運動本部

診療行為も「保険除外」に? OTC類似薬めぐる法改正

診療行為も「保険除外」に? OTC類似薬めぐる法改正

政府が進めるOTC類似薬(市販薬と成分が類似した処方薬)の患者自己負担引き上げをめぐり、現在国会で健康保険法改正案が審議されている。今回、その法案に、薬だけでなく診察、処置および在宅医療などの「診療行為」自体を、保険給付から除外できる仕組みが盛り込まれていることが明らかになった。給付除外の対象が診療行為に拡大される懸念が現実味を帯び、医療関係者や患者団体に激震が走っている。


◆議員が警鐘/4月23日に緊急集会
この事態を重く見た医師・歯科医師や難病患者団体は4月23日、国会議事堂前で緊急集会を開催し、早坂美都会長も参加した。
情勢報告に立った厚生労働委員会委員で共産党の辰巳孝太郎衆議院議員は、国会審議を通じて法案に「薬」だけでなく診察・手術なども保険給付除外に含まれている事実が明らかになったと報告。「さまざまな医療行為が、将来的に保険給付から外される布石になりかねない」と警鐘を鳴らした。
◆本当に「患者の声」を聞いているのか?
集会では、難病患者団体からも強い怒りの声が相次いだ。難病患者にとって、OTC類似薬を含む適切な処方は日常生活を支える「命綱」である。患者団体の代表は、これまで実施してきたWEB署名による撤回要請に触れ、「行政は本当に患者の声を聞いているのか」と厳しく批判。薬以外の診察などにまで給付除外が際限なく拡大することへ強い危機感を示し、制度改革阻止への徹底抗戦の構えを見せた。

国会議員要請を実施/麻酔薬供給や訪問診療の課題解決を訴え

国会議員要請を実施/麻酔薬供給や訪問診療の課題解決を訴え

協会は3月11日に国会議員要請を行い、早坂美都会長が国会議員と懇談した。懇談では、診療報酬改定に伴う現場の実情や諸課題について要請と意見交換を行い、理解を求めた。

◆歯科医院経営と局所麻酔薬の供給問題

早坂会長は、「今次改定の改定率は大幅なプラス改定になった点は評価できるものの、その多くがスタッフの賃上げに充当されている」と指摘し、歯科診療の充実に必要な技術料に相当する財源が極めて少ない点の改善を求めた。議員側は、歯科医療機関の多くが小規模経営である現状に理解を示したほか、設備投資や安定的な経営を維持するためには、より高い利益率を確保できる環境整備が必要、との発言もあった。

また、早坂会長は、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の実勢価格と公定価格の乖離に加え、キシロカインなどの歯科局所麻酔薬の供給不足も深刻であるとし、対策の重要性を訴えた。

◆歯科訪問診療の拡充と駐車場所の確保を

歯科訪問診療については、協会が実施したアンケート結果を基に、人手不足や外来診療との両立の難しさ、点数の複雑さが訪問診療の拡充の「大きな障壁」となっている実態を報告。さらに、都市部における駐車場所の確保の問題は切実であり、申請に一定のハードルがある駐車許可証について、運用の改善を求めた。議員側も、地域や医療提供の実情に応じた柔軟な仕組み作りに理解を示した。

◆保険適用のチタン合金製補綴物の課題

また、デジタル技術を活用した医療従事者間の連携のほか、医療従事者に対する教育支援についても意見交換を行った。特に、今次改定で新設されるチタンブリッジを含めたチタン合金による補綴物の製作は、技術的難易度が高い鋳造のみに限定されている点を指摘し、歯科技工現場で意見が上がっている「削り出しによる製作」も検討すべきと現場の声を届けた。

◆協会の諸活動にご理解・ご協力を

今回の懇談を通じ、各議員は「医科と歯科の特性の違い」や「歯科特有の材料や薬剤の問題」について深い理解を示した。協会は引き続き、今回要請した諸課題の解決をはじめ、歯科医療現場が診療に専念できる環境作りを訴えていく。

【要請を行った国会議員は以下の各氏(順不同、敬称略。※印は秘書対応)】

◆衆議院議員】

 安藤たかお(自民)

 若宮健嗣(自民)

 井上信治(自民)*

 渡辺孝一(自民)*

 長妻昭(中道)*

 田村智子(共産)*

安藤たかお議員(右)

若宮健嗣議員(左)

患者負担増 歯科にも打撃/中止求めるWEB署名にご協力を

患者負担増 歯科にも打撃/中止求めるWEB署名にご協力を


現在、私たちの医療制度を大きく転換させる制度変更作業が進められている。それは、「OTC類似薬の自己負担増加」と「高額療養費の上限引き上げ」の二つである。これら二つの患者負担増に反対するため、協会は緊急WEB署名を行っている。
◆歯科に関係するOTC類似薬の自己負担増
内服薬や軟膏など市販薬と同じ成分を含む医療用医薬品(OTC類似薬)について、自己負担を引き上げる議論が進んでいる。歯科では、ロキソニン錠60㎎やオルテクサー口腔用軟膏0.1%などが対象に挙がっており、実施されると1〜3割の自己負担割合に加えて、患者が特別料金を負担することになる。具体的には、薬剤費の25%の「特別の料金」が発生するため、最終的には負担割合によって3.5~5割が自己負担になる。
この動きを巡り、治療を諦める「受診抑制に繋がりかねない」とし、患者団体を中心に症状悪化を懸念する声が上がっている。
◆高額療養費上限引き上げ 歯科にも影響する
重い病気や怪我で医療費が高額になった際、自己負担を一定額に抑える高額療養費制度について、自己負担の上限額を引き上げる案が浮上している。歯科診療所では、補綴物を製作した場合に、同制度により自己負担が抑えられる場合がしにつながりかねない可能性があり、国民皆保険制度の趣旨から考えても、許容できるものではない。
◆WEB署名を実施中・自筆署名は準備中
協会は、多数の国民に影響を及ぼすこの動きを中止させるため、WEB署名を行っている。概ね1〜2分で終了するので、ぜひ、ご協力をお願いしたい。また、OTC類似薬については、国会に提出する自筆の署名用紙も準備中。安心で適切な医療提供を守るため、一人でも多くの方の賛同が必要である。SNSなどでの拡散にも、よろしくお願いしたい。

