学校歯科治療調査 東村山市学校保健養護部会で概要報告!

2018年2月16日、東村山市役所にて、東村山市学校保健養護部会が開催され、当会で取組みを進めている「学校歯科治療調査」について、公表に先駆け、橋本健一地域医療部担当理事が概要を報告し、意見交換を行った。

 学校歯科治療調査は、東京都の子どもの口腔内状況を把握するとともに、調査結果を活用し、都内の子どもたちが安心して歯科医療を受けられる体制を広げていくことを目的に取組んでいるもの。2017年10月末から2017年12月15日に東京都内全域の小・中学校2127校にアンケート票を配布し、489校(回収率23.0%)から回答が寄せられた。

 今回は、特別な計らいで、学校保健養護部会にて報告の時間を作っていただき、調査の概要と集計の概要について速報を報告し、実際の現場の状況や、歯科検診や歯科受診に対する意見、アンケート集計への意見などを伺った。

 アンケート集計では、区市町村による医療費助成のある地区(23区・武蔵野市・府中市・日の出町・檜原村・奥多摩町。以後23区等)と市町村による医療費助成のない地区(23区等を除く市町村。以後多摩地区)を比べると、多摩地区の小学校が10%程度歯科検診後の受診率が低いことや、子どもの口腔内へは、経済的貧困や家庭の問題、環境など様々な要因が絡み合って影響を及ぼしていると考えられることなどを報告した。

 意見交換では、「中学1年生の全生徒に対し、4月と2月に口腔内写真を撮って比較しているが、口腔内状態が悪化する生徒が1~2名いる。受診勧告はしているが、受診が続かなかったり、春の受診勧告を1月まで持ち越していたりする」「昼食後の歯みがき指導に取り組んでいる」「歯科検診を春と秋の年2回行っている学校と、春のみで年1回の学校とでは、結果が違うのか調べてほしい」「窓口負担や保護者の意識をすぐに変えるのは難しいが、保健指導は改善の余地があるのではないか」「歯垢の染出しは体に影響があるのではないかと敬遠する保護者もいる。実際に影響はないのか」「歯科医院で虐待やネグレクトの疑いが発見された場合、歯科医はどのように対応するのか」などが出され、橋本理事から「法定検診は春のみであり、秋は各学校の裁量に任されている。保健指導は学校歯科医の協力で改善できるところであり、学校歯科医に要望を挙げて欲しい。歯みがきはインフルエンザの予防にも有効である。昼食後の歯みがき指導はぜひ続けてほしい。染出しは年に1~2回行う程度であれば体への影響はないと思う。ただ、無理強いはできないので、保護者にはご理解いただくしかない。虐待やネグレクトの疑いを見つけたら、児童相談所や包括支援センターなどに連絡するよう、各医院で体制をとっている」など、回答した。

 学校歯科治療調査報告書全文は協会ホームページに掲載している。ぜひご覧頂きたい。


左)東村山市教育委員会教育部学務課 森脇孝次 課長
右)東京歯科保険医協会 橋本健一 理事