経営・税務相談Q&A No.445「『同一』って何だ!? 10月改正のパートタイム・有期雇用のルール」

経営・税務相談Q&A No.445「『同一』って何だ!? 10月改正のパートタイム・有期雇用のルール」

Q1 同一労働同一賃金の概念をもう少し詳しく教えて欲しい。

A1 正社員とパートタイム社員の給与を、必ずしも同一の水準にしなければならないというものではありません。したがって、「同一」=「同額」ということではありません。  重要なのは、職務内容および職務内容・配置の変更の範囲が同じ場合に差別的な取り扱いをしない「均等待遇」と、雇用形態の違いを理由とした不合理な待遇差を設けない「均衡待遇」の実現を図ることです。

Q2 「均等待遇」とはどのようなことですか。

A2 「通勤手当」を例にします。「通勤手当」の要件を、通勤にかかる交通費に対して支給する手当とします。そして、電車で通勤している正社員のAさんと、パートタイム社員のBさんを雇用しているとします。この場合、「正社員だから通勤手当を支給するが、パートタイム社員だから支給しない」という取り扱いは、雇用形態の違いだけを理由とした待遇差となるため、認められません。つまり、同じように通勤にかかる費用が発生しているのであれば、正社員とパートタイム社員であることだけを理由に、通勤手当の支給に差を設けることは、不合理な待遇差となり認められません。

Q3 「均衡待遇」とはどのようなことですか。

A3 「賞与」を例にします。「賞与」の支給要件を「役職に就いて管理する立場にあること」および「勤務状況(勤務日数や勤務時間)および皆勤度」の2つの項目を就業規則で定めているとします。役職である正社員のAさんと、役職ではないパートタイム社員(週3日勤務)のBさんでは、職務内容および勤務状況に違いがあります。その場合、賞与に差を設けるのであれば「正社員」「パートタイム」という雇用形態の違いではなく、職務内容や勤務状況などの違いを踏まえ、その違いに応じて賞与の支給額に差を設けることは、不合理な待遇差とはならない場合があります。なお、労働基準法上に賞与の支給義務は規定されていません。  繰り返しになりますが、「支給する・しない」の100か0かで判断するのではなく、支給の目的やスタッフの勤務実態、貢献度などを踏まえて、合理的な支給方法を検討することが大切です。  最後に、ここがポイントです。同じ職務内容や貢献度であるにもかかわらず、「雇用形態が違うから」という理由だけで、例にもあったように、正社員のAさんには手当を支給し、パートタイム社員のBさんには支給しない、という取り扱いは認められません。先生自身が、「その手当を何のために設けているのか」という支給の目的を明確にしておくことが重要です。  そして、スタッフから「なぜ自分には支給されないのですか?」と聞かれた場合にも、雇用形態だけを理由にするのではなく、実際の職務内容や勤務状況などに応じて、きちんと説明できることが大切です。