合や途中で退席された場合は、修了証の発行はできません。

※次回の開催は2018年5月ごろを予定しています。

<地図>

歯科健診で2事業を盛り込む/2018年度厚労省歯科医療関連概算要求案を見る

歯科健診で2事業を盛り込む/2018年度厚労省歯科医療関連概算要求案を見る

厚生労働省は8月25日、「2018年度厚生労働省予算概算要求案」を自民党厚生労働部会で提示し、同31日に正式に公表した。高齢化の進展によって社会保障費の自然増分は6300億円に上っており、一般会計概算要求額は31兆4298億円で過去災害規模となった。これは、対前年度当初予算比2.4%増となっている。また、要求額が30兆円を超えたのは6年連続となっており、今後の財務省とのやり取りが注目される。

今回の概算要求案の中で、特に同省医政局歯科保健課所管の歯科医療関係の要求内容を紹介する。

◆歯科健診めぐり新規政策2事業を要求

「歯科保健医療の充実・強化」の一環として、健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健の推進を図るため、新規施策として①歯科健康診査推進事業:歯科健康診査推進等事業、検査方法等実証事業、②歯科医療機関による歯科口腔保健機能管理等研修事業―の2事業を盛り込んでいる。

◆地域の全歯科疾患患者を受け入れる拠点診療所整備を支援でも新規政策

また、「8020運動・口腔保健推進事業」では、継続事業として①口腔保健推進事業、②8020運動推進特別事業、③歯科口腔保健支援事業―の3事業を引き続き進める。

さらに、「歯科保健サービスの効果実証事業」「医療提供体制施設整備交付金」の2事業も引き続き推進する。後者は新規事業で、“地域拠点歯科診療所施設整備事業”を創設する予定だ。診療に困難を伴う障害者の患者などを含め、地域医療におけるすべての歯科疾患患者の受け入れを可能にする歯科の拠点診療所の施設整備への支援を行うことが柱となっている。

◆歯科医療の情報化をさらに推進の構え

一方、これまで継続している「歯科医療分野の情報化の推進」について、さらにテコ入れを行う。具体的には歯科情報の利活用と標準化推進普及事業として、標準化された歯科情報の普及に向け、歯科情報の利活用に関するモデル事業を行い、その有用性を実証しようというものだ。なお、同省では去る7月19日、「歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会」を設置し、その初会合を開催しており、同検討会での今後の検討内余が反映される形になる。

◆歯科関連医療従事者の資質向上に向け新規2事業を計画

歯科医療にとって欠かせない歯科技工士。この歯科技工士養成施設に対して厚生労働省歯科保健課は重い腰を上げ、2018年度予算概算要求案の中で「歯科技工士養成施設活性化事業」を新規要求した。これは、歯科技工士養成施設に所属する学生が参画し、歯科技工士養成活性化会議の設置と学生確保推進コーディネーターを配置して、学生確保などの具体的な方策を協議・検証するために必要となる経費について、支援して行こうというもの。また、いま1つの新規政策として「災害派遣医療チーム要請支援事業(歯科分)」の新規要求も行っている。これは、DMATの活動終了後、被災地の医療機能が回復するまでの間の医療支援などを担う民間の医療チームに所属する歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者の養成、養成研修に必要な経費を支援しようというもの。なお、新規2事業のほかに継続事業として①歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業、②歯科医療関係者感染症予防講習会、③歯科技工士実習施設指導者等養成講習会、④予防・在宅歯科医療等対応教員養成講習会、⑤歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業、⑥歯科医療の展開に向けた協議・検証事業―の6事業が、継続要求されている。

◆臨床研修関係

厚生労働省歯科保健課では、2018年度の「歯科医師臨床研修関係費」として継続事業として4事業を引き続き進める。具体的には、①歯科医師臨床研修費、②歯科医師臨床研修指導医講習会、③臨床研修活性化推進特別事業、④臨床研修病院募集情報システム事業経費(歯科分)―の4本となっている。

◆保険局所管事業は2本が柱

厚生労働省の2018年度予算概算要求案の中で、医政局歯科保健課とは別に、保険局内で扱っている歯科保健関連2事業が継続実施されるが、2事業とも大幅増額を要求している。2事業とも高齢者医療課の担当で、概要は、以下の通り。

≪健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健の推進≫

・後期高齢者医療の被保険者に関する歯科健診:後期高齢者医療広域連合が実施する高齢者の特性を踏まえた歯科健診について支援を行うもの。

≪高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進≫

・広域連合で地域の実情に応じて地域包括支援センター、保健センター、歯科診療所などを活用し、課題に応じた専門職、つまり歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、保健師などが、対応の必要性が高い後期高齢者に対して実施する相談や訪問指導などについて支援を行う。具体的には、①口腔に関する相談・指導、②外出困難者への訪問歯科健診―となっている。

◆歯科医療でのへき地医療確保や安全確保は例年並み要求に

厚生労働省医政局歯科保健課が担当している「へき地歯科医療確保」「歯科医療安全の確保・向上」に関する3事業は、例年並みの規模が概算要求案に盛り込まれている。具体的には、①へき地歯科巡回診療者運営費、②離島歯科診療班派遣運営費、③歯科医療事故情報収集等事業―の3事業となっている。

