2016年度歯科診療報酬巡りか強診や歯援診・外来環などに議論が集中/第6回メディア懇談会を開催

2016年度歯科診療報酬巡りか強診や歯援診・外来環などに議論が集中/第6回メディア懇談会を開催

協会は4月8日、第6回メディア懇談会を開催しました(今回は2008年3月の第1回以来通算56回目)。2016年度診療報酬改定後の開催ということもあり、出席したメディアとの間で、今次改定とそのポイント、厚生労働省の意図は何か、このような改定内容や数値になった経緯や背景などについて、盛んに意見交換、議論が行われた。

協会からは、話題説明全般を松島良次会長、司会を広報・ホームページ部長の坪田有史副会長が務めた。話題は、①今次改定に対する3月10日付「理事会声明」、②今次診療報酬改定のポイントと協会の対応状況、③歯科医師国家試験合格発表と歯科医師数―などとしました。

◆か強診への関心強く議論白熱

まず、松島会長が今次改定への「理事会声明」の内容と趣旨、および今次改定の重要項目についての協会の評価を説明。参加メディアから意見や感想を求めると、「か強診を届出できる歯科診療所は全体の1割程度しかなく、患者の視点や希望は無関係でそれが本当のかかりつけと言えるか」「かかりつけという言葉が混同され使われている。厚労省は現場の意見を1万人や2万人規模で聞き取るべきだ」「協会は、1割しか該当しないか強診を反対するのか否か」「か強診の基準に、一見あいまいな部分があるから今の段階でとるほうが良いのではないか」「か強診には歯科衛生雇用などの人件費、新規購入すべき医療機器があり、お金がかかる。資金に余裕のあるなしで診療所に二極化が生じる」「設備や人員のための費用を担保にすべきではなく治療内容に関することを担保にすべきでは」「か強診が実際に進むと、他の診療所も特色を出すなどの努力が必要となる」「歯科医師か歯科衛生士のどちらかの複数配置を求めているが、常勤とは明記していない。これは、地域包括ケアシステムの確立という目的が背後にあるための配慮ではないのか」などの質問や意見、指摘が相次ぎ、議論が白熱。メディア側でも関心が非常に高いことをうかがわせた。

◆文書外しの背景は

次に、松島会長が歯科疾患管理料の文書提供要件緩和について協会の方針を説明すると、メディアから「文書提供外しには官邸サイド、つまり政治的な圧力があったためといわれている。関係三者間で利害関係が一致したのもしれない」「患者本人の健康管理に配慮するだけでなく、患者への説明責任の確認にも関係してくるため、患者トラブル防止のためにも、必要に応じて必ず文書を出す必要はある」「文書を書かないでいると、厚労省はそこを逆手にとって十点よりさらに低い点数に下げてくる可能性が大きい」などの意見が続いた。