広報・ホームページ部

連載/協会探訪 その⑨ 歯科保険医の立場から提言<政策委員会>/東京歯科保険医協会会長 早坂美都

連載/協会探訪 その⑨ 歯科保険医の立場から提言<政策委員会>/東京歯科保険医協会会長 早坂美都

東京歯科保険医協会内には、政策委員会という委員会が設けられています。

政策委員会では、社会保障、医療保険および歯科医療などに関する情勢や諸問題について分析し、協会としての見解や方針、政策提言などをまとめています。

長年にわたる政府の医療費抑制策のため、歯科は疲弊した状態が続いています。人件費、歯科材料費、水道光熱費、委託技工料や外注費の高騰に加えテナント料も高騰しています。また、医療DXが急速に進んだことにより、機材導入費用やランニングコスト増も経営を圧迫している原因の一つです。歯科医療機関はこのような厳しい経営環境の中で、歯科医療水準を保ち、スタッフの雇用・定着のため、賃上げにも取り組んでいます。

こうした歯科保険医の置かれている現状を調査・分析し、改善に生かしていくことも政策委員会の重要な活動です。

調査・研究活動

会員に対して、5年ごとに「会員の意識と実態調査」を実施し、東京都内における歯科保険医のリアルな状況を浮き彫りにしています。また、政府の歯科医療政策についての情報も収集・分析しています。過去には、ドイツ・イギリスに医療保険制度視察団を派遣するなどして、歯科医療政策の在り方などを研究しました。

行政への要請

調査および提言にまとめた内容を基に、行政や自治体に要望も行っています。東京都に対しては、毎年、次年度の予算要請を実施しています。

2025年度は、歯科医院のデジタル化に対しての実効性ある支援や、小中学校の養護教諭の方々からの声を基に、食後の歯磨きがきちんとできるようにするため、水道蛇口の増設、子ども医療費や妊婦の歯科健診・治療の無償化などを要望しました。

さらに、都議会各会派のヒアリングにも参加し、歯科医療における問題解決への理解と協力を要請してきました。

談話・提言

重要な課題に対しては、協会の考えなどを政策委員長談話にまとめ、会内外に向け発表しています。また、東京の歯科保険医の立場から、歯科医療政策に関する提言をまとめ、発表もしてきました(「21世紀にふさわしい歯科改革提言<2010年、2019年改定版>」・「医療と介護における歯科に関する提言」<2011年>)。

政策学習会

理事・部員を一堂に会し、歯科医療政策を中心に、さまざまな政策学習会を実施し、問題解決に向けた議論を深め、意思統一を図っています。

なお、提言は協会ホームページからダウンロードできます。ぜひとも、ご一読をいただくとともに、協会の諸活動にご理解・ご協力をいただきますよう、お願いします。

政策委員会の活動はこちら

→  https://www.tokyo-sk.com/aboutus/eachdepartment/department06/

新点数説明会レポート/協会が「生命線」 会場で聞いた〝声〟

新点数説明会レポート/協会が「生命線」 会場で聞いた〝声〟

診療報酬改定の度に行われ、協会の名物行事でもある新点数説明会。第1回新点数説明会は降雨に見舞われたものの、会場には約1,300人もの会員、スタッフらが足を運び、解説に耳を傾けた。今次改定を受けて会員は何を思うのか、新点数説明会に何を望むのか―会場で聞いた。
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◆改定の懸念、医療物資不足への不安…
まず話を聞いたのは、複数の歯科医院を展開する法人で代表を務める立石登氏(調布市開業)。今回

立石登氏(調布市開業)

の診療報酬改定について、厚生労働省のビジョンに沿っているとして「意図は理解できる」と語った。一方、訪問歯科衛生指導料の見直しについては、歯科衛生士一人あたり1日15人までの算定制限が設けられたことで、「訪問診療に真摯に取り組んできた現場にとってはやりづらい」と懸念を示し、「大規模な特別養護老人ホームへ訪問している医療機関には影響が大きい」と指摘した。また、「協会などが意見を出せる公の議論の場が必要」とし、「社会保障費を抑制する流れを感じるが、医療費抑制につながる歯科診療の価値を最も理解しているのは現場だ」と、現場の声がより一層、診療報酬改定に反映されることを求めた。

歯科用麻酔薬や資材の供給不足に危機感を示したのは、櫛山典之氏(八王子市開業)。「不足すれば休診や診療縮小もあり得る。グローブの納品も遅れている」と不安を語った。会員の関心も高いベースアップ評価料についても「不明点が多い。毎年春には昇給はしているが…」とし、施設基準の届出には至っていないという。さらに、「全体的に算定基準が複雑化している」とし、「基本点数を軸に物価に応じて引き上げるなど、シンプルな仕組みにしてほしい」と訴えた。
◆「新点数説明会は分かりやすい」長年参加の会員も

熊谷秀彦氏(練馬区開業)

熊谷秀彦氏(練馬区開業)は、「新点数説明会は分かりやすく、感謝している」と長年足を運んでいるという。一方で「分かりやすい診療報酬改定にしてほしい」と複雑化する改定に言及した。また、歯科医療におけるデジタル化の進展に「ついていくのが大変」とし、「協会が生命線。手取り足取り教えてもらっている」と続けた。

 

 

 

 

伊藤実氏(足立区開業)

改定率が実質0.31%に「厳しい」と評価したのは、伊藤実氏(足立区開業)。毎月のように材料費、消耗品費が値上がりし中東情勢も相まって「このペースでは利益が出ない。さらに自費を増やさざるを得ない」「根管治療の点数も低すぎる」と訴えた。その上で「口腔の健康が、健康寿命や全身疾患に大きく関与していることは多くの論文で示されているはず」と歯科医療自体の正当な評価を求めた。
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同じ歯科医師でありながら、さまざまな背景を持つ会員が集った新点数説明会。6月1日の診療報酬改定施行までに第2回(5月21日/木)、第3回(5月27日/水)と続く。新たな診療報酬の理解を深めるべく、ぜひ足を運んでいきたい。

東京都歯科衛生士会・藤山美里会長インタビュー/ベア評価料導入後、 処遇改善の実感は?

 ベースアップ評価料は、2026年度診療報酬改定で見直しが行われ、さらに歯科技工士の賃上げを目的とした歯科技工所ベースアップ支援料が新設された。これらの診療報酬において、処遇改善の“対象”となる医療従事者は現場で何を感じているのか―東京都歯科衛生士会、東京都歯科技工士会に取材した。今号では東京都歯科衛生士会の藤山美里会長にお話を伺った(東京都歯科技工士会の取材記事は本紙6月号掲載予定)。

Q.ベースアップ評価料が導入されて以降、現場は処遇改善を実感していますか?
ベースアップ評価料に関して、本会では2025年初頭に歯科衛生士を対象としたアンケート結果*を公表しました。結果からは「現場で処遇改善を実感している」とは言い切れず、むしろ実感できていない方が多いことが明確になりました。ただし、満足している人も一定数いるという点も事実で、現場の受け止め方は二極化しています。また、そもそも制度を知らない歯科衛生士もおり、制度は動いていますが、現場の体感としてはアンケート実施時点では届いていないと考えます。
なお、本会としては、毎年「診療報酬研修会」を開催しており、歯科衛生士が自身の関わる保険点数とその流れを正しく理解するよう尽力しています。

Q.ベースアップ評価料の届出、未届出は、歯科衛生士が就職先の歯科医院を選ぶ際のポイントになり得るものでしょうか。
届出をされている医院は「制度を理解し、スタッフに還元しようとする姿勢がある」と考えられ、届出状況は、就職先を選ぶ際の判断材料になり得ますが、制度自体を理解していない(知らない)歯科衛生士もいるので、全てではありません。また、届出の有無だけでなく、給与への反映の透明性と説明を求める方もいます。
ベースアップ評価料は、私たち医療スタッフの処遇改善が社会的に必要だと認められた証拠だと考えます。スタッフとして、より良い職場づくりを院長先生方と一緒に考えるきっかけにしたいです。また、算定されない背景には、申請手続きが複雑であることが一因であると伺っております。申請の流れをより簡素化できるよう、要望書提出なども院長先生方と考えたいと思います。

Q.26年度改定では、口腔機能実地指導料など、歯科衛生士の診療の補助業務が拡充、評価されましたが、貴会ではどのように受け止めていますか。
26年度改定で口腔機能実地指導料など、歯科衛生士が日々取り組んでいる専門的な指導が制度として明確に位置づけられ業務が評価されたことは、大きな励みです。
また、職能団体主催の研修会が施設基準研修として認められたことも意義深い前進です。この流れを会員拡大にもつなげ、より多くの歯科衛生士が学び続けられる環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。

Q.歯科衛生士不足は喫緊の課題ですが、歯科衛生士の視点で〝働きやすい、長続きする就労環境〟とはどのようなものでしょうか。
1)適正な評価と処遇
基本給の底上げや、ベースアップ評価料の適切な反映など、専門職としての責任と負担に見合った処遇が確保されていることが、現場の歯科衛生士から求められています。
2)人員配置と働き方
適切なスタッフの人員配置、休暇の取りやすさ、時間外労働の削減など、持続可能な働き方ができる体制が求められています。本会では復職支援・離職防止研修会や職業紹介サイト(無料)を運営し、人材確保に尽力しています。
3)成長につながる要因
学びを支援する制度、教育に前向きな人、専門職として尊重される関係、専門性を発揮できる業務などが整備されている環境は、離職防止に大きく関係します。
卒業後も継続的に学び、専門知識・技術を高めるための研修・認定制度である日本歯科衛生士会生涯研修制度や主催研修会などで本会も支援しています。
*=「処遇改善に関する緊急アンケート」/実施期間 24年11月10日~12月23日、回答総数585)