◆厚労省医政局所管の補助対象事業

一方、歯科保健課が所属する医政局が所管している補助金を用いる事業も、例年並みの2事業が要求されている。具体的には、①医療提供体制推進事業費補助金によるもの:歯科医療安全管理体制推進特別事業、②医療施設等設備整備費補助金によるもの:へき地歯科医療関係の設備整備事業―の2事業となっている。

◆総合確保基金の柱は3本

厚生労働省の2016年度予算概算要求案から開始された「地域医療介護総合確保基金による医療・介護提供体制改革」、いわゆる「基金事業」の規模は2018年度の場合602億4400万円となっており、医政局歯科保健課では3事業を想定し、その実施に見合う財源の確保を目指す。3事業とその具体的な内容は以下の通り。

Ⅰ、病床の機能分化・連携

・地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院等の患者に対する歯科保健医療の推進

Ⅱ、在宅医療(歯科・薬局を含む)の推進

・在宅歯科医療の実施に関する拠点・支援体制の整備。

・在宅歯科医療連携質と在宅医療連携拠点や地域包括支援センター等との連携の推進。

・在宅歯科医療を実施するための人材の確保支援など。

Ⅲ、医療従事者等の確保・養成

・医科・歯科連携に資する人材養成のための研修の実施など。

支払基金が3つの審査情報事例を公表

支払基金が審査情報提供事例を公表

社会保険診療報酬支払基金(以下、「支払基金」)は、8月28日に歯科の審査情報提供事例3項目を公表した。

公表された事例はあくまでも支払基金での取扱いとなっているので注意されたい。

 

〈初期う蝕早期充填処置〉

取扱い

原則として、前歯に対する初期う蝕早期充填処置の算定を認める。

取扱いを定めた理由

初期う蝕早期充填処置は、原則として、幼若永久歯又は乳歯のう蝕好発部位である小窩裂溝を歯科用充填材料で封鎖することによりう蝕の重症化を抑止する治療であるが、臼歯だけではなく、小窩を有する前歯に対しても有効である。

留意事項

一般的に、下顎前歯に対する初期う蝕早期充填処置については、歯の形態等からその必要性は乏しいものと考えられるが、癒合歯又は双生歯等に対しても有用となる場合があることから、必要に応じて医療機関に対して照会等を行い、個々の症例により判断する必要がある。

 

〈歯周基本治療②〉

取扱い

原則として、混合歯列期における再度のスケーリングの算定を認める。

取扱いを定めた理由

混合歯列期において、乳歯と永久歯の混在等により口腔清掃状態が良好ではなく、歯石を繰り返し生成することがあり、この場合には再度のスケーリングが必要となる。

 

 

〈歯周病安定期治療(Ⅰ)及び歯周病安定期治療(Ⅱ)〉

取扱い

原則として、「P」病名に対して、スケーリング(再スケーリングを含む。)のみを実施した場合における歯周病安定期治療(Ⅰ)及び歯周病安定期治療(Ⅱ)の算定は認めない。

取扱いを定めた理由

歯周病安定期治療は、スケーリング・ルートプレーニング又は歯周ポケット掻爬後の歯周病検査又は歯周外科手術等を行った後の歯周病検査の結果、一部に深い歯周ポケットや根分岐部病変が残存しているため歯周組織の健康は回復していないが、病変の進行は停止している状態において必要であるとされており、一般的には、歯周病安定期治療の対象となる歯周病の治療としては、スケーリング・ルートプレーニング又は歯周ポケット掻爬が必要であると考えられる。

留意事項

全身状態等によりスケーリング・ルートプレーニング又は歯周ポケット掻爬が実施できない特段の理由がある場合においては、個々の症例により適切に判断する必要がある。

 

歯系2議員が自民厚労部会長代理に/白須賀・石井両議員

歯系2議員が自民厚労部会長代理に

今月3日、第3次安倍改造内閣が発足し、その後、副大臣と政務官などの人事が決まったが、昨日22日、自民党の厚生労働部会の部会長1名、部会長代理3名の人事が正式に決まった。部会長代理には歯系議員の参議院議員の石井みどり氏、衆議院議員の白須賀貴樹氏の2氏が就任した。自民党厚労部会の部会長、部会長代理は以下の4氏。

◆部  会  長 橋本 岳氏 :衆院議員、岡山4区

◆部会長代理 鬼木 誠氏 :衆院議員、福岡2区

                             白須賀貴樹氏:衆院議員、千葉13区

           石井みどり氏:参院議員、全国比例

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

 

巨星墜つ。

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、呼吸不全のため亡くなった。105歳であった。葬儀は7月29日、青山葬儀所で行われた。

日野原氏は医業にとどまらず、多種多様な講演会活動、地域貢献活動に携わってきた。日野原氏は、1911年に山口県で生まれ、1937年に京都帝国大医学部を卒業。1941年に東京の聖路加国際病院に内科医として勤務を始めた。1992年には同病院院長、96年には理事長に就任。2005年には文化勲章を受章した。

