協会ニュース

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

次世代型顔認証付きカードリーダー/スマホ保険証読み取り機能を標準搭載

2025年1218日に開催された社会保障審議会医療保険部会において、次世代の顔認証付きカードリーダー(以下、顔認証CR)の仕様が公表された。21年から販売されている現行の顔認証CRの保守期限(通常、販売から5年間)が263月末から順次到来することを受け、今年度中に販売が開始される見込み。販売予定のメーカーは、キヤノンマーケティングジャパン、パナソニックコネクト、リコージャパンの3社で、導入にあたっては費用の補助も予定されている。

資料によると、現行機種との最大の違いは、本体にスマートフォンに搭載されたマイナ保険証(以下、スマホ保険証)の読み取り機能が標準搭載される点といえる。また、各社独自の機能として①テンキーによる操作(本体付属またはオプション)、②音声案内機能などが盛り込まれている。

◆低調なスマホ保険証

キヤノンマーケティングジャパン製以外の現行機種では、スマホ保険証の読み取りに別途「汎用カードリーダー(汎用CR)」が必要だが、次世代機を導入すれば本体だけで対応可能になる。

ただし、スマホ保険証の読み取りに対応している都内の歯科医療機関は、本年119日時点で3,530件(約34.1%)と低調だ。利用者への普及も途上にある。松本尚デジタル大臣の記者会見(16日)によれば、2512月末時点のマイナ保険証登録数9,000万件に対し、スマホ保険証の登録は約500万件(約5.6%)に留まっている。

 

◆混乱のない丁寧な対応を

スマホ保険証の導入当初、顔認証CRの機種によって汎用CRの追加購入の要否が分かれ、現場には困惑と不公平感が広がった。次世代機への移行の際は、同様の混乱が生じないよう、丁寧な情報提供と支援が不可欠である。協会としては、今後の動向を注視しつつ、現場の実情に即した要望を国や行政に行っていく。

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

第52回保団連定期大会/協会から発言通告9本を提出

全国保険医団体連合会(保団連)は124日、25日の2日間にわたり第52回定期大会を開催し、202526年度活動方針や予算、次期保団連役員の選任が承認された。全国の協会・医会から大会代表、事務局ら総勢332人が参加した。

1日目は副会長を除く次期保団連役員が選任され、当協会からは保団連理事として呉橋美紀・矢野正明各理事が選任された。会長は信任投票で竹田智雄氏が信任された。

役員選任の際に、保団連副会長の定員を9名から10名に増員することを求める動議が出され、承認された。2日目に10名の保団連副会長が選任され、当協会理事からは森元主税氏(現職)が副会長に再任された。

森元主税理事        (保団連副会長に再任)

早坂美都会長

加藤開副会長

発言は事前発言通告が162件、フロア発言は62件の計224件が行われた。当協会からは早坂美都会長が共済制度の保険会社の幹事交代に関して「幹事交代は慎重に検討すべき」と題し、口頭発言を行い、幹事交代時の莫大なコストや募集体制の維持が困難な点などの多数の問題を指摘した。それに対し、執行部からは、今までの経緯が説明された。そのほか、「介護保険利用者の一部負担割合引き上げに全国で反対しよう」「保団連として歯科会員の実態調査を希望する」「トラブルが解決するまでは、健康保険証の復活を」「個別指導・新規個別指導における提出文書の事務負担軽減を求める」「中小・歯科医療機関向けサイバーセキュリティ研修動画の整備を要望する」「医療機関の経営を守るため、次期改定で診療報酬の抜本的引き上げを求め、共に頑張ろう!!」「医療DXにフォーカスをあてた『歯科医療改革提言』の作成を」「2026年度診療報酬改定における歯科診療報酬と構造的課題」と題した8本を文書発言した。鳥取県保険医協会からは「賃上げ・経営努力と矛盾する高点数理由の指導は中止を」といった行政の不合理是正を強く求める発言が多く上がった。

執行部からは当協会を含む各協会の発言通告を真摯に受け止め、活動・改善していくことが答弁で示された。

引き続き、当協会としても保団連および全国の各協会・医会と連携し、歯科医療および社会保障の改善を行うべく活動していきたい。

最後に「国民皆保険制度を維持し、いのちと暮らし、平和を守る政治の転換を求める」と題し、診療報酬の10%以上の引き上げを継続して求めるなどの主旨が盛り込まれた決議案が採択され、大会は終了した。

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声/診療報酬改定に向けたパブコメ

物価高騰対策・算定要件の簡素化求める声

中央社会保険医療協議会(中医協)総会が1月14日に開催され、「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」が確認された。これを受け、厚生労働省は、1月14日から1月20日まで意見募集(パブリックコメント)を行った。

協会はこれを受け、デンタルブックメールニュースを通じて、歯科医療の現場の声を多く提出することを会員に呼び掛けていた。以下に、複数の会員が提出した意見を紹介する。

【会員が提出した意見より】

・物価高騰対策は、各診療所に委ねることなく、国民皆保険を守るため国主導で責任をもって全医療機関に対し一律に実施するよう求める。

CADCAMインレーおよびCADCAM冠の算定要件の簡素化を求める。

・歯科用貴金属は情勢に即している点数とは言い難く、情勢に即した価格設定にすべき。また、技術料についても随時改定を検討することを求める。

・改定率と実際のコスト上昇との乖離が大きい、このままでは持続可能な歯科医療提供体制を確保できない。ベースアップ評価料ではなく、初診料・再診料の大幅引き上げで評価することを求める。