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)5月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)5月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)5月1日号No.674

【1面】
1.第1回新点数説明会/新点数説明会に1,300名超 多岐にわたる変更点を解説
2.診療行為も「保険除外」に? OTC類似薬めぐる法改正
3.第54回定期総会開催ご案内
4.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内
5.探針

【2面】
6. 第3回新点数説明会で警視庁担当が説明へ/駐車許可証 4月から運用変更
7. 社保・学術部長談話「歯科医療提供体制を維持するため、診療報酬本体の抜本的引き上げを」
8.OTC類似薬の国会審議を注視/歯科にも深く静かに影響 署名へのご協力を
9.2026年6月版「歯科保険診療の研究」/発送は6月末頃
10.「2026年改定の要点と解説」正誤表随時更新中/確認してご利用ください

【3面】
11.2026年度診療報酬改定情報/疑義解釈 6月1日施行

【4面】
12.経営・税務相談Q&A No.440/新人採用 試用期間中の注意点
13.医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
14. 理事会だより
15. 4月協会活動日誌
16.会員無料相談デー

【5面】
17.研究会・行事ご案内

【6面】
18.連載 協会探訪 その⑨/歯科保険医の立場から提言―政策委員会―
19.医療資材/供給不安も冷静な対応を
20.共済各制度の支給実績
21.共済制度キャンペーン

【7面】
22.新点数説明会レポート/協会が「生命線」会場で聞いた〝声〟                                                                                                                                                                                                                                                                
23.神田川界隈(副会長・坪田有史/文京区)

【8面】
24.26年度診療報酬改定新ベースアップ評価料のポイント②
25.ベア評価料導入後、処遇改善の実感は?/東京都歯科衛生士会に聞く(藤山美里会長)

【9・10面】
26.共済春募集キャンペーンチラシ(日常が止まる瞬間、休業保障で備える)

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)4月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)4月1日号

こちらをクリック東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)4月1日号No.673

【1面】
 1.診療報酬改定を官報告示/賃上げ対応と機能評価の再構築進む
 2.患者負担増 歯科にも打撃/中止求めるWEB署名にご協力を
 3.会員拡大月間/お知り合いの先生をぜひ、ご紹介ください(組織部長 福島崇)
 4.第54回定期総会開催のご案内
5.2026年度 診療報酬改定新点数説明会
 6.探針

【2・3面】
 7.2026年度診療報酬改定ポイントの解説

【4面】
 8.7月末まで延長 保険証での資格確認/上野厚労相 さらなる延長は否定
 9.厚生労働省 児童や生徒の資格確認方法を整理
10.歯科衛生士の業務に〝特定行為〟を検討
11.2025年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
12.会員無料相談デー

【5面】
13.研究会・行事ご案内
14.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内
15.経営・税務相談Q&A No.439/サイバーセキュリティ対策をめぐる業者トラブルに注意
16.書籍/保険医の経営と税務 2026年版/会員は1冊無料!2026年最新の税務対応版を発行!
17.会員優待サービス

【6面】
18.2026年度診療報酬改定新点数説明会

【7面】
19.連載 協会探訪 その⑧/機関紙「東京歯科保険医新聞」とホームページの編集・管理など担当―広報・ホームページ部―
20.ベア評価料届出が条件の給付金「政策誘導では」/メディア懇談会
21.〝う蝕のある子〟過去最少に/学校保健統計調査

【8面】
22.遊歩道 第2回/歯初診の施設基準に新たな研修項目が追加される
23.「健康保険法等の一部を改正する法律案」は問題あり
24.第119回歯科医師国家試験合格者発表/合格率が再び60%台に

【9面】
25.症例研究「口腔機能発達不全症と小児口腔機能管理料」

【10面】
26.国会議員要請を実施/麻酔薬供給や訪問診療の課題解決を訴え
27.依然混乱 トラブルは解消されず/オン資訴訟6月結審へ
28.医療安全講習会/サイバーセキュリティ対策の実践 悪徳業者への具体的対応も解説
29.『厚労省通知』を”現場視点”で読み解く/「要点と解説」1冊進呈 追加希望者への販売も
30.春の共済募集キャンペーン/グループ生命保険配当金のお知らせ

【11面】
31.IT相談室/「ホームページじまい」を考える①/IT版「退き際の思考」
32.神田川界隈(理事・橋本健一/東村山市)
33.通信員便り №159
34.理事会だより
35.3月協会活動日誌
36.訃報

【12面】
37.新ベースアップ評価料のポイント
38.ベースアップ評価料について考える/小林顕(板橋区開業)

【IT相談室】「ホームページじまい」を考える ①:IT版「退き際の思考」

【IT相談室】「ホームページじまい」を考える ①:IT版「退き際の思考」

コンビニより多いと言われた歯科医院数は2017年から、歯科医師数も22年から、全国的にはそれぞれ減少に転じました。歯科医師の年齢構成は5060代が多く、これからも歯科医師の高齢化は進んでいくと考えられます。それは、閉院する歯科医院が増えていくことを意味します。多くの歯科医院がホームページやSNSを活用する現代において、IT関連の〝退き際〞も頭に入れておく必要があるでしょう。

◆まずはリストを作ろう

さて、貴院にはどれだけのIT関連のアカウントや契約があるでしょうか。「ホームページじまい」の第一歩は、リスト作成からです。この時に注意したいのが、最初から完全なリストを作ろうとしないことです。

後から後から必要な項目が出てくる可能性があるため、まず手始めに思いつく範囲で作成してみましょう。契約しているホームページ管理会社やコンサルティング会社に問い合わせる方法もあります。

◆リストの項目

IT関連サービスとして、以下のような項目が考えられます。

・ホームページ

・メール

・チャット関連

・各種SNS

・予約システム

・院内システム

・その他関連サービス

有料サービスはもちろん、無料であっても放置することは、良くありません。今後使わないのであれば、解約すべきです。

これまでに弊社が手がけた経験を踏まえ、継承や閉院時のIT関連への対処について、数回にわたりご説明します。

依然混乱 トラブルは解消されず/オン資訴訟6月結審へ

依然混乱 トラブルは解消されず/オン資訴訟6月結審へ

オンライン資格確認システムの導入義務化をめぐる訴訟の控訴審が続く。2月25日に東京高等裁判所101号法廷(三木素子裁判長)で行われた第2回口頭弁論では、原告側が改めて義務化の問題点を指摘した。そして、第3回口頭弁論が6月10日に開かれることが決まり、同日に結審する見通しとなった。
◆実質的な反論なし
第2回口頭弁論にあたり、原告側は全国保険医団体連合会が実施したマイナ保険証のトラブル調査結果のほか、医療機関の負担増加や混乱を指摘するマスコミ各社の報道記事を証拠として提出し、これまでの主張を補充。マイナ保険証への一本化見直しを繰り返し提言する新聞社の報道にも触れ、一本化の問題点を指摘した。
一審判決はトラブルの存在は認めつつ、その解消に向けた取り組みが講じられ、今後改善していくとして原告側の主張を退けた。しかし、原告側は実際にはトラブルの解決には至っておらず、医療機関が今なお混乱していることを改めて主張した。
また、原告弁護団からは控訴審において被告(国)側から実質的な反論がないことが紹介された。喜田村洋一弁護団長は、「反論の余地がないことを示している。論理的には我々が圧倒的に正しく、必ず勝つと信じている」と語った。
この日の口頭弁論には、原告団16名が集まり、協会の早坂美都会長、原告団副団長の坪田有史副会長も参加した。次回期日は、6月10日(水)午前11時30分から東京高裁で行われる。

第119回歯科医師国家試験合格者発表/合格率が再び60%台に

第119回歯科医師国家試験合格者発表/合格率が再び60%台に


厚生労働省は3月14日、第119回歯科医師国家試験(1月31日・2月1日の両日実施)の合格者を発表した。
◆新たな歯科医師1,757人に
それによると、受験者数は2,837人で合格者は1,757人。合格率は61.9 %で、前回の70.3%と比べると8.4ポイント減となった。前回は高水準であったが、今回は再び60%台前半に低下し、近年の水準に戻った形となっている。これまでの合格率の推移を踏まえると、受験者にとってはやや厳しい結果となったといえよう
◆新卒者の受験状況
次に、新卒者をみると、受験した1,849人のうち1,482人が合格し、合格率は80.2%となった。既卒者を含めた全体の合格率が61.9%であることからも、新卒者の合格率が高い傾向は例年通りである。
◆男女別合格者数
一方、近年注目されている男女別合格者数を見ると、男性952名、女性805名となり、合格者に占める割合でみると男性が54.2%、女性が45.8%となっている。
◆合格基準について
なお、歯科医師国家試験の合格基準については、第116回から新たな合格基準が採用されている。第119回歯科医師国家試験の合格基準は、一般問題(必修問題を含む)を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、あとは以下の通りで、領域A・B、および必修問題の3つで得点をクリアすれば合格となる。
⑴領域A(総論)67点以上/ 99点
⑵領域B(各論)235点以上/352点
⑶必修問題:  62点以上/ 77点
                                                                                            ※ただし、必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては、必修問題の得点につい
て総点数の80 %以上。