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

理事会声明「診療報酬改定率3.09は見せかけの財源 歯科診療現場を改善するための改定には程遠い」

2月13日に中央社会保険医療協議会総会が開催され、2026年度診療報酬改定の答申が出された。

歯科診療報酬においては、医療機関の物件費負担の増加を踏まえた歯科初・再診料等の引き上げ、歯科外来物価対応料や歯科技工所ベースアップ評価料が新設された。また、CAD/CAM冠・インレーの大臼歯までの適用拡大と咬合支持の有無などの要件廃止、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の算定要件や対象患者の拡大、麻酔薬剤料の算定対象の拡大、歯科用合着・接着材料の区分変更などの改善がされた。その他、Ni-Tiロータリーファイルによる加算要件緩和、接着補強芯などが医療技術評価として保険導入されるなど、協会が改善を要望していた不合理な事項が是正されたことは、現場の実態を把握し、歯科診療報酬を改善しようとする意図が感じられる改定内容であったと評価できる。

しかし、20251224日に大臣折衝を経て決定された、2026年度診療報酬の本体の改定率は3.09%の引き上げとされたものの、改定率の半分以上の1.70%が賃上げ対応分を占め、さらに物価高騰分として1.29%が割り当てられており、歯科の診療報酬の引き上げはわずか0.31 %に過ぎない。しかも、歯科の物価対応分は0.03%のみである。これでは、歯科診療報酬本体の初・再診料や医学管理、処置、手術、歯冠修復・欠損補綴などの引き上げに十分な点数が配分されていないことは明らかである。

歯科診療報酬本体に点数が配分されなければ、歯科医院経営の改善にはつながらない。協会は引き続き、診療報酬改定による算定要件の緩和、不合理是正を求めていくとともに、医療界の一致した要求である歯科診療報酬10%以上の引き上げを求めていく。

2026220

東京歯科保険医協会理事会

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

2025年1218日に開催された社会保障審議会医療保険部会において、次世代の顔認証付きカードリーダー(以下、顔認証CR)の仕様が公表された。21年から販売されている現行の顔認証CRの保守期限(通常、販売から5年間)が263月末から順次到来することを受け、今年度中に販売が開始される見込み。販売予定のメーカーは、キヤノンマーケティングジャパン、パナソニックコネクト、リコージャパンの3社で、導入にあたっては費用の補助も予定されている。

資料によると、現行機種との最大の違いは、本体にスマートフォンに搭載されたマイナ保険証(以下、スマホ保険証)の読み取り機能が標準搭載される点といえる。また、各社独自の機能として①テンキーによる操作(本体付属またはオプション)、②音声案内機能などが盛り込まれている。

◆低調なスマホ保険証

キヤノンマーケティングジャパン製以外の現行機種では、スマホ保険証の読み取りに別途「汎用カードリーダー(汎用CR)」が必要だが、次世代機を導入すれば本体だけで対応可能になる。

ただし、スマホ保険証の読み取りに対応している都内の歯科医療機関は、本年119日時点で3,530件(約34.1%)と低調だ。利用者への普及も途上にある。松本尚デジタル大臣の記者会見(16日)によれば、2512月末時点のマイナ保険証登録数9,000万件に対し、スマホ保険証の登録は約500万件(約5.6%)に留まっている。

 

◆混乱のない丁寧な対応を

スマホ保険証の導入当初、顔認証CRの機種によって汎用CRの追加購入の要否が分かれ、現場には困惑と不公平感が広がった。次世代機への移行の際は、同様の混乱が生じないよう、丁寧な情報提供と支援が不可欠である。協会としては、今後の動向を注視しつつ、現場の実情に即した要望を国や行政に行っていく。

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声/診療報酬改定に向けたパブコメ

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声

中央社会保険医療協議会(中医協)総会が1月14日に開催され、「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」が確認された。これを受け、厚生労働省は、1月14日から1月20日まで意見募集(パブリックコメント)を行った。

協会はこれを受け、デンタルブックメールニュースを通じて、歯科医療の現場の声を多く提出することを会員に呼び掛けていた。以下に、複数の会員が提出した意見を紹介する。

【会員が提出した意見より】

・物価高騰対策は、各診療所に委ねることなく、国民皆保険を守るため国主導で責任をもって全医療機関に対し一律に実施するよう求める。

CADCAMインレーおよびCADCAM冠の算定要件の簡素化を求める。

・歯科用貴金属は情勢に即している点数とは言い難く、情勢に即した価格設定にすべき。また、技術料についても随時改定を検討することを求める。

・改定率と実際のコスト上昇との乖離が大きい、このままでは持続可能な歯科医療提供体制を確保できない。ベースアップ評価料ではなく、初診料・再診料の大幅引き上げで評価することを求める。

・人件費や医療材料費、光熱水費など物件費の高騰が著しく、中小規模の歯科診療所ではその影響が大きい。ベースアップ評価料など施設基準や補助金などでこれ以上の事務負担をかけることなく初・再診料はもちろん、処置や手術、歯冠修復・欠損補綴などそれぞれの個別項目において保険点数の技術料に反映し、評価すべきです。

OTC類似薬を保険給付から外すことに反対です。たとえ保険から外さなくても、別途患者負担を追加することにも反対です。病気やけがで困っている患者からさらなる負担を求めることがおかしい。OTC類似薬の保険外しにより、国庫負担は減るかもしれないが、保険料の負担軽減はわずかなもので、むしろOTC類似薬が必要な患者の負担は増加してしまう。

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

 ◆画期的な採択 世田谷・渋谷区を先例に

協会は20257月、世田谷・渋谷両区を除く都内全区市町村に対し、国保加入者への資格確認書の一斉交付を求める陳情書を提出した。

その結果、26114日の杉並区議会本会議でその陳情が採択され、今後、同区では一斉交付について検討を始めることになった。今後の動向を注視したい。

◆国に健康保険証の復活を求める

また、同本会議では東京保険医協会の「健康保険証を復活させるよう国に対して意見書の提出を求める陳情」も採択され、区から国へ意見書が提出された。

その杉並区の意見書の内容を見ると、国民の不安が払拭されていない現状を指摘し、健康保険証の復活と円滑な受診環境の確保を国に強く求めているほか、情報のひも付けや10割負担の請求、負担割合の相違などの関連するトラブル事例も記し混乱する現場の状況に理解を示す内容となっている。

◆現場の実態と声を行政へ

これらは、資格確認で困っている現場の声を行政に届けた結果、採決につながったもの。協会は引き続き現場の実態と声を行政へ届けていく。諸活動への理解と協力をお願いするとともに、ぜひ、現場の声を協会までお寄せいただきたい。

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

東京歯科保険医協会は、衆議院選挙(2026年2月8日投開票)に向けて、各政党に対し歯科医療などに関する政策についてアンケート調査を実施しました。アンケートを依頼したのは、自由民主党、中道改革連合、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、参政党、れいわ新選組、日本保守党、チームみらいの各党です。