・人件費や医療材料費、光熱水費など物件費の高騰が著しく、中小規模の歯科診療所ではその影響が大きい。ベースアップ評価料など施設基準や補助金などでこれ以上の事務負担をかけることなく初・再診料はもちろん、処置や手術、歯冠修復・欠損補綴などそれぞれの個別項目において保険点数の技術料に反映し、評価すべきです。

OTC類似薬を保険給付から外すことに反対です。たとえ保険から外さなくても、別途患者負担を追加することにも反対です。病気やけがで困っている患者からさらなる負担を求めることがおかしい。OTC類似薬の保険外しにより、国庫負担は減るかもしれないが、保険料の負担軽減はわずかなもので、むしろOTC類似薬が必要な患者の負担は増加してしまう。

第2回学術研究会/26年度改定で適用拡大へ 口腔内スキャナー導入を

第2回学術研究会/26年度改定で適用拡大へ 口腔内スキャナー導入を

協会は2025年12月18日、協会会議室(WEB併用)で第2回学術研究会を開催した。「歯冠補綴治療における口腔内スキャナーの有用性―保険導入されたCAD/CAMAインレーへの応用―」をテーマに、星憲幸氏(神奈川歯科大学教授・口腔デジタルサイエンス学分野)を講師に迎え、184人が参加した。

星憲幸氏

24年度診療報酬改定により、CAD/CAMインレーに限り口腔内スキャナー(IOS/Intraoral Scanner)による光学印象が、保険適用となった。本講演は、26年度改定でさらに光学印象の適用拡大の可能性があることを背景に企画、開催したもの。
講演では、IOS礎知識、従来法と光学印象との比較、IOSの印象以外の使用法などを解説した後、実際の使用方法やポイントを画像で示して説明した。また、主要なIOS製品の特徴、推奨用途、価格などをまとめた表で比較。IOSを臨床に取り入れるための有用な情報、講師の深い知見に基づいた解説が満載の講演であった。
参加者からは「口腔内スキャナーの具体的な使い方を知ることができた」「スキャンする際の注意点など、とても勉強になった」などの感想が寄せられ、参加者に役立つ講演となった。

 

 

◆デンタルブックで動画配信中
現在、本研究会のオンデマンド動画をデンタルブックに公開している。研究会に参加できなかった会員はぜひ、視聴いただきたい。

新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起/指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意

新規開業医講習会に32名参加/保険ルールと新規個別指導への注意喚起/指導通知は特定郵便に変更、見逃しに要注意

協会は118日、ワイム貸会議室高田馬場で新規開業医講習会を開催し、32名が参加した。講師は、協会の加藤開副会長、島倉洋造、三島桂両社保・学術部員が担当した。参加者は、2月以降に新規個別指導を受ける予定の開業医や、指導通知が実際届いた開業医、今後新規や遡及による開業を予定している勤務医、2026年度診療報酬改定を前に、改めて保険請求やカルテ記載を学び、万全を期そうとするベテランの開業医と勤務医の姿もあった。

講習会ではまず、新規個別指導の流れを解説し、年間計画のほか、指導通知が届いてから指導日までに準備すべき事項の流れ、指導時に指摘されやすい項目や、当日の持参物などを具体的に説明。また、保険と自費の混合診療の考え方や歯周治療と補綴までの流れ、協会に多く質問が寄せられる根C、Ce管理中のF局の算定方法やCAD/CAM冠の適用、SPTとP重防などにも触れた。

また、24年の新規個別指導では1割以上が「再指導」になった実態も挙げ、開業時からのカルテ記載が重要であると説明した。

なお、25年から指導通知の郵送方法が、簡易書留から特定記録郵便へ変更され郵便受けへの投函のみとなったことで、他の郵便物と紛れて見逃してしまう事例があったため、重ねて注意を促した。

参加者からは、「分かりやすい説明だった」「カルテ記載は大丈夫と思っていたが、知らなかったことも多くあり、参加してよかった」などの声が寄せられた。

◆今後は新点数への対応も

26年は診療報酬改定を控えており、6月以降に指導を受ける場合は新たな診療報酬をより一層理解しておく必要がある。協会は410日㈮、521日㈭、527日㈬に新点数説明会を開催する。ぜひ、ご参加いただきたい。

歯科診療所で利用できる助成制度一覧

医療機関が利用できる助成制度や給付金制度についてリンクをまとめました。ご利用ください。


【都・国の補助金等】

<保険医療機関のみ>
東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業(診療所)
 1.診療所等賃上げ支援事業
 ◎支給額
  歯科診療所 150,000円(2026年3月1日時点でベースアップ評価料を届け出ていること)
  歯科技工所  75,000円