〝う蝕のある子〟過去最少に/学校保健統計調査

〝う蝕のある子〟過去最少に/学校保健統計調査

幼稚園、小学校、中学校、高等学校の幼児、児童、生徒においてう蝕がある子どもの割合が過去最少であることが、2025年度学校保健統計調査により明らかになった。
◆う歯の者の割合が全学校種で過去最小
この調査は、文部科学省が毎年実施しており、学校における幼児、児童、生徒の発育と健康状態を明らかにすることを目的として、48年度から毎年実施されている。今回の調査は25年4月から6月にかけて、5~17歳までの幼児、児童、生徒を対象に行われた。
それによると、う歯がある子どもの割合は小学校、高等学校で4割、中学校で3割、幼稚園で2割を下回り、いずれも過去最小となった。これまでの推移をみると、75年頃には各世代ともに9割以上の子どもにう蝕があったが、平成に入って以降は減少を続けている。
◆口腔の状態は二極化
協会が行った学校歯科治療調査でも、子どものう蝕の減少傾向は明らかである。23年に行った調査では、歯科検診において「要受診」となった子どもや、口腔内が崩壊状態であると考えられる子どもが過去の同調査と比較して減少していた。一方で、窓口負担金の有無が子どもの口腔状態に影響を及ぼしている可能性があることも同調査から見えてきている。子どもの口腔の状態について、養護教諭からは「口腔内の状態が二極化している」との声が寄せられるなど、依然として課題は残されている。

連載/遊歩道 第2回 「歯初診の施設基準に新たな研修項目が追加される」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

連載/遊歩道 第2回 「歯初診の施設基準に新たな研修項目が追加される」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

6月施行に向けて、2026年度歯科診療報酬改定(以下、改定)は、1月に個別改定項目の公表、2月に答申、3月に官報告示・関連通知の発出、4月改定と各ステップが着々と進み、その都度、協会は、会員に適時メールニュース、本紙などで情報を発信してきました。そして4月10日(金)に「文京シビックセンター」で第1回新点数説明会を開催します。今次改定の内容を分かりやすく解説しますので、ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。
続いて第2回新点数説明会は、6月施行の直前となる5月21日(木)に保険請求時の注意点を中心に「なかのZEROホール」で、さらに5月27日(木)には在宅医療を中心に解説する第3回新点数説明会を同じく「なかのZEROホール」で開催します。

◆初・再診料の引き上げと「歯初診」届出の影響
今次改定は、臨床現場の不合理の多くが是正された改定であると私は評価しています。しかし、歯周病安定期治療(SPT)と歯周病重症化予防治療(P重防)が整理・統合されて歯周病継続支援治療になること、有床義歯で義管と歯リハ1との同日算定、歯科衛生士ならびに歯科技工士への評価、ベースアップ評価料の変更など、保険診療を行う上で、理解が必要な変更点が多くあります。今回、初診料と再診料の点数アップと歯科初診料注1の施設基準(以下、「歯初診」)の研修要件の追加について解説します。今次改定において、初診料と再診料は、「歯初診」の届出を行っていれば改定前の初診料267点が、6月の改定後には5点増点の272点に、再診料58点が1点増点の59点なります。「歯初診」が未届の場合、改定前の初診料240点が、6月からは5点増点の245点に、再診料44点が1点増点の45点になります。これら初・再診料の点数引き上げの理由は、物価高騰による医療機関の物件費増加への対応とされています。表に12年からの歯科(「歯初診」届出医療機関)と医科の初・再診料の変遷を示します。歯科と医科の基本診療料の差は、12年時は初診料52点の差だったのが今次改定で19点、再診料27点の差が今次改定で17点と少しずつですが、縮まっているのが分かります。
なお、「歯初診」の届出医療機関と未届の医療機関で初・再診料に小さくない点数の差が設定されたのは、18年度改定でした。なお当時、半年間の経過措置が設けられたため、18年10月1日から新たな点数で初・再診料の算定となりました。したがって、それ以前の多くの医療機関は、この経過措置の半年間で常勤歯科医師の院内感染防止対策(22年改定時に追加:標準予防策および新興感染症に対する対策)に関する研修を受講、届出を行い、その後に毎年行う定例報告(当時、7月報告)で研修名や受講年月日などを記載して、関東信越厚生局へ報告してきました。研修は4年に1回以上の受講と定められていますから、22年に2回目の研修を受講された会員が多いと推測されます。したがって、今年26年は多くの会員が3回目の研修を受講する必要があります。なお、25年に行った8月報告(24年改定より7月から8月に変更)は、今次改定で添付書類の省略などの簡素化を理由に廃止となりました。したがって、定例報告の必要はなくなりますが、4年に1回以上の研修の受講は、引き続き必要です。

◆研修項目追加の背景と今後の対応

今次改定で「歯初診」の研修の項目に薬物耐性に関する「抗菌薬の適正使用」が追加されました。世界中で話題になっている薬物耐性菌による死亡者数、さらに薬物耐性菌が関連した死亡者数の推計数はとても大きな問題といえます。我が国の歯科医療の現場で、抗菌薬が適正に使用されているとはいえない現状に対して、26年1月16日に厚生労働省から「抗微生物薬適正使用の手引き」第4版として歯科編が発行されました。このことが今次改定での「歯初診」の研修項目の追加の契機となったと推測されます。ぜひ、第4版・歯科編をご覧になり、直近の情報から歯科におけるAMR(薬剤耐性)対策への理解を深めていただきたいです。そのうえで、抗菌薬の不適正使用を是正し、すべての歯科医療従事者が薬物耐性菌の発生リスクの低減に努めることが重要であり、その取り組みこそが、未来の医療を守るための責務であると考えます。なお、新たに研修を受講される方は、協会で開催する26年度院内感染防止対策講習会(歯初診)をオンライン(Zoom)にて受講いただけるよう準備中です。講習会では「抗菌薬の適正使用」についても触れています。詳細が決定次第、新聞や協会ホームページでお知らせします。ぜひご利用ください。

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連載/協会探訪 その⑧「機関紙 「東京歯科保険医新聞」とホームページの編集・管理など担当」<広報・ホームページ部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑧「機関紙 「東京歯科保険医新聞」とホームページの編集・管理など担当」<広報・ホームページ部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

この機関紙をお手にとって読んでくださっている先生、ありがとうございます。

東京歯科保険医協会では、機関紙を全国の歯科大学、国会議員や行政機関にも広く配布しているほか、年に3回は協会の活動を知っていただき、歯科に関する情報を提供することを目的として、当協会会員の先生以外の東京都内の歯科医師の方々にもお届けしています。協会の活動を知っていただくためと、会員の先生以外の方々に情報を提供することが目的となっております。今回は、機関紙やホームページの編集などをはじめ、広報活動全般を担当している広報・ホームページ部を紹介します

◆紙からデジタルへ―広報活動の広がり

かく言う私も、2017年~25年まで広報・ホームページ部長を務めておりましたが、現在では機関紙「東京歯科保険医新聞」だけではなく、ホームページやSNSなども活用して、協会活動の周知、歯科医療関連情勢の報道、会員同士の交流を行っています。これも時代の流れと感じますが、協会設立当時は月1回の機関紙のみの発行でした。

デジタル化の流れを念頭に、毎月中旬過ぎを目安に、協会ホームページに機関紙全紙面を公開しています。会員以外の方にも読んでいただけるので、好評です。紙媒体がオールドメディアという言葉に表現されることもありますが、紙面を手に取りページをめくる作業によって、より内容が理解しやすく頭に入りやすいというお声もいただいています。実際に写真などは、紙媒体とパソコンやスマホの液晶画面では微妙に色合いが違ってみえることがあります。画面をスクロールして読む、もしくは紙をめくって読む…どのような形がより良く会員に伝わるか、広報・ホームページ部では引き続き検討を続けていかなければなりません。

東京歯科保険医新聞の前身である「東京歯科保険医ニュース」第1号が発刊されたのは73(昭和48)年311日です。設立総会のおよそ40日前です。当時はB4判の紙面裏表の2ページ建て(写真参照)でした。その後、752月の第15号からB54ページ建ての冊子形式となり、状況に応じてページ数を増やしています。

80年1月号から名称を「東京歯科保険医新聞」と改め、第三種郵便物の認可を取り、併せてタブロイド判になりました。東京都知事選挙特集として発行した99320日臨時号からDTP(Desk Top Publishing/卓上出版)編集が始まり、紙面も変形タブロイド判(現在の大きさ)になり、今日に至っています。

東京歯科保険医新聞は、「新聞」という名前がついていますが、東京歯科保険医協会の「機関紙」です。

創刊以来、歯科保険医の権利を守り、都民の歯科保健医療を守るためにさまざまな記事を掲載してきました。総会をはじめ設立40周年企画、50周年企画、歯科保険医学会、海外歯科医療視察、歯と健康フォーラムなどの行事の報道。「質の低下と給付の低下はご免運動」「児・産・歯運動」「自主質管理運動」の呼びかけ、東日本大震災での歯科医療支援などの会員への参加呼びかけ。ポリサルホン凍結、かかりつけ歯科医初診料「No」、保険でよい入れ歯を、診療報酬や反核平和問題などに関する協会の考えの表明。最近では、歯科医師の引退に焦点を当てた連載「退き際の思考 歯科医師をやめる」など、実にさまざまな記事を掲載し、会員に伝えてきました。

この「東京歯科保険医新聞」の発行に責任を持ち、管理をしているのが広報・ホームページ部です。紙面用の原稿は役員や各部部員、さらに協会事務局員が分担して作成しています。

01年4月にはホームページを開設しその管理・運営にも責任を持っています。

◆メディア懇談会も運営

協会では機関紙発行やSNS活用のほか、歯科医療関連メディアとの交流促進のため083月にメディア懇談会をスタートさせ26313日の開催で通算112回目を迎えました。メディア懇談会の開催も広報・ホームページ部会が所管しています。より良い医療を実現するためには、国民の理解と協力が不可欠です。協会からメディアに向け、メディアを通じて国民に向け、歯科医療が直面する問題と解決の方向の議論、それに関する協会の主張、活動などについて発信し、広く日本の歯科医療界の実情の理解を求める活動を行っています。