以下は質問内容と、各政党からの回答(2/5 12:00時点)です。クリックすると回答が閲覧できます。 歯科に関する政策理解を深めていただく一助となれば幸いです。

アンケートの結果一覧(PDF)はこちらからご覧いただけます

衆院選に向け、東京の候補者に推薦状をお渡ししました

衆院選に向け、東京の候補者に推薦状をお渡ししました

若宮健嗣候補(東京5区・下段左)、松原仁候補(東京26区・下段右)へ、28()の衆議院議員総選挙に係る推薦状をお渡ししました。 歯科医療分野には様々な課題がありますが、その改善のためには、業界だけに留まることなく様々な方々に応援していただけるよう、幅広く活動を広げることが必要です。 東京歯科保険医協会として、日頃お世話になっている若宮議員および松原議員との連携を深めることによって、より良い歯科医療の未来づくりを進めていきます。 

衆議院選当日まであと数日ですが、1人でも多く、歯科医療分野にご理解を頂ける先生方が当選されることを願っています。

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

2025年124日に開催された「保険証を返せ!国会集会」で、全国保険医団体連合会(保団連)が2510月から11月にかけて行った「20258月以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査」(以下、実態調査)の中間報告を公表した。それによると、回答した医療機関の69.8%がオンライン資格確認システム(以下、オン資)でのトラブルを経験しており、挨拶に立った保団連の竹田智雄会長は、「トラブルは改善していない。混乱は健康保険証を残せば解消する」と指摘した。

スマホ保険証*の導入率未だ25・1%と低迷

122日以降の資格確認方法は、表の通りである。マイナ保険証の有無、マイナ保険証(マイナンバーカード)かスマホ保険証か、オン資の導入状況などにより、資格確認方法は複数に分かれる。

また、同11月のマイナ保険証の利用率は39.24%と低迷している。同9月から始まったスマホ保険証も、対応可能な都内の歯科医療機関は同1215日付で2,594件に留まっており、12月1日付の保険医療機関数が10341施設であることを考慮すると、導入率は25.1%と低調である。

◆進まない資格情報無効のトラブル対策

実態調査のトラブルの多くは、「が出る」と「資格情報が無効」が占めている。前者について厚生労働省は、26年度を目途に多くの解消を目指す施策を示したが、後者の解消策は示されていない。「資格があるはずなのにオン資で資格無効と表示される。最新情報が反映されていない」との相談は協会に度々寄せられており、厚労省は対応策を示すべきである。

協会は、引き続き適切な対応を求めていくので、トラブルが起きた場合は遠慮なく相談してほしい(☎ 03-3205-2999)。

*マイナ保険証をスマートフォンで利用すること

 

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

協会は2025年12月4日、26年度診療報酬改定に向け、厚生労働省保険局医療課に対し、歯科診療の現場で生じている診療報酬の運用、保険請求上の課題改善に関する要請を行った。協会からは加藤開、坪田有史、本橋昌宏の各副会長、川本弘、濱﨑啓吾、松島良次の各理事が参加し、厚労省保険局医療課課長補佐の田上真理子氏と直接意見交換を行った。
口腔機能管理における口腔機能低下症の評価項目と検査などについては、口腔機能管理料の算定要件が厳しく、検査機器の使用が必須要件であるため、算定が一向に進まない実態を指摘。また、口腔機能指導加算については、現行の歯科衛生実地指導料の加算から本体化し、時間要件を外すことを要望した。

要望書を手渡す加藤開副会長(写真右)と厚労省の田上真理子課長補佐

そのほか、SPTとP重防の運用改善、TecとCAD/CAM冠修復の適応拡大、不採算材料の調査と評価是正、歯科衛生実地指導料の対象病名の追加と歯科技工士連携加算の算定要件緩和、抗血栓療法患者の局所止血処置の評価など、多岐にわたる要望を伝えた。
協会は今後も会員の声を基に、診療報酬をはじめ必要な制度改善を関係機関に求めていく。

自維連立合意文書/物価高騰対策の対象に「診療所」の記載がない!  診療所の厳しさを署名で国会に届けよう

自維連立合意文書/物価高騰対策の対象に「診療所」の記載がない! ―診療所の厳しさを署名で国会に届けよう

◆10%以上の引き上げ必須

物価と人件費の高騰により、多くの医療機関の経営が圧迫されている。いま協会が集めている署名には、続々と現場の窮状を訴える意見が記述されている()。

多くの歯科診療所で以前にも増して医業収益が厳しくなっており、職員の給与の引き上げはおろか、新しい医療機器、備品などの交換が滞り、提供する歯科治療への悪影響が生じかねない状況に懸念を呈する声が多数寄せられている。

その改善に向け、署名の要請項目に10%以上の診療報酬引き上げを掲げておりその実現は必須だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自維合意文書で歯科診療 所は物価対策の対象外に

診療報酬を大幅に引き上げるためには、現状を多くの国会議員に伝える必要がある。自由民主党・日本維新の会の連立政権合意書の社会保障政策では「昨今の物価高騰に伴う病院及び介護施設の厳しい経営状況に鑑み、病院及び介護施設の経営状況を好転させるための施策を実行する」と明記されている。

物価高対策は病院と介護保険施設に限定され、診療所は対象外とするような書きぶりである。現場の声は国会議員に届いているのだろうか。

◆QRから署名を!

この状況を受け、早坂美都会長が、11月に署名を携え国会議員へ要請を行う予定である。ぜひとも、署名と現場の声を1117()までにWEBでお寄せいただきたい。

関東ブロックが緊急決起集会を開催/診療報酬の大幅引き上げで物価高騰・賃上げに対応を

関東ブロックが緊急決起集会を開催/診療報酬の大幅引き上げで物価高騰・賃上げに対応を

10月12日、保団連関東ブロック協議会の主催による「地域医療をなくすな!緊急決起集会」が開催され、関東9協会の医師・歯科医師・事務局をはじめ、関連団体、WEB参加を含む194名が参加した。

集会には、小池晃参議院議員(共産)、谷田川はじめ衆議院議員(立憲)が会場に駆け付け、「地域医療を守るために診療報酬の引き上げを」「物価高騰・賃上げに対応できる報酬改定が必要」「OTC類似薬の保険外しは、絶対に許してはならない」など、力強い挨拶を行った。

続いて、関東ブロック9協会の代表役員から小池議員、谷田川議員に対し、3,425筆にのぼる「すべての医療機関を守るため診療報酬の大幅引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」を手渡した。

