採用の定着~職場環境の整備を~/2019年5月号掲載(No.590号)

採用の定着~職場環境の整備を~

質問1 新しく採用した従業員がすぐ辞めてしまうのだが、どうしたら良いのか。

回答1 厚生労働省の調査によると、大卒新入社員の3人に1人が3年以内に退職しています。協会にも「採用」をはじめ労務に関する相談が多く寄せられています。従業員採用・定着については、明確な解答がない分、非常に難しく、事業主側は常に頭を悩ませています。では、従業員を上手く指導して離職を防ぐ手立てを講じるにはどうしたら良いか考えてみましょう。

1、採用前とのギャップ防止/やはり、採用前に診療所をよく知ってもらうことが重要です。募集をかける時も、仕事内容、習得できるスキルなど、具体的な記載をすると良いでしょう。診療所の特色を理解して採用に繋がった従業員は「思っていたのと違う」ということは少ないでしょう。

2、従業員を知る/これから一緒に仕事をしていく上で重要なのはチームワークです。従業員のやる気を促すには、相手の事をよく知り円滑な人間関係を築くようにしましょう。

3、失敗できる場を作る/たとえ失敗しても致命的なダメージを受けない場を用意しましょう。「失敗から学べ」とは、昔からよく言われる言葉ですが、立ち直れるチャンスがあってこそです。以上の内容は、あくまでも一例として参考にしていただき、各診療所で創意工夫して対応してください。

 

質問2 従業員が出産や介護などで退職してしまう。再度、採用するにはお金がかかるが、何か良い方法はないか。

回答2 職場環境を支援する取り組みの中に国の助成金があり、生活と仕事の両立を実現しようとする取り組みをしています。助成金とは、採用・環境改善などさまざまな雇用関係の改善を行う企業に対して、一定の要件を満たした場合に国から支給される返済不要なものをいいます。詳しくは、厚生労働省や各自治体のホームページをご参照ください。助成金活用には、表1のような基本的な要件を満たした事業所が対象になります。

なお、年度(4月1日~翌年3月31日)で区切って助成金の新設や廃止が決定されるため、次年度分は改定される場合もありますので、確認が必要となります。

※注意/助成対象の診断および受給額の無料査定をするといった記載の書面を一方的に送付することによって、助成金の活用を勧誘する業者の情報が寄せられています。厚生労働省や労働局、ハローワークは、このような勧誘に関与していませんので、充分にご注意ください。