ベア評価料届出が条件の給付金 「政策誘導では」/メディア懇談会

ベア評価料届出が条件の給付金 「政策誘導では」/メディア懇談会

協会は3月13日、第6回メディア懇談会を開催し、2026年度診療報酬改定の内容を中心に意見交換を行った。本橋昌宏副会長が担当し、広報・ホームページ部長の小林顕理事が進行を務めた。診療報酬改定の議題では、改定率が全体で3.09%とされるが、歯科医療機関の収入に直接つながる部分はわずかに0.31%にとどまると説明された。協会が求めてきた不合理な点の是正が一部進んだことは評価する一方、この水準では経営改善には不十分との認識を示した。
◆ベースアップ評価料に疑問の声
その中で、議論の中心となったのは、医療従事者の賃上げを目的としたベースアップ評価料である。都内の歯科医療機関における届出率は26年1月時点で28.18%に留まっている。協会側は、診療報酬点数は本来、医療行為に対する対価であるとし、賃上げを目的とした点数は制度の原則から外れていると指摘した。参加者からは、施設基準を届け出る際の様式について質問があり、その手続きの煩雑さに話題が及んだ。
さらに、診療所等賃上げ支援事業の給付条件に、ベースアップ評価料の届出が含まれている点について、「政策誘導的な仕組みではないか」との意見も出た。
◆インフレ下での診療報酬のあり方
参加者からは、インフレが続く中での今次改定では経営改善が難しいとの指摘もあった。「公定価格である診療報酬だけが物価上昇に追いついていない」との意見や、「医療機関も物価高の影響を受けている」との声が上がった。協会は、基本診療料の引き上げによって歯科医療機関の経営基盤を強化することが必要との考えを示し、今後も制度改善を求めていくとした。
ほか、衆議院選(2月8日)に向けて実施した政党アンケートの結果、マイナ保険証問題などを議題に懇談。メディア3社4名が参加した。

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)3月1日号No.672

【1面】
 1.2026年度歯科診療報酬改定/大幅な見直し/改定項目が多岐にわたるも問題点は依然解決せず
 2.理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」
 3.オン資訴訟控訴審 6月結審へ/医療機関の混乱 改めて訴える
 4.4月からの資格確認/マイナ保険証・資格確認書でどう対応したら良い?
 5.探針
 6.ニュースビュー
 
【2・3面】
 7.2026年度診療報酬改定 主なポイント

【4面】
 8.2026年度改定の個別改定項目を議論/理事・部員政策学習会を開催
 9.新しい助成金案内/2025年度医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
10.2026年3月/歯科用貴金属の随時改定情報

【5面】
11.研究会・行事ご案内
12.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内
13.経営・税務相談Q&A No.438/新規採用に向けての2つの注意点~労働条件通知書の準備、無料求人広告勧誘~
14.書籍/保険医の経営と税務 2026年版/会員は1冊無料!2026年最新の税務対応版を発行!
15.会員無料相談デー

【6面】
16.連載 協会探訪 その⑦/~経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする~経営管理部
17.確定申告相談会を実施/顧問税理士が一人ひとりに対応
18.書籍「医院経営と雇用管理 2025年版」/会員1人につき1冊無料
19.理事会だより/2025年度第13回
20.2月協会活動日誌
21.会員優待サービス
22.共済制度春募集PR

【7面】
23.IT相談室/再考 これからのSNSと歯科医院②―事例:院内指示メール装うフィッシングメール―
24.神田川界隈「歯科医療の来し方、そしてこれからの協会」(監事・西田紘一/八王子市)
25.院内感染防止対策講習会を開催/初診料の「注1」に規定する施設基準に対応
26.通信員だよりNo.158

【8面】
27.OTC類似薬の「保険外し」/患者負担の大幅引き上げ/ロキソニン・ブルフェンなど日常診療にも影響か
28.第38回東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」
29.協会アンケート/訪問診療しない原因浮き彫り 訪問車両の駐車問題も浮上
30.貴金属高騰で歯科医療機関経営に影/「Nスタ」が早坂会長を取材

【9面】
31.2026年度診療報酬改定 新点数説明会

【10面】
32.春の共済募集キャンペーン

第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

1月31日、東京反核医師の会は第38回総会・記念講演を東京保険医協会セミナールームで開催し、代表委員の矢野正明氏(当協会理事)が参加した。

冒頭、東友会の家島昌志代表理事が挨拶に立ち、東京反核医師の会が被ばく者や被爆二世の健康保持・相談事業に協力していることへの謝辞を述べると共に、「被爆体験の継承に共に取り組んでいこう」と呼びかけた。

続く議事では、2025年度の活動報告、決算案が承認された。報告では、憲法大集会や原水爆禁止世界大会への参加のほか、米国のイラン核施設攻撃、イスラエルによるガザ攻撃に対する抗議声明などが挙げられた。また、26年度活動計画案として、広島での原水爆禁止世界大会や全国反核医師のつどいへの代表派遣などが提案され、全て満場一致で承認された。

◆斉藤とも子氏記念講演

総会後、「被ばく者の声を未来に伝えるために」と題し、俳優で社会福祉士の斉藤とも子氏による記念講演が行われた。

斉藤氏はその中で、12歳で俳優デビューしたものの、役柄と自己の境遇との乖離に悩み、33歳で引退を考え、その際「人の役に立ちたい」と社会福祉士を目指して大学へ進学。同時期に井上ひさし氏原作の舞台『父と暮せば』の主役への依頼を受けたことが、広島を訪れる契機となったと語った。そして、現地で被爆者と交流を深める中で、原爆に関する凄惨な体験談を聞き、「被爆者の苦しみに比べれば、自分の悩みはちっぽけなもの」と衝撃を受け、ここが被爆者に寄り添う活動を始める原点になったとした。さらに、長年被爆者医療に携わった故肥田舜太郎医師のアドバイスに基づく、福島第一原発事故後の被災者支援、現在も続く裁判の支援活動に触れた。発災当時小学生で現在は25歳となった女性の訴状を読み上げ、会場全体が深い沈黙に包まれた。

最後に、被ばくの記憶を風化させず、次世代へ語り継ぐことの重要性を強調し、講演を締めくくった。

講演動画はオンデマンド配信中です。ぜひご覧いただきたい。

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院②~事例:院内指示メール装うフィッシングメール~

◆手法としては古典的

事 例 :「社内管理および連絡体制の整備のため、『社員連絡先一覧』の整理・提出を必須対応事項といたします。必ず返信メールにて提出してください。

  代表取締役 XXX

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このようなメールが多数送られてきて困っている、とのご相談を数多く受けております。

類似の事例は、かなり前から確認されており、「フィッシング」という分類になります。相手にアクションを起こさせて、メールアドレスやIDとパスワードなどを入力させるという古典的なタイプの詐欺です。

宅配便の未着や料金の未払いを装って、メールに記載されたリンク先でIDとパスワードを入力させるのが、典型的な手口です。相手から必要な諸情報を巧みに「釣り上げる」ことから〝フィッシング〟と呼ばれます。

◆危険な新しい手口

今回、例示したメールで新たな手口といえるのは、メール内に実際に在籍している代表取締役の氏名が公開されており、送信先によって別の役員名や職員名に変更されていた点です。

医院のホームページには、院長やスタッフの名前が掲載されているケースが多く、スタッフの中にはSNSなどで勤務先などを公開している方もいると思われます。公開情報を悪用し、さらに不特定多数に同じ発信者名・内容を送るのではなく、送付先によりそれらを変えている点が特徴です。

◆届いたメールの真偽を判別する方法

事例のようなメールの真偽を判別するには、返信先メールアドレスが既知のメールアドレスかを確認します。メールの返信で情報をフィッシングする手法の弱点は、返信先(Reply-to)のメールアドレスを偽装できないことです。

なお、最も単純確実に真偽をチェックするには、メール内に記載されているスタッフ本人に直接確認するのが良いでしょう。

残念ながら、詐欺メールの受信自体を完全に防ぐのは困難です。確実な対策を行い、冷静に対処していただければと思います。

連載/協会探訪 その⑦ 「経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする」<経営管理部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑦ 「経営に関する各種相談にお答えするとともに、経営の向上をサポートする」<経営管理部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都


開業医は、診療を業とする歯科医師であると同時に、経営者でもあります。「経営管理部」は、経営者としての先生方をサポートします。
経営形態は個人か法人か、診療所はテナントか所有物件か、診療体制も一人で診療か、勤務医やスタッフは雇用しているのか…。など多岐にわたります。
今回、ご紹介します経営管理部では、会員の先生方の経営環境から生じる多様な課題にお応えしています。その対応範囲は広く、経営に関するさまざまな相談だけでなく、労務、税務、法律、助成金、医療安全などにまで及びます。最近では承継や閉院に関するご相談も増加しており、日常的には担当の事務局員が適宜対応しています。
経営管理部の会員サポートの一つに、月に一度(第3木曜日)顧問弁護士・税理士による無料相談会があります。会員の先生であれば、相続、賃貸借契約、家庭問題など歯科に直接かかわらない内容でも相談することができます。完全予約制になりますので、事前に協会にご連絡ください。

◆ニーズに合わせた講習会・研究会の開催
そのほか、会員のニーズに合わせた医療安全講習会や経営管理研究会なども開催しています。今年度は「助成金の活用方法」や「サイバーセキュリティ対策に関する講習会」など、情勢に合わせたテーマで企画しました。デンタルブックにてアーカイブ配信も行っていますので興味がある方はぜひご覧ください。また、スタッフ向けの講習会も開催しています。
具体的には、「接遇」「TBI」や「未経験スタッフのための講習会」など、レベルアップに役立つ講習会を開催しております。個人の医院ではなかなか行うことができない講習会として、大変人気があります。
日常的に寄せられるさまざまな声を集め、自治体への改善要望や、経営支援を求める要請も行っています。インボイスや電子帳簿保存法など法改正の周知も大切な活動として位置付けています。

