協会ニュース

談話 地域医療体制を維持するには診療報酬のプラス改定は不可欠

 財政制度等審議会は、「令和4年度予算の編成等に関する建議」の中で、2022年度診療報酬改定について、改めて「診療報酬本体のマイナス改定を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない」と強調した。財務省は、「躊躇なくマイナス改定をすべき」との姿勢を崩しておらず、相当な決意がうかがえる。

 しかし、診療報酬(医療費)の伸びは高齢人口の増加や、医療費の高度化等による医療費の自然増を示すものに過ぎず、医療機関の経営実態を示したものではない。また、コロナ禍が経営に与えている影響も大きい。新型コロナウイルス感染症の感染者数は減少傾向にあるが、医療機関においては感染症対策が不要になったわけではなく、引き続き、感染対策にかかる物品の確保や人材確保等の費用の支出が見込まれ、診療報酬のプラス改定は不可欠である。

 厚生労働省が11月24日に公表した病院や医療機関の経営状況を調べた第23回医療経済実態調査の結果でも、医科・歯科ともに新型コロナウイルス感染症関連の補助金を除いた医業収益が悪化している。歯科においては、医業収益が「個人」でマイナス1.2%、「新型コロナウイルス感染症関連の補助金 (従業員向け慰労金を除く)」を除いた場合はマイナス3.0%で、保険診療収益はマイナス1.9%となった。医療法人を含めた「全体」でも、医業収益がマイナス0.1%、「新型コロナウイルス感染症関連の補助金 (従業員向け慰労金を除く)」を除いた場合マイナス1.2%で、 保険診療収益はマイナス1.5%と前年度よりも下回っている。さらに歯科材料費は前年度よりも全体で3.9%上昇しており、医療機関の厳しい経営をさらに圧迫している。一時的な補助金や支援金ではなく、診療報酬本体の引き上げなくして、安定した地域医療の維持は困難であることは瞭然たる現実だ。

 遠からずして政府は2022年度診療報酬の改定率を閣議決定する。当協会では、引き続き実態に即した改定と地域医療体制を維持するために、診療報酬のプラス改定を求めていく。

2021年12月7日

東京歯科保険医協会

政策委員長 松島良次

医科歯科の医療現場の窮状と診療報酬改善訴える/12.2保団連国会内集会で

12月2日、保団連は国会内集会「『#医師・歯科医師の声を聞いてください』診療報酬は大幅引き上げを!」を開催した。去る11月8日、財務省が財政制度等審議会(財政審)の中で次期診療報酬改定について、「躊躇なくマイナス改定」すべきとの考えを示したことについて、保団連の住江憲勇会長(下写真中央)が挨拶の中で、「コロナ禍に続いて、オミコロンなる新たなウイルスが確認され、不安ばかりが広がっている。国民が医療を受けられないし、医療提供者も診療報酬の“マイナス”では、さらに適切な良質な医療提供が困難になってくる」と指摘した。

続いて、会場に駆けつけた国会議員から挨拶が続いた。早々に駆けつけていた宮本徹衆院議員(日本共産党)は、「コロナ以前から厳しい低い医療政策が続けられ、昨年の新コロナウイルス感染症の拡大により、医療機関に追い打ちをかけるように厳しい運営を強いられている。医療関係者だけでなく、患者にも負担をかけることになる」と強調した。続いて基調提案として武村義人副会長(医師)から、診療報酬の引き上げを求める理由、臨床現場からの医師・歯科医師の声を紹介。その中で歯科については、「厚労省から受診抑制となるメッセージを出し、歯科は感染リスクの高い診療機関と誤解されるなど、現場での苦労は想像以上といえる」などを訴えた。

一方、会場を訪れた国会議員のうち、立憲民主党の医系議員である米山隆一衆院議員と吉田統彦衆院議員の両氏からも激励の挨拶があった。また、会場から長野県保険医協会会長で歯科医師の宮沢裕夫氏が、同協会が10月の衆議院選挙前に行ったアンケートの中で、現厚生労働大臣の後藤茂之議員(長野4 )は、「診療報酬引き上げに賛成」としていたことを紹介し、後藤氏は岸田内閣で厚生労働大臣に就任しており、今後の対応に注目しているとした。

東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)11月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)11月1日 第620号

【1面】

1.コロナ加算等廃止に抗議/9月末終了の感染症対策実施加算等について

2. 効率的に提供する体制を検討/在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ

3. コロナ感染拡大防止で継続支援補助金実施

4. 金パラ等歯科用貴金属/1月歯科用貴金属価格随時改定Ⅱ見送り

5. 新春号特別企画

6.ニュースビュー

7.「探針」

【2面】

8.コロナ加算廃止に伴い陽性患者への新たな評価を新設

9.十分なのか…コロナ加算廃止と引き換えの支援金

10.支援補助金の振込遅れに対し保団連が個別照会対応を実施

11.11月から新たな補助金(8万円)の申請開始

12.東京歯科保険医協会ホームページ

【3面】

13.中医協総会/2022年1月 歯科用貴金属随時改定は見送り

14.歯科技工士業務のあり方検討に本腰

15.CAD/CAMクラウン装着の要点を解説

16.ドクター・スタッフ講習会/シャープニング・SRP実習

17.象牙質レジンコーティングを巡り講演

18. 医療広告ガイドラインで最初に気をつけるべきポイント

【4面】

19.経営&税務相談Q&A No.387

20.法律相談、経営&税務相談

5面】

21.研究会・行事案内

67面】

22.インタビュー  日本補綴歯科学会 理事長 馬場一美さん

8面】

23.教えて!会長!!Vol.52

24.歯科保険医協会にぜひご入会ください/組織部

25.歯科情報をお知らせします/Facebook

26.改定情報の早い発信を/第11回レセコンメーカー懇談会

27.共済部だより

9面】

28.症例研究/歯肉剥離掻爬手術(FOp)時にリグロスを併用した症例

10面】

29.連載/私の目に映る歯科医療界⑧

30.理事会だより

31.協会活動日誌 202110

11面】

32.都立・公社病院の独法化/撤回・反対の「要望書」提出

33.秋の署名活動/国の予算を増やし次期改定ではプラス改定を

34.渡辺孝一・島村大氏/両歯系議員が政務官に就任

35.参議院比例 比嘉奈津美氏繰り上げ当選決定

12面】

36.年末年始休診案内ポスター

37.神田川界隈/開院20周年を迎えて(早坂美都・理事)

