「勝負は最高裁へ」 オン資義務化撤回訴訟
オンライン資格確認の義務化にあたり、全国の医師・歯科医師1千230人が国を訴えた裁判の判決が9月16日㈬、東京高等裁判所で言い渡され、三木素子裁判長は原告の控訴を「棄却」した。
原告団は高裁前で「不当判決」「勝負は最高裁へ」の垂れ幕を掲げた。原告は判決を不服として上告する予定。
判決にあたっては、原告団副団長で当会副会長の坪田有史氏ほか、原告で同会長の早坂美都氏、同理事の橋本健一氏ら原告24人が出席。保団連、各協会・医会からの傍聴者を含めると90人を超え、原告席と傍聴席はほぼ満杯になった。
原告は、2023年2月22日に保険医療機関にはオンライン資格確認を行う義務がないこと、そのための必要な体制を整備する公法上の義務もないこと―の2点の確認と、原告1人当たり10万円の国家賠償請求を求めて提訴したが、24年11月28日に原告の請求が棄却されていた。
控訴審で原告は、「保険医療機関は、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない」の療養担当規則の一文について、「担当」するのは医療サービスそのものであり、資格確認の方法までは含まれないと主張した。
しかし、高裁判決では「保険給付に付随する各種の事務等も含まれるものと解するのが相当であり、控訴人らの主張は採用することができない」と請求を棄却した。
なお、判決文のうち「裁判所の判断」が記載された部分は1審の12ページとほぼ同じ14ページのみであった。
本件の意義「問われているのは民主主義下での立法機関による行政の統制」
原告は控訴にあたり、本件で問われているのは、マイナ保険証の是非そのものではなく、法律に根拠のない義務付けを行政が省令によって行うことを、司法が許容するかどうかであると主張。法律の条文に手がかりがなく、委任の趣旨も認められない事項について、行政機関が国民に義務を課すことができるとすれば、国民の代表機関であり国の唯一の立法機関である国会による統制が及ばない領域を行政に認めることになる。それは民主主義の仕組みに反するため、控訴審が原判決の誤りを正すことを求めていた。
小雨が降る判決の日,東京高等裁判所101号法廷の原告団席で開始を待った.裁判官が入廷して「起立・礼」、裁判長が判決を述べられ、裁判官が退廷する際の「起立・礼」まで1分もかかっていなかった。「棄却」の結果に加え,その時間の短さに「寂しさ」と「冷たさ」を同時に感じた。日々、医療現場で診療、治療に真摯に向き合っている我々に、国は何を求めて医療機関に負担を強いているのであろう。最後のステップである最高裁で明確な回答を求めたい。
原告団 副団長 坪田有史