また、栃木県医師会、横浜市医師会、川崎市医師会などからのメッセージ紹介のほか、国光あやの衆議院議員(自民)、阿部知子衆議院議員(立憲)、梅村聡衆議院議員(維新)、上月良祐参議院議員(自民)、小西洋之参議院議員(立憲)のビデオメッセージを披露した。

協会の加藤開副会長

各協会からは、地域医療を取り巻く厳しい実情と今後の運動方針が報告された。当協会からは加藤開副会長が発言し、「東京の歯科医療機関では、物価高騰と人手不足が深刻化している。根底にあるのは低い診療報酬水準であり、2年に一度の改定では追いつかない。患者や国民の歯科口腔保健を守るため、歯科保険医療機関の経営を守るためにも、診療報酬の緊急引き上げと患者窓口負担割合の引き下げが必要である」などを強く訴えた。

その後、栃木県保険医協会の天谷静雄副会長から緊急決議案が提案され、満場の拍手で採択された。最後に司会の呼びかけで「頑張ろうコール」が行われ、参加者全員が拳を高く掲げ、「次期診療報酬の大幅引き上げを目指し、頑張ろう!」と力強く唱和した。茨城県保険医協会の高橋秀夫会長の閉会挨拶後、集会は盛況のうちに終了した。

緊急決起集会の会場内の様子

今後も、「診療報酬の大幅引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」への取り組みを継続していく。署名はWEBでも可能なので、ぜひ一人でも多くの会員の先生にご協力いただきたい。FAXでの署名を希望する場合は、協会運動本部(TEL 03-3205-2999)までご連絡を。

次期診療報酬改定では大幅引き上げを/全国で要求活動はじまる

次期診療報酬改定では大幅引き上げを/全国で要求活動はじまる

9月25日に「いのちまもる9.25総行動」が開催され、医療従事者ら2,200名が日比谷野外音楽堂に集った。開会の挨拶に立った日本医療労働組合連合会の佐々木悦子委員長は、「物価高を背景に、医療機関の倒産が過去最高となっている。また、物価高に賃金が追いついておらず、医療機関などでの人員不足が慢性化している」と訴え、集会を契機に、診療報酬の大幅引き上げなど、各課題解決への取り組みの必要性を訴えた。

日本歯科医師会、日本医師会などからのメッセージが紹介されたほか、立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組の国会議員も登壇。「物価が上がっても、診療報酬は2年間固定されて上がることはない。診療報酬の引き上げは必要だ」「多数の医療機関が赤字だと聞いている。この状態が続くことはあってはならない」など、要求に賛同する意見が多数寄せられた。

集会後にはパレードが行われた。参加者からは「診療報酬を大幅に増やせ」「社会保障費を増やせ」などの声が次々に発せられ、通行人に窮状を訴えた。

診療報酬の大幅引き上げを実現するには、秋の臨時国会に併せた諸活動が大きな鍵となる。協会は、医療機関の窮状を打開するため、行政や国会議員に要求を行っていく。引き続き、左上の署名とともに、協会の諸活動へのご理解とご協力をいただきたい。

早坂会長も署名を呼びかけ/保険証復活・資格確認書の一斉送付求める

早坂会長も署名を呼びかけ/保険証復活・資格確認書の一斉送付求める

 ◆関東ブロック協議会・街頭宣伝

保団連関東ブロック協議会(以下、関ブロ)は、会議に参加した各協会の会長・理事長が921日の夕刻、新宿駅南口前で白衣の街頭宣伝を行い、道行く人たちに「保険証を復活させよう!」「医療危機、地域医療を守ろう!」と訴えた。

街頭で署名協力を呼びかける早坂会長

当協会の早坂美都会長が「マイナンバーカードには電子証明書の有効期限があり、マイナ保険証を持って医療機関を受診しても使えない場合がある。そういうことが起きないように世田谷区と渋谷区では、資格確認書の一斉送付を決めた。この方法を広めるために東京都知事、東京都内区市町村の自治体宛に資格確認書の送付を求める陳情書・要望書を提出した。署名にも取り組んでいるので、足を止めて協力してほしい」と訴えた。

宣伝では「保険証を使い続けたい」請願署名を折り込んだポケットティッシュを配布、立ち止まって署名に応じる人たちが多数に及んだ。また、「地域住民の医療を受ける権利を保障するために医療機関の維持存続への支援を求める」請願署名への協力もあった。

 

10月12()には、関ブロ主催の「地域から医療をなくすな!緊急決起集会〝経営危機打開のため、次期診療報酬の大幅引き上げを勝ち取ろう〟」を都市センターホテルで開催するので、ぜひ、ご参加いただきたい。

ここがポイント!! /「資格情報のお知らせ」のみ持参時の対応/9月末で国保保険証が期限切れ

ここがポイント!! /「資格情報のお知らせ」のみ持参時の対応/9月末で国保保険証が期限切れ

国民健康保険(以下、国保)の健康保険証の有効期限が本年9月末で終了し、10月からはマイナ保険証がある患者はマイナ保険証で、マイナ保険証がない患者は資格確認書で資格確認する仕組みになった。

既に有効期限を迎えていた他県では、「資格情報のお知らせ」だけを持参するなどのトラブルが報告されている。

◆来年3月まではオン資で資格確認

「資格情報のお知らせ」は、オンライン資格確認システム(以下、オン資)未導入の医療機関を受診した場合などでも資格確認ができるよう、マイナ保険証と一緒に持参するものだ。ただ、暫定的な措置として、来年3月までは、「資格情報のお知らせ」のみでも国保の患者はオン資を用いて資格確認できる。

オン資による資格確認の流れは、①メニュー画面の「保険証/処方箋で確認」をクリック、②「資格情報のお知らせ」にある保険者番号等を入力、③検索一覧から該当者を選択、④資格情報を入手―となる。

また、有効期限切れの健康保険証を持参した国保の患者の場合も、来年3月末までは同じ扱いである。

なお、社保の患者の場合は、健康保険証が使用できるのは最大で今年121日までである。

◆マイナ保険証を使う意義はどこに?