38.通信員便り No.115

第4回メディア懇談会 金パラ署名など意見交換

(左から)馬場安彦副会長、早坂美都理事

◆金パラ署名・診療報酬改善要求も議題に

協会は1112日、第4回(通算86回)メディア懇談会をWEBで開催。馬場安彦副会長が説明、広報・ホームページ部長の早坂美都理事が司会を務め、報道各社から参加者が集まった。今回は①秋の運動、②中央社会保険医療協議会、③都立・公社病院独立行政法人化、④診療報酬改善要求、⑤感染症対策実施加算等を議題として扱った。

秋の運動では協会の運動や、署名など諸活動の経過を報告。1000筆の目標に達した金銀パラジウム合金の原価割れ改善を求める署名については、メディアから医療機関が抱える苦労や負担に対する鋭い質問が飛んだ。

◆都立・公社病院独法化の影響を議論

また、③都立・公社病院独立行政法人化に関しては、東京保険医協会と連名で独法化反対と撤回の要望書を提出したことで一石を投じることになったと説明。参加者とともに、東京都が都立・公社病院の独法化を進める背景や医療現場、都民に与える影響などを議論した。

最後には協会の活動に対しメディア側から激励の言葉もあり、闊達な意見交換の場となった。

新たな8万円の補助金 申請方法の動画が出来ました。 (11/11更新)

2021年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金の詳細

以下の情報は11月11日現在のものです。

申請方法の動画が出来ました。
デンタルブックにユーザー登録をすると視聴できます。(会員無料)
デンタルブック → ここをクリック
電子書籍デンタルブック

今回はWebからの申請が前提になります。
郵送での申請をご希望の方はコールセンターに直接お電話ください。
厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター0120-336-933 (受付時間は平日9:30~18:00)
厚生労働省の補助金の解説ページはここをクリック
「令和3年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金」について

1. 補助額
無床歯科診療所 8万円
有床歯科診療所 10万円

2.申請期限
2021年11日1日(予定)から2022年1月31日
審査の結果、補助金の交付を決定した医療機関等には「交付決定及び交付額確定通知書」を郵送するとともに、請求書に記載の金融機関へ振込む。
精算交付申請書が到達した日から起算して原則として2か月以内に交付の決定及び交付すべき補助金の額の確定を行う予定。

3.対象期間
2021年10月1日から2021年12月31日までにかかる経費

4.対象経費
今回は確定後(納品済み)に対するの支援補助金です。概算払いはありませんのでご注意ください。
賃金、報酬、謝金、会議費、旅費、需用費(消耗品費、印刷製本費、材料費、光熱水費、燃料費、修繕料、医薬材料費)、役務費(通信運搬費、手数料、保険料)、委託料、使用料及び賃借料、備品購入費
従前から勤務している人、及び通常の医療の提供を行う人に係る人件費は対象外。

経費例
・日常診療に要する材料費(衛生材料、消毒薬など)(直接診療報酬等を請求できるもの以外)
・換気のための軽微な改修(修繕費となるもの)
・休業補償保険等の保険料
・清掃の人材派遣料で従前からの契約に係るもの
・清掃の外部委託費で従前からの契約に係るもの
・感染拡大防止のため購入した施設・設備に係る保守・メンテナンス料
・感染拡大防止のため新たに借りた診療スペースに係る家賃
・院内等での感染拡大を防ぐために購入した空気清浄機(医療用でなくても可)
・紫外線殺菌照射装
・一時的に閉院をした場合の補償を行う保険の保険料

以下の(1)から(3)を全て満たす場合には、2021年10月1日から2021年12月31日までに始期がある契約として支払った保険料の全額を補助対象の経費として算定できます。
(1) 新型コロナウイルス感染症の影響による休業(病棟や外来を閉鎖した場合を含む)について補償する保険であること。
(2)契約期間を任意に設定することができないことにより、保険期間に2022年1月1日以降が含まれること。
(3)2021年10月1日から2021年12月31日までに始期がある契約として保険料の支払いを行っており、その支払った額が12か月以下の最も短い期間を対象とした保険料であること。
※ 補助の対象となる機器・備品1台の購入価格に上限ははありません。
※ 30万円を超える機器等を購入した場合で、減価償却終了前に処分・譲渡などした場合には助成金の返還規定もありますのでご注意ください。

以下のQ&Aから抜粋しています。参考にしてください。
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金に関するQ&A
令和3年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金に関する
Q&A


5.申請方法
1)インターネットによる電子申請
「令和3年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止継続支援補助金」について
2)電子申請以外
厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンターまでご相談ください。
電話:0120-336-933(平日9:30~18:00)


6.仕入控除税額(返還額)報告
※2021年度の消費税及び地方消費税の確定申告により、補助金に係る消費税及び地方消費税にかかる仕入れ控除税額が確定した場合は、2023年6月30日までに上記様式により厚生労働省まで提出してください。
1)提出書類
消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額報告書(第2号様式)(入力用)
消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額報告書(第2号様式)(手書き用)
2)提出先(郵送のみです)
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省医政局医療経理室 宛

7.問い合わせ先
厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター
電話:0120-336-933(平日9:30~18:00)

協会へのお問い合わせ
Mail:info@tokyo-sk.com
電話:03(3205)2999 経営管理部

プラス改定等を求める署名にご協力を

 

金パラ原価割れの署名は千筆が集まり、厚労省などに提出した。

 協会は、11月上旬に、金パラの原価割れを求める署名1064筆を厚生労働省などに提出しました。

 しかし、11月8日(月)に、財務省はの財政制度分科会において「診療報酬(本体)のマイナス改定を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない」と、マイナス改定を求める姿勢を示しました。感染防止対策を徹底せざるを得ないにもかかわらず、次期改定をマイナス改定とすることは、到底納得できるものではありません。

 そのため、11月下旬に、内閣総理大臣を筆頭にプラス改定などを求めるべく、署名を実施しております。まだ、署名をされていない方は、下記リンクよりご協力をお願いいたします。

〇(署名は終了しました)署名にご協力を頂ける方は、こちらをクリックしてください〇

★署名ができるのは、歯科医師または医師の方です。

 

医薬情報ネットワークの基盤の在り方を検討

 厚生労働省は1110日、「医薬情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」をオンラインで開催した。同ワーキンググループは、健康・医療・介護情報利活用検討会の検討事項のうち、全国的な医療情報ネットワークの基盤に関する議論を行うため設置されたもの。