日野原氏は、1951年から1年間留学した米国のエモリー大学医学部で、患者の人格や考えや意見、生き方そのものを尊重する「全人医療」を学びとり、帰国後は看護師育成を中心に精力的に取り組んだ。また、1954年には病気の早期発見と早期治療の実現を目指し、日本の民間病院では初の「人間ドック」を開設。また、「生活習慣病」という呼称を新たに考え定着させ、予防医療にも力を注がれていたことは記憶に新しいところ。そのほか、終末期医療の充実に向け、日本初の独立型ホスピスの創設にも携わった。

一方、小中学生を対象とした命の尊さを伝える活動として「いのちの授業」を全国で展開。また、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と命名し、75歳以上の自立した老人で組織する「新老人の会」を設立した。

著作活動にも熱意を注ぎ、200冊におよぶ著作がある。特に2001年に出版した『生きかた上手』は社会的にも注目を集め、200万部を超えるミリオンセラーとなったほか、絵本『葉っぱのフレディ』のミュージカル向け脚本を執筆するなど、執筆活動は広範囲にわたった。

日野原氏はエピソードにも富み、1970年に赤軍派がハイジャックした日航機『よど号』に偶然、乗客として乗りあわせたほか、1995年の地下鉄サリン事件の際は、聖路加国際病院院長として、直ちに被害者の無制限受け入れを行い、率先して治療拠点としての役割を果たすとともに、被害拡大防止に尽力した。

100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し、心から敬意と感謝を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

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※なお、当協会の機関紙2010年5月号(第477号)では、当時98歳を迎えていた日野原重明氏のインタビュー記事を掲載しております。下記をご参照ください。聞き手は、藤野健正理事(当時、広報部長)で、場所は聖路加国際病院理事長室内。

下記インタビュー記事のダウンロードはこちら

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

7月21日、第2回メディア懇談会を開催した。協会からは坪田有史会長と広報・ホームページ部担当部長の早坂美都理事が出席した。

今回は第45回定期総会で新会長となった坪田会長の就任後のあいさつと今後の当協会の活動の方向、来月実施予定の東京都の次年度予算に対する要請、医療・歯科医療をめぐる諸情勢などを話題のほか、6月24日にB型肝炎弁護士団が開催した「歯科の感染対策を考えるシンポジウム」の模様など、参加メディア四社との意見交換が行われた。

冒頭、坪田会長はあいさつで、「前執行部が取り組んできた事業を継続し、着実なものにしていく。また会員数は6月18日の定期総会時点で5236名。会員を増やし、新規事業のデンタルブックと合わせて、さらに広めていく」と意気込みを語った。

参加者からは、中医協の社保審で検討されている次期診療報酬の改定については、「厚労省も認識していると思うが、『かかりつけ』のイメージが厚労省と患者で、大きく異なっているように思える。『かかりつけ』の定義を明確にすべきと思う」との意見が出された。

また、医療情勢でレセプトを電子化してAIを活用しようという動きについては、「審査会を飛ばしてしまおうという話は、昔からあった。審査会は『地域差』があるらしいと言われていて、保険者からも不満があった。そのため、機械化することで審査にムラがないようにしたのではないか」「機械的に審査をしようというのはムラを防ぐためだろう。電子化が進められてきたときから、いつかはこうなることだろうとわかっていた。ただ、電子化することで手書きの方などはあぶれてしまう人もいるだろう」などの意見が続いた。

 

 

 

厚生労働省が幹部人事を発表/7月11日発令

厚生労働省が幹部人事を発表/7月11日発令

厚生労働省は7月11日、事務次官や新たに創設した「医務技監」などを含む幹部人事異動を発令した。

政府高官レベルとなる厚生労働事務次官には、老健局長を務めていた蒲原基道氏が就任した。

また、今年度の厚労省機構改革の目玉となっている事務次官級扱いの「医務技監」にはこれまで保険局長を務めていた鈴木康裕氏が就任した。医務技監の役割を示す厚労省発表資料を参考までに下記に掲載する。

なお、歯科技官の幹部人事異動は行われていない。

◆1983年(58年)入省組が事務次官を支える形に

局長人事では、①保険局長:鈴木俊彦氏(元・年金局長)、②医政局長:武田俊彦氏(同医薬・生活衛生局長)、③年金局長:木下賢志氏(同内閣官房内閣審議官)、となっており、1983年(昭和58年)入省組が就任した。そして、厚労省大臣官房長には樽見英樹氏はそのまま留任したが、樽見氏も58年入省組であり、58年入省組の4氏がそろって厚労省幹部に就任したことになる。

なお、医薬・生活衛生局長の武田俊彦氏の後任には、日本年金機構理事を務めていた本真司氏が就任。医政局長を務めていた神田裕二氏は退職した。

今回の厚労省幹部人事は、1982年(昭和57年)入省の蒲原事務次官を、1983年(同58年)入省の鈴木保険局長、武田医政局長、木下年金局長の新3局長に留任の樽見官房長を加えた4局長で支える形となった。

