田原総一朗氏が歯科の大切さを指摘/自身の自律神経失調症改善をもとに

ジャーナリスト、評論家、ニュースキャスターとして活動している田原総一朗氏が、初めて“老い”をテーマとする著書「堂々と老いる」(毎日新聞出版20211127日発行/新書サイズ/240ページ)が、筆者自身の経験をベースにした健康問題について触れた一節で、歯科医療と健康の関係について触れており、歯科関係者から注目されている。

元々は東京テレビ(現・テレビ東京)の開局準備段階から入社して活躍し、1977年に独立しフリーランスのジャーナリストとなったが、「思いもよらない体の異常」に見舞われたという。

著書の中では、その当時の状況について、「ある朝、目が覚めたら、突然新聞の記事が読めなくなったのだ。一文字ずつは読めるのだが、単語になるとわからない…」症状を呈し、ジャーナリスト引退も考えたという。やっと、大学病院での検査により、自律神経失調症と診断され治療を受けたものの、症状は一向に改善せず、鬱状態にまで陥ってしまう。

そのような時、知り合いの医師の紹介で受診した東洋医学の治療院で、筆者は、「歯の噛み合わせの悪さが体の不調に影響している」のではないかとの指摘を受ける。そこで歯科を受診し、治療を開始したところ、「症状は徐々に快方に向かっていった」という。

さらに、改めて『高齢者ほど歯が大事』との章を設け、以下のような詩論を展開している。

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✔自律神経失調症のひとつとした歯の噛み合わせを指摘されて以来、定期的に歯科医に通いメンテナンスを続けている。医師によれば、人間が丈夫でいる秘訣は歯にあるという。

✔噛み合わせの悪さがストレスを増大させ、精神的に不安定になると自律神経失調症を引き起こしてしまうことがあるというのだ。

✔噛む力が低下すると脳への刺激が失われてしまい認知症のリスクも高くなってしまうのだ。

✔食べ物を噛む際、歯には60キロくらいの圧力がかかるといわれる。噛み合わせがよければ、その力はすべての歯に分散するが、噛み合わせが悪いと圧力が偏ることになり、顎関節症を引き起こすおそれがあるというのだ。

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そして、それらを総じて、「噛み合わせが人間の体にとっていかに大事かがわかるだろう」と締め括っている。1934年(昭和9年)生まれ87歳の筆者が、現在もなお活動し続ける秘訣として、歯の大切さと歯科受診を掲げていることは注目に値する。