医療広告のガイドラインについて/2020年1月号掲載(No.598)

医療広告のガイドラインについて/20201月号掲載(No.598 

質問1 一般財団法人日本消費者協会から、「貴医療機関のウェブサイトに関する注意喚起について」という通知が届いた。ホームページの内容がガイドラインに抵触しているとのことだが、どのようにしたらいいか。

回答1 医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針 (医療広告ガイドライン)」が定められており、それに即したものを作成する必要があります。ガイドラインには限定的に認められた事項以外は、原則として広告を禁止すると記載されています。禁止されている内容は

①比較優良広告、②誇大広告、③公序良俗に反する内容の広告、④患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告、⑤治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告―とされていますので、以上の項目に抵触しない広告を作成する必要があります。2018年の6月からはホームページも広告の対象とされ、厚労省が委託事業として「医療機関ネットパトロール」を実施しております。今回はそちらのパトロールでホームページが確認され、通知が届いたのだと思われますので、指摘があった箇所を訂正し、ガイドラインに即した内容に変更してください。 

質問2 ホームページなどで、患者さんの治療経過を掲載しようと思うのだが、ガイドラインには抵触しないだろうか。また、ガイドラインに即した内容であれば近隣にポスティングしていいか。

回答2 患者さんの治療経過などは医療広告ガイドラインの禁止広告の「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告」に該当しますので、基本的には禁止されていますが、写真と一緒に、通常の必要な治療の内容や、費用に関する情報、治療の主なリスク・副作用などといった詳細な説明があれば掲載も可能とされています。リスクの説明などを小さく表記するなど、患者側があえて見づらくするような表記はガイドラインに抵触する可能性が高いので、注意が必要です。ポスティング行為自体は、ガイドラインや法律により規制はされておりませんが、記載内容をガイドラインに即したものにしていても、近隣の他の医院から苦情などが寄せられる可能性もあるため、内覧会や従業員の募集以外の場合は、慎重に実施する必要があります。医療広告のガイドラインに抵触しているかどうかの判断は、内容がそれぞれ異なり、一律に判断することが難しいため、少しでも不安があれば、所管の保健所までご相談ください。