 データヘルス改革に関する工程表に従って、医療情報ネットワークの基盤の在り方(主体、費用、オンライン資格確認等システムや政府共通基盤との関係、運用開始時期等)や、技術的な要件について、2022年度までに結論を得る。

 同日は医療情報の活用の現状や、電子カルテ情報と交換方式の標準化などをテーマに議論し、医療現場で必要な情報を共有すべきか意見交換が行われた。

 ワーキンググループでは2021年度中に、①電子カルテ情報の標準化と地域医療情報連携ネットワークの現状、②中央に集約して共有する医療情報と施設間などで交換する医療情報の検討、③医療情報の共有・交換に関する手続きと方式の検討、④電子カルテの普及方策と情報化支援基金の要件などの検討―について論点を整理する。

【2021-22年】年末年始休診案内ポスター

―休診案内ポスター ダウンロードのご案内―

年末年始の休診日にご使用いただける『休診案内ポスター』をご用意いたしました。

ご入用の方は、お好みのデザインをダウンロードのうえご使用ください。

郵送をご希望の方は、会員優待ページからお申し込みください。

【A4 縦ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 縦ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 横ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 横ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 持ち運びver.】◆縮小印刷をご利用のうえ、診療所の受付などでお配りください。

 

待合室キャンペーン「歯科医療の充実・改善の願いを国に届けよう!」

(10月11日(月)現在)

45筆の署名が届きました。もうすぐ50筆です。

<頂いたご意見>

・歯科はクラスターを出すこともほとんどなく、COVID-19をのりきっています。現場の努力も必要ですが、診療報酬の評価が絶対に必要です。10%以上の引き上げを求めます。

・初診料、再診料は医科と歯科で差がある根拠が理解に苦しむ。とりわけ感染防止に関しては、同様な配慮と対策をしているのに。

・特に後期高齢者の窓口負担2割については、満心の怒りをこめて抗議します。さらなる受診抑制を招き、国民の健康増進を後退させることはもちろん、医療機関にも壊滅的なダメージを与えます。

 歯科医療は、「感染症の予防」「基礎疾患のある患者の重症化予防」など全身の健康にとっても重要であると指摘されています。しかし、新型コロナ感染への不安などのために歯科医療機関への受診控えが進み、患者・国民の口の中の状況は悪化しています。
 歯科医療機関では、以前から感染症防止対策を徹底していますが、現在の感染拡大下ではこれまで以上の対策が求められており、現在の低い診療報酬体系では医院経営はより厳しいものとなっています。窓口負担の引き下げや診療報酬の引き上げなど医療への国の予算を増やすことは、患者と医療従事者みんなの願いです。
 協会は、全国の保険医協会と協力し、全国10万人強の医師・歯科医師の会員と共に、よりよい医療を求めるため医師・歯科医師署名、患者署名に取り組みます。また、患者さんに、楽しみながら医療の大切さを学べるクイズ企画も実施しています。ぜひ、ご協力をお願いします。(会員の方には、月間保団連10月号:10月5日(火)頃送付でもお届けしています。)

歯科医師のWEB署名はこちらをクリック

 

 

 

患者さんの署名用紙などの注文をされる

会員の方は、こちらをクリック

 

関連活動

「クイズで考える私たちの医療(WEB申込)」(下記バナーをクリックしてください)

 

 

 

 

 

 

 

新春号特別企画<写真作品の募集>

 

◆東京歯科保険医新聞では、2022年新春の紙面を彩る会員読者の写真の募集をしています

 写真のテーマは『希望』です。2020年から新型コロナウイルスが世界的に流行し、私たちは生活様式の変化を余儀なくされました、終息にはまだ時間を要すると思われますが、しかし、その中でも、必ず「希望」はあるはずです。新春の紙面を飾る「希望」を表現した写真作品の投稿を期待しています。皆さまからのご応募をお待ちしております。

▽締め切り 11月30日必着

▽応募方法 

E-mail もしくは郵送でご応募ください。

E-mail:info@tokyo-sk.com

郵送先:〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-8

宛先:東京歯科保険医協会 広報・ホームページ部

▽作品

写真データは1MB以上。写真プリントの場合、サイズは2L判(白黒またはカラープリント)。必ず作品名を明記してください。写真とともに「作品名」「氏名」「地区」を掲載いたします。

ご応募いただいた写真データ等はご返却いたしません。なお、掲載する写真は、厳正な審査を経て決定いたします。

東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)10月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)10月1日 第619号

1面】

1.東京都2022年度予算要請

2.2022年度 厚労省概算要求案/医療費国庫補助10兆円超に

3.新春号特別企画/写真投稿募集

4.ニュースビュー

5.「探針」

2面】

6.随時改定Ⅰ/金パラ・銀合金・メタルコア引き上げへ

7.中医協総会/歯科用貴金属 随時改定に改善の意見も

8.生活保護指定医療機関/動画視聴方式による指導を実施

9.人口骨「レボシスIJ」が9月から保険適用に

10.東京都議会各党 要請内容に理解を示す

11.最新の歯科医療情報等を発信/東京歯科保険医協会HP

3面】

12.インボイス発行事業者の登録は10月開始

13.新規開業医講習会に23名が参加

14.根管治療成功の秘訣を紹介

15.通信員便り No.114

4面】

16.経営・税務相談QA No.386

17.9月末で新型コロナ特例加算は終了

18.認知機能と口腔機能/相関関係の解明を目指す

19.法律相談、経営&税務相談

5面】

20.研究会・行事案内

67面】

21.インタビュー 建築家・渡邉義孝さん

8面】

22.教えて!会長!!Vol.51

23.保険医年金 予定利率変更(20227月より)のお知らせ

24.「診療」と「経営」の「二刀流」/共済制度

25.歯科保険医協会にぜひご入会ください/組織部

26.歯科情報をお知らせします/Facebook

9面】

27.症例研究/2021年9月1日より新規保険収載 磁性アタッチメントを用いた有床義歯

10面】

28.連載/私の目に映る歯科医療界

39.理事会だより

30.協会活動日誌 20219

11面】

31.都立病院等独法化の中止求める

32.金パラ原価割れの改善を求める署名 わずか1週間で754

33.歯周病・認知症研究の講演開催

34.国の予算を増やし、次期改定ではプラス改定を

35.会員優待サービス

12面】

36.第3回メディア懇談会を開催

37.神田川界隈/私が考える金パラ逆ザヤ問題解消法

38.「歯科医師によるワクチン接種業務」に従事して

 

