都に歯科医療施策の充実を要請 DX、人材確保など現場の課題を訴える
協会は8月26日㈬、東京都庁で東京都の保健医療局、福祉局に対し、2027 年度東京都予算に向け、歯科医療施策の充実などを求めて要請した。協会からは早坂美都会長、小林顕理事、矢野正明理事が参加した。妊産婦の歯科受診支援、子ども医療費助成制度の拡充、医療資材不足の対策、医療DX化への支援、在宅歯科医療の取り組み、歯科人材の確保など15項目について、現場の実情を交えながら意見交換を行った。
◆子ども医療費の自己負担の有無でコンビニ受診は確認できず
子ども医療費については、自治体によって窓口負担の有無に差が残っていることを指摘し、都による財政支援と、国による全国一律の医療費助成制度の創設を求めた。都は、2025年10月から子ども医療費助成に対する所得制限を撤廃した一方、1回200円の自己負担の有無は各自治体の判断としていると説明した。また、国に対しては医療費助成制度の創設を求めていると回答した。矢野理事より、自治体から、自己負担をなくすと「コンビニ受診」が増えるとの指摘があるが、東京都は根拠を確認しているのかとただしたところ、都は関連する資料を把握していないとした。
◆医療資材供給不安に都で指針を
医療資材の供給不安については、保団連関東ブロックが実施したアンケートで、医療用手袋などの不足により診療への影響が生じた実態があるという回答を示し、都による備蓄・供給体制の整備を要望した。都は、国による備蓄放出などで供給状況は改善傾向にあるとの認識を示した。小林理事は、個々の医院では使用期限のある医療資材の在庫を持つことに限界があることを訴え、新たな感染症の流行や国際情勢による急激な需要増も想定して、都が一定の指針を示し区市町村と連携して備える仕組みを検討するよう求めた。
◆自治体によるPMHの整備遅れ要因は、ベンダーの人的リソース不足
医療DXをめぐっては、小規模な歯科診療所にとって、設備投資やセキュリティー対策、ランニングコストが大きな負担となっていることを訴え、歯科の実情に即した支援を求めた。また、医療費助成情報のオンライン資格確認(PMH)について、自治体によって対応状況に差があり、医療機関側がシステムを整備しても紙の医療証との併用が必要な状況があることを指摘した。都は、自治体への技術的支援および財政支援を行っているものの、国が進めている特別区の基幹システム標準化への対応が優先され、ベンダーの人的リソース不足が導入の遅れにつながっていると説明した。早坂会長から、自治体によって導入状況に差があると、患者も医療機関も混乱するため、統一的な導入スケジュールの共有、しんちょく確認など、円滑に普及させるための包括的な支援を求めた。
◆在宅歯科医療や人材確保の取り組みにもより一層の充実を
「東京都在宅歯科医療設備整備事業」について、補助額や補助対象、研修要件の見直しを求めた。都は、当初30施設程度を想定していた申請が、現在は約90件に増えており、これ以上の予算確保が厳しい現状を示し、当面は現在の要件で事業を継続する考えを示した。協会は、摂食・嚥下機能の評価に有用な嚥下内視鏡を補助対象とすることや、指定研修の開催回数を増やすことなどを改めて要望した。
歯科衛生士の確保では、復職支援のための研修センター設置を求めた。都は専用施設の設置には踏み込まなかったものの、養成数に比べ就業率が伸び悩んでいるとの認識を示し、復職支援に力を入れると回答。研修の周知については、都のSNS活用も検討するとした。
また、歯科技工士については、小規模・零細な歯科技工所を含めた実態把握や、設備投資・デジタル化への支援を求めた。都は学生支援や復職支援などの取り組みを説明した。
都議会各会派にも要望
東京都保健医療局、福祉局との意見交換を踏まえ、都議会各会派にも27年度東京都予算に向けた要望について説明し、意見交換を行った。
◆厳しい経営環境について懇談 ー日本共産党ー
8月28日㈮は、日本共産
党都議団と懇談を実施。議員3人が参加し、協会からは早坂会長、矢野理事が参加した。物価高騰や医療材料の不足、医療DXに伴う負担など、歯科医院を取り巻く厳しい経営環境について幅広く意見交換した。協会からは、材料費などの高騰に加え、デジタル化に伴う導入・維持費も重なり、閉院を選択するケースも増えていることを紹介し、地域医療を守るための支援を求めた。さらに、歯科衛生士不足や歯科訪問診療、子どもの医療費助成などについても議論を深めた。
◆妊産婦への歯科健診について懇談 ー国民民主党ー
9月2日㈬は、国民民主党東京都議団と懇談。議員9人が参加し、協会からは早坂会長、小林理事が参加した。妊産婦への歯科健診について、妊娠期だけでなく産後も無料で受診できる体制の必要性を訴えた。産後は育児のため自身の受診を後回しにするケースもあることから、ベビーシッターの派遣や一時保育の充実なども求めた。また、歯科衛生士不足について、離職後の復職には技術や知識を学び直す機会が必要であることを説明。都議団からは、今回の要望を都政に反映していきたいとの発言があった。
◆歯科におけるカスハラ対策を訴え ー都民ファーストの会ー
9月8日㈫は、都民ファーストの会東京都議団と懇談し、議員3人が参加。協会からは早坂会長、矢野理事が参加した。医療機関におけるカスタマーハラスメント対策を中心に意見交換を行った。診療時の録音・録画はトラブルの抑止や事故発生時の検証にも役立つとして、防犯カメラなどの導入支援を要望した。議員から、既存のカスタマーハラスメント防止対策推進事業の企業向け奨励金が、次回の受付では件数を拡大するため、利用してはどうかと意見があったが、小規模な歯科医院では申請手続き自体が負担となることを説明し、医療機関に特化した利用しやすい制度の必要性を訴えた。