◆職場環境づくりの重要性
以前、私の医院でも、歯科衛生士になったばかりの新卒スタッフ、臨床経験20年以上のベテランスタッフと一緒に、毎年、接遇やTBIの講習会に参加しておりました。特に接遇の講習会では、患者さんの言葉に傾聴すること、診療室への誘導の仕方、電話対応の具体的な言葉遣い、また来たくなる医院作りなど、その道のプロによる貴重なお話を聞くことで、スタッフだけではなく、私自身も大変勉強になりました。そして、1回だけではなく、毎年必ず参加するようにしていました。人間、一度聞いただけではなかなか身に付かず、何度も繰り返し講習を聞き、実際に行動することで少しずつ進歩していくものだと実感しています。毎日の診療室では、どうしても「慣れ」が高じて「狎れ」となってしまうからです。
安心できる職場環境を整えることは、スタッフの定着、ひいては安定した医院経営にもつながります。そのような医院を作り上げるために先生方をサポートする専門部、それが経営管理部です。

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)2月1日号No.671

【1面】

  1.中医協総会/2026年度診療報酬改定 歯科医療の個別改定項目を提示/人材確保 口腔機能管理 デジタル化 物価対応など配慮
  2.衆院選2月8日(日)/各会派の医療政策を注視しよう
  3.探針
  4.ニュースビュー

【2面】
  5.中医協総会/歯科技術で17項目を評価 協会の要請項目も対象
  6.物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声/診療報酬改定に向けたパブコメ
  7.<1面からつづく>各会派の主な医療政策に関する公約や政策/2月8日(日)投開票 衆議院議員総選挙
 8.2026年度診療報酬改定新点数説明会ご案内

【3面】
  9.「資格確認書の一斉交付」/協会の陳情 杉並区議会が採択 マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩
10.中医協 公聴会をオンライン開催/初・再診料による歯科感染対策の恒久評価を
11.新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起 指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意
12.2025年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について
13.26年度改定で適用拡大へ/口腔内スキャナー導入を 星憲幸氏が第2回学術研究会で例示
14.診療報酬改定巡り会員の窮状伝える/第5回メディア懇談会を開催 国が進める管理重視医療政策に懸念

【4面】
15.経営・税務相談Q&A No.437/確定申告の基本 ~措置法26条~
16.会員を対象にした法律・確定申告相談会のご案内
17.書籍/保険医の経営と税務 2026年版/会員は1冊無料!2026年最新の税務対応版を発行!
18.3年ぶりに改訂版完成「医院経営と雇用管理 2025年版」
19.3月実施/歯科用貴金属の随時改定情報

【5面】
20.研究会・行事ご案内
21.東京都生産性向上・職場環境等整備支援事業補助金/Jグランツ申請を行った全医療機関で実績報告が必要です!お忘れなく!
22.Pick up! 会員だけが購入できるオススメ書籍 新版「歯科 カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」/「レセプトは、どう審査されるのか」を徹底解説
23.“会員限定”優待のご案内

【6面】
24.連載 協会探訪 その⑥/次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ―地域医療部―
25.IT相談室/再考 これからのSNSと歯科医院①―SNSは何のためのツールか―
26.理事会だより/2025年度第12回
27.共済部だより
28.1月協会活動日誌

【7面】
29.2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)
30.通信員便り №157
31.第35回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会/テーマ「有病者歯科と健康長寿」

【8面】
32.第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出
33.関ブロ・大会代表交流会/各協会が活動を報告
34.次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載
35.神田川界隈「最近の歯科の取り巻きについて思うこと」(副会長・本橋昌宏/荒川区)

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

全国保険医団体連合会(保団連)は124日、25日の2日間にわたり第52回定期大会を開催し、202526年度活動方針や予算、次期保団連役員の選任が承認された。全国の協会・医会から大会代表、事務局ら総勢332人が参加した。

1日目は副会長を除く次期保団連役員が選任され、当協会からは保団連理事として呉橋美紀・矢野正明各理事が選任された。会長は信任投票で竹田智雄氏が信任された。

役員選任の際に、保団連副会長の定員を9名から10名に増員することを求める動議が出され、承認された。2日目に10名の保団連副会長が選任され、当協会理事からは森元主税氏(現職)が副会長に再任された。

森元主税理事        (保団連副会長に再任)

早坂美都会長

加藤開副会長

発言は事前発言通告が162件、フロア発言は62件の計224件が行われた。当協会からは早坂美都会長が共済制度の保険会社の幹事交代に関して「幹事交代は慎重に検討すべき」と題し、口頭発言を行い、幹事交代時の莫大なコストや募集体制の維持が困難な点などの多数の問題を指摘した。それに対し、執行部からは、今までの経緯が説明された。そのほか、「介護保険利用者の一部負担割合引き上げに全国で反対しよう」「保団連として歯科会員の実態調査を希望する」「トラブルが解決するまでは、健康保険証の復活を」「個別指導・新規個別指導における提出文書の事務負担軽減を求める」「中小・歯科医療機関向けサイバーセキュリティ研修動画の整備を要望する」「医療機関の経営を守るため、次期改定で診療報酬の抜本的引き上げを求め、共に頑張ろう!!」「医療DXにフォーカスをあてた『歯科医療改革提言』の作成を」「2026年度診療報酬改定における歯科診療報酬と構造的課題」と題した8本を文書発言した。鳥取県保険医協会からは「賃上げ・経営努力と矛盾する高点数理由の指導は中止を」といった行政の不合理是正を強く求める発言が多く上がった。

執行部からは当協会を含む各協会の発言通告を真摯に受け止め、活動・改善していくことが答弁で示された。

引き続き、当協会としても保団連および全国の各協会・医会と連携し、歯科医療および社会保障の改善を行うべく活動していきたい。

最後に「国民皆保険制度を維持し、いのちと暮らし、平和を守る政治の転換を求める」と題し、診療報酬の10%以上の引き上げを継続して求めるなどの主旨が盛り込まれた決議案が採択され、大会は終了した。

連載/遊歩道  第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

連載/遊歩道 第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

 

前会長の坪田有史氏が歯科について執筆するコラムを新たにスタートさせます。タイトルは「遊歩道」。「遊歩道」は散歩や自然観察、景観を楽しむこと(遊歩)を目的として作られた道のことです。コラム「遊歩道」は、さながら、遊歩道を散歩しているがごとく、時には立ち止まり、時には遠くを見つめながら、坪田氏独自の視点で歯科界を自由に解説していきます。ぜひ、ご期待ください。

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【2026年度改定に向け厚生労働省へ要請】

◆厚労省要請で保険請求の不合理是正を要望

協会は2026年度診療報酬改定に対して、協会会員から寄せられた要望や意見を伝えるため、25124日に5名の役員と2名の事務局員が厚生労働省を訪ね、要請活動を行いました。本稿では、その内容を抜粋して報告するとともに、私見を述べます。

要請時点で、既に26年度改定の内容については、中央社会保険医療協議会(中医協)において骨子や方向性が示されていました。その上で今回の要請の趣旨は、「歯科医療の質の向上および国民の口腔の健康を図るため、現行の告示および通知における運用上の課題について、臨床実態に即した見直しを行い、制度の実効性を高めることを要望すること」でした。すなわち、歯科保険医が日々診療を行う中で、保険請求において不合理と感じる点や疑問に思う点などを、診療報酬を所管する官庁である厚労省側に直接要請することでした。

◆なぜ、私が協会で活動するのか

約14年前、私は東京歯科保険医協会に入会し、協会活動に参画しました。その理由は、所属していた大学で研究・臨床を行う中で、特に研究テーマの一つであった支台築造について、エビデンスに基づかない保険算定要件の縛りや不合理な解釈を改善したいと考えたからです。

当時、厚労省の改定を担当された方に要請し、理解を得て、支台築造の算定要件の改善を実現しました。一人の歯科医師の声が協会を通じて保険制度の内容を改善したことは、とてもうれしい経験でした。

この成功体験は、今でも私が歯科保険医、そして患者・国民のために協会活動を行う土台、礎となっています。私の経験を、ぜひ他の先生方にもお伝えしたい、そして実際に経験していただきたいと思っています。協会会員の先生方はもちろんのこと、まだ協会に入会されていない先生方も、日々保険診療を行う中で疑問に思うこと、改善してほしいと感じることがあるはずです。声を上げなければ、それは行政側には届きません。私は、多くの先生方に協会活動へ参画していただくことを望みます。それが叶わなくとも、協会は先生方の声を行政に届けますので、ぜひご要望、ご意見を協会までお寄せください。それが患者、国民はもとより、必ず歯科保険医、歯科技工士、歯科衛生士、メーカーなどの歯科医療関係者へのフォローになります。

◆今後の改定動向を注視

1月に学会ルートである医療技術評価提案書を通じて、評価される新技術や既存技術の改善に関する提案が発表されます。そして2月には、26年度改定の具体的な内容が明らかになります。その内容が、前述した要請の趣旨に沿ったものとなるよう、協会は今後も臨床現場からの意見を提示していきます。

今後とも、協会活動へのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

★機関紙「東京歯科保険医新聞」2026年1月1日号(No.670)8面掲載

【IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院①-SNSは何のためのツールか-

IT相談室】再考 これからのSNSと歯科医院①―SNSは何のためのツールか―

 ◆SNSに「集患」を期待する時代は終わった

「もうホームページの時代ではない。これからはSNSの時代だ」―この言葉も既に古くなってしまいました。さらに、ホームページに加えてYouTubeinstagramなどのSNSを開設すれば「2倍、3倍の効果がある」「開設しなければSNSで医院を選んでいる層にアプローチできない」…。こうした認識も、現在の通説とは異なります。現在のSNS活用のポイントは、「SNSに集患のチャンネルとしての効果は期待できない」ということです。