 

 

「#いのちまもる医療・社会保障立て直せ!10・14総行動」を開催

「#いのちまもる医療・社会保障立て直せ!1014総行動」が1014日、日比谷応援内の「野音」で開催された。協会からは、保団連副会長を務める森元主税理事と事務局が参加した。コロナ禍の中、感染対策を施して準備した会場には関係者が約200参加した。

その中で協会の森元理事が発言し、新型コロナ新規感染者数は減少しているものの、医療機関の受診控えや介護の利用控えが続いていること、子どもの健康管理などにも悪い影響を及ぼしていることなどを指摘。さらに、「長年の低医療費政策、医師数抑制策によって脆弱になった医療提供体制の立て直し、診療報酬の大幅な引き上げが必要だ」と締め括った。

なお、昨年に引き続き、新型コロナ対策のため集会動画配信も実施し、協会の坪田有史会長、中川勝洋・橋本健一・半田紀穂子各理事が参加した。集会には、日本医師会の中川俊男会長、日本歯科医師会の堀憲郎会長からのメッセージが紹介された。

 

 

もうすぐ1000筆に! 金パラ原価割れを招く制度の改善を求める署名にご協力を

 (写真:わずか1週間で、753筆が集まった)

 金銀パラジウム合金(金パラ)の市場価格の高騰による原価割れに対し、協会は9月17日に、全国保険医団体連合会を通じて、改善を求める署名754筆(全国では3,046筆)を厚生労働省など関係各省に提出しました。ご協力を頂きまして、ありがとうございました。

 市場価格は比較的落ち着いている状況になりつつありますが、厚生労働省はこの問題を認識しつつも、明確な改善策を打ち出していません。改善させるためには、今年秋に行われる中央社会保険医療協議会総会での第2ラウンドで適切な対応策を示すように、要求を更に行うことが必要です。

 そのため協会では、9月28日(火)より署名活動を再開することとしました。まだ、署名をされていない方は、下記リンクよりご協力をお願いいたします。

〇署名にご協力を頂ける方は、こちらをクリックしてください〇

★10月8日(金):追加で205筆の署名がありました。合計959筆で、もうすぐ合計1000筆です。★

*対象:会員・非会員を問わず、歯科医師および勤務するスタッフの方であれば参加できます。

*期間:10月29日(金)まで

<署名と共に頂いた主なご意見>

・やると損する診療を押し付ける国、保険の歯科界破綻を狙っているのだろうか?

・逆ザヤだけは解消していただきたいです

・理解できない

東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)9月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞 2021年(令和3年)9月1日 第0618号 

1面】

1.金パラ原価割れの解消必要 継続管理のさらなる評価を求める/厚労省要請

2.次期改定「基本方針」の議論開始/社保審医療部会

3.コロナ禍にあっても頼りになる協会を目指して

4.歯科会員アンケート結果

5.ニュースビュー

6.「探針」

2面】

7.改定に向け歯科の議論が始まる 2022年度診療報酬改定/中医協総会

8.金パラ原価割れ 要請署名にご協力を

9.9月から磁性アタッチメントを用いた義歯が保険収載

10.社会保障費抑制方針は「骨太2018」を踏襲 2022年度予算概算要求基準が閣議決定/社保審

11.学校保健統計調査 12歳児むし歯本数0.68本に

3面】

12.新型コロナウイルス感染症 受診抑制で症状悪化が顕著/歯科会員アンケート

13.連載 歯科医療情報観測「歯科情報の利活用および標準化とは何か⑤完」

14.歯科情報をお知らせします/facebook

4面】

15.休憩時間の意義と付与そして留意点/経営・税務相談Q&A No.385

16.導入には慎重な検討を 10月からオンライン資格確認

17.徹底した新型コロナ感染対策で安心・安全に開催 TBI&PMTC・デブライドメントで講習/第1回スタッフ講習会

18.無料相談

5面】

19.研究会・行事案内、電子書籍デンタルブック

67面】

20.インタビュー 小説家 医師 南杏子さん 「患者さんの残された力で最期まで生きることを支える~終末期医療を通じ 改めて命とその尊厳を問う」

8面】

21.会員の声を直接届ける/教えて!会長!!Vol.50

22.支援補助金の迅速な交付を 厚労省に要望書を提出

23.理事会だより

24.協会活動日誌

25.秋の共済キャンペーンが始まりました!/共済制度

9面】

26.症例研究/CAD/CAM冠について(歯科用金属アレルギーのない患者の場合)

10面】

27.連載 私の目に映る歯科医療界⑥  歯周病治療など放置の歯科ニーズが存在

28.コロナ禍の経営めぐり体験談交え懇談/会員WEB懇談会

11面】

29.福岡県歯科保険医協会 市民公開講演(WEB)のご案内 /武州(九州大学歯学部教授)

30.東京保険医協会 コロナウイルスとイベルメクチン/花木秀明(北里大学教授)

31.歯科医療費が高いほど健康寿命を延ばす 京都大学発表

32.開業医の実態・意識基礎調査のご案内

33.保険でより良い歯科医療を/秋の署名活動

34.人類と地球の未来のために/原水禁2021世界大会

35.サンリオピューロランド/会員優待

 【12面】

36.神田川界隈科学的介護システムの危険性

37.美術文化 亡き父が愛用していた大島紬に新たな命吹き込む

38.通信員便りNo.113

39.未入会の先生をご紹介ください/未入会キャンペーン

 

第3回メディア懇談会を開催 ワクチン接種研修や政府補助金などを巡り議論

第3回メディア懇談会を開催/ワクチン接種研修や政府補助金などを巡り議論

協会は9月10日、第3回メディア懇談会を開催した。今回もコロナ禍に配慮し、WEB開催とした。加藤開副会長が説明にあたり、広報・ホームページ部長の早坂美都理事が司会を務めた。

今回の議題は、①「新型コロナワクチン接種のための筋肉内注射実技研修報告」、②「東京歯科保険医協会 歯科会員アンケート」、③「次期改定に向けて、金パラ『逆ザヤ』の抜本的な解消を求める署名」、④「診療報酬に関する厚労省要請(7月28日)」、⑤「新型コロナウイルス感染防止に関する補助金 厚労大臣要請(8月4日)」、⑥「2022年度東京都予算に関する東京都福祉健康局との意見交換および都議会各党とのヒアリング」―などとした。