「資格情報のお知らせ」や有効期限切れの保険証でも資格確認できるのであれば、顔認証付きカードリーダー(以下、CR)を導入してまでマイナ保険証を使う必要があるのだろうか。

なりすまし❞が懸念される場合、オン資に表示される住所などの情報を用いて本人確認する方法が有効だ。マイナ保険証は暗証番号が使い回しされれば、なりすましを防ぐことは困難。また、CRは定期的な買い替えが必要だが、それに対する補助金はない。それならば、全患者に資格確認書を送付し、それを用いてオン資で資格確認する仕組みの方が、なりすまし防止に繋がり、コストの点で医療機関に有利である。

◆全ての国保患者に 「資格確認書」の交付を

協会は、現場の混乱を解決すべく、東京都と全区市町村に対し、全ての国保患者に資格確認書の交付を求める陳情や要望を行っている。資格確認を巡るトラブルなどでお困りの際は、迷わず、協会までご相談いただきたい(☎ 03―3205―2999)。

厚労省資料から歯科の現況を考える/患者の視点で考える 診療報酬の引き上げの必要性

厚労省資料から歯科の現況を考える/患者の視点で考える 診療報酬の引き上げの必要性

物価や人件費の高騰などの影響で多くの医療機関の経営は苦しい。次期診療報酬改定の大幅な引き上げが求められるが、患者の動向や疾病構造の変化に注目した要求も必要だろう。

ここでは、患者層や患者の視点から、次期改定の要求の方向性を考えてみる。

◆患者層からみるポイント

今年7月に厚生労働省が公表した「医療給付実態調査」(2023年度調査)から、全国のレセプト件数の年齢推移をみると、図1となる。レセプト件数のピークは、59歳、5054歳、7074歳であることが分かる。

また、男女の差にも特徴があり、10代までは男女差はほぼないが、20代以上になると女性患者が多い傾向がみえる。

 

 

 

 

 

◆患者は何で選ぶのか?

ところで、患者はどのような視点で歯科医院を選ぶのだろうか。厚労省の「2022年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」(以下、特別調査)の結果によると、受診した歯科診療所を選んだ理由として、「自宅から近い(47.9%)」よりも割合が高い項目に、「信頼している歯科医師がいる(67.9%)」「歯科医師や職員の感じが良い(63.2%)」「定期的な管理をしてくれる(54.6%)」などがある。

つまり、信頼や好印象を得られる患者対応や、分かりやすい説明、適切な定期的管理などを患者は重要視しており、それが実現できるような診療報酬の在り方を求めていかなければならない。

◆患者が求める医療 十分提供できる体制を

患者は、親切・丁寧な治療を求めていることが分かる。しかし、物価や人件費の高騰で一人でも多くの患者を診療しようとすれば、一人当たりの診療時間が減ってしまう。患者が求める丁寧な診療を行うためには、診療報酬の大幅な引き上げが必要である。

協会は、「地域の医療機関を守るため、緊急財政措置と診療報酬の大幅な引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」を集め、近く国会議員に要請を行う。ぜひ、署名にご協力をいただきたい。

「現場の声」をお寄せください-緊急要請署名のご案内-

物価や人件費の高騰で医療機関の経営は厳しくなっており、次期診療報酬改定で大幅な診療報酬の引き上げを実現しなければ医療現場は更に困窮します。
そこで、診療報酬の大幅引き上げを求める要請署名に取り組んでいます。先生方から多くの現場の声をいただき、直接、行政や国会に届けます。
つきましては、以下のGoogleフォームから詳細をご確認いただき、必要事項をご入力のうえ、「送信」をクリックしてください。

▼現場の声を届ける要請署名はこちらをクリック▼

大幅な診療報酬引き上げ必須/実調から見る歯科の実状

大幅な診療報酬引き上げ必須/実調から見る歯科の実状

診療報酬改定の争点の1つは国家予算の医療費への配分であるが、その重要な指標が「医療経済実態調査」である。協会は秋の臨時国会にあたり、診療報酬の引き上げなど歯科に係る要求を行うが、直近の調査結果から歯科の窮状を考える。

◆保険も自費も減少損益差額は約1割減

直近2022年度の個人立の歯科診療所における結果(最頻値)は表のとおりだ。収入の柱である医業収益は保険・自費共に前年度比で減少し、それを補うべく経費節減に努める傾向がうかがえる。特徴的なのは給与費と損益差額で、昨今の賃上げの流れを受けて給与費は上がったが、開設者の報酬および内部資金に相当する損益差額は前年度比で9.2%も減少している。まさに身を切った賃上げが行われている。

 

◆大幅引き上げなくして手取りは増えない

24年度診療報酬改定の歯科の改定率は+0.57%だった。医業収益からみて見劣りする引き上げ幅である。改定後の調査結果は今冬に公表されるが、この間協会のアンケート調査や金パラの値上がりなどを考慮すると、歯科の窮状は依然として続いていると思慮される。医業収益のほとんどは保険診療で支えられており、歯科医師および従業員の手取りを増やすことを考えれば、診療報酬の大幅引き上げは必須である。

協会は、歯科の窮状の打開を目指すべく、臨時国会において診療報酬の引き上げを求めて行政へ要請を行っていく。引き続き、協会活動へのご理解、ご協力をいただきたい。

あなたも、参加しませんか!!/もう限界 平和と社会保障を立て直せ!/9.25「いのちまもる総行動」

あなたも、参加しませんか!!/もう限界 平和と社会保障を立て直せ!/9.25「いのちまもる総行動」

◆守ろう!医療の現在・未来 動くのは今

評価が低くて分かりづらい診療報酬、次々に変わるルール、物価高騰や難しいスタッフ確保などの経営環境の悪化…。「このままで、自院の将来はどうなるのか」と思うのは、先生だけではありません。

手をこまねいて待っているだけでは、何も変わりません。私たちが声を上げて行動しなければ、誰が歯科医療の「現場」、「明日」そして「未来」を守るのでしょうか。一人の声は小さくても、仲間が集まれば大きなうねりになります。

この集会は、その第一歩となるものです。歯科だけでなく、医療や介護などで働く仲間とともに、私たちの手で切り開きましょう!多くの方々のご参加をお待ちしております。

昨年の総行動会場の日比谷野外音楽堂内

パレードの模様

<集会の概要>
  • 日時: 925日(木)午後1時~230分 *集会後はパレードを予定!!
  • 内容: 国会議員挨拶、医療分野などの参加者からのリレートークほか
  • 会場: 日比谷野外音楽堂(東京メトロ丸ノ内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」 徒歩4分)
  • 対象: 医師・歯科医師・看護師・保育士・医療スタッフ・その他関係者
  • 参加団体: 全国保険医団体連合会ほか9団体
  • お申込み・お問い合わせ: 協会運動本部(TEL:03-3205-2999)