 2.診療所等物価支援事業
 ◎支給額
  歯科診療所 170,000円
  歯科技工所  85,000円

医療扶助におけるオンライン資格確認等導入に係る助成金
 ・・・医療扶助のオンライン資格確認の導入に伴うレセコン等の改修費用の助成金です。
※ 当面の間助成を受け付けるとしています(2026/2/10現在)
補助額 5.4万円を上限に補助(または事業額の7.3万円の3/4を補助)

医療費助成のオンライン資格確認・マイナンバーカードの診察券利用に係る助成金
 ・・・医療費助成のオンライン資格確認の導入に関するレセコン等の改修費用の助成金です。
※ 現在助成の一部受付が停止されています。

こども DX 推進に向けた医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業(東京都)
 ・・・マイナンバーカードを医療費助成の受給者証として利用可能とするための、PMH接続に係るシステム改修を行った医療機関・薬局に対し、国の補助額に上乗せして行う補助金です。
注)当該補助金の申請は、上記「医療費助成のオンライン資格確認・マイナンバーカードの診察券利用に係る助成金」の交付決定が条件となります。

電子処方箋管理サービス等関係補助金
 ・・・2026年9月30日までに電子処方箋管理サービスを導入した医療機関等が受けられる補助金です(事業額の診療所上限1/2)。

<保険・自費で活用可>
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
 ・・・業務効率化(レセコン、予約管理など)を目的とした補助金です。
導入例
レセプトコンピューター
会計ソフト
勤怠管理システム
オンライン予約システム
など

東京都事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(一般コース)
 ・・・「これまで営んできた事業の深化又は発展」に取り組み、これが経営基盤の強化につながると認められた場合に、当該取組に必要な経費の一部を助成します。
利用例
機器名        期待効果
歯科用CTスキャナー   精密診断による治療精度向上
デジタルレントゲン   被ばく量削減、画像診断の高度化
CAD/CAMシステム 院内技工による迅速な補綴物製作
など

<自費診療のみ活用可>
ものづくり補助金(医療法人等向け)
 ・・・歯科用CT、CAD/CAM機、3Dプリンターなど、革新的な機器・設備導入に活用できます。
利用例
歯科用CAD/CAMソフト
歯科医療専用3Dプリンタ-
歯科医療専用3Dスキャン
歯科医療専用ミリングマシン

中小企業省力化投資補助金(一般型)
 ・・・中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援する補助金です。

2025年に行った助成金・補助金についてのセミナーをアーカイブ配信しています。
上記助成金についても解説していますので参考にしてください。
視聴するには下記をクリックしてください。
第1回経営管理研究会/助成金・補助金セミナー_西岡敦氏
デンタルブックが開きますので「動画配信」から当該セミナーを選んでください。
注)視聴にはデンタルブックへの登録が必要です。


過去の助成金に関するページは以下をクリックしてください。
生産性向上・職場環境整備等支援事業(給付金・18万円)(2027年度)
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2025年4月~12月分)について

2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2025年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2月16日から2025年分所得税確定申告の受け付けが始まります。今回の申告で注意すべき所得税改正点および留意点のうち、主なものは以下の通りです。

なお、詳細は書籍「保険医の経営と税務2026年版」に記載されております。会員の先生に1冊無料で進呈します(トップページの「研究会・行事ニュース」コーナー参照)。ご希望の方は右のQRよりお申し込みください。

(1)基礎控除の変更

基礎控除が改正され、合計所得金額が2,350万円以下である場合の控除額が合計所得金額に応じて下記の通り変更となりました。改正前から10万円引き上げられ58万円となり、所得金額が下がれば基礎控除額が逓増し、所得金額が上がれば基礎控除額が逓減します。

 

 

 

 

(2)給与所得控除の改正

給与所得控除額が改正され、最低保障額が65万円(改正前:55万円)に引き上げられました。

 

 

 

(3)給与等の源泉徴収税額表の見直し

上記(1)(2)に伴い、源泉徴収税額表が見直されました。202511日以後に支払うべき給与等について適用されて税額が変わりますので、新しい税額表を使用してください。

(4)特定親族特別控除

居住者が19歳以上23歳未満の一定の親族等(特定親族)を有する場合には、その親族等の合計所得金額に応じて最大63万円が控除されることとなりました。子等の合計所得金額が85万円(給与収入が150万円)以下の場合は63万円の所得控除が適用され、それを超える場合は控除額が段階的に逓減する仕組みです。

 

 

 

(5)扶養親族等の所得要件

扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が58万円以下(改正前: 48万円以下)に引き上げられました。

(6)賃上げ税制

青色申告書を提出している事業者が一定の条件を満たした上で、前年より給与等の支給額を1.5%以上増加させた場合、給与等増加額の15%から最大40%を所得税額から控除することができます。税額控除額は、所得税額の20%が上限となりますが、改正により、控除しきれない金額がある場合には、その金額を5年間繰り越すことができることとされました。

(7)医療用機器の特別償却

青色申告者が1500万円以上の新品の医療用機器を取得した場合に、普通償却に加えて取得価額の12%の特別償却ができる制度の適用期限が2年間延長され、2027331日まで適用されることとなりました。

