2018年新点数説明会「決議」

2018年新点数説明会「決議」

2018年度歯科診療報酬の改定率は、わずか0.69%のプラスとなった。身を削る思いで経営を維持している歯科医療機関の状況を改善するには、程遠い改定率である。

改定では初診料・再診料に院内感染防止対策の施設基準が設けられた。歯科ではこれまでもできうる限りの対応を取ってきている。にもかかわらず届出しないと減算される仕組みの導入は問題だ。本来、初診料・再診料は縛りが無く算定されるべきで、懲罰的な減算を行うべきではない。そもそも院内感染防止対策の費用は別立てで行うべきであると協会は以前から厚労省に要請してきた。

歯科衛生士の雇用や委託技工料問題も深刻な状況が続いている。十分な費用を保障せず、歯科医院の経営努力のみに責任を押しつけるやり方には問題があり、改善を求める。

財務省は「75歳以上の患者窓口負担の原則2割化」を推し進めるなど、更なる改悪を進めようとしている。貧困層の拡大が問題視されている中での負担増は、受診抑制に繋がり、更なる疾病の重症化を招く。

私たちは、診療報酬の引き上げとともに、患者さんが安心して受診できるよう、新たな患者負担増は行わず、患者窓口負担軽減を求めるものである。

 

 

                           記

 

 

一、初診料・再診料に包括した院内感染防止対策費用は実施するのに必要な額とし、別途評価すること。

 

一、医療機関の格差拡大・選別に繋がる施設基準は見直すこと。

 

一、歯科技工士、歯科衛生士の評価を抜本的に高め、診療報酬として評価すること

 

一、75歳以上の窓口負担2割化を始めとする新たな患者負担増の計画は中止し、

患者窓口負担を軽減すること

 

一、社会保障費の削減は止め、医療・介護・福祉等を重視した政策に転換すること。

 

 

2018年3月 

東京歯科保険医協会 新点数説明会

参加者一同

会場壇上から参加者を外観