多くが9月末に有効期限/国保の健康保険証/全加入者に「資格確認書」を都・区市町村へ緊急要請

多くが9月末に有効期限/国保の健康保険証/全加入者に「資格確認書」を都・区市町村へ緊急要請

東京都における国民健康保険(以下、国保)の健康保険証は、概ね9月末に有効期限を迎える。その期限まで残り2カ月を切った。
後期高齢者とは異なり、渋谷区・世田谷区を除く国保では、マイナ保険証を登録した加入者に対しては「資格確認書」を発行しない方針である。マイナ保険証を登録したものの、現行の健康保険証を使い続ける患者は多く、混乱は必至だ。協会はこの事態を解決すべく、東京都および都内の全区市町村(世田谷区・渋谷区を除く)に資格確認書の一斉送付を求める要望を行った。
◆このまま進めば患者も自治体も混乱の渦中へ
マイナ保険証は、国民全体の約7割が登録しているが、患者の利用率は約3割で、多くが健康保険証を使い続けている。その理由は、「紛失リスクを恐れてマイナ保険証を持ちたくない」などの不安に根差すものと思われる。
マイナ保険証を登録した国保の患者が資格確認書を持つには、患者自らが区市町村に登録解除申請を行うか、要配慮者であればその申請を行う必要があり、これは患者には大きな負担となる。
負担増問題は、区市町村にもいえる。マイナ保険証の登録の有無によって資格確認書の送付対象を選定しなければならず、問い合わせや登録解除申請などの対応に忙殺される。また、マイナ保険証登録者に「資格情報のお知らせ」を郵送しているのであれば、コスト削減の観点では単体で使える「資格確認書」を一斉交付した方がよい。これは直ちに全都で行うべきである。
◆渋谷区・世田谷区の取り組みを都内全域で
協会が行った要望が陳情として扱われた場合、区市町村の議会は採択か不採択かを判断することになる。
ぜひ、議会の動向に注目をいただくとともに、引き続き協会活動へのご協力をいただきたい。

厚生労働省要請を実施/現場の診療行為と保険点数の乖離訴え CAD/CAMや口腔機能管理の要件緩和など要求

厚生労働省要請を実施/現場の診療行為と保険点数の乖離訴え CAD/CAMや口腔機能管理の要件緩和など要求

協会は73日、厚生労働省に対し、2026年度診療報酬改定に向けた要請を行った。

協会からは、加藤開、坪田有史、本橋昌宏各副会長、および川本弘、濱﨑啓吾両理事、事務局が参加。厚労省側は、保険局医療課の早乙女雅美主査(歯科医師)が対応した。

保険局医療課の早乙女雅美主査(歯科医師)

具体的には、①CAD/CAM冠・インレーの適用の判断は歯科医師の裁量とすること、②観血処置後の局所止血処置が可能な薬剤の歯科適用拡大、③口腔機能管理料および検査に係る評価をすること、④歯科衛生実地指導料の点数引き上げ、⑤CAD/CAMインレー形成加算(CADIn形)を個別点数として評価すること、アンレーの点数の新設、生活歯および失活歯の大臼歯の単冠を4/5冠の適用とすること、歯周病ハイリスク加算と総合医療管理加算の重複した摘要欄記載の省略などについて要請。また、CAD/CAM冠・インレーについては、第三大臼歯や後続永久歯のない永久歯代行歯、下顎分割抜歯後の歯冠修復への適用拡大などについて要請した。

その他、SPTP重防における要件の差の是正や、義歯修理時の未来院請求についての改善を求めた。また、学校歯科健診の結果に基づく歯科矯正相談料の算定要件については、「歯科矯正相談料の基本的な考え方」の取り扱いを巡って意見を交わした。

協会は厚労省に対し、歯科医療現場での診療行為と保険点数や制度設計の間にある乖離や、複雑な算定要件による混乱を伝え、実態に即した診療報酬改定を行うよう、強く求めていく。

後期高齢者の保険証/有効期限終了/8月は「資格確認書」の確認を忘れずに

後期高齢者の保険証/有効期限終了/8月は「資格確認書」の確認を忘れずに

7月末に後期高齢者が持つ健康保険証の有効期限を迎えるが、全ての後期高齢者に「資格確認書」が発行される(1)。そのため、これまで健康保険証を提示していた患者は、8月から資格確認書を窓口に提示することになる。

東京都の国民健康保険の加入者においては、概ね9月末に健康保険証の有効期間が終了する。なお、他県の患者の場合は、7月末で有効期限が切れている場合がある。

国民健康保険加入者は後期高齢者とは異なり、資格確認書が、①渋谷区・世田谷区の患者、②マイナ保険証の登録解除などをした患者、③マイナ保険証がない患者、に発行される(2)。

マイナ保険証の登録をしたものの、健康保険証を使用している患者は相当数いると考えられ、窓口での混乱が懸念される。例えば、マイナ保険証を所有している患者には「資格情報のお知らせ」が送付されるため、現行の健康保険証を提示している患者の場合、マイナ保険証の代わりに誤って「資格情報のお知らせ」のみ持参し、その都度資格情報を確認する手間が増えることも考えられる。

マイナ保険証を登録した場合、資格確認書を確実に入手するには、マイナ保険証を登録解除するしかない。協会は、患者向けのリーフレットを無料で配布しているので、ぜひご活用いただきたい。

なお、協会は昨年「これからの窓口対応 きほんのマニュアル」を作成。複雑化する窓口での資格確認時にお困りの際はご確認いただき、対応の一助としていただきたい。

※「登録解除リーフ」の注文➜https://forms.gle/KFLz6hTBH2jKAjYK8

※「これからの窓口対応 きほんのマニュアル」の注文https://www.tokyo-sk.com

議員要請/「歯科医療費の総枠拡大」と「保険証の存続」を/歯科の重要性・保険証発行停止の問題に理解を求める

議員要請/「歯科医療費の総枠拡大」と「保険証の存続」を/歯科の重要性・保険証発行停止の問題に理解を求める

物価高騰により、国民の生活と歯科医療機関の経営は苦しくなっている。患者の窓口負担軽減と歯科医療費の総枠拡大を求め、4月に引き続き521日に坪田有史会長、早坂美都副会長が国会議員へ要請を行った。

口腔が健康な患者の医療費や介護費は、そうでない患者よりも低いとの調査結果があるなど、歯科の役割の重要性を強調し、患者負担の軽減と歯科医療費の総枠拡大は国民の健康にも寄与すると説明した。議員らは「歯科は体の健康にとって大事である」など、協会の意見に理解を示した。

また、坪田会長はマイナ保険証の利用率が低調であること、世田谷区と渋谷区の国保ではマイナ保険証の有無にかかわらず一律に資格確認書を発行する事態となったことを指摘。全国保険医団体連合会が行ったアンケートでは、約7割の医療機関が健康保険証の存続や併用を求めていると説明した。