①については、参加者から「研修では具体的に何を実施したのか」や「ワクチンの副反応には打ち方や接種箇所に問題があるのか」などの質問が矢継ぎ早に飛んだ。これに対し、研修の様子とともに、注射角度や部位を誤ると副反応に繋がることを解説。「正しく三角筋に打つことで、偶発的な事故を防ぐことができる」と説明した。

また、②および⑤では、会員アンケートの回答をもとに、ひっ迫する歯科診療所の経営状況を報告。感染防止対策の経費や受診控えにより経営が圧迫される上、第3次補正予算案では、厚労省が一括窓口となったため、手続きが混乱している現状を指摘した。参加者からも疑問の声が上がり、議論が交わされた。

 

写真左は加藤開副会長、右は早坂美都理事

【歯科医療情報観測】歯科情報の利活用および標準化とは何か⑤/完

 前回までは、各診療所、病院における口腔内データをCSV形式で入力し、HL7形式に変換して蓄積させていくことを述べた。
 学校健診のデータ収集については、児童、生徒の移動といった特有の事情もあり、うまくいかなかった点もあった。また、手書きであった健診も、電子ペンを導入して健診票を電子化することが始まっている。これにより、紙に書かれている情報のばらつき、表記の揺れが少なくなり、データとしての制度が高まる。
 歯科診療記録、健診データを検索閲覧できる仮想環境は、クラウド上に既に作られているので、将来的に各地で展開することが可能な段階になってきている。蓄積されたデータを利活用するためには、データの検索方法、アクセスの権限や管理をどのようにするかが大きな課題となってくる。
 身元確認を主な目的として始まったこの流れであるが、データが集積された暁には、悉皆的口腔情報がリアルタイムで参照可能となり、集計作業のオートメーション化につながり、常に最新の情報にアップデートされていくことになる。この段階になると歯科診療情報データを、治療応報、材料ごとの臨床効果の測定、既存の医療ビックデータとの突合により、医科情報などと歯科情報を組み合わせた分析などへの利活用が可能となる。
 また、HL7FHIRへ応用することにより、医療界だけではなく他職種でもデータを使うことが可能になってくる。つまり、上記図のような流れが現実的になってくるだろう。
 情報の利活用は、良い面もあれば、解決しなければならない側面もある。企業などが利益のために情報を活用することは、これまでも度々起きてきた。機微な個人情報が、本人の知らない間に活用されることは、慎重に検討すべき課題である。これらの面を後回しにしたり、見ぬふりをするようなことがあってはならないと考える。利活用に関しては、良い面とともにこれらの課題に真摯に向き合いながら進めることが大事であろう。

 初回より、これまでの記事のまとめであるが、①令和3年3月29日、厚労省による「歯科情報標準化」決定。ここに至るまでの考え方、昔と今の歯科治療について、②東日本大震災をきっかけにして、身元確認には歯科が大切なことが認識された。東北大学によりプログラムが提供されたが、個々のデータに互換性がなく、苦労された話、③身元確認だけではない情報集計により、乳幼児健診から成人健診、介護までデータを蓄積することが目標である。しかし学校健診では、小学校から中学校まで6年間同じフォーマットであるが、途中で転校などがあり、途絶えてしまってうまくいかない、④標準化する際に、大切なことは個々人の最終的な(最新の)口腔状態を一元化したコードで表記できれば便利。標準化コードを用いてCSV形式で個々のクリニックがデータをつくり、それをHL7形式に変換する、これによって医科との連携ができるようになる、⑤最終的には、個人データをHL7FEIR形式にしてクラウドに保存すると、医療機関だけではなく、他職種も使える。しかし、それには法改正も必要なので、今後を注視していく必要がある。

 現在、厚労省で行われている「歯科情報標準化」についての背景と経緯について、5回にわたって述べてまいりました。今のところ、標準コードができた段階となっており、まだ実用化には時間がかかると思われます。今後、コンピューターの仕様書に「口腔診査情報標準コードに準拠したデータの入出力ができること」この文言が必要になってくるかも知れません。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。(了)

協会理事/広報・ホームページ部長 早坂 美都

(東京歯科保険医新聞2021年9月号3面掲載)

インタビュー 南杏子 氏(医師 小説家)

2021.09.01(6~7)南杏子さん(医師 小説家 著書「いのちの停車場」)

過去のインタビューはこちら

 

映画「いのちの停車場」 

出演:吉永小百合

松坂桃李  広瀬すず /石田ゆり子 田中泯 西田敏行 他

監督:成島出
脚本:平松恵美子
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎文庫)

映画公開日:5月21日(金) 絶賛公開中
公式HPhttps://teisha-ba.jp/

©️2021「いのちの停車場」製作委員会


〈ストーリー〉
東京の救命救急センターで働いていた咲和子は、ある事件をきっかけに、故郷の金沢で「まほろば診療所」の在宅医師として再出発をする。様々な事情から在宅医療を選んだ患者と出会い、戸惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの一瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の父が倒れてしまい…。

 

 

歯科会員アンケート集計結果について

協会では新型コロナ感染症拡大による医院経営への影響を把握するため、「歯科会員アンケート」を実施しました。

たくさんの会員の先生方にご協力をいただき、ありがとうございました。

今回の調査では現在の経営状況、今後の経営の見通し、歯科医業経営を改善するために先生ご自身が望む方策などについて調査しています。

実施期間は2021年5月18日~2021年5月31日まで。

調査対象はデンタルブック登録会員とFAX登録のある会員で、FAX送信件数は1536件、メール会員約3200名へはメールニュースでアンケートの案内をしました。

歯科会員アンケートの集計結果については下記リンクよりご確認ください。

 

歯科会員アンケート集計結果

こちらをクリックしてください↑

 

また、11月に全国保険医団体連合会が集計した全国のアンケート結果が出るため、結果がわかり次第、全国の結果もお知らせしていきます。

 

アンケート結果にもある通り、多くの先生方が

「金パラの逆ザヤ解消」

を求めています。

協会では金パラの逆ザヤ解消のために署名を行っていますので、ご協力お願いいたします。

署名用紙が必要な方は、個別にFAXいたしますので「金パラ署名希望」と記載したうえで、①会員の氏名、②医療機関名、③電話番号、④FAX番号を記入の上、FAX03-3209-9918迄お申し込みください。