【主な幹部の略歴】

  • 事務次官(老健局長)蒲原基道(かもはら もとみち)1982年(昭和57年)東大法卒、旧厚生省へ。官房長を経て16年から老健局長。佐賀県出身、57歳。
  • 医務技監(厚労省保険局長)鈴木康裕(すずき やすひろ)84年(同59)慶大医卒、旧厚生省へ。防衛省衛生監、16年厚労省保険局長。神奈川県出身、57歳。
  • 厚生労働審議官(職業能力開発局長)宮野甚一(みやの じんいち)82年(同57)早大政経卒、旧労働省へ。総括審議官、16年職業能力開発局長。千葉県出身、58歳。
  • 医政局長(医薬生活衛生局長)武田俊彦(たけだ としひこ)83年(同58)東大法卒、旧厚生省へ。政策統括官、16年医薬 生活衛生局長。岩手県出身、57歳。
  • 健康局長(技術総括審議官)福田祐典(ふくだ ゆうすけ)85年(同60)筑波大医学専門学群卒、旧厚生省へ。生活衛生 食品安全部長、16年技術総括審議官。長野県出身、58歳。
  • 医薬生活衛生局長(日本年金機構理事)宮本真司(みやもと しんじ)84年(同59)一橋大法卒、旧厚生省へ。東北厚生局長、16年日本年金機構理事。長野県出身、56歳。
  • 職業安定局長(中央労働委員会事務局長)小川誠(おがわ まこと)83年(同58)一橋大経卒、旧労働省へ。統計情報部長、16年中央労働委員会事務局長。静岡県出身、56歳。
  • 雇用環境均等局長(総括審議官)宮川晃(みやかわ あきら)83年(同58)東大法卒、旧労働省へ。職業能力開発局長、16年総括審議官。東京都出身、57歳。
  • 子ども家庭局長(雇用均等児童家庭局長)吉田学(よしだ まなぶ)84年(同59)京大法卒、旧厚生省へ。内閣審議官、16年雇用均等 児童家庭局長。愛知県出身、55歳。
  • 老健局長(審議官)浜谷浩樹(はまや ひろき)85年(同60)東大法卒、旧厚生省へ。15年審議官。北海道出身、54歳。
  • 保険局長(年金局長)鈴木俊彦(すずき としひこ)83年(同58)東大法卒、旧厚生省へ。社会 援護局長。15年年金局長。愛知県出身、57歳。
  • 年金局長(内閣審議官)木下賢志(きのした けんし)83年(同58)一橋大経卒、旧厚生省へ。審議官、15年内閣審議官。千葉県出身、58歳。
  • 人材開発統括官(政策統括官)安藤よし子(あんどう よしこ)82年(同57)東大教養卒、旧労働省へ。雇用均等 児童家庭局長、15年政策統括官。東京都出身、58歳。
  • 政策統括官(審議官)藤沢勝博(ふじさわ かつひろ)84年(同59)京大経卒、旧労働省へ。愛知労働局長、16年審議官。大阪府出身、55歳。
  • 政策統括官(厚労省総合政策政策評価審議官)酒光一章(さかみつ かずあき)83年(同58)東大経卒、旧労働省へ。財務省審議官、16年厚労省総合政策 政策評価審議官。東京都出身、56歳。

板橋区内の愛歯技工専門学校が生徒募集を中止し閉校へ

板橋区内の愛歯技工専門学校が生徒募集を中止し閉校へ

東京都板橋区所在の愛歯技工専門学校が「生徒募集の停止のお知らせ」の案内を掲載するとともに、平成31年3月をもって閉校することになった。

その説明としてホームページでは、「ご関係の皆様には、日頃より本学の教育にご支援を賜り、感謝を申し上げます。さて、弊校は大正14年の開校以来、皆様にご愛顧頂いて参りましたが、諸般の事情により平成30年度以降の学生の募集を終了し、平成31年3月をもって閉校する運びとなりました。突然の学生募集の終了でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げる次第でございます。略儀ではございますが、まずは書中をもちまして学生募集終了のお詫びとご挨拶を申し上げます」としている。

歯科医師国家試験の出題基準を改定/「新基準」による国試実施の注意点も別途に喚起

歯科医師国家試験の出題基準を改定/「新基準」による国試実施の注意点も別途に喚起

厚生労働省は7月3日付で2018年(平成30年)3月に実施される「第111回歯科医師国家試験」の日程、内容などを取りまとめ公表した。また、それに続く7月5日付で、この第111回歯科国試から新たに運用される注意事項を「※受験予定の方へ重要なお知らせ」として文書を取りまとめ公表した。

◆出題基準改定の根拠

2018年(平成30年)版歯科医師国家試験出題基準に基づいて、歯科医師国試問題出題数や出題構成の見直しなどを行うことが柱。歯科医師国家試験出題基準は1985年の策定以来、歯科医療や歯学教育の変化や内容などにあわせ、4年ごとに見直しについての検討を加え、必要な改定を継続して加えている。2018年版歯科医師国試出題基準の改定に関しては、昨年3月29日に厚労省の「歯科医師国家試験制度改善検討部会」がとりまとめた“報告書”の中で示された提言を踏まえたものとされ、改定出題基準は2018年度2月3、4日に実施される第111回歯科医師国家試験から採用、施行される。

第111回歯科医師国試日程等資料はここをクリック

◆具体的な改定内容

それによると、第111回歯科医師国家試験の出題数は、①必修問題80題、②一般問題(総論)100題、③一般問題(各論)80題、④臨床実地問題100題、の合計360題となている。これに合わせ、受験者への配慮も行い、解答時間も見直されることになっている。