◆SNSはミスマッチを減らす経営ツール

医院を選ぶ前の検索行動でSNSを確認する行動は、今後も増えていくでしょう。そこで閲覧されるのは症例数や最新の医療機器の導入状況ではなく、院長やスタッフの価値観、治療方針の説明、院内の空気感です。「こんな医院なら通ってみたいな」という感覚を呼び起こす装置がSNSといえるでしょう。

SNSは患者を「集める装置」ではなく、ミスマッチを減らし、不安低減につながる「経営ツール」として位置づけ、設計すべきではないでしょうか。これは、集患はもとより、特に求人においても重要な役割を担います。

◆更新しないのなら、やらない方がいい

では、SNSは導入した方が良いのでしょうか。もし、ご自身が「SNSは必要」と判断するのなら導入しましょう。なぜなら、医院やスタッフのパーソナリティを理解した、ミスマッチの少ない集患や求人の効果が期待できるからです。

ただし、更新されていないSNSは、間違いなく「運営されていない印象」を強く与えるだけに留まらず、単にSNSを導入していない場合よりも「途中で放置された」「管理が行き届いていない」というマイナス評価につながりやすく、医院への信頼感を引き下げる要因になります。

更新終了を明示している場合は例外ですが、それ以外であれば、更新できないSNSはリンクを掲載しない方が、経営上は安全な判断といえます。

連載/協会探訪 その⑥「次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ」<地域医療部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑥「次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ」<地域医療部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

地域医療部は、1988年度に新設された専門部です。85年に医療法が改正され、各都道府県で「地域医療計画」の策定が始まりました。その結果、全国的に地域医療活動に注目が集まりました。協会でも小児科、産婦人科と連携して、子どもの虫歯予防などを推進するため、盛んに必要な活動を計画、実施していました。

こうした中、88年に独立した専門部として発足したのが地域医療部です。

◆高齢社会に応じた地域医療の改善活動

発足当初は、「健康テレホンサービス」「健康相談」「寝たきり高齢者の往診、歯科健診」などを東京保険医協会と協力して進めました。その後、歯科訪問診療の推進、歯科健診事業への取り組み、介護保険への対応、国保問題や学校歯科の諸課題への取り組みなど、次々と浮上する地域の歯科医療が抱える課題を検討、改善につながる要請活動を実施してきました。

直近では、まだ歯科訪問診療に取り組んでいない会員を対象とした講習会の開催に取り組んでいます。また、東京都からの依頼に基づいて、会員に歯科医師認知症対応力向上研修の周知にも協力しています。

超高齢社会に突入している現状を踏まえると、要介護高齢者や障害者など、在宅や施設で療養しているために、かかりつけ歯科医への通院が困難な方々はますます増加していきます。

このような状況の中で地域医療部は、今後の医療制度、医療提供体制を見極めた現状分析と将来展望を持ち、地域包括ケアシステムも含め、地域医療の改善運動に取り組んでいます。

◆子ども医療費助成制度の格差撤廃について

さらに、学校歯科治療調査の実施、およびその結果を基にした養護教諭との懇談会の開催、地域の医療受療格差をなくすための子ども医療費助成の拡充要請も地域医療部が担当しています。要請は東京23区と多摩地区の地域ごとの格差是正であり、養護教諭との懇談会で出された要望に基づくもので、地域医療部ならではの取り組みとなりました。

また、都内で子ども医療費助成制度に自己負担が残っている16自治体に対して調査を行ったところ、財源不足が課題であることが分かりました。子育てしやすい東京を実現するため、東京都の財政補助により、自己負担の撤廃を要望いたしました。

2024年6月24日に開催した「学校歯科治療調査懇談会」の模様

 

 

 

 

 

 

 

◆給食後歯磨き推進に向け公立学校水道設備の拡充の要望

都内の公立小・中・高等学校では、水道設備が少数または老朽化、蛇口の数が少ないことにより、昼食後の歯磨きの習慣づけが困難な状況にあります。口腔衛生の保持および校内での歯磨きの習慣獲得のためにも水道設備の整備、拡充は必要であることを要望しました。

そのほか、地域医療部が作成した歯科訪問診療用のポスターを用意しております。ぜひ、活用してください。

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)01月01日号No.670

【1面】
  1.会長年頭所感
  2.巻頭写真「冬のモルゲンロート」
  3.探針

【2面】
  4.2026年度診療報酬改定3.09% 診療報酬本体引き上げへ
  5.厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める
  6.東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに
  7.政策委員長談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

【3面】
  8.第4回施設基準のための講習会を開催
  9.第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる
10.地域医療部長談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」
11.1月の申請手続きをお忘れなく/医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2025年4月~12月分)歯科は11.7万円
12.オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え


【4面】
13.経営・税務相談Q&A/No.436「カルテやその他の書類などの保存期間と電子カルテとは?」
14.OTC類似薬問題で世論づくりの重要性を強調/よい歯連絡会が定期総会・記念講演
15.3年ぶりに改訂版完成 冊子「医院経営と雇用管理」
16.会員無料相談

【5面】
17.研究会・行事ご案内
18.Pick up!会員だけが購入できるオススメ書籍「歯科 カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」/カルテ記載の不安解消

【6・7面】
19.新春対談「“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り」(早坂美都/東京歯科保険医協会会長✕ダイアナ・コー/法政大学総長)


【8面】
20.遊歩道 第1回/2026年度改定に向け厚生労働省へ要請
21.理事会だより
22.協会活動日誌
23.共済部だより

【9面】
24.謹賀新年名刺広告
25.通信員だよりNo.156
26.デンタルブックPR

【10面】
27.臨床研究「臨床的視点と算定要件の整理~CAD/CAM冠/インレー・PEEK冠・エンドクラウン~」

【11面】
28.連載/協会探訪その⑤「会員に寄り添い協会組織をより強固に―組織部―
29.神田川界隈「大事な先生方の“声”~厚労省要請などで訴えていきます」(理事・池川裕子/葛飾区)
30.IT相談室/再考歯科医院の情報発信④-ホームページの未来像-
31.お詫びと訂正

【12面】
32.オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに
33.会員寄稿「声」 “街に聞く”歯科医院を目指す 建築×食の視点から(須永健一)
34.2026年度診療報酬改定 新点数説明会ご案内
35.新春会員投稿「私の一枚」

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だとして、全国の医師・歯科医師が国を訴えた裁判の控訴審が始まり、第1回口頭弁論が20251126日、東京高等裁判所で行われた。控訴審にあたり、医師・歯科医師12,222人が原告となっている。控訴審では、原告団の佐藤一樹氏(東京保険医協会理事)が意見陳述を行い、一審判決が原告の主張に向き合っていないことを批判し、現状の日本における医療情報セキュリティレベルでは、患者の診療情報を守ることができないと訴えた。

その後に行われた記者・原告説明会では、弁護団が控訴理由書などを解説。一審判決では、オン資義務化の反対意見は、全国保険医団体連合会、保険医協会・医会の「特定の団体内の意見」に限られるとした。しかし、保団連は全国の医師・歯科医師の会員約107000人が加入しており、「特定の団体」と位置付けて無視できる規模ではなく、このような取り扱いは許されないことなどと説明した。

また、一橋大学大学院の只野雅人教授(憲法)、名古屋大学大学院の稲葉一将教授(行政法)による意見書も提出したことが報告された。それら意見書を踏まえて原告側は、行政機関が「法律の文言上、無理のある判断を行い、(中略)多くの保険医療機関の反対を押し切って、新たに義務を課す制度を、(法律より下位の)規則によって無理やり導入しようとしている」と主張した。

弁護団長の喜田村洋一弁護士は、専門家2名の意見書を提出できたことへの有効性を強調した上で、「国民主権のもとに法律に基づいた規則でならなければならないという考えに立った判決が下されるものと信じています」と期待を込めた。

2回口頭弁論は、2026225日(水)午前1130分から東京地裁にて行われる。

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

現在の検索サイトでは、例えば「歯科医院+地名」で検索した場合に、マップ表示とともに上位いくつかの数医院が表示されるローカルパック、PCでは右側に縦長に表示されるナレッジパネル、求人など特定の条件とともに検索した場合、それに応じたリストを表示するリッチリザルトなど、多くの一覧表示・要約表示があり、さらにAI検索が加わりました。

◆情報源としてのホームページ
検索サイトに表示される情報の元は、ホームページにあります。ユーザーが検索サイトに留まることで、ホームページへのアクセス数は下がりますが、集患に対する影響力は変わりません。検索者が必要な情報にダイレクトにアクセスできるように、さらにはホームページにアクセスしなくても済むように進化している時代のポイントは、シンプルさとナチュラルさだと考えています。情報源としてのホームページには、ユーザーが求める情報を集約しながら蓄積していく必要があるでしょう。
このほか、ホームページの「構造化」という手法が重要ですが、これは完全に制作者サイドの情報になるため、詳細は省きます。

◆シンプルにナチュラルに
現在の検索エンジンは、AI技術の進歩もあって進化しており、意図的・作為的なコンテンツ、特徴のないコンテンツは評価されないと、Google社から繰り返しアナウンスされています。
「予防から治療、審美・矯正・インプラントまで、なんでもできます…」というホームページになっていませんか。また、「保険も自費も急患もスムーズに受け入れます…」と表現してはいませんか。
過去にはコンテンツの多さ、長さが検索順位に影響すると考えられた時期がありました。また、制作側が医院の実態をリサーチせずにテンプレート的な提案を繰り返した結果、総花的なホームページが多数存在しています。しかし、歯科医院の過半を占める個人経営の医院のトップの方々は、自院の強みをシンプルに表現するコンテンツを作成すべきです。
次回からは、TikTokやYouTubeなどのSNSについて再考していきます。