署名はWEBフォームでも受け付けております。

「金パラ逆ザヤ解消のための署名」

こちらをクリックしてください↑

 

金パラ原価割れ 改善を求める署名にご協力を

 金銀パラジウム合金(金パラ)の市場価格が高騰を続け、保険償還価格を上回る原価割れが続いています。全国保険団体連合会(保団連)の調査によれば、今年4~6月の30g当たりの金パラの購入価格は平均98,481円(税込)で、現時点での30gあたりの保険償還価格80,040円に対してマイナス18,441円の大きな原価割れとなっています。今年10月には随時改定が実施されて価格が引き上げられますが、1g2,951円(30g当たり88,530円)に留まり、実態には見合わない状況です。

 そのため、協会では、保団連とともに、全国の歯科会員約4万2千名に署名への協力を依頼し、厚生労働省へ提出することとしました。署名を頂ける方は、下記リンクよりご協力をお願いいたします。

*9月28日(火)署名を再開しました。まだされていない方は、下記をクリックしてください*

〇署名にご協力を頂ける方は、コチラをクリックしてください〇

 

東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)8月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞 2021年(令和3年)8月1日 第617号

1面】

1.懇切・丁寧に手技を実習/新型コロナワクチン接種のための筋肉内注射実技研修

2.1日当たり757.6点/2020年社会医療行為別統計

3.ニュースビュー

4.「探針」

2面】

5.価格改定の仕組みを議論/中医協総会

6.随時改定Ⅰ 金銀パラジウム合金引き上げへ

7.「東京歯科保険医新聞」 をホームページに公開

8.9月分から、枝番の記録もれにご注意ください/健康保険被保険者証

9.未入会の先生をご紹介ください

3面】

10.歯科情報の利活用および標準化とは何か④/連載 歯科医療情報観察

11.従業員を募集・雇用する際の注意点について/経営・税務相談 Q&A(No.384)

12.法律相談、経営&税務相談

4面】

13.暑中御見舞い名刺広告

5面】

14.研究会・行事案内

67面】

15.インタビュー 国際自然・森林医学会会長 医師 今井通子さん 「洞察力、観察力から出てきた想像力が大切」

8面】

16.期中収載される磁性アタッチメント/教えて!会長!!No.49

17.周術期 口腔機能管理が重要/第1回学術研究会

18.共済部だより

19.歯科医師6名に行政処分を答申/医道審

20.秋の共済募集キャンペーン予約受付中

9面】

21.症例研究/歯周治療用装置

10面】

22.私の目に映る歯科医療界⑤ アルツハイマー病新薬で巨額出費必至/東洋経済新報社 大西富士男氏

23.理事会だより

11面】

24.75歳以上2割化法 廃止に向けて/第2回保団連代議員会

25.全会一致 子どもへの歯科矯正への保険適用の拡充に関する請願

26.衆議院選挙に向けて 医療保険制度改革を振り返る

27.第1回か強診等の講習会開催

28.安全な筋肉内注射について解説/医科歯科連携研究会2021

29.協会活動日誌2021年7月

 【12面】

30.神田川界隈「神田川その流れに」川戸二三江副会長

31.政策委員長談話や金パラ問題に注目/第2回メディア懇談会を開催

32.12歳以上小児ワクチン接種/日本小児科学会

33.通信員便りNo.112

【歯科医療情報観測】歯科情報の利活用および標準化とは何か④

 標準化対象を整理するには、キーワードが必要になる。それが「口腔内スナップショット」であることまでは、前号で述べた。初期は、口腔状態を災害時想定してマークシートを用いて入力し、電子データにすることより始まった。これは、東北大学で開発された「Dental Finder」を基礎にしている。それと同時に、診療所から共通形式でデータが出せるようにコード設定が開始された。各診療所において共通形式(CSV形式)で検索できるようにしていく。さらにCSV形式をHL7形式に変換して、地域医療ネットワークを設けることができるよう、プログラムも作成された。
 次に、乳幼児・学校健診、節目・高齢者健診といった診療所以外のデータを抜き出し、地域医療ネットワークで使用できないかということが提案された。
 これら歯科情報の標準化については、2013年度から実証実験が行われており、課題解決に向けた取り組みが進められている。
 具体的なモデル事業が、行われることとなった。既に実証実験が済んだ取り組みについて簡単に説明をしたい。

——医療機関でのデータについて
 医療機関内のレセコンのデータを、医療機関ごとに「口腔診査情報標準コード仕様」に基づきCSVデータとして出力する。口腔内の状態を変換できた・できない、の確認を行い具体的な改善を行う。医療機関では倫理審査委員会での申請や患者への説明、オプトアウトについて患者確認などを行う。その後、データを地域医療ネットワーク等へ移動する。可能であればデータ出力した患者さんの口腔状態の画面をコピー出力してもらう。仮想環境である地域医療ネットワーク等にデータをアップすることによって、身元確認等への活用が可能となる。
 既に実施された実証実験では、最終的にモデル大学内に構築されたネットワークの仮想環境内へのデータアップまでは技術的に可能であることが確認されている。

——乳幼児・学校、節目 健診のデータについて
 節目健診の結果もCSV形式で地域医療ネットワークにアップロードした。モデル事業では、紙で集計されたものをOCR処理をし、エクセルファイルで出力した。このエクセルファイルをデータ分析機関にて集計、分析後さらにCSVに変換して出力したものを、地域医療ネットワークにアップロードした。
※OCR処理(光学的文字認識)とは、手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読み取り、コンピュータが利用できるデジタル文字コードに変換すること。

 ここで、うまくデータ化できなかった事例として、学校健診があげられる。健診記号を集計し、結果をテキストファイルにしてCSV形式にすれば良いのだが、学校健診ならではの欠点があった。モデル事業を行った学校健診の用紙は、小中学校九年分の口腔状態を記載するフォーマットになっていた。
 途中、転校や学区外の中学に進学したときなど、児童生徒たちをその都度追えないということが、現地の教諭から声があがった。各地に移動してしまった児童生徒たちのデータを、誰がクラウドにあげることを承諾するのか、という問題が生じるのである。
 この部分は、これからの課題として残ってしまっている。
 次回は、今後の事業計画について述べていきたい。

協会理事/広報・ホームページ部長 早坂 美都

(東京歯科保険医新聞2021年8月号3面掲載)

