【教えて!会長!! Vol.70】 自民党の提言 「医療DX令和ビジョン2030」

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自民党の提言「医療DX令和ビジョン2030」がニュースになっていましたが。

 政権与党である自由民主党の政務調査会は、昨年2022年5月に「医療DX令和ビジョン2030」の提言(以下、「提言」)を発表しています。そしてさらに本年4月13日付けで、同提言の実現に向けた新たな提言「(同提言の)実現に向けて〜保健医療情報のデジタル活用により、すべての国民が最適な医療を受けられる国へ〜」をまとめました。
 自民党の提言は、政府に対して強い影響力があり、また政策を進めるために発出されますので、医療機関にとっての今後の方向性を見据えるうえで注目すべきと思います。

提言、そのほかについて教えてください。

 現在、「マイナンバーカード普及」「マイナンバーカードの健康保険証利用」「オンライン資格確認義務化(以下、「オン資」)」「マイナポータル活用」「オンライン請求義務化」「電子処方箋導入」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」「医療DX」の推進などは、具体的な政策として進められています。これらは実際、日々の歯科臨床に直接関係がないため、拒否感を持っている先生が少なくないと思います。
 この中で「医療DX」を厚労省は、「保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療、薬剤処方、診断書などの作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義できる」としています。そこで自民党の「提言」の概要を示します(表参照)。


 政府では昨年10月に総理を本部長とする「医療DX推進本部」を設置しました。この政府の動きを踏まえ、自民党政務調査会などは医療DXの取組みを力強くかつ速やかに進めるべく、本年4月に「実現に向けて」の提言を発表したのです。
その主な内容は、以下の4項目となっています。

(1)グランドデザイン:医療DXを通じたより効果的かつ効率的で質の高い医 療の提供の実現など
(2)ガバナンスの強化:厚労省の司令塔機能を有する部署の確保など
(3)全国医療情報プラットフォーム:オンライン資格確認などシステムの拡充など
(4)電子カルテ情報の標準化など:標準化に関する集中的な取組みの実施など

 要は、すべて前述した進行中などの案件は既に仕組まれていて「力強くかつ速やかに進める」の文言により速いスピードが求められているのです。その結果、拙速感が強く、説明不足などにより、我々医療機関、そして国民の多くがついていけないのが現状ではないでしょうか。
 今後、歯科においても「オンライン請求」「電子カルテ」などの「義務化」が要求される可能性が高いと考えています。現在、協会は「義務化反対」の立場で様々な活動を行っていますが、提言などからさらに医療機関に押し付けてくることが推測されます。現在、「オン資」を導入されている会員へ「報告フォーム」により、トラブル事例を募っています。さらに多くの先生の回答結果を受けて、問題点をまとめ、よりよい改善に向けて行政などに訴えます。
 この「報告フォーム」は、すでにデンタルブックメールニュースでお知らせしています。また、協会ホームページからも回答できます。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

東京歯科保険医協会 会長 坪田 有史
(東京歯科保険医新聞2023年5月号8面掲載)