対象となる資産は、以下に掲げる一定の機器に限定されています。

①歯科用ユニット、②炭酸ガスレーザ、③エルビウム・ヤグレーザ、④ネオジミウム・ヤグレーザ、⑤ネオジミウム・ヤグ倍周波数レーザ、⑥デジタル式歯科用パノラマX線診断装置、⑦デジタル式歯科用パノラマ・断層撮影X線診断装置、⑧チェアサイド型歯科用コンピュータ支援設計・製造ユニット、⑨デジタル印象採得装置、⑩アーム型X線CT診断装置、⑪歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニット

なお、今回の改正で202541日以後に取得した歯科用オプション追加型ユニットが対象から除外されました。

(8)その他の留意点

①金属売却収入

歯科金属や金歯・撤去冠などの歯科スクラップを金属業者へ売却した場合、忘れないよう雑収入に計上してください。

②国等から補助金等が支給された場合の取り扱い

下記の補助金等は事業所得の雑収入となります(消費税は対象外)。

・東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金等、自治体による物価高騰対策補助金、生産性向上・職場環境整備等支援事業補助金等

・オンライン資格確認に必要な機器の導入に係る補助金

※収入計上時期は支給決定時です。ただし、経費を補填するために交付を受ける助成金等については、その支出が発生した年分の収入とされます。

また、補助金等により固定資産を取得した場合には、国庫補助金等の総収入金額不算入制度(いわゆる圧縮記帳)を適用することにより課税の繰り延べをすることができます。

(9)2026(令和8)年度税制改正大綱

103万円の壁

給与所得者のいわゆる103万円の壁について、低所得層の税負担を軽減するため2025年については課税最低限が160万円まで引き上げられましたが、2026年には178万円まで引き上げられる見込みです。

②少額減価償却資産の必要経費算入制度

青色申告書を提出している事業者が購入金額30万円未満の資産を取得した場合、全額が必要経費となる制度について、202641日以降の取得についてはその基準が40万円未満に改正される見込みです。

★経営管理研究会(2024年10月22日開催)をオンデマンド配信中

なお、協会では「補助金・助成金セミナー~歯科診療所が活用できる補助金・助成金・支援金その最新情報と申請のポイント~」をテーマとして2024年10月22日に開催した第1回経営管理研究会をオンデマンド配信しています。ぜひ、デンタルブックの協会制作動画コーナーをご覧ください。

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

「資格確認書の一斉交付」協会の陳情 杉並区議会が採択/マイナ保険証移行に伴う混乱解消へ新たな一歩

 ◆画期的な採択 世田谷・渋谷区を先例に

協会は20257月、世田谷・渋谷両区を除く都内全区市町村に対し、国保加入者への資格確認書の一斉交付を求める陳情書を提出した。

その結果、26114日の杉並区議会本会議でその陳情が採択され、今後、同区では一斉交付について検討を始めることになった。今後の動向を注視したい。

◆国に健康保険証の復活を求める

また、同本会議では東京保険医協会の「健康保険証を復活させるよう国に対して意見書の提出を求める陳情」も採択され、区から国へ意見書が提出された。

その杉並区の意見書の内容を見ると、国民の不安が払拭されていない現状を指摘し、健康保険証の復活と円滑な受診環境の確保を国に強く求めているほか、情報のひも付けや10割負担の請求、負担割合の相違などの関連するトラブル事例も記し混乱する現場の状況に理解を示す内容となっている。

◆現場の実態と声を行政へ

これらは、資格確認で困っている現場の声を行政に届けた結果、採決につながったもの。協会は引き続き現場の実態と声を行政へ届けていく。諸活動への理解と協力をお願いするとともに、ぜひ、現場の声を協会までお寄せいただきたい。

連載/遊歩道  第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

連載/遊歩道 第1回 「2026年度改定に向け厚生労働省へ要請」/東京歯科保険医協会副会長 坪田 有史

 

前会長の坪田有史氏が歯科について執筆するコラムを新たにスタートさせます。タイトルは「遊歩道」。「遊歩道」は散歩や自然観察、景観を楽しむこと(遊歩)を目的として作られた道のことです。コラム「遊歩道」は、さながら、遊歩道を散歩しているがごとく、時には立ち止まり、時には遠くを見つめながら、坪田氏独自の視点で歯科界を自由に解説していきます。ぜひ、ご期待ください。

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【2026年度改定に向け厚生労働省へ要請】

◆厚労省要請で保険請求の不合理是正を要望

協会は2026年度診療報酬改定に対して、協会会員から寄せられた要望や意見を伝えるため、25124日に5名の役員と2名の事務局員が厚生労働省を訪ね、要請活動を行いました。本稿では、その内容を抜粋して報告するとともに、私見を述べます。

要請時点で、既に26年度改定の内容については、中央社会保険医療協議会(中医協)において骨子や方向性が示されていました。その上で今回の要請の趣旨は、「歯科医療の質の向上および国民の口腔の健康を図るため、現行の告示および通知における運用上の課題について、臨床実態に即した見直しを行い、制度の実効性を高めることを要望すること」でした。すなわち、歯科保険医が日々診療を行う中で、保険請求において不合理と感じる点や疑問に思う点などを、診療報酬を所管する官庁である厚労省側に直接要請することでした。

