「医療従事者の需給に関する検討会」を開催/2022年度以降は入学定員減員へ

「医療従事者の需給に関する検討会」を開催/2022年度以降は入学定員減員へ

厚生労働省は5月28日、「医療従事者の需給に関する検討会」を開催し、「第3次中間とりまとめ」を大筋で了承。2020年度と2021年度の医学部入学定員は「暫定措置」として現状を「概ね維持」するが、2022年度以降については「医師の働き方改革」や「医師偏在対策」の結果などを踏まえ、「減員」に向けて定期的に検討していく方針が明記された。

◆2033年以降は医師供給が過剰との推計も

中間まとめでは、①高齢化の進展による医療ニーズの増加、②人口減少に伴う医療ニーズの減少、③医療提供体制の再構築(地域医療構想の実現)、④医師の高齢化、⑤医師の働き方改革等による業務の効率化、⑥ICT、AI等の活用による医師の業務効率化、⑦性・年齢に基づく「医師の仕事量」―などの要因に配慮し、将来的な医師需給について厚労省が行った推計を明示している。具体的には、以下の3ケースを提起している。

(1)ケース1:医師の需要がもっとも大きくなる(医師にも、一般労働者と同じ時間外労働規制(月60時間まで)を行い、AI等の活用で2040年には業務が7%削減される、などと仮定)

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・2033年頃に医師の需給が約36万人で均衡。以降、医師供給数が過剰となり、2040年には2万5000人程度の医師過剰となる

(2)ケース2:医師の需要が中程度となる(医師の時間外労働規制を、過労死ガイドライン水準(月80時間まで)とし、AI等活用で2040年には業務が10%削減される、などと仮定)。

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・2028年頃に医師の需給が約35万人で均衡し、以降、医師供給数が過剰となり、2040年には3万5000人程度の医師過剰となる

(3)ケース3:医師の需要がもっとも少なくなる(医師の時間外労働規制を、米国の研修医並み(週80時間まで)とし、AI等活用で2040年には業務が20%削減される、などと仮定)

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・2018年頃に医師の需給が約32万人で均衡し、以降、医師供給数が過剰となり、2040年には5万2000人程度の医師過剰となる

ただし、「医師の働き方改革」については、関連検討機関の「医師の働き方改革に関する検討会」の報告書がまとまっていないことや、ICTなどは今後も進歩し続けることは考慮している。

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