75歳以上の窓口負担2割化 窓口対応の注意点

 75歳以上で一定の所得がある患者の負担割合が、10月より1割から2割に引き上げられる。レセプト記載や負担金の受領方法も一部変更になるため、注意点を解説する。

▼水色の被保険者証を確認
 10月からの負担割合変更に伴い、すべての75歳以上の後期高齢者に対して、9月に新しい被保険者証(東京都の場合は水色)が発行されている。10月以降に診療をする際には、窓口で水色の被保険者証の確認をする必要がある。
 また、レセプトの特記事項欄の記載も一部変更されるため、10月診療分以降の請求の際には、注意が必要である。

▼3,000点超えから上限額を計算
 窓口負担については、負担金の増加額の上限を3,000円までに留める配慮措置が、2025年9月まで設けられている。そのため、医療機関では診療毎に1月当たりの合計点数等を計算した上で当日の負担金を受領する必要がある。レセコンメーカー側でも対応する予定となっているが、①1月の合計点数が3,000点を超える場合は上限額が「3,000円+(1カ月の合計点数)×1円」、②1月の合計点数が1万5,000点を超える場合は上限額が高額療養費制度の上限である1万8,000円となり、上限額を超えないように負担金を受領する。特に、上限額に達した場合は、1円単位での受領に変わるので注意が必要である。
 紙レセプト請求をしている医療機関の場合は、院内掲示などを行った上で、配慮措置をせずに高額療養費制度の上限額である1万8,000円まで2割負担で請求することが可能とされている。

 この場合は、診療報酬請求書およびレセプトの上部余白に「2割」と朱書きすることで、配慮措置をせずに受領していた分の差額が、患者自身が事前に登録した口座へ概ね4カ月後に払い戻される。しかし、患者にとっては一時的に負担が増えることになるため、配慮措置をしない判断は紙レセプト請求の医療機関にとって難しい。
 なお、複数の医療機関を受診している場合は、合算した1月当たりの負担増の上限を3,000円とする配慮措置もあるが、こちらは超えた分が自動的に後日患者の口座へ払い戻される。なお、口座が登録されていない患者には、9月中旬に申請書が郵送されている。

▼処方箋の記載も変更
 10月以降に処方箋を発行する場合には、処方箋の備考欄に、1割負担の患者は「高一」ではなく「高9」と記載し、2割負担の患者は「高8」、3割負担の患者は「高7」と記載する。