◆なぜ、私が協会で活動するのか

約14年前、私は東京歯科保険医協会に入会し、協会活動に参画しました。その理由は、所属していた大学で研究・臨床を行う中で、特に研究テーマの一つであった支台築造について、エビデンスに基づかない保険算定要件の縛りや不合理な解釈を改善したいと考えたからです。

当時、厚労省の改定を担当された方に要請し、理解を得て、支台築造の算定要件の改善を実現しました。一人の歯科医師の声が協会を通じて保険制度の内容を改善したことは、とてもうれしい経験でした。

この成功体験は、今でも私が歯科保険医、そして患者・国民のために協会活動を行う土台、礎となっています。私の経験を、ぜひ他の先生方にもお伝えしたい、そして実際に経験していただきたいと思っています。協会会員の先生方はもちろんのこと、まだ協会に入会されていない先生方も、日々保険診療を行う中で疑問に思うこと、改善してほしいと感じることがあるはずです。声を上げなければ、それは行政側には届きません。私は、多くの先生方に協会活動へ参画していただくことを望みます。それが叶わなくとも、協会は先生方の声を行政に届けますので、ぜひご要望、ご意見を協会までお寄せください。それが患者、国民はもとより、必ず歯科保険医、歯科技工士、歯科衛生士、メーカーなどの歯科医療関係者へのフォローになります。

◆今後の改定動向を注視

1月に学会ルートである医療技術評価提案書を通じて、評価される新技術や既存技術の改善に関する提案が発表されます。そして2月には、26年度改定の具体的な内容が明らかになります。その内容が、前述した要請の趣旨に沿ったものとなるよう、協会は今後も臨床現場からの意見を提示していきます。

今後とも、協会活動へのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

★機関紙「東京歯科保険医新聞」2026年1月1日号(No.670)8面掲載

【衆院選2026 政党アンケート】歯科の政策は?

 東京歯科保険医協会は、衆議院選挙(2026年2月8日投開票)に向けて、各政党に対し歯科医療などに関する政策についてアンケート調査を実施しました。アンケートを依頼したのは、自由民主党、中道改革連合、国民民主党、日本維新の会、日本共産党、参政党、れいわ新選組、日本保守党、チームみらいの各党です。

 以下は質問内容と、各政党からの回答(2/5 12:00時点)です。クリックすると回答が閲覧できます。 歯科に関する政策理解を深めていただく一助となれば幸いです。

アンケートの結果一覧(PDF)はこちらからご覧いただけます

衆院選に向け、東京の候補者に推薦状をお渡ししました

 若宮健嗣候補(東京5区・下段左)、松原仁候補(東京26区・下段右)へ、28()の衆議院議員総選挙に係る推薦状をお渡ししました。 歯科医療分野には様々な課題がありますが、その改善のためには、業界だけに留まることなく様々な方々に応援していただけるよう、幅広く活動を広げることが必要です。 東京歯科保険医協会として、日頃お世話になっている若宮議員および松原議員との連携を深めることによって、より良い歯科医療の未来づくりを進めていきます。 衆議院選当日まであと数日ですが、1人でも多く、歯科医療分野にご理解を頂ける先生方が当選されることを願っています。

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

2025年124日に開催された「保険証を返せ!国会集会」で、全国保険医団体連合会(保団連)が2510月から11月にかけて行った「20258月以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査」(以下、実態調査)の中間報告を公表した。それによると、回答した医療機関の69.8%がオンライン資格確認システム(以下、オン資)でのトラブルを経験しており、挨拶に立った保団連の竹田智雄会長は、「トラブルは改善していない。混乱は健康保険証を残せば解消する」と指摘した。

スマホ保険証*の導入率未だ25・1%と低迷

122日以降の資格確認方法は、表の通りである。マイナ保険証の有無、マイナ保険証(マイナンバーカード)かスマホ保険証か、オン資の導入状況などにより、資格確認方法は複数に分かれる。

また、同11月のマイナ保険証の利用率は39.24%と低迷している。同9月から始まったスマホ保険証も、対応可能な都内の歯科医療機関は同1215日付で2,594件に留まっており、12月1日付の保険医療機関数が10341施設であることを考慮すると、導入率は25.1%と低調である。

◆進まない資格情報無効のトラブル対策

実態調査のトラブルの多くは、「が出る」と「資格情報が無効」が占めている。前者について厚生労働省は、26年度を目途に多くの解消を目指す施策を示したが、後者の解消策は示されていない。「資格があるはずなのにオン資で資格無効と表示される。最新情報が反映されていない」との相談は協会に度々寄せられており、厚労省は対応策を示すべきである。

協会は、引き続き適切な対応を求めていくので、トラブルが起きた場合は遠慮なく相談してほしい(☎ 03-3205-2999)。

*マイナ保険証をスマートフォンで利用すること

 

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)01月01日号No.670

【1面】
  1.会長年頭所感
  2.巻頭写真「冬のモルゲンロート」
  3.探針

【2面】
  4.2026年度診療報酬改定3.09% 診療報酬本体引き上げへ
  5.厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める
  6.東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに
  7.政策委員長談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