【後援】福岡県歯科保険医協会 市民公開講演会(WEB)のご案内

「みんなで考えて「歯」と「口」 から全身の健康を守りましょう」

昨年、 歯周病菌が体内に侵入すると 認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症 の
原因物質「アミロイドベータ」の脳への蓄積量が通常の10倍となる などのメカニズム を
九州 大 学 などの研究チームが解明し、日本社会 、そして世界中 に 衝撃を与え ました。
研究チーム の リーダーで 、 テレビ番組 などで 研究成果 を わかりやすく 解説されてきた
武洲先生 に、 「歯周病と認知症」、その最新の研究動向 を お話し いただきます。
また、 九大歯学部の皆さんには 、 新型コロナウイルスによる感染と重症化を予防 する
ために「口から免疫 機能 を維持 ・ 向上させる」提案 をしていただきます。
私たち歯科医師にとっても、患者・家族の皆さん、医療・介護の多職種の皆さんと 協力し 、
「歯」「口」 と 全身の健康 との関わりをますます学ぶことが急務となって います。
「歯」と「口」から全身の健康を守る ために 、みんなで 意見交換しましょう。

日時

 9月12日(日)15時~17時

 ウェブ会場

 「ZOOM」ウェビナー

  ※参加方法はお申込み後、開催までにメールでご案内いたします。

 講師

 武洲先生

 (九州大学歯学研究院准教授)

 井上光貴さん 、 今村早希さん 、 小林瑶子さん 、 平原瞭さん

 (九州大学歯学部4年生、5年生)

 久保哲郎さん

 (福岡県歯科保険医協会副会長・地域医療対策部長、

   NPO法人老いを支える北九州家族の会副理事長)

予約

要予約。下記の FAX 番号 または 電話 番号 ・メール アドレス よりお申込ください 。

福岡県歯科保険医協会

FAX :092-473-7182 メール: shichiri@doc-net.or.jp

 

【ウェブ参加のみに変更】案内状

 

今の時差改定方式は欠陥品/高騰金パラ「逆ザヤ」問題の根本解決は待ったなし【連載】私の目に映る歯科医療界④

歯科医悩ます「銀歯」高 診療報酬 改定追いつかず 貴金属相場、マネー流入で急騰


 こう見出しを打った記事が五月初旬の日本経済新聞に載った。歯の治療に不可欠な「銀歯」、いわゆる金パラなど歯の補填物に使う金属材料高騰のあおりで、「逆ザヤ(赤字)」問題が歯科診療所経営に猛威を振るう現状を的確に伝える良い記事だ。

 

随時改定Ⅰ・Ⅱ導入も真の問題解決には程遠い現実

 確かに、金、銀、パラジウムの価格高騰が続いているが、その補填を一人でかぶらなければならない歯科医師にしてみれば、「たまったもんじゃない」ことだろう。
 保団連をはじめ、歯科関連団体は厚生労働省にこの問題の解決を強く求め続けてきた。2020年度には、金属材料の公示価格(歯科医師にとっては支払われる価格)の改定制度で成果を出している。4月、10月に5%以上の高騰(下落もだが)があった場合に改定する従来の制度(随時改定Ⅰ)に加え、その合間の1月、7月にも15%以上の高騰があった場合にも改定できる随時改定Ⅱを獲得したわけだ。
 理論的には、金属材料の変動リスクをよりタイムリーに避けられるようになったわけだが、危惧した通り、問題の真の解消には程遠い現実も見えてきている。

過去の価格変動で将来の価格高騰埋めるは無理筋

 この問題を引き起こす要因は複数あるが、根本原因を一つ挙げろと言われれば、改定するかどうかの基準となる変動幅(随時改定Ⅱでは15%以上なら公示価格を改定し、15%未満なら元の公示価格のまま据え置く)が下記計算式をもとに計算されることになっている点だ。
 今回でいえば、4月時点での過去9カ月間の値動きで、3カ月後の7月の改定実施時の値段を決めることになる。この算定式に基づき、今年7月の金パラ公示価格値上げはなしと決まった。
 しかし、6月3日開催の「6・3初夏の歯科総行動集会」の時の保団連資料によれば、今年5月の金パラの推定実勢価格は10万577円、現行の公示価格の8万40円だと、実に2万533円、率にして26%もの逆ザヤになっている。実態には、まったく合っていないわけだ。
 さらに、6月以降も金属材料がこのまま値上がりが続けば、次の改定時の10月まで、この逆ザヤが毎月、歯科医師の経営に覆いかぶさる。

透明かつ根本的な毎月改定など制度改定が必要

 実勢価格を毎月タイムリーに公示価格に反映する制度導入が、唯一の根本解決策なのは明らかだ。
 ほかに、公的価格のある商品サービスで同じ逆ザヤ問題が起きているかどうか、私自身は寡聞にして知らないところだが、IT化の進むいま、実勢価格を把握し毎月の公示価格に反映することは、技術的には可能ではないだろうか。
 仮に、毎月の公示価格改定が技術的または費用対効果的に難があるならば、その時は3カ月後に、例えば歯科医師がその間にかぶった逆ザヤ分は、厚生労働省が遡及して返すような仕組みにすべきだろう。
 この場合、変動費用を予算枠で手当てする工夫が必要になるだろうが、個人的思い付きではあるが、予備費などで担保できるのではないか。少なくとも議論、検討するだけの価値はあるのではないかと考える。
 金属材料の値上がりが続く局面では、補綴物に国が支払う額は増えるわけだが、これは歯科医師が懐に入れるものでもなく、国民が負担するものとして捉えるべき筋合いの話だ。
 今年は、2022年度診療報酬改定という絶好の議論の場がある。歯科技工士問題でも厚労省は自身が行う実勢価格調査の結果を非公開にする。この「金パラ」逆ザヤ問題でも、自ら依拠する貴金属の市場実勢価格を明らかにしていないと聞く。行政の透明性では大問題だ。国民の立場からも、関係団体にはこの点も含め、厚労省には強く改善を要求してほしい。

筆者:東洋経済新報社 編集局報道部記者 大西 富士男

(東京歯科保険医新聞2021年7月号10面掲載)

【歯科医療情報観測】歯科情報の利活用および標準化とは何か③

 前回まで述べた生前情報の蓄積と死後情報とのマッチングであるが、レセプトデータやレセコンの電子カルテ、乳児検診、成人歯周病健診によって得られた口腔診査情報を身元確認に利用できるとの法的根拠はなく、オプトアウトによる利活用はできないため、事前に患者さんからの承諾が必要となる。今後この方面での法整備が必要になるが、口腔内情報は極めてセンシティブな情報なので、慎重な対応が求められている。