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

この新聞を手に取っている先生の中には「東京歯科保険医協会というのは、どんな組織だろう?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

今号では、会員の先生方の入退会を管理し、会員を増やすための入会勧奨などとともに、協会組織をより強固なものにするために活動している組織部を紹介します。

組織部ではさまざまな活動を行っていますが、その中から「新規開業医講習会」と「会員地区懇談会」についてご説明します。

新規開業医講習会の様子

◆約40年の歴史ある新規開業医講習会

新規開業医講習会は、1987年に初めて開催して以来、これまでに延べ4,000人以上の先生が参加した協会を代表する講習会の一つです。新規に開業する先生のために、保険医として知っておきたい保険のルールなどを、詳しくかつ丁寧に解説しています。最近では、直近1年以内に新規開業した方やこれから開業予定の方のほか、遡及開業により新規個別指導を受ける方や保険診療の流れやルール、カルテ記載などを改めて確認したいという方など、幅広い方々が参加しています。

組織部は、社保・学術部と協力してこの講習会の運営を行っています。次回は118日に開催しますので、ぜひ参加をご検討ください。

◆アットホームな雰囲気で情報交換もできる会員地区懇談会

会員地区懇談会では、指導や返戻・減点、歯科訪問診療、各種の補助金、医療連携などさまざまなテーマを題材に、協会役員と会員の先生方で懇談をしています。毎回、概ね2030人程度の参加者で、主に都内の城南地区、城東地区、多摩地区に分けて開催しています。私も以前、城南地区(品川を中心とした地域)の懇談会に参加したことがありますが、少人数でアットホームな勉強会といった雰囲気の中で、役員と会員の先生が和気あいあいと話していました。また、会員同士の情報交換の場ともなっており、大きな会場で講義を聴くのとは違う、あたたかい時間を過ごすことができます。これも、協会ならではの取り組みといえるでしょう。

毎日診療をしていると、悩みごとなどが出てくることもあることでしょう。都心で開催する研究会は会場が遠いのでなかなか参加しにくい、自分の診療所の周りにはどのような先生がいて、どのような診療をしているのかな…と、感じたことはありませんか。会員地区懇談会はそういった先生方の交流の場にもなっています。

また、コロナ禍前には「女性歯科医師交流会」も開催していました。おいしい食事を楽しみながら、仕事や趣味の話など、とても充実した時間を持つことができ、私もその時に知り合った先生方とは、長らく交流が続いています。

◆入会ご希望の方は電話かWEBBで

協会への入会動機は、新規開業や遡及開業に伴うもの、個別指導や医院経営の相談のため、共済制度利用のためなど、会員の先生によりさまざまです。協会ではニーズに合わせた会員サポートを充実させており、これらのサポートはご入会いただければ、その日からご利用いただけます。

入会ご希望の場合には電話(03-3205-2999)やWEBからお問い合わせいただければ、事務局からご連絡差し上げます。しっかりと対面で協会のことを聞きたい先生には、事務局員の訪問による説明・手続きも行っています。

保険医協会は、保険医の経営・生活と権利を守り、国民医療の向上を目的にする任意団体です。歯科保険医の要求実現と国民医療向上を目指しています。実現のためには一人でも多くの会員の力が必要です。

組織部では、未入会の先生のご入会を心よりお待ちしています。ご子息やお知り合いで、まだご入会いただいていらっしゃらない方がおられましたら、ぜひご紹介ください。

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

 日本で初めての女性総理が就任した2025年。時を同じくして2人の女性リーダーが一足先にその任に就いた。1人は創立142年の伝統を誇り、優れた人材を輩出し続ける法政大学のダイアナ・コー総長。もう1人は設立約半世紀の歴史で初の女性会長となった当協会の早坂美都会長。
 十数年来の関係がある2人は昨年、就任初年度の慌ただしさの中、それぞれの組織の進化、発展に向け奔走した。そして、就任2年目となる2026年、2人はその視線の先に何を見据えるのか。今回はコー総長、早坂会長による新春特別対談の模様をお届けする。

■互いに尊敬し合う間柄

―2人の出会い

早坂:16年前、知り合いのつながりで初めてコー先生にお会いした時に、「笑顔が明るい素敵な方」というのが第一印象でした。

コー:共通の知人から「信頼できる方」と聞かされて、早坂先生にお会いしました。それ以来、歯科医師と学者という関係以上の学び合う関係が築けていると思います。

早坂:2025年3月頃に、総長になったことを聞き、とても驚きました。私自身もその時期は、会長に立候補すべきかどうか思いを巡らせていた時期でした。総長就任の知らせとコー先生が「風景が変わりますよ」と言ってくれたことが、私の背中を後押ししてくれました。

コー:それは嬉しいですね。私自身も早坂先生のように働く女性の頑張っている姿に共感しています。学部長やグローバル教育センター長としてグローバル化やDEI*の推進に取り組んできましたが、それが与える影響には組織的な限界を感じていました。大学全体でこれらの取り組みを進めたいとの思いから、総長より指名を受けて常務理事・副学長をお引き受けしましたが、その後もなお、大学全体を動かす力の限界を実感し、これまで大学から受けてきたご恩に報いたいという思いも重なり、総長として取り組みを発展させたいと考え立候補を決意しましたが、立候補する前は、重圧から3週間ほど寝られない日々が続きました。その中では、本学で初の女性総長だった田中優子先生にも相談しました。私は大変な部分にばかり目を向けていましたが、繋がりが増えたり、学びが多くなったり、得るものもたくさんあることがよく分かり、大きな一歩を踏み出す決意をしました。
*=Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取ったもの。

■キャリアで直面した壁

―これまでのキャリアの苦労

コー:日本の大学組織で女性、しかも外国出身という立場でリーダーシップを取っていくことは簡単ではありません。常務理事になった際にも男性中心の組織でどのように物事を進めていくかが全く分かりませんでした。また、私にとって日本語は第三言語なので、自由に使えない部分もあり、当初は総長としてやっていけるかどうか不安を感じていました。実際に何か発言しても、理解してもらえていないか無視されていると感じる場面もありましたし、制度や文化の壁に直面して、会議が終わった後に涙が出てくることがありました。ただ、ある時、本学の卒業生から「法政大学を通じて社会を良くしてください」と言われ、これが大きな気付きとなり、今でもモチベーションになっています。

早坂:トップに立つ“孤独感”はよく分かりますね。また、私も女性として妊娠、出産、育児と、キャリアを歩む上では苦しい場面もあり、悔しい思いをすることも多々ありました。それでも「必ず時代は変わる。新しい命を宿した人間が悲しい思いをしないでキャリアをつなぐことができる時代が必ず来る」という思いが原動力となり、ここまで歩んできました。

コー:早坂先生の経験は、今の若い世代の女性たちにも必ず伝わりますし、共感されるものだと思います。早坂先生のような方がいることで、今、多くの女性歯科医師が働きやすくなる社会に少しずつ変化していることでしょう。日本のジェンダーギャップ指数は世界的に見ても低い数値です。この問題は、私の専門領域でもあるので、本来であれば系統的に考えて政策を提言していくのですが、なかなか改善が見込まれない現状ですので、とにかくできることからやっていかなければと感じています。それは、女性教員が24%に留まる本学でも同じことが言えます。さまざまな課題を解決するには、教職員の力を合わせてチームとして対応しなければなりませんが、根本的には現状に対する危機感を共有し、教職員一人ひとりが当事者として関わっていただくことが重要だと考えています。また、組織の中の部局間の壁を越えて連携していくことも鍵だと考えます。

早坂:ジェンダーギャップについて、より具体的にどのような課題から解消していけば良いのでしょうか。

コー:まずは、どの分野でも管理職をはじめとする女性の人数を増やすことが重要でしょう。男性中心の社会では、「働く人のモデル」がどうしても、家事や子育てをしない、仕事中心の男性像になってしまいます。そこでは女性に限らず、現代の若い男性までもが、「働く人のモデル」に合わせることができず、組織に居続けることができないのです。生き方の多様性を追求していくことが大切だと思います。

■多様性と「声を聞く」文化

―組織のトップとして

早坂:会長として意識しているのは、会員の“生の声”を拾うことです。声なき声、サイレントマジョリティの意見をどのように汲み取るのかも大切なことです。あらゆる課題について、1つの答えでまとめないことが大切だと考えています。

コー:大学でも同じような課題があります。教職員や学生のニーズは多様で、時には相反する意見もあります。一人ひとりの声を丁寧に拾い、決して置き去りにしない文化を作ることが、結果的には組織の強さにつながると実感しています。

■制度改革は「できるところから」

―“一人ひとりの声を大切にする”組織づくりで大事なこと

コー:最初から完璧を目指すのではなく、まずはできるところから積み上げることが大切だと考えています。制度だけ作っても、人の意識が変わらなければ機能することはありません。だから「制度」と「人」を同時にアップデートしていくことが重要です。これはどのような組織にも共通することではないでしょうか。

早坂:歯科医院は特に小規模な組織が多いので、従業員が1人休むとたちまち業務が回らなくなるという状況は珍しくありません。それでも産休、育休などを取得できる環境を整えて、周囲もそれを支えなければいけません。

コー:結局は「周囲が支える文化」を創り出せるかどうかが重要だと思います。“女性だから”“男性だから”ではなく、誰かの人生の重要なタイミングを支え合える職場。それを作るには、小さな改善の積み重ねが不可欠です。