また、これまでの必修問題、一般問題、臨床実地問題に分かれていた出題構成については、各問題冊子に必修問題、一般問題、臨床実地問題を均等に出題する形に見直しされる。

さらに出題形式は、現在の出題形式に加え、①必要に応じて5つの選択肢から3つの正解を選択する「X3タイプ」、②5つの選択肢から4つの正解を選ぶ形式「X4タイプ」、③治療手順などを解答させる非選択形式の「順序問題」、を使用する予定という。

なお、厚労所が示した「※受験予定の方へ重要なお知らせ」は以下の通り。

口腔の健康と生活習慣・社会環境改善の現状検討/健康日本21第二次専門委員会で

口腔の健康と生活習慣・社会環境改善の現状検討/健康日本21第二次専門委員会で

厚生労働省は29日、厚生科学審議会地域保健建造増進栄養部会内に設置している「健康日本21/第二次推進専門委員会」(座長:辻一郎/東北大学大学院教授)を航空会館で開催した。会合では、現在進められている「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」「健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標」「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標」などについての現状が報告され、検討が加えられた。

これらのうち③歯科関連事項については、資料に沿って①口腔機能の向上、②歯の喪失防止、③歯周病を有する者の割合、④幼児・学齢期のう蝕のない者の増加、⑤過去1年間に歯科検診を受診した者の増加、等が紹介されている。

“デンタルブック”のログイン方法が変更になりました!!

“デンタルブック”のログイン方法が変更になります!!

7月3日(月)から、協会員の皆様にご活用いただいております“デンタルブック”のログイン方法が変更となります。その概要は、下記の通りです。

今後とも、デンタルブックのご活用をお願いいたします。

 

下記説明書のダウンロードはここをクリック!!

 

口腔機能管理推進など「骨太の方針2017」の内容を紹介/社保審の障害者部会で

口腔機能管理推進など「骨太の方針2017」の内容を紹介/社保審の障害者部会で
 
厚生労働省は6月26日、社会保障審議会障害者部会(部会長:駒村康平/慶応義塾大学教授)を全国都市会館で開催した。今回の会合では障害者総合支援法施行に関連する諸事項を取り上げ議論が展開された。
ただ、配布資料の中には、6月9日に閣議決定された「骨太の方針2017」の障害保健福祉部関係で明記された「社会保障④:健康増進・予防の推進等」のダイジェスト版が配布され、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」のセンテンスが紹介された。
当日行われた議論は、①障害者の望む地域生活、②障害児支援のニーズの多様化へおきめ細かな対応、③サービスの質の確保・向上に向けた環境整備―の3本を柱に行われた。
なお、他の社会保障審議会傘下の専門部にも該当することであるが、この障害者部会のメンバーにも歯科医療界からの代表は含まれていない。

第45回定期総会「決議」/機関紙2017年7月1日号(№568)2面掲載

第45回定期総会「決議」

政府は、2017年度政府予算案で、一般会計の総額を前年度当初比0.8%増の97兆4547億円とし、軍事防衛関係費を5年連続増額の5兆1251億円とした。しかし、社会保障費は、2016年度から2018年度の3年間で自然増を1兆5000億円に抑制し、更にその抑制方針を2020年まで継続しようとしている。

伸びの抑制に導入されるのは、70歳以上の高額療養費制度の上限額引き上げ、介護保険利用料の3割負担導入など高齢者を狙い撃ちにした自己負担の引き上げである。このことは、医科よりも低い高齢者の歯科受療率を更に引き下げ、歯科疾患の重症化を招きかねない。患者の負担増を進める動きには反対する。

さらに、歯科医療機関の経営は厳しい。第20回医療経済実態調査結果では、都内23区を集計した1級地の医療収益の伸び率は-1.2%であり、その減収分を歯科材料や医薬品などの経費削減で補っている現状が明らかになった。在宅医療や基礎疾患を持つ高齢者へ歯科治療が重視される中、患者に安心・安全な歯科医療を提供できる体制が脅かされている。歯科診療報酬の引き上げを行うとともに、保険診療に係る仕入れ価格のうち消費税分の負担を強いる損税問題も早期に解決すべきである。

私たちは、社会保障削減策を推し進める動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療の充実の実現に向けた運動を国民とともに力を合わせ、以下の要求を表明する。

一.わが国の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする社会保障制度を充実させること。

一.高齢者の医療保険や介護保険の自己負担を引き下げること。

一.歯科医療機関の経営を抜本的に改善するため、歯科診療報酬を引き上げること。

一.社会保険診療に係る消費税非課税制度を、ゼロ税率に改めること。

一.保険医を萎縮診療に誘導し、結果患者の受療権を侵害する高点数を理由とした一切の指導を行わないこと。

一.生命と健康を脅かすものを排除し、平和を尊ぶ社会を目指すこと。                          

2017年6月18日

東京歯科保険医協会

第45回定期総会

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

6月18日、協会は「東京歯科保険医協会2017年度第45回定期総会」を中野サンプラザで開催した。今総会では、2016年度の活動・予算決算などの報告のほか、2017年度の活動計画案と予算案などの議案について審議・検討を加え、すべて賛成多数で可決された。また、6項目による総会決議も採択した。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、今総会は役員改選の年に当たるため、定款に則り会長、副会長、理事が選出され、新会長には、これまで副会長、政策委員長などを担当していた坪田有史氏が選ばれた。