その上で、協会には累計で1万筆を超える「現行の健康保険証を残してください」請願署名が届いたことを紹介し、従来の健康保険証の存続や当面はマイナ保険証の有無にかかわらず、全ての国民に資格確認書を発行すべきと訴えた。議員らからは、「健康保険証の問題は、深刻だと理解している」「これほど多くの署名が集まったのは驚いている」という声が聞かれた。

協会は、国会議員や行政との意見交換を通じ、現場の声を届けつつ、国民と歯科医療機関をめぐる諸問題を解決すべく、今後も要請を行っていく。引き続き、協会の諸活動へのご理解とご協力をいただきたい。

▼保険でより良い歯科医療を求める請願署名の紹介議員:円より子衆議院議員(国民)
▼健康保険証の存続を求める請願署名の紹介議員:酒井なつみ衆議院議員(立憲)、鈴木庸介衆議院議員(立憲)、松尾明弘衆議院議員(立憲)
▼要請に対応した議員:石田昌宏参議院議員(自民)
▼秘書などを通じて要望を伝えた議員:比嘉奈津美参議院議員(自民)、高木啓衆議院議員(自民)、大西洋平衆議院議員(自民)、山花郁夫衆議院議員(立憲)、塩村あやか参議院議員(立憲)

参院選に向け、推薦状をお渡ししました

協会は牧山ひろえ参議院議員(神奈川)へ7月20日(日)の参議院選挙に係る推薦状をお渡ししました。

歯科医療分野には様々な課題がありますが、その改善のためには、業界だけに留まることなく様々な方々に応援していただけるよう、幅広く活動を広げることが必要です。

東京歯科保険医協会として、日頃お世話になっている牧山議員との連携を深めることによって、より良い歯科医療の未来づくりを進めていきます。

参院選まであと数日ですが、1人でも多く、歯科医療分野にご理解をいただける方が当選されることを願っています。

 

188万筆  超保険証の存続で署名が集まる/世田谷区・渋谷区は「資格確認書」の一斉送付を決断

188万筆 超保険証の存続で署名が集まる/世田谷区・渋谷区は「資格確認書」の一斉送付を決断

保険証の存続を求める集会が4月および5月に行われた。424日の「保険証を返せ!医療機関の危機を打開せよ!」国会内集会は160名が、515日の「保険証を使い続けたい!」署名提出集会には420名が参加した。

参加者からの報告や発言で浮き彫りになったのは、マイナ保険証のトラブルは終息していないこと、また、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」をマイナ保険証の有無に応じて区別して発行する保険者側にも、大きな負担がかかっていることである。

オンライン資格確認システムの導入義務化により、多くの医療機関に金銭的な負担が生じているが、保険者からも「数億単位のコストがかかっている」という報告が上がっている。マイナ保険証に関するセキュリティや紛失リスクへの不安を抱えている患者もおり、健康保険証の存続を求める声が累計1885,594筆という署名筆数に如実に現れた。

◆現場の声で「資格確認書」を一斉送付

こうした中、概ね9月末で健康保険証の有効期限が切れる国保に大きな動きがあった。

世田谷区と渋谷区が、マイナ保険証の有無にかかわらず、「資格確認書」を全員に一斉送付することを決定した(下記図参照)。その決断の背景には、何よりもまず、区民の不安への配慮、75歳以上の後期高齢患者に資格確認書を一斉に配布していることとの整合性、また、問い合わせに対応する職員の業務負担増の問題への対応などがあるようだ。

結局のところ、健康保険証とマイナ保険証を併用する現在の仕組みが最も合理的といえる。協会は引き続き、健康保険証の存続を強く求めていく。

 

保険でより良い歯科医療を/署名提出への”4ステップ”  会員6,000人の「声」で要求実現を

保険でより良い歯科医療を/署名提出への4ステップ

◆「う蝕は減っている」といえるのか

歯科の現状を考える上で、「患者の口腔内がどうなっているのか」ということに焦点を当ててみる。概ね24歳まで、う蝕の有病率は年々減少傾向にあるが、3554歳にかけては有病率100%になる傾向は改善されていない(図1)。仕事や家事、育児などにより多忙となり、口腔のメインテナンスが後回しにされている可能性が高い。

また、高齢者の有病率増加は、8020の推進の結果、残存歯が多くなり、根面う蝕が増加していることがうかがえる。

◆家計が厳しいと患者は受診をやめる

物価上昇に賃金上昇が追い付いていないといわれて久しい。低所得者になるほど医科よりも歯科治療費を切り詰める傾向がある。経済的な理由による治療の中断は、他の調査でも示されている(表1)。この調査では、中断の理由として約7人に1人が「金銭的に余裕がなかった」ことをあげている。

患者は、家計が苦しくなると歯科治療の継続を諦め、医療機関においては患者数が一定程度減る可能性を示唆するものである。患者が歯科医院を受診しなければ、口腔の健康は守れない。

◆会員6,000人で取り組もう

協会は、患者の負担軽減と歯科医療費の総枠拡大などを求める「保険でより良い歯科医療の実現を求める」請願署名を集めて、本通常国会へ提出する活動を行っている(図2・3 参照)。

図3 署名用紙

署名用紙、返信用封筒をご希望の方は、お申し込みフォームまたは電話(運動本部:03-3205-2999)までご連絡ください。

OTC類似薬の見直しで起きる歯科の影響/痛み止め・軟膏・うがい液へ波及必至

類似薬の見直しで起きる歯科の影響/痛み止め・軟膏・うがい液へ波及必至

2025年度予算が3月31日に成立した。これに先立って行われた自公維の三党合意の内容には、社会保険料の負担引き下げを目的とした国民医療費の4兆円削減が含まれ、具体策の筆頭に「OTC類似薬の保険給付のあり方の見直し」が掲げられている。OTC類似薬をめぐる議論は国会でも始まったばかりだが、ここでは歯科への影響について考察する。

【意外と多い歯科でのOTC類似薬】

医薬品を大きく分けると、①医療用医薬品、②要指導医薬品や一般医薬品などのOTC医薬品―に分類される(図1)。違いの一つは、患者への提供方法であり、①は医師や歯科医師の処方、または処方箋の交付により患者へ薬が提供されるのに対し、②は、薬剤師や医薬関係者から提供された情報に基づき、処方箋なしに患者が薬局やドラッグストアなどで購入できる。

