【IT相談室】 歯科医院の効果的なチャットアプリ活用と労働基準法の遵守 その2

今回は、「歯科医院の効果的なチャットアプリ活用と労働基準法の遵守」の2回目です。まず第1に、歯科医院でどのようにチャットアプリを運用すべきかを考えます。そして第2に、チャットアプリの運用上の注意点をご紹介します。

【チャットアプリの運用方法】

労働基準法や就業規則、労働契約など(以下、労基法等)を遵守しながらチャットアプリを効果的に活用するためには、以下のポイントに留意することが大切です。          

▼明確かつシンプルに:

チャットアプリを利用しての連絡事項は、明確かつシンプルにし、できるだけ具体的な表現にします。チャットでのやり取りは、早く終わるように心がけましょう。

▼就業時間内の活用:

業務連絡は原則として就業時間内に行い、就業時間外の連絡は避けます。就業時間外に使用する可能性がある場合には、あらかじめ使用規則を定めておきます。

▼緊急時の了解取得:

就業時間外の緊急連絡用にチャットを活用する場合についても、あらかじめ規則を定めておきます。

▼ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の尊重:

チャットアプリの使用に関する規則を作成する際には、ワーク・ライフ・バランスにも配慮します。規則を定めれば良いというものではなく、スタッフのプライベートな時間を尊重するように配慮します。

▼定期的な評価と改善:

チャットアプリの使用に関する規則は定期的に再評価し、スタッフの意見を取り入れつつ改善していくことが重要です。 

          

【チャットアプリの運用上の注意点】 

▼労働時間の記録:

操作開始時刻と終了時刻を記録します。就業時間外の操作であれば時間外労働になります。         

▼トレーニングとガイドラインの提供:

新入社員やスタッフに対して、チャットアプリの適切な使用方法とルールをトレーニングやガイドラインを通じて提供します。操作方法が分からないために業務に支障が生じないようにします

▼透明なコミュニケーション:

スタッフとのコミュニケーションを透明かつ開かれた形で行うことが大切です。労働時間や業務連絡に関するポリシーを共有し、スタッフからの意見や質問を歓迎します。   

▼柔軟な対応:

スタッフの個々の状況やライフスタイルに合わせて、柔軟な対応を心がけましょう。  

▼継続的な改善:

チャットアプリの運用方法は変化する状況に合わせて適宜見直し、改善します。スタッフからの意見や要望については適切に対応し、必要に応じて労働環境の向上に活用します。

           

【まとめ/労働法制遵守の理解を】

以上を総括すると、歯科医院の経営者としては、チャットアプリを効果的に活用する前提条件として、労働法制の遵守が必要です。軽い気持ちで導入をしてしまうと、就業規則などに抵触してしまう場合があるので注意します。また、チャットアプリでの会話が原因で、人間関係に傷がついてしまう場合もあり、この点にも注意が必要です。

チャットアプリの導入・活用にあたっては、便利な反面、注意すべき点も多いことをよく理解しておくことが必要です。

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クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞2023年11月号11面掲載)

※「東京歯科保険医新聞」10月号の「IT相談室」はお休みました。