■若き女性研究者・歯科医師を目指す人へ

コー:自分に制限をかけずに、挑戦し続けることを大切にしてほしいと思います。すぐに成果が出なくても、そのプロセスは必ず自分の糧になります。恐れず一歩を踏み出せば、必ず新しい世界が見えてきます。

早坂:今は歯科大学で女子学生が半数を超える時代です。“女性だから”という理由で遠慮したり諦めたりする必要はありません。皆さんの力で歯科医療界の未来を作ってほしいと思います。私たちの世代は、そのための環境作りを進めていく責任があります。

―2026年の目標を

コー:本学がグローバルに開かれて、「多様性・包摂性・公平性」を実践する大学として、さらに社会から認められるようにしたいと思っています。その姿勢が社会にも良い影響を与えられればと願っています。

早坂:今、歯科医療の世界は転換期にあります。女性の割合が増え、価値観も働き方も多様化しています。誰もが公平に、そして誇りを持って働ける歯科医療界にしたい。そのために協会としてできることを一つずつ実行していく、そんな1年にしたいと思っています。

■おわりに―
 対談から見えてきた、2人の女性リーダーが語る“人”を中心に据えた組織作り。現場の声を汲み取り、相互に支え合うことができる組織風土をどのように育てることができるか。2026年、教育と歯科医療の両分野で、2人がどのような変革をもたらすのか、大きな期待が寄せられている。

▼紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2026年1月号6-7面)

▼過去のインタビューを見る

Profile

Diana Khor(ダイアナ・コー)/1983年香港大学社会学科卒業、1985年同大学院社会学研究科修士課程修了、1987年スタンフォード大学大学院社会学研究科修士課程修了、1994年同大学院社会学研究科博士課程修了。1999年より法政大学第一教養部専任講師に着任し、2005年に法学部教授。副学長・常務理事を歴任し、2025年3月より法政大学総長に就任。

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

明けましておめでとうございます。

会員の先生方におかれましては、2026年の新春を新たな気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃より東京歯科保険医協会の活動に対してご理解、ご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

 保険で安心して、きちんとした診療ができるようにしよう

1973年4月に協会が設立されて以来、長く受け継がれてきた言葉です。以後、協会は歯科医療を通して都民、そして国民の皆さまの歯と口腔の健康のため、さらに何よりもその担い手であります歯科保険医の先生方の生活を守るために活動して参りました。

歯科医療は、人生の最期の日まで「自分の口でおいしく食べることができるようにすること」を目指しています。そのことは、年齢を重ねても健康で過ごせること、すなわち「健康長寿社会の実現」に貢献することでもあります。最近では、「口腔内の環境が全身疾患に大きく影響すること」が広く知られ、歯科の重要性に対する理解が深まりつつあります。歯科医療を正しく理解していただける時代に差しかかっていると言えるのではないでしょうか。

しかしながら、その歯科医療界にも数年来続く物価高騰、人手不足の波が押し寄せ、歯科医院経営に大きな影を落としており、このままでは国民の口腔内を守り続けることができません。

こうした状況を受け、昨年は「基本診療料を中心に、診療報酬の期中改定や、国の責任による国の補助金等での緊急財政措置を早急に行うこと」「2026年度診療報酬改定で、基本診療料を中心に少なくとも10%以上の大幅な引き上げを行うこと」「患者窓口負担を軽減すること」などを掲げ、会員の先生方の貴重な声が記された請願署名、要請署名を厚生労働委員会の国会議員一人ひとりに手渡しました。保険診療は国会での審議、承認が必要な国の予算、つまり国政に直結していますので、国会議員の歯科への理解を深めるため、また、今年施行となる診療報酬の改善につなげるためにも地道な活動が大切です。2026年度診療報酬改定にあたっては、今回も協会は『新点数説明会』を45月にかけて計3回開催いたします。新たな診療報酬を理解すべく、ぜひ、会場に足をお運びください。

また、健康保険証廃止によるトラブルが後を絶ちません。さらに、少子高齢化が急速に進み、医療技術の進展に伴う医療コストの急増なども重なり、1961年から60年以上続く国民皆保険制度を揺るがしかねない事態が続いています。国民皆保険制度は、国民の誰もがいつでも、全国どこでも公的保険によって一定の負担でカバーされた医療を受けることができるという、諸外国に類を見ない素晴らしいものです。質が保たれた医療を安心して受けられる環境維持のためにも、この制度を守らなければいけません。

協会は、患者、国民が安心して医療を受けられるよう、そして歯科医療機関が混乱なく患者を受け入れられるように、まずは資格確認書の全員交付を求めて、東京都知事と都内51自治体の首長に要望書を持参・送付しました。私も保団連関東ブロックの会長・理事長と共に新宿駅前で街頭宣伝を行い、多くの方々から署名をいただきました。今後も都民の方々に向けて、歯科治療と健康の重要性を理解していただくために幅広く活動していきます。

「食べることは生きること」です。協会は、6,043名(202512月時点)の会員の先生方に支えられながら、都民、そして国民の皆さまがより一層安心して歯科医療を受けることができるよう、さらなる努力を続けて参ります。今後ともご理解とご協力、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

東京歯科保険医協会会長 早坂 美都(2026年 年頭所感)

新春寄稿「私の一枚」

新春寄稿「私の一枚」

「東京歯科保険医新聞」2026年1月号に掲載した会員からの写真投稿を以下の通り、ご紹介させていただきます。ご応募いただき、誠にありがとうございました。

厳冬のモルゲンロート(早坂 美都 先生/世田谷区)

昨年の年始、マイナス15度ほどの時に撮影した八ヶ岳のモルゲンロートです。初日の出が山肌に映えるシーンを捉えた1枚。「モルゲンロート」とは、早朝に昇り始めた太陽の光に照らされて山肌が赤く染まる現象を指す登山用語です。語源はドイツ語で、「モルゲン(Morgen)」は「朝」、「ロート(rot)」は「赤い」という意味になります。

水平線から昇る日の出(坪田 有史 先生/文京区)

五島列島の小値賀島を4時50分に出航して福江島までの移動で乗船した太古定期フェリーからみた日の出。

 

ハワイ島 マウナケア山頂から(伊藤 愛子 先生/世田谷区)

夏休みに標高4,205mの山頂までレンタカーで登って撮影。一番左がすばる望遠鏡。

 

中央アルプスの雪解け(吉田 真理 先生/武蔵野市)

機窓から撮った中央アルプスです。まもなく雪が解け動植物が生命を謳歌するようになります。

 

そうふ岩(下田 祐里江 先生/大田区)

東京から約600km南に位置するアホウドリの生息地の鳥島の先にある、高さ100mの突岩。

魔女の瞳(川本 弘 先生/足立区)


場所は福島県の五色沼。一切経山から見下ろした絵です。通称”魔女の瞳”と呼ばれています。

協会事務局休務のお知らせ

協会事務局休務のお知らせ

年末年始につき、以下の期間、東京歯科保険医協会事務局を休務とさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。

2025年12月27日(土)~2026年1月5日(月)

なお、年内の最終業務は20251226日(金)、新年の業務は202616日(火)から開始となります。

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

【1面】
  1. 実現必須/「大幅な診療報酬引き上げ」早坂会長会員の声を国会議員へ
  2.「オン資訴訟」控訴審始まる/原告棄却から1年
  3. 健康保険証/有効期限終了も来年3月末まで使用可能 12月2日以降原則 マイナ保険証か資格確認書で資格確認
  4. 協会事務局 休務のお知らせ
  5. 探針
  6. ニュースビュー


【2面】
  7. 中医協 歯科医療(その2)議論 口腔機能管理・歯周病治療・デジタル化/次期改定へ歯科保険制度の見直し本格化
  8. 3次元プリント有床義歯(3DFD)期中改定/12月1日から保険収載
  9. 中医協 在宅医療その4/訪問歯科の短時間化・制度の複雑化が深刻化 公平な評価体系へ見直し議論進む
10. 歯科領域の新規医療技術提案が確認/暫間的ダイレクトボンディングブリッジなど提出 来年1月開催の医療技術評価分科会で最終検討へ

【3面】
11. 3地区で会員地区懇談会を開催/保険請求の「迷い」解決 増点のコツで意見交換も
12. 2025年12月 歯科用貴金属の随時改定情報
13. 第40回医療研究フォーラム/会員の意識と実態調査 子ども医療費助成を発表
14. 来年は診療報酬改定/会員の皆様に「テキスト」をお届けします

【4面】
15. 経営・税務相談Q&A No.435 2025年の年末調整における注意点②完
16. 12月会員無料相談のご案内
17. 東京都支援金情報
18. お詫びと訂正
19. 3年ぶりに改訂版完成/冊子「医院経営と雇用管理」

【5面】
20. 研究会・行事ご案内
21. 2025年度第2回東京都歯科医師認知症対応力向上研修

【6面】
22. 連載/協会探訪その④ 会員同士の助け合いで備え、支える共済制度を守る—共済部とは—
23. 都内/「歯科」受診は医科より多い 「都民の健康と医療に関する実態と意識」で報告
24. IT相談室/再考歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

【7面】
25.「保険でよい歯を」東京連絡会/とげぬき地蔵尊髙岩寺でアピール
26. 理事会だより
27. 協会活動日誌
28. 年末年始休診ポスターのご案内
29. 共済部だより

【8面】
30. 12月2日からの資格確認方法
31. 神田川界隈「どうしてもやりたいこと」(理事・阿部菜穂/江東区)
32. 第4回メディア懇談会を開催/健康保険証廃止と医療DXなどテーマ
33. 特別企画「今年の漢字 2025」応募結果発表