【3面】
  8.第4回施設基準のための講習会を開催
  9.第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる
10.地域医療部長談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」
11.1月の申請手続きをお忘れなく/医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2025年4月~12月分)歯科は11.7万円
12.オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え


【4面】
13.経営・税務相談Q&A/No.436「カルテやその他の書類などの保存期間と電子カルテとは?」
14.OTC類似薬問題で世論づくりの重要性を強調/よい歯連絡会が定期総会・記念講演
15.3年ぶりに改訂版完成 冊子「医院経営と雇用管理」
16.会員無料相談

【5面】
17.研究会・行事ご案内
18.Pick up!会員だけが購入できるオススメ書籍「歯科 カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」/カルテ記載の不安解消

【6・7面】
19.新春対談「“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り」(早坂美都/東京歯科保険医協会会長✕ダイアナ・コー/法政大学総長)


【8面】
20.遊歩道 第1回/2026年度改定に向け厚生労働省へ要請
21.理事会だより
22.協会活動日誌
23.共済部だより

【9面】
24.謹賀新年名刺広告
25.通信員だよりNo.156
26.デンタルブックPR

【10面】
27.臨床研究「臨床的視点と算定要件の整理~CAD/CAM冠/インレー・PEEK冠・エンドクラウン~」

【11面】
28.連載/協会探訪その⑤「会員に寄り添い協会組織をより強固に―組織部―
29.神田川界隈「大事な先生方の“声”~厚労省要請などで訴えていきます」(理事・池川裕子/葛飾区)
30.IT相談室/再考歯科医院の情報発信④-ホームページの未来像-
31.お詫びと訂正

【12面】
32.オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに
33.会員寄稿「声」 “街に聞く”歯科医院を目指す 建築×食の視点から(須永健一)
34.2026年度診療報酬改定 新点数説明会ご案内
35.新春会員投稿「私の一枚」

第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

若林秀隆氏

協会は2025年11月27日、協会会議室(WEB併用)で第1回地域医療研究会を開催した。「リハビリテーション・栄養・口腔連携の重要性」をテーマに、若林秀隆氏(東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授・診療部長)を講師に迎え、65名が参加した。
講演の冒頭では、入院継続か在宅療養へ切り替えるかの判断には、栄養状態や嚥下、口腔状態を総合的に見る必要があり、リハビリと栄養の管理に歯科が介入することが重要であると自身の症例を交えて紹介した。
その後、低栄養の原因にアプローチすることの重要性が示され、リハビリ・栄養・口腔の三位一体の連携に基づく介入で、栄養不良による筋力低下や嚥下機能低下を防ぎ、患者のADLおよびQOLを引き上げることができるとした。診断方法としては、低栄養の診断基準である「GLIM基準※」が紹介され、「栄養スクリーニング」である「MUST」を使い、BMI、体重減少、急性疾患の有無、栄養摂取などを点数化して評価する方法も紹介した。
また、栄養管理への介入には、患者本人のベスト体重を共有し、話し合いながらゴールを設定することが大切であるとした。
誤嚥性肺炎の栄養管理では、不適切な安静臥床、禁食などの栄養管理、医原性疾患や薬剤の副作用がもたらす「医原性サルコペニア」の予防が重要であるとし、適切な評価のもとで、在宅の多職種にわたるチームが整っている場合には、早期の退院を目指すことが必要であると述べた。
◆これからの栄養は「感謝・親切・応援」が大事
最後に「これからのリハ栄養3・0」として、心理面については傾聴、共感の重要性を説き、そして時間が許す限りそばにいることで、患者のウェルビーイングが高まるとした。また、医療者のウェルビーイングも重要であり、「感謝・親切・応援」は実行した側もされた側もプラスになるエビデンスがあり、積極的な取り組みを呼びかけた。
◆デンタルブックで配信中
本研究会は現在、デンタルブックでオンデマンド配信中である。保険診療における栄養やリハビリとの連携を視野に入れた歯科治療が求められており、次年度の診療報酬改定への議論でも栄養サポートチーム等連携指導料や情報通信機器を用いたミールラウンドなどの有効性に焦点が当たっている。歯科医師が栄養の視点を持つことで患者の生活を支えることができる。ぜひ、ご視聴いただきたい。

※GLIM基準:世界の主要な臨床栄養学会が協力することにより「Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)」として提唱した新しい成人の低栄養診断基準のこと。

第4回 施設基準のための講習会を開催

第4回 施設基準のための講習会を開催

協会は20251214日、ワイム貸会議室高田馬場で「第4回施設基準のための講習会」を開催。講師は繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授)、坂下英明氏(明海大学名誉教授)、馬場安彦氏(協会副会長)、森元主税氏(協会理事)の4名が務めた。

本講習会は、歯科点数表の初診料注1(歯初診)、歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、在宅療養支援歯科診療所12(歯援診12)、口腔管理体制強化加算(口管強)の研修要件に対応した内容となっている。「歯初診・外安全1・外感染2対応コース」には12名、「歯初診・外安全1・外感染2、口管強・歯援診対応コース」には40名がそれぞれ参加した。