OTC類似薬の定義は明確にされていないが、OTC医薬品で販売されている成分を含んだ医療用医薬品を指すと考えられる。今回の見直しはOTC類似薬を保険から外し、ドラッグストアなどで一般医薬品などとして患者自らが購入することを目指している。歯科領域で考えると、消炎鎮痛剤、軟膏、うがい液などが保険給付外になる可能性を含んでいる。

【保険給付外で増える患者負担額】

OTC類似薬を保険給付外にすると、どの程度、患者の窓口負担が増えるのだろうか。ロキソプロフェンナトリウム60mg錠を頓服で5錠処方した場合を例に考えてみる。薬価は10.1円のため1 錠あたり1点、5錠では5点である。院内処方の場合、処方料42点、調剤料11点、および薬剤情報提供料4点も加わって合計は62点となる。患者の負担金は、3割負担では190円、2割負担で120円、1割負担では60円という試算になる。

一方、ロキソニンS(12錠)のメーカー小売価格は768円のため、5錠では320円である。3割負担の患者では130円分、2割負担で200円分、1割負担の患者では260円分増える試算になる。そのため、特に現役並みの所得がない1割負担または2割負担の高齢者において、より大きな負担増になる。また、子どもについても、東京都の場合は公費負担により通院時の自己負担は無料、または200円が上限となっているが、大人と同様に薬に関する自己負担が生じることになる。

【負担増による受診抑制の懸念】

歯科として懸念すべき点は、窓口負担の増加と患者の負担感の高まりによっておきる受診抑制である。歯科診療代は所得弾性値が高い。家計調査を基に総世帯の年間収入別の診療費をみると、医科は収入が減っても診療費がほぼ変わらないが、歯科の診療費は顕著に下がる(図2)。

そのため、OTC類似薬の保険給付外により窓口負担が上がれば、受診抑制が起きる可能性がある。これでは、国民の口腔の健康は守れない。

▼口腔の健康を守ることこそ歯科医師の役目

口腔の健康を守ることこそ、歯科医師の役目である。協会は、受診抑制や口腔状態の悪化に繋がる動きに大きな関心を持ち、行政や国会議員に適切な対応を求めていく。

来年7月まで全ての後期高齢者に資格確認書/アナログ・デジタル併用が1年延長

来年7月まで全ての後期高齢者に資格確認書/アナログ・デジタル併用が1年延長

◆保険証存続を求める要求  一歩前進か

4月3日に行われた社会保障審議会医療保険部会では、20257月末に有効期限が切れる後期高齢者の健康保険証への対応が検討された。マイナ保険証の利用率は2月時点で26.62%と低調で、85歳以上の利用率は特に低い。医療保険部会では、資格確認書の発行申請が区市町村窓口に殺到する恐れがあるため、マイナ保険証の有無に関わらず全ての後期高齢者に資格確認書を交付する運用を、267月まで継続することが了承された(図1)。

これにより、マイナ保険証がある後期高齢者は、来年7月まで登録解除申請をしなくても資格確認書が発行され、それを使えるようになる。協会は、アンケート調査などから医療現場の混乱を明らかにし、アナログとデジタルの併用を念頭に健康保険証の存続を求めてきたが、一歩前進したといえる。今後、有効期限が切れる国保や社保の加入者に対しても、同様の対応を求める必要がある。

◆電子証明書の更新件数今年は2.57倍に

2025年度に懸念されているのが、マイナンバーカードの電子証明書の更新件数の増加である。5年ごとに電子証明書の更新手続きが必要であるが、24年度は1,076万人だったものが、今年度は2,769万人と対象者が1,693万人も増加する。

電子証明書の更新手続き自体は簡便で、①有効期限の23カ月前に通知書が送付され、②マイナンバーカードなどを持って区市町村窓口に行って手続きをする。更新を忘れると、マイナ保険証は使用できなくなるが、資格確認書が発行される。マイナ保険証の猶予措置も設けられており、有効期限終了後も薬剤などの情報取得はできないが、最大で4カ月間は資格確認ができる。

したがって、更新に関する問い合わせが医療機関の窓口で増える可能性があり、事務負担増加が懸念される。それなら、少なくとも当面は全員に対してマイナ保険証の有無に関わらず資格確認書を発行すべきだが、発行するコストを考えれば、健康保険証を残してアナログとデジタルの併用を続けた方が患者も安心であろう。

協会は引き続き、健康保険証の発行終了に伴う問題点を明らかにし、今後も行政に要求していく。

マイナ保険証/スマホ搭載時期を検討  「●」などトラブル対策は進展なし

マイナ保険証/スマホ搭載時期を検討 「●」などトラブル対策は進展なし

4月3日に行われた社会保障審議会医療保険部会では、マイナ保険証のスマホ搭載や、次なる規格の顔認証付きカードリーダーについて検討された。しかし、協会などが行ったアンケート調査で明らかになった「が出る」「資格が無効と表示される」など、医療機関の負担増加につながっているトラブル対策への新たな提案はなかった。

◆スマホ搭載早ければ8月に

今年6月頃より、病院3施設、医科診療所4施設、歯科診療所2施設、薬局2施設程度でスマホ搭載の実証実験を行い、早ければ8月より運用を開始する。読み取りに必要な汎用カードリーダーも示された図1)

汎用カードリーダーの導入は医療機関の任意とされ、義務ではない。これまでのオンライン資格確認システムで起きた混乱を考えれば任意の導入は当然だが、導入済み・未導入の医療機関が混在する。厚労省は、初めて医療機関を受診する際はマイナ保険証も持参するよう呼びかける予定としているが、国民に十分周知できるかが重要である。

なお、今後は導入に対する補助が検討される予定だ。

◆次期カードリーダー現状のトラブル解決できず

さらに、20263月末から現在の顔認証付きカードリーダーが保守期限を随時迎えることを受け、次期顔認証付きカードリーダーの規格も検討された。新しい仕様を決めた後にメーカーを公募し、26年夏頃からの販売開始を見込んでいる図2

仕様をみると、汎用カードリーダーがなくてもスマホを読み取れる機能が加わっている。そのため、汎用カードリーダーを購入すべきか、または次期顔認証付きカードリーダーへの買い替えで対応すべきか、導入費用を負担する医療機関としては、判断に迷うところであろう。厚労省は、助成金もセットで提案するなど分かりやすく適切な提案をすべきである。

また、今回の提案では、「が出る」や「新しい資格情報が反映されず、無効と表示される」といった今現在、医療機関を悩ませているトラブルへの対応策は示されていない。新しい機器を検討することも良いが、まずは現行の顔認証付きカードリーダーで起きている問題に向き合うべきではないのか。

協会は引き続き、現場の声を集め、行政に届けていく。