 

◆坪田新会長あいさつ

坪田新会長はその就任に当たり挨拶し、その中で、これまで会員からいただいた支援、協力について、今後も引き続きお願いしたい旨を述べるとともに、「歯科のおかれている現状は厳しい。少子高齢化が進み総人口も減少しており、歯科でも疾病構造が大幅に変化しているのも事実。なかなか難しい時代だが、頑張っていきたいと思う」と訴えた上で、「公的医療保険の中で総枠拡大はどうしても必要と考える。いろいろと前向きに考えたい」と、来年度の診療報酬・介護報酬同時改定を視野に入れた今後の方向を示唆。さらに「副会長、理事者、執行部とともに、また事務局とスクラムを組んで進みたい。会員、国民、都民、患者、協会の将来のために頑張りたい」と抱負を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆近未来の歯科医療語る/医療ジャーナリストの田辺功氏が記念講演

総会に続き、記念講演として、医療ジャーナリストで元朝日新聞編集員の田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」をおこなった。田辺氏は、自身の科学部で医療問題を担当していた記者時代からの経験を紹介した後、歯科は今後も口腔関係の専門家であるとともに、食と栄養に関する専門家であるべき点を指摘し、「口腔ケア」の概念と全身の健康と疾患の関係が解き明かされてきた経緯を説明。しかし、その重要性とは裏腹に、現状では病院歯科は減少しており、病院では「口腔ケアの実情を見聞することもしなければ、厚生労働省が推進を図ろうとしなければやろうとしない。これはおかしい」とした。さらに、「厚労省の一番の関心事は、基本的には医療費減らしとその方法論、医科・歯科の医療の“質”のことを忘れている」と訴えた。また、歯科と医科の関係についても言及し、歯科は医療の質を注視すること。および歯科は、口腔内の専門家とともに栄養の専門家であってほしいとした。

◆懇親会の模様

総会、記念講演後に開催された懇親会には、記念講演を行った田辺氏も参加し、さらに国会議員、都議会議員や協会顧問弁護士、顧問税理士、友誼団体関係者も加わって議論を重ね、さらに交流を深めた。

懇親会会場で壇上に上がった新役員オールキャスト

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

来たる6月18日(日)午後2時から、当協会の第45回定期総会が開催される。その第2部の記念講演「近未来の日本の医療と歯科」の講師を務める医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏が、本日15日午後4時半、協会事務局を訪れ、当日のスライド資料ほかの最終調整を行った。そのなかで田辺氏は、「明るいイメージを抱いて歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!」と重ねて強調された。

田辺氏作成の資料は、当日の記念講演とともにご覧いただくこととなるが、ここでは、協会の機関紙に2015年9月1日号(No.546号)~2017年2月1日号(No.563号)に連続掲載された『歯科医療点描』全18回分を再編集したものをご紹介させていただく。表記をクリックしていただき、全6ページ18話のPDF版をご覧いただきたい。また、記念講演の柱の一部は、この連載内容をベースに、さらに詳しい内容出会届けすることとなっており、18日(日)午後4時30分から中野サンプラザ11階「アネモルーム」で開催する記念講演に、ぜひお越しいただきたい。当日のご参加も大歓迎です。

◆田辺功氏略歴

たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

★「歯科医療点描」全18話PDFダウンロードはここをクリック!!

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

来たる6月18日(日)に協会の第45回定期総会が開催される。会員各位には、既に当日の「定期総会議案書」をお届けさせていただいた。

先ずは、その裏表紙をご覧いただきたい。

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この定期総会で午後4時30分から開催する第2部記念講演「近未来の日本の医療と歯科」で講師を務める田辺功さん(医療ジャーナリストで元朝日新聞で医療問題に専門に取り組む科学部所属で編集委員も務めた)と、当日の聞き所などについてうかがってみた。同じく当日司会を務めるコーディネーターの早坂美都理事(広報・ホームページ部担当)との“放談”は90分に及んだ。

◆近未来の歯科の議論にフロアーも引き込む

田辺功さん。医療問題を取材して半世紀のキャリアを持つベテランだ

今回の田辺さんの視点としては、「広く日本の医療を捉え、その方向を占った上で、歯科医療に話題を絞り込み、2016年診療報酬改定とその後の歯科医療の現場での状況から、今後の歯科の進むべき方向を割り出す。

もちろん、18年度改定も視野に入れてのこと」と、医療問題を取材して半世紀に迫る経験と見識などをベースに、現在の歯科の問題を一歩進める方向に引っ張っていく。しかも、「参加者はすべて会員=現役歯科医師のため専門用語も使って話を進める。こうした流れの先に、“近未来の日本の歯科”について言及して行く。もちろん、診療現場での患者対応、設備や人員などの必要経費などを含めた形での正当な報酬の方向、現実的な診療所運営に関する一工夫なども話題に取り込む…」。とかなり欲張った内容の講演となりそうだ。