東京都における歯科診療所の施設基準の届出状況は、外安全144.38%、口管強は17.90%(2025111日時点)となっている。

参加した会員のアンケートからは「講習会には参加したが、研修要件以外にも算定実績の要件があり、どのように算定したらいいか分からない」などの声も寄せられており、施設基準の要件が複雑なため、届け出が進んでいない。診療報酬改定を間近に控え、施設基準の分かりづらさに困っているという声は以前から協会に寄せられている。

協会は、今後も診療報酬改定の内容を会員に分かりやすく伝えるとともに、不合理な改定内容については引き続き是正を求めていく。

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だとして、全国の医師・歯科医師が国を訴えた裁判の控訴審が始まり、第1回口頭弁論が20251126日、東京高等裁判所で行われた。控訴審にあたり、医師・歯科医師12,222人が原告となっている。控訴審では、原告団の佐藤一樹氏(東京保険医協会理事)が意見陳述を行い、一審判決が原告の主張に向き合っていないことを批判し、現状の日本における医療情報セキュリティレベルでは、患者の診療情報を守ることができないと訴えた。

その後に行われた記者・原告説明会では、弁護団が控訴理由書などを解説。一審判決では、オン資義務化の反対意見は、全国保険医団体連合会、保険医協会・医会の「特定の団体内の意見」に限られるとした。しかし、保団連は全国の医師・歯科医師の会員約107000人が加入しており、「特定の団体」と位置付けて無視できる規模ではなく、このような取り扱いは許されないことなどと説明した。

また、一橋大学大学院の只野雅人教授(憲法)、名古屋大学大学院の稲葉一将教授(行政法)による意見書も提出したことが報告された。それら意見書を踏まえて原告側は、行政機関が「法律の文言上、無理のある判断を行い、(中略)多くの保険医療機関の反対を押し切って、新たに義務を課す制度を、(法律より下位の)規則によって無理やり導入しようとしている」と主張した。

弁護団長の喜田村洋一弁護士は、専門家2名の意見書を提出できたことへの有効性を強調した上で、「国民主権のもとに法律に基づいた規則でならなければならないという考えに立った判決が下されるものと信じています」と期待を込めた。

2回口頭弁論は、2026225日(水)午前1130分から東京地裁にて行われる。

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

現在の検索サイトでは、例えば「歯科医院+地名」で検索した場合に、マップ表示とともに上位いくつかの数医院が表示されるローカルパック、PCでは右側に縦長に表示されるナレッジパネル、求人など特定の条件とともに検索した場合、それに応じたリストを表示するリッチリザルトなど、多くの一覧表示・要約表示があり、さらにAI検索が加わりました。

◆情報源としてのホームページ
検索サイトに表示される情報の元は、ホームページにあります。ユーザーが検索サイトに留まることで、ホームページへのアクセス数は下がりますが、集患に対する影響力は変わりません。検索者が必要な情報にダイレクトにアクセスできるように、さらにはホームページにアクセスしなくても済むように進化している時代のポイントは、シンプルさとナチュラルさだと考えています。情報源としてのホームページには、ユーザーが求める情報を集約しながら蓄積していく必要があるでしょう。
このほか、ホームページの「構造化」という手法が重要ですが、これは完全に制作者サイドの情報になるため、詳細は省きます。

◆シンプルにナチュラルに
現在の検索エンジンは、AI技術の進歩もあって進化しており、意図的・作為的なコンテンツ、特徴のないコンテンツは評価されないと、Google社から繰り返しアナウンスされています。
「予防から治療、審美・矯正・インプラントまで、なんでもできます…」というホームページになっていませんか。また、「保険も自費も急患もスムーズに受け入れます…」と表現してはいませんか。
過去にはコンテンツの多さ、長さが検索順位に影響すると考えられた時期がありました。また、制作側が医院の実態をリサーチせずにテンプレート的な提案を繰り返した結果、総花的なホームページが多数存在しています。しかし、歯科医院の過半を占める個人経営の医院のトップの方々は、自院の強みをシンプルに表現するコンテンツを作成すべきです。
次回からは、TikTokやYouTubeなどのSNSについて再考していきます。

東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに

東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに

25回医療経済実態調査の結果が20251126日、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告された。結果からは、厳しい歯科診療所の経営状況が明らかになった。

歯科医療機関の7割を占める個人立歯科診療所の全国の状況を見ると、医業収益が対前年度比で1.9%上昇(前々年度5,121万円、前年度5,2185,000円)した一方、医業・介護費用が2.4%上昇(前々年度3,5958,000円、前年度36824000円)した。収益では労災や自費の収入が減り、保険診療が増加を示している。費用面では給与費が4.5%、委託技工料が6.5%と、それぞれ上昇し、経営を圧迫。その結果、損益差額は0.8%の伸び(前々年度15493000円、前年度15322000円)に留まった。