協会は今後も、東京都、都議会各派への要望、懇談を行い、歯科医療現場の実態を踏まえた支援の具体化を求めていく。
◆子ども医療費の自己負担の有無でコンビニ受診は確認できず
子ども医療費については、自治体によって窓口負担の有無に差が残っていることを指摘し、都による財政支援と、国による全国一律の医療費助成制度の創設を求めた。都は、2025年10月から子ども医療費助成に対する所得制限を撤廃した一方、1回200円の自己負担の有無は各自治体の判断としていると説明した。また、国に対しては医療費助成制度の創設を求めていると回答した。矢野理事より、自治体から、自己負担をなくすと「コンビニ受診」が増えるとの指摘があるが、東京都は根拠を確認しているのかとただしたところ、都は関連する資料を把握していないとした。
◆医療資材供給不安に都で指針を
医療資材の供給不安については、保団連関東ブロックが実施したアンケートで、医療用手袋などの不足により診療への影響が生じた実態があるという回答を示し、都による備蓄・供給体制の整備を要望した。都は、国による備蓄放出などで供給状況は改善傾向にあるとの認識を示した。小林理事は、個々の医院では使用期限のある医療資材の在庫を持つことに限界があることを訴え、新たな感染症の流行や国際情勢による急激な需要増も想定して、都が一定の指針を示し区市町村と連携して備える仕組みを検討するよう求めた。
◆自治体によるPMHの整備遅れ要因は、ベンダーの人的リソース不足
医療DXをめぐっては、小規模な歯科診療所にとって、設備投資やセキュリティー対策、ランニングコストが大きな負担となっていることを訴え、歯科の実情に即した支援を求めた。また、医療費助成情報のオンライン資格確認(PMH)について、自治体によって対応状況に差があり、医療機関側がシステムを整備しても紙の医療証との併用が必要な状況があることを指摘した。都は、自治体への技術的支援および財政支援を行っているものの、国が進めている特別区の基幹システム標準化への対応が優先され、ベンダーの人的リソース不足が導入の遅れにつながっていると説明した。早坂会長から、自治体によって導入状況に差があると、患者も医療機関も混乱するため、統一的な導入スケジュールの共有、しんちょく確認など、円滑に普及させるための包括的な支援を求めた。
◆在宅歯科医療や人材確保の取り組みにもより一層の充実を
「東京都在宅歯科医療設備整備事業」について、補助額や補助対象、研修要件の見直しを求めた。都は、当初30施設程度を想定していた申請が、現在は約90件に増えており、これ以上の予算確保が厳しい現状を示し、当面は現在の要件で事業を継続する考えを示した。協会は、摂食・嚥下機能の評価に有用な嚥下内視鏡を補助対象とすることや、指定研修の開催回数を増やすことなどを改めて要望した。
歯科衛生士の確保では、復職支援のための研修センター設置を求めた。都は専用施設の設置には踏み込まなかったものの、養成数に比べ就業率が伸び悩んでいるとの認識を示し、復職支援に力を入れると回答。研修の周知については、都のSNS活用も検討するとした。
また、歯科技工士については、小規模・零細な歯科技工所を含めた実態把握や、設備投資・デジタル化への支援を求めた。都は学生支援や復職支援などの取り組みを説明した。
都議会各会派にも要望
東京都保健医療局、福祉局との意見交換を踏まえ、都議会各会派にも27年度東京都予算に向けた要望について説明し、意見交換を行った。
◆厳しい経営環境について懇談 ー日本共産党ー
8月28日㈮は、日本共産
党都議団と懇談を実施。議員3人が参加し、協会からは早坂会長、矢野理事が参加した。物価高騰や医療材料の不足、医療DXに伴う負担など、歯科医院を取り巻く厳しい経営環境について幅広く意見交換した。協会からは、材料費などの高騰に加え、デジタル化に伴う導入・維持費も重なり、閉院を選択するケースも増えていることを紹介し、地域医療を守るための支援を求めた。さらに、歯科衛生士不足や歯科訪問診療、子どもの医療費助成などについても議論を深めた。
◆妊産婦への歯科健診について懇談 ー国民民主党ー
9月2日㈬は、国民民主党東京都議団と懇談。議員9人が参加し、協会からは早坂会長、小林理事が参加した。妊産婦への歯科健診について、妊娠期だけでなく産後も無料で受診できる体制の必要性を訴えた。産後は育児のため自身の受診を後回しにするケースもあることから、ベビーシッターの派遣や一時保育の充実なども求めた。また、歯科衛生士不足について、離職後の復職には技術や知識を学び直す機会が必要であることを説明。都議団からは、今回の要望を都政に反映していきたいとの発言があった。
◆歯科におけるカスハラ対策を訴え ー都民ファーストの会ー
9月8日㈫は、都民ファーストの会東京都議団と懇談し、議員3人が参加。協会からは早坂会長、矢野理事が参加した。医療機関におけるカスタマーハラスメント対策を中心に意見交換を行った。診療時の録音・録画はトラブルの抑止や事故発生時の検証にも役立つとして、防犯カメラなどの導入支援を要望した。議員から、既存のカスタマーハラスメント防止対策推進事業の企業向け奨励金が、次回の受付では件数を拡大するため、利用してはどうかと意見があったが、小規模な歯科医院では申請手続き自体が負担となることを説明し、医療機関に特化した利用しやすい制度の必要性を訴えた。
協会は今後も、東京都、都議会各派への要望、懇談を行い、歯科医療現場の実態を踏まえた支援の具体化を求めていく。



