【教えて!会長!! Vol.69】オン資運用時 イレギュラーへの対応

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オンライン資格確認システム(以下、オン資システム)の導入が進んでいますが、トラブルが気になります。

 本年3月31日までに原則導入とされてきたオン資システムですが、経過措置の猶予届出書を出された本会会員は少なくないようです。しかし、一定期間猶予されるだけのため、オン資システムを運用している医療機関のほか、これから運用を開始する医療機関は、時間経過とともにオン資対応の機会が増加していくでしょう。
 運用開始後のトラブルについては、全国保険医団体連合会(以下、保団連)が行った調査結果を2022年11月に公表しています。この調査結果は同年12月の本紙で紹介しましたが、運用されている医療機関が増加していますので、厚労省が昨秋に示した「イレギュラーなケースへの対応」とともにお伝えします。
 また、調査結果によると、運用開始済みの医療機関のうち「トラブルがあった」と回答した中で、最も多かったのは、「被保険者情報が迅速に反映されない(有効な保険証でも『無効』と表示された)」が62%。次に多かったのは、「カードリーダーの不具合」の41%と報告されました(N=855)。どちらのトラブルも診療ができない、確認に時間がかかるなどの影響があり、患者さんの待ち時間が長くなる、治療が滞る、治療時間が短くなるなど、オン資運用前には起こらなかったトラブルが発生しています。

イレギュラーなケースへの対応方法を教えてください。

22年10月に「イレギュラーなケースへの対応の整理について」として5つのケースが厚労省から示されています。ここでは発生する可能性が高い3つのケースを取り上げます。


ケース①…マイナンバーカードまたは被保険者証、両方を不持参の場合
現行の被保険者証を忘れた場合と同じ対応で、一時的に患者が10割分を医療機関に支払い、後日、資格確認を医療機関で確認した上で自己負担割合に応じた額を患者に返金する。


ケース②…カードリーダーが故障などした場合
患者に被保険者証を提示してもらい、資格情報を確認し、負担割合に応じて手続きをする。被保険者証が提示されない場合、コールセンターに連絡し、資格確認(システム障害・大規模災害時)機能を起動することにより、検索が可能となり、患者情報により検索し、資格確認を行う。


ケース③…転職などにより保険者を異動した直後の場合
マイナンバーカードを持参した場合、資格確認を行うと「無効」と表示される。患者が新保険者発行の被保険者証を持っている場合は、被保険者証に基づき自己負担分を請求する。被保険者証を持っていない場合は10割を請求し、後日、資格情報を確認した上で自己負担割合に応じた額を患者に返金する。


 以上、3つのケースが示されていますが、コールセンターについて既に以下が示されています。
・オンライン資格確認等コールセンター(0800―080―4583・通話無料)月〜金 8時~18時、土 8時~16時(いずれも祝日を除く)
・「緊急時医療情報・資格確認機能」開放までおよそ30分間程度かかる

 多くの医療機関は、18時以降も診療をしていますが、時間外は対応してくれません。また、対応に時間がかかることが示されていますので、その間患者さんを待たせるのでしょうか。さらに既にトラブルがあって電話された会員に聞くと、「全く電話がつながらなかった」とのことでした。
現在、医科の団体である東京保険医協会が国を相手に「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」を起こしています。本会会員、さらに全国の医師、歯科医師が原告団に加わっております。詳細は本紙3月号、デンタルブックメールニュースにて既にお知らせしていますが、「内容を詳しく知りたい」などのお問い合わせは協会までご連絡ください。
 また、既にオン資を導入されている先生から、様々なトラブル事例が協会まで寄せられています。国会議員や厚労省に対して、義務化撤回、改善要望・要求を行うにあたり、トラブル事例を多く集める必要があります。4月初旬を目指して、発生したトラブル、困ったことなどを協会に報告できるシステムを構築する準備を進めています。詳細は、デンタルブックメールニュース、協会ホームページでお知らせしますので、生じたトラブルやお困りの事例などをぜひ、協会までお知らせください。

東京歯科保険医協会 会長 坪田 有史
(東京歯科保険医新聞2023年4月号8面掲載)