会長「年頭所感」/2023年1月1日

2023年 東京歯科保険医協会会長
年頭所感

2017年6月の定期総会で会長を拝命し、6回目の年頭所感として新年のご挨拶をさせていただきます。

5年前の年頭所感で本会会員数5277名とご報告し、今年5951名(1月1日現在)と会員数は順調に増加しております。この会員増には、既会員の皆様から多くのご紹介があり、この場を借りて先生方のご協力に厚く御礼申し上げます。また、未入会員の皆様におかれましては、本会へのご入会によって多くのメリットがあると自負しております。今一度、ご入会のご検討をよろしくお願い申し上げます。

さて、振り返ると22年はさまざまな出来事がありました。新型コロナウイルス感染症は、 20年初頭から全世界、日本国民、そして我々歯科医療機関を苦しめ、今年で4年目に突入します。22年、年明け早々に、それ以前にないレベルの「第6波」となる急激な感染拡大、さらに7月からの「第7波」は感染者が20万人を超える日も多く、日本の新規感染者数が7月末から4週連続で世界最多とWHOから報告されました。そして、「第8波」の中にある現在、全数調査が行われていないため患者数の把握は困難ですが、感染拡大は進んでいます。

しかし、この3年間、歯科医療機関において感染拡大に繋がる大きな問題は報じられておらず、歯科医師やスタッフの方々の日々の対応が評価されるべきです。対策のための物品費や感染対策に時間を割くスタッフに対する経費は、残念ながら22年度診療報酬改定の中で十分な評価が得られたとは言えません。本会が実施した会員アンケート結果では、22年度診療報酬改定が「良かった」と回答した方は6.5%と少なく、さらに新興感染症の対策としての初・再診料の各3点引き上げについては「感染対策に見合う評価ではない」との回答が93%でした。次期改定に向けて、本会としてさらに現場の実情を国会議員や厚労省に訴えていきます。

オンライン資格確認の原則導入の期限が本年4月に迫ります。導入の原則義務化に対する会員アンケート結果は、78%が「反対」でした。会員の声を背景に本会が訴えてきた「原則」の撤回、ならびに配慮措置・経過措置については昨年末の中医協総会で決定されましたが、様々な理由で導入が困難な医療機関への配慮が必要であることは引き続き訴えていきます。また、10月に開始される「インボイス制度」のほか、「電子帳簿保存法」「マイナ保険証への一体化」「電子カルテの導入」「物価上昇」など、今後も数多くの課題が山積しています。

会員の声の大小に関わらず国会議員、行政、自治体、そしてメディアを通じて国民に伝え、歯科医療の改善の力となれるよう、引き続き活動して参ります。また、今後も会員の皆様の声を集めるため、アンケートをはじめ、各種調査を行いますので、その際はご協力賜りますようお願い申し上げます。

そして、本年は本会設立50周年を迎えます。今後も倍旧のご支援をよろしくお願いいたします。

 

 2023年1月1日

東京歯科保険医協会会長

坪田 有史