インターネットに関するプロバイダの選び方

WEBに係る歯科関連の法令やトラブル対応などについて、
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回はインターネット回線について―。

 診療所にインターネット回線を引いている先生は多いと思いますが、「その回線のプロバイダがどこかご存知ですか?」という質問に答えられる方は少ないのではないでしょうか。開業時に業者に一括でお願いをして、それっきりというパターンがほとんどかもしれません。
 ネット回線が高速道路だとしたら、プロバイダは高速の料金所だと考えてみてください。高速道路というインフラを使用するために、世界中のコンピュータを繋ぐ環境整備や付属サービスを一括して行い、利用者から料金を徴収します。厳密には、ネット回線とプロバイダは別業者ですのでインターネットを開通させるには2つの業者と契約することになります。現在では契約を煩雑にしないために、ネット回線業者とプロバイダの請求書が一本化されていることもあります(NTTなど同列会社がどちらも行っている場合など)。
 大切なのは、回線業者とプロバイダは別々に選べるということです。建物によって回線工事が可能な業者が少ない可能性もありますが、プロバイダは個別に選ぶことができるのです。回線業者を変えずにプロバイダだけの変更も可能です。スマートフォンは同じものでも、ドコモ、ソフトバンク、auなどのキャリアを変えられるのと感覚的には近いのではないでしょうか。
 では、プロバイダをどのように選ぶか。ポイントは「回線の安定性」「料金」「速度」の3点です。メールアドレスなどの付加サービスが差別化になることもありますが、インターネットの快適性は以上3点で決まります。回線が不安定でよく切れたり、速度が遅かったりするとストレスが溜まりますし、同様の快適性であれば料金で選んでも良いと思います。
 プロバイダがどういうものかを理解していれば、選定の優先順位はおのずと決まってきます。今契約しているプロバイダをぜひ点検してみてください。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞2022年6月号3面掲載)