【教えて!会長!! Vol.79】 エンドクラウンについて

【教えて! 会長!! No.79】 エンドクラウンについて 

◆大臼歯CAD/CAM冠(エンドクラウン)とは。

 本年1月日に開催された厚生労働省の医療技術評価分科会で、「大臼歯CAD/CAM冠(エンドクラウン)︶﹂が﹁診療報酬改定において対応する優先度が高い技術」と判定されました。この判定により、2024年度改定で「大臼歯CAD/CAM冠(エンドクラウン︶﹂が保険収載される可能性が高くなりました。なお、本技術は既存のCAD/CAM冠の適応拡大として、公益社団法人日本補綴歯科学会が医療評価提案書として昨年6月に厚労省に提出しています。 

提案書に記された内容を一部改変して以下に示します。

◆中医協で「大臼歯CAD/CAM冠について、要件を見直す」とされていましたが。

 協会から厚生労働省が公募した「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に関するパブリックコメントで、本件に関連したコメントを提出しました。

「歯科用金属アレルギー患者以外の第一大臼歯CAD/CAM冠の現行の算定要件は明確なエビデンスに裏付けられていない要件であり、歯科医師の裁量権が制限されていて問題である。一方、医療技術評価提案書に対して、『大臼歯CAD/CAM冠(エンドクラウン)』が診療報酬改定において対応する優先度が高い技術とされている。これまでの議論の整理(案)では、『大臼歯CAD/CAM冠について、要件を見直す』とあるが、エンドクラウンを保険収載することのみを指しているのであれば承服できない。対合が義歯などで咬合力が低くCAD/CAM冠の強度に不安がないケースなど、歯科医師の診断ならびに裁量権に基づく算定要件の緩和が必要である」という内容です。

厚労省が「骨太の方針」にしたがって、金パラの代替材料による歯冠修復を推進することに対して、協会は全面的な反対はしていません。しかし、患者・国民の安心・安全のためにエビデンスが低い技術の保険収載には慎重であるべき、また歯科医師の裁量権を制限する算定要件を緩和すべきと、今後も意見していきます。

 

東京歯科保険協会

会長  坪田有史

(東京歯科保険医新聞20242月号8面掲載)