「口腔診査情報標準コード」について
 レセコンや歯科電子カルテ、歯科健診ソフトなどに入力された口腔診査情報は「口腔診査情報標準コード」に置き換えられ、「口腔状態スナップショット」として出力する。診療や検診の度に「口腔状態スナップショット」は最新の状態に保たれる。口腔の状態を共通の「口腔診査情報標準コード」で保存することにより、入力したプログラムでなくても同じ情報を得ることが可能となる。つまり「口腔状態スナップショット」にアクセスできれば身元確認での活用が可能となる。
 東日本大震災前は、身元不明のご遺体の口腔状態については、紙での手書きフォームに記載されたものを用い、警察経由で各診療所に問い合わせがあった。また、乳幼児・学校健診、節目・高齢者の歯周病健診などの健診事業では、紙で集計された数字が行政に上がっていた。
 震災直後の混乱の中、当時東北大学で開発された「Dental Finder」で、ご遺体の口腔情報を電子情報に置き換えるためのフォーマットを用い、問い合わせを始めた。しかし、各診療所や病院のデータ形式が統一されていなかったため、データ収集に時間がかかり、身元確認作業での活用が困難な状態であった。
 「口腔診査情報標準コード」では歯種、現在歯・欠損歯の有無、現在歯の内容、欠損歯の内容、歯列・咬合の情報等が格納される。カルテ一号用紙の口腔内の状態をイメージすると分かりやすい。この他歯科医師会行動計画(改定版)のデンタルチャート(死後記録)項目と過去災害例からの代表的な表記、インターポールの災害犠牲者身元確認(DVI)フォームで使われる項目も収載している。
 これらの項目は「口腔状態スナップショット」として「CSV形式データ」で保存される。これにより、歯科レセコンベンダが取り組みやすくなり、またHL7形式に変換しやすくなる。HL7形式に変換することにより、医科との共有がしやすくなる。
 次回では、標準化のための段階を初期から順番に述べていきたい。

協会理事/広報・ホームページ部長 早坂 美都

(東京歯科保険医新聞2021年7月号3面掲載)

第2回メディア懇談会を開催/中医協での歯科材料議論の可能性や歯科医師のワクチン接種などに関心集まる

第2回メディア懇談会をWEB方式で開催/中医協での歯科材料議論の可能性や歯科医師のワクチン接種などに関心集まる

協会は79日、第2回(通算83回)メディア懇談会をWEB方式で開催した。WEB開催は前回5月に続き2回連続となり、説明と報告は坪田有史会長が行い、司会は広報・ホームページ部長の早坂美都理事が務めた。

冒頭、613日の第49回定期総会で会長に就任した坪田会長が、総会全体の模様と「決議」について報告を行い、さらに今期スタート当たっての挨拶を行った。続いて、①政策委員長談話「歯科医師によるワクチン接種は適法性があることを法に明記すべき」、②金銀パラジウム合金の問題(逆ザヤシミュレーター)、③2020年学校健診後治療調査、④歯科医師による新型コロナワクチン接種のための筋肉注射実技研修の紹介―について説明を行い、その後、協会側と参加者による懇談に移った。

その中では、今後の中医協の検討の中で歯科材料が議論の俎上にのる可能性があることが注目されたほか、歯科医師による新型コロナワクチン接種を巡り、日本歯科医師会のeラーニング受講や協会が筋肉内注射の実技研修会の実施を予定していることなどについて関心が集まった。

次回開催は本年9月の予定。

説明・報告に当たる坪田有史会長

司会を務めた広報・ホームページ部長の早坂美都理事

 

東京都中小企業者等月次支援給付金 7月1日より申請開始

7月1日より、東京都中小企業者等月次支援給付金の申請が始まりました。

売上の減少が30%以上の個人事業主に対しては5万円の支援金が給付されます。

国で行っている月次支援金の受給要件は2022年の4・5・6月の売上が2019年または2020年の4・5・6月の売上と比較し50%減少していることとなっていましたが、今回の東京都独自の月次支援給付金は30%減少していることが受給要件となっており、要件が緩和されています。

また、既に国から月次支援金をもらっている場合も追加申請ができます。

詳細は以下の通りです。

 

東京都中小企業者等月次支援給付金

1 申請受付について

(1)申請受付期間

 申請開始:令和3年7月1日(木曜日)

 申請期限:令和3年10月31日(日曜日)(消印有効)

(2)申請方法

  ① オンライン申請:専用ポータルサイトから申請できます。

     https://tokyogetsuji.metro.tokyo.lg.jp/

  ② 郵送申請:簡易書留など郵便物の追跡ができる方法で、以下の宛先にご郵送ください。

    【宛先】〒111-8691 浅草郵便局 私書箱:121

        東京都中小企業者等月次支援給付金 申請受付 宛

 

2 申請要件

(1)都内に本社・本店のある中小企業等及び都内に住所のある個人事業者等であること(業種を問いません)

(2)都内に本社・本店のある酒類販売事業者であること

(3)緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けていること

(4)2021年の456月における各月売上額が2019年又は2020年の同月の売上額と比べて30%以上減少していること

(5)今後も事業の継続及び立て直しのための取組を実施する意思があること

※東京都のホームページでは給付対象の具体例として医療・福祉関連の事業者をあげており、コールセンターでは緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う外出自粛等の影響で売上が減少していれば、歯科診療所も対象となり得ると回答しています。

 

3 給付額

  2019年又は2020年の基準月の売上ー2021年の対象月の売上
50%以上減少 30%以上50%未満減少
中小企業等 酒類販売事業者 上限20万円/月 上限10万円/月
その他の事業者 上限5万円/月 上限10万円/月
個人事業者等 酒類販売事業者 上限10万円/月 上限5万円/月
その他の事業者 上限2.5万円/月 上限5万円/月

※ 月ごとに売上高の減少額に応じて給付額を決定(定額給付ではありません)

※ 対象月:2019年又は2020年の同月比で、売上が30%以上減少した2021456

※ 基準月:2019年又は2020年における対象月と同じ月

※50%以上減少の場合は国からの月次支援金に上乗せする金額、申請には国の月次支援金の給付決定通知が必要

 

4 問い合わせ先

東京都中小企業者等月次支援給付金コールセンター

電話 03-6740-5984

900分から1900分まで(土曜日・日曜日・祝日含む))