麻酔経験のない子供に浸潤麻酔をする際の偶発症に対する備えは、医療事故と隣り合わせの我々にとって必須のものであろう/第1回学術研究会

麻酔経験のない子供に浸潤麻酔をする際の偶発症に対する備えは、医療事故と隣り合わせの我々にとって必須のものであろう/第1回学術研究会

 5月26日に今年度最初の学術研究会が、文京シビック小ホールにて開催された。講師は大変ご好評をいただいた昨年の研究会に引き続き、丸山進一郎氏(東京都開業、日本小児歯科学会理事・専門指導医、全国小児歯科開業医会長)に講演して頂いた。
 前半は昨年の小児歯科全体の総論的な内容を振返った後、フッ素塗布、感染根管処置、シーラント、小児の歯周治療、麻酔する際の注意点など、各論的な内容について丸山氏の長年の経験をもと小児歯科治療がスムーズに運ぶようなコツを伝授して頂いた。小児に対する治療の目標は10年先を見越しており患児と親と長期的な付き合い方が重要で目先の治療だけにとらわれないように説明された。120名近い参加者は皆、メモを録っており、本日は5月にもかかわらず30度を超す夏日と同様、会場内も熱気に包まれ、それに呼応するかのように、講師の講演内容も迫力に満ちていた。特に麻酔経験のない子供に浸潤麻酔をする際の偶発症に対する備えは、医療事故と隣り合わせの我々にとって必須のものであろう。次回の学術研究会は、砂田勝久氏(日本歯科大学生命歯学部 歯科麻酔学講座 教授)による麻酔についてである。小児の麻酔も含めてさらに掘り下げていく予定なので、是非、大いに期待して参加して頂きたい。