広報・ホームページ部担当の早坂美都理事。協会機関紙の「きき酒いい酒いい酒肴」や記名記事で読ませる文章が得意。今回は総会記念講演のコーディネーターを務める

一方、コーディネーター役を務める早坂理事は、臨床現場での実情を踏まえ、適時、日々の診療や同じ歯科医師仲間との情報交換などの中で把握したホットな話題を提供し、田辺さんとも軽快なやり取りをしながらフロアーを議論に引き込み、あるいは意見を募り、議論の輪を広げていく。

 

 

 

 

 

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

6月1日の署名集会とあわせて実施した国会議員要請行動では、共産党衆議院の宮本徹議員との懇談を行った。

宮本議員に対して協会の橋本健一理事は、現在歯が多いほど医療費が少ないこと、8020達成者は医科・歯科共に医療費が少ないことなどをデータをもとに説明。さらに、総医療費に占める歯科医療費は7%以下となっており、基本的な診療項目の診療報酬が上がらない、新規項目・技術がなかなか導入されないことなどを説明し、「このままでは口腔と全身の健康問題への対応など、歯科における疾病構造の変化に対応することができない」と、歯科の現状を訴えた。

宮本議員も橋本理事の説明に大きくうなずくとともに、患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるため、患者負担・窓口負担を減らすことが大切であると指摘するとともに、歯科での感染症対策などにもコストがかかるが今の診療報酬などでは対応できず厳しいことなどにも言及し、歯科医療への理解を示した。

橋本健一理事:歯科の現状のほか、診療報酬の充実と患者負担軽減は両輪であることを説明

宮本徹議員。患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるとの認識

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

全国保険医団体連合会(以下、保団連)と「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は1日、「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を衆議院第1議員会館内で開催した。

今回の署名提出集会は、今年度より、①70歳以上の患者負担限度額(高額療養費制度)の引き上げ、②65歳以上の療養病床の患者に対し、新たに居住費負担、③後期高齢者の低所得者などの保険料の引き上げなど段階的に進められる中で、医療・介護の負担増中止を求めるために開催された。「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の署名提出集会は、歯と口の中を健康な状態に保つことち前新進の健康は深く関係していること、国民がお金の心配をせず、歯科医療を安心して受けられるよう、窓口負担の軽減、さらに歯科医療の保険適用範囲拡大を求め開催されたもの。

国会会期中にもかかわらず、衆議院から郡 和子議員(民進党)、初鹿明博議員(民進党)、柚木道義議員(民進党)、升田世喜男議員(民進党)、田嶋 要議員(民進党)、中島かつひと議員(民進党)、畑野君枝議員(共産党)、堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)の各議員。

参議院から川田龍平議員(民進党)、岩渕 友議員(共産党)、武田良介議員(共産党)が駆け付け、挨拶し続けて「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名を各議員に託した。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「政府・行政は社会保障の削減について、『無い袖は振れない』と初めから患者負担増ありきで話が終わる。それで済ませるのではなく、歳出・歳入を見直して、患者さんが安心して医療を受けられるように政策を見直してもらいたい」と訴えた。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。

 

政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質の低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載

政策委員長主張「需給問題が歯科医師の質の低下に」

本年3月、「第110回歯科医師国家試験」の合格発表があり、新たに1983名の歯科医師が誕生した。

今回の合格率は、全体で65.0%となり、第106回が71.2%で、第107回から第109回までの3年間が63%台であったので久しぶりのアップであった。

◆歯科医師国試合格者数4年連続2000人前後の背景は

一方、合格者数は4年連続2000人前後である。推測ではあるが、直近4年間は合格者数を2000人程度とすることが、初めから決められていたのではないだろうか。来年以降も合格者数に注目していく必要がある。推測が正しければ、合格率は受験者数によって微増減した数字になっているだけで、大きな意味を持たないこととなる。また、過去は資格試験の意味合いが強かった歯科医師国家試験が、近年では競争原理が働く選抜試験の様相を呈している。そのため、大学によっては国家試験の合格率を上げることに注力し、人格的に良質な資質を有する歯科医師を育成する本来の歯学教育の目的が疎かになってはいないだろうか。

◆増加する卒業認定のみ人数と今後

新卒において、出願者数2462人、受験者数1855人、合格者数1426人の結果、不合格者数は429人であった。なお、出願者数と受験者数の差は607人で、前年11月に出願したが、留年、卒業延期、そして国家試験は受験できず卒業認定のみとなった方たちの総数で、その数は年々増加している。特に、いくつかの私立大学で卒業認定日を操作することによって、国家試験を受験することはできないが、卒業はさせるということで、合格率の粉飾を図る戦略を行っていることが疑われる。これらの方たちは、次の第111回では新卒に分類されると考えられ、先送りにしただけに過ぎない。学生を大学から卒業させたということは、間接的に歯科医師国家試験を受験できる知識や技術などを身につけたと判断したことである。したがって、卒業認定のみを行うことは、大学自体が学生の最終目標である歯科医師免許取得のための教育を放棄し、卒業後は免許取得のため、各自で国家試験の勉強をせよと通告したこととなり、責任の所在に大いに疑問がある。

2016年度の29大学歯学部・歯科大学の入学定員数は2449人である。合格者数が2000人前後の現状からみると、前提としての入学定員数が多すぎるのではないだろうか。厚生労働省(以下、「厚労省」)は過去、歯科医師の需給に関して議論を行い、大学の入学・募集定員について数回の提言が出されている。その結果、各大学が取り組み、すでに削減が行われているが、十分なのであろうか。

