【教えて!会長!! Vol.51】2022年度 診療報酬改定に向けて

― 2022年4月の「2022年度診療報酬改定」まで6カ月ですが、改定はどうなりそうですか。

坪田有史会長:現在までに、中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」)で、「歯科用貴金属価格の随時改定について」「歯科医療(その1)」「在宅(その1) について」が議論され、9月15日に「診療報酬改定に係る議論の中間とりまとめについて」で中医協委員から出された主な意見がとりまとめられています。
8月4日の中医協で厚生労働省側は、「歯科医療に係る歯科診療報酬上の評価について」として、下記のようにまとめています。
これらの論点を受けての中医協委員の発言を踏まえ、私見を述べさせていただくと、以下のようになります。

▼かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)や在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の役割
 や要件が、行政側の目指している地域包括ケアシステムの推進に対して十分でないとの意見があ
 り、現在の施設基準などの見直しが行われる可能性があります。
▼歯科側は、さらなる重症化予防や口腔機能の継続管理について評価を求めていて、一定の成果は
 認識されている。しかし、治療と予防の境界線を明瞭にすべきとの意見があり、将来の歯科医療
 を考えれば、継続管理の重要性をさらに訴える必要があります。
▼歯科矯正治療は、原則保険給付外ですが、小児の口腔機能の改善を含め、必要性が認められ、保
 険での矯正治療の適用範囲拡大が議論される可能性があります。
▼歯科用貴金属の代替材料について、現時点ではその範囲は限定的であるため、さらなる代替技
 術・材料への推進が必要とされています。今回の改定には難しいですが、PEEK材などの研究を産
 学臨の協働により進め、高いレベルでのエビデンスを構築した上で保険適用が望まれます。

 紙面の都合上、そのほか多くを記せませんが、行政側が明確に決めていることは、まだないと考えています。今後、「歯科医療(その2)」などの中医協の議論に注視する必要があります。

― より良い改定になるためにできることはありますか。

坪田:協会は、今月から保団連が全国で行う「疲弊した医療提供体制を立て直す診療報酬改定を求める医師・歯科医師要請署名」に賛同して会員の先生方に署名をお願いします。より良い改定を求めるため、日々歯科医療を提供している先生方のご意見をぜひお寄せください。多くの先生方の声を集め、行政・立法側に要請しますので、よろしくお願い申し上げます。

             東京歯科保険医協会 会長 坪田 有史
(東京歯科保険医新聞2021年10月号8面掲載)