「患者紹介」トラブルとリース契約の注意点/機関紙2015年1月1日号(№538号)より

「患者紹介」トラブルとリース契約の注意点/機関紙2015年1月1日号(№538号)より

 

質問 「スマートフォンを使った患者紹介を行う」ということをうたった業者とトラブルになっている先生がいる…。といった話を聞いた。どういったことか。

回答 協会に相談が寄せられている事例では、「スマートフォンを使って患者紹介」を謳い、紹介サービス提供の前提として関連機器とされる物件のリース契約を結ばせ、契約締結後にその業者が「倒産」してしまったそうです。その結果、業者からのサービス提供がなくなったにも関わらず、リース契約は継続しているので、リース料金は今後も払い続けなければならない、という状況に置かれています。くれぐれも業者の甘い言葉に惑わされないよう、リース契約の原則的な取り扱いにご注意ください。

 

質問 それでは、そもそもリース契約とはどういったものか。

回答 「リース」といえば一般的には「ファイナンス・リース」を指します。これは、ユーザー(賃借人)が選択した物件を、リース会社(賃貸人)がユーザー指定のサプライヤー(販売会社)から取得して、それを賃貸するものです。このため、機器の導入で多額の経費が必要な場合でも、リースを活用することで月々一定額のリース料金の支払いで対応できることになります。このため、新規開業やリフォームの際、単年度の投資額を抑えることが可能となります。また、タイムリーに最新鋭の機器を利用できたり、金融機関の借入枠を温存できるといった特徴があると言われています。

 

質問 リース契約のデメリットはあるのか?

回答 リース契約の原則として、①リース料金はリース会社が全額回収する、②ユーザーは中途解約ができないという大原則があります。最初のご質問のケースではこれらのデメリットにより、当初約束されたサービスが受けられない一方で、リース料金の支払義務が残ったものと考えられます。このほか、ユーザーによるリース物件の保守・修繕義務がある、リース会社のリース物件危険負担、瑕疵担保責任が免責されていることなどが挙げられます。リース契約締結の際は、契約内容をよく確認することをお勧めします。