政策委員長談話/2014年度診療報酬改定「わずかな技術料引き上げでは 経営安定には到底つながらない」

2014年度診療報酬改定

わずかな技術料引き上げでは/経営安定には到底つながらない

今回の診療報酬改定は、2025年までの社会保障・税一体改革に向けた第二歩目に位置付けられている。医療費抑制のために住み慣れた地域で暮らす「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、病院の機能を分化・再編させ、病院や施設から在宅へ患者を移動させる。在宅への訪問診療や周術期などの医療連携など在宅療養者への対応は今まで以上に求められていくが、同システムが地域にいる住民・患者・医療担当者にすべての責任を負わせるのではと懸念を抱かざるを得ない。
現行制度では訪問歯科診療は外来診療の延長線上に位置づけられており、訪問歯科診療の推進は外来診療の安定が不可欠だ。しかし、今改定では消費税率引き上げへの対応が多くを占め、基礎的技術料の引き上げにつながるものはごくわずかで、多くの歯科医療機関の経営安定化にはつながらないと思われる。
義歯管理料は再編され、歯科開業医には影響が大きい。義管Aや歯科口腔リハビリテーション料1の算定が月1回の算定にされたことから、診療にかかる時間と点数算定とにゆがみが生じ、現場が混乱することが懸念される。
歯周治療関連では、SPTや歯周病治療用装置などのしばりが緩和されるようだが、どれだけ運用しやすくなるかは現在では不透明であり、注視していきたい。
東京歯科保険医協会
政策委員長 中川勝洋
2014年2月21日