文科省が私学助成金交付に関し定員割れにも査定

6月23日(土)の毎日新聞朝刊1面「私学健全化へ罰則強化」の内容が波紋を呼んでいる。罰則強化を進める対象は私学となっているため、関係者の間からは、「当然ながら、私立歯科大学も対象に入るため、検討対象になる歯科大が出てくるのではないか」との観測が流れている。

毎日新聞の記事によると、①営法人の財務内容を公開していない学校に対しては、助成金削減幅を、これまでの1%から5%に拡大する、②学生数や就職状況の情報を公開していない場合は3%~5%削減幅を引き下げる、③経営上の問題から助成金を交付されなかった法人が再度、助成金満額受給を受けるため、従来5年間だった経過期間を7年とする、④定員をオーバーして入学させている大学への助成金も削減幅を大幅に拡大する―などが計画されているという。さらに、金融投資で損失を出したり、学生数が定員を大幅に割り込んだりしている大学を調査中で、法令違反があれば、学校教育法に基づく解散命令を視野に入れている。

去る6月16日開催の当協会第40回定期総会のシンポジウムの中でシンポジストの一人を務めた川渕孝一・東医歯大大学院教授は、「現在、歯科が抱えている問題の多くの基本的課題は、歯科医師需給問題に帰結するのではないか。この点について結論が出せずにいるのが大きなネックだと個人的は思う」と指摘している。