「第110回歯科医師国家試験」での既卒の受験者数は1094人で不合格者数は637人である。厚労省サイドでは、以前から受験回数制限の議論が行われており、将来的に受験回数が制限される可能性があるが、現時点では、いわゆる国家試験浪人の方たちも多くの方が諦めることはないと思われる。したがって、入学定員数が維持され、2000人の合格者数を続けるならば、大学を卒業しても歯科医師になれない方たちが増え続けることとなる。このことは歯科界のみならず、社会的な問題といっても過言ではない。

◆学生の質か教育内容の差か

一方、最低修業年限の歯科医師国家試験合格率からみると、2010年4月入学者が六年間の教育を受け、2016年3月の「第109回歯科医師国家試験」に合格した比率は、29大学歯学部・歯科大学で平均50.7%、17私立大学に限ると平均42.7%である。全体でも半数の学生が留年や退学などの理由により、いわゆるストレートで歯科医師免許を取得していない。また、私立大学では、最高74.2%から最低13.2%までと、大学間での差が大きい。この原因は、そもそも学生側の質に問題があるのか、医育機関である各大学の教員や教育内容に差があるためか、証左がないため判らず断定できない。しかし、この格差は異常な状態といわれても致し方ない数字である。

◆歯科医療費の総枠拡大と歯科医師の将来の量的供給そして「質」

2014年の歯科医師総数は10万3972人、そのうち医療施設従事者数は10万965人で、人口10万対歯科医師数は81.8人である(厚生労働省「医科・歯科医師・薬剤師調査」)。1970年の人口10万対歯科医師数が35.2人であったので、大幅に増加しているといえる。しかし、世界的にみるとこの数字は多いほうとはいえない。また、歯科医療サービス提供体制の充実のためにさらに歯科医師を増やす必要があるという論理にはなるが、国民皆保険を堅持する立場からいえば、歯科医師が増えれば歯科医療費の総枠拡大が不可避となる。政府が社会保障費の削減を推し進めている現状では、その論理に同意することは困難である。

総人口の減少、あるいは疾病の軽症化などを背景に考えると、現在の歯科医療を持続することだけを進めるならば、歯科医師の需要予測としては厳しい。したがって、将来的に予防や継続管理の充実、在宅歯科医療などにシフトしていかなくてはならない。

このことは、2016年診療報酬改定で「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」も新設、SPTの要件緩和、初期う蝕への評価など、厚労省はすでに動き出している。しかし、変化する歯科的ニーズに対して歯科医療が良好にシフトチェンジできたとしても、将来的な量的供給は今後も現状維持できるのであろうか。

他方、重要なこととして需給問題は歯科医師の質と密接な関係がある。職業として歯科医師を選択する人が減少していることは、私立大学歯学部・歯科大学の競争倍率の低下や大学予備校の発表している偏差値の数値に現れている。入学定員が充足していない大学、また偏差値をインターネットで調べると、46以下とされている大学が複数あるのは厳然たる事実である。

◆協会は新規参入1200名を提言

6年間という長い期間、さらに6年間で卒業できるとは限らず、歯科医師国家試験のハードルも高く、何年も浪人しても歯科医師になれない可能性は現実的にありうる。また、歯科医師になっても「ワーキングプア」が少なくないとメディアから喧伝され、必ずしもイメージがいいとはいえない。私立大学ならば、かかる学費も決して安くない。それらの背景があり、歯科医師を目指す高校生、受験生が多くはないのが、残念ながら現状といえる。

歯科医師全体の質の低下は国民のためにならないことは間違いない。総合的に考えると抜本的な解決のためには、歯科医師の需給から考えることが現実的ではないだろうか。

東京歯科保険医協会は、2010年に発表した「21世紀にふさわしい歯科改革提言」の中で「歯学部の統廃合をすすめ地域偏在をなくし、歯科医師の新規参入は1200名に削減すること」と提言している。急激な変化を望むわけではないが、入り口を制限しても、早くても結果が出るのは6年、研修医期間を考えると7年かかる。大学の所管は文部科学省であり、厚労省と協同して速やかに対策を講じる必要がある。今回、将来の歯科界を危惧し、あえて主張させていただいた。

 

2017年6月1日

東京歯科保険医協会

政策委員長 坪田有史

第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

6月18日(日)に第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

東京歯科保険医協会の第45回定期総会を来たる6月18日(日)午後2時から中野サンプラザで開催します。当日は3部制で、総会、記念講演、懇親会の順に進めます。当協会会員のみ、どなたでも参加できます

第2部の記念講演では、講師に医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏をお迎えし、「近未来の日本の医療と歯科」を行います。今後の日本の医療の進む方向と歯科の未来について、歯科医療の質をどうするのか、患者・国民から支持される歯科医療とはどのようなものか…など、日本の医療と歯科の近未来をイメージして行きます。

詳細は下記をご覧ください。また、参加のお問い合わせ・お申し込みは協会事務局までご連絡ください(tel:03-3205-2999 / e-mail:info@tokyo-sk.com)。

第45回定期総会当日スケジュールPDFはここをクリック