◆厳しい環境下にある東京の歯科医療機関

他方、東京23区の歯科医療機関では保険診療収益が1.5%上昇(前々年度47622000円、前年度48343000円)、自費収入が10.4%上昇(前々年度19341000円、前年度21357000円)したが、費用面では医業・介護費用は前年並みとなり、損益差額は43.5%上昇(前々年度520万円、前年度7463000円)した。損益差額が上昇したといっても、全ての地域(1級~7級)で最も低く、一番多い地域(5級地域17476000円)のわずか42.7%に留まった。費用面では給与費が1.8%(前々年度33458000円、前年度32869000万円)、委託技工料が9.6%低下(前々年度6378000円、前年度5764000円)、減価償却費が5.6%(前々年度3762000円、前年度3452000円)それぞれ減少した。東京では、物価高騰の中で、人件費などの経費を削減して何とか経営を維持している状況が見て取れる。

診療報酬は全体として6回連続で実質マイナス改定が続く中、設備投資が必要な施設基準が次々に導入されてきた。しかし、現場では新たな設備を導入する資金がないため、届出そのものが難しい状況だ。24年度改定では、人件費に対応したベースアップ評価料が導入されたが仕組みが複雑な上、次期改定以降も存続する保証がないため算定しづらく、算定率は伸びていない。安定した収入増が見込めないため、特に都内においては人件費を引き上げることができず、結局、人材の流出にも歯止めがかからなかった。さらに、それに追い打ちをかけるように、テナントの更新時の家賃値上げや、再開発による立ち退きを迫られる場面も散見される。オンライン資格確認も、ランニングコストは全て医療機関の負担となり経営を圧迫している。こうした状況が如実に表れた結果となった。現在でも閉院・廃業に追い込まれる歯科医療機関増加には、歯止めがかからなくなっている。

その解消のために、26年度診療報酬改定では、疲弊した歯科医療機関の経営を立て直すための大幅なプラス改定が求められる。

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

協会は2025年12月4日、26年度診療報酬改定に向け、厚生労働省保険局医療課に対し、歯科診療の現場で生じている診療報酬の運用、保険請求上の課題改善に関する要請を行った。協会からは加藤開、坪田有史、本橋昌宏の各副会長、川本弘、濱﨑啓吾、松島良次の各理事が参加し、厚労省保険局医療課課長補佐の田上真理子氏と直接意見交換を行った。
口腔機能管理における口腔機能低下症の評価項目と検査などについては、口腔機能管理料の算定要件が厳しく、検査機器の使用が必須要件であるため、算定が一向に進まない実態を指摘。また、口腔機能指導加算については、現行の歯科衛生実地指導料の加算から本体化し、時間要件を外すことを要望した。

要望書を手渡す加藤開副会長(写真右)と厚労省の田上真理子課長補佐

そのほか、SPTとP重防の運用改善、TecとCAD/CAM冠修復の適応拡大、不採算材料の調査と評価是正、歯科衛生実地指導料の対象病名の追加と歯科技工士連携加算の算定要件緩和、抗血栓療法患者の局所止血処置の評価など、多岐にわたる要望を伝えた。
協会は今後も会員の声を基に、診療報酬をはじめ必要な制度改善を関係機関に求めていく。

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

この新聞を手に取っている先生の中には「東京歯科保険医協会というのは、どんな組織だろう?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

今号では、会員の先生方の入退会を管理し、会員を増やすための入会勧奨などとともに、協会組織をより強固なものにするために活動している組織部を紹介します。

組織部ではさまざまな活動を行っていますが、その中から「新規開業医講習会」と「会員地区懇談会」についてご説明します。

新規開業医講習会の様子

◆約40年の歴史ある新規開業医講習会

新規開業医講習会は、1987年に初めて開催して以来、これまでに延べ4,000人以上の先生が参加した協会を代表する講習会の一つです。新規に開業する先生のために、保険医として知っておきたい保険のルールなどを、詳しくかつ丁寧に解説しています。最近では、直近1年以内に新規開業した方やこれから開業予定の方のほか、遡及開業により新規個別指導を受ける方や保険診療の流れやルール、カルテ記載などを改めて確認したいという方など、幅広い方々が参加しています。

組織部は、社保・学術部と協力してこの講習会の運営を行っています。次回は118日に開催しますので、ぜひ参加をご検討ください。

◆アットホームな雰囲気で情報交換もできる会員地区懇談会

会員地区懇談会では、指導や返戻・減点、歯科訪問診療、各種の補助金、医療連携などさまざまなテーマを題材に、協会役員と会員の先生方で懇談をしています。毎回、概ね2030人程度の参加者で、主に都内の城南地区、城東地区、多摩地区に分けて開催しています。私も以前、城南地区(品川を中心とした地域)の懇談会に参加したことがありますが、少人数でアットホームな勉強会といった雰囲気の中で、役員と会員の先生が和気あいあいと話していました。また、会員同士の情報交換の場ともなっており、大きな会場で講義を聴くのとは違う、あたたかい時間を過ごすことができます。これも、協会ならではの取り組みといえるでしょう。

毎日診療をしていると、悩みごとなどが出てくることもあることでしょう。都心で開催する研究会は会場が遠いのでなかなか参加しにくい、自分の診療所の周りにはどのような先生がいて、どのような診療をしているのかな…と、感じたことはありませんか。会員地区懇談会はそういった先生方の交流の場にもなっています。

また、コロナ禍前には「女性歯科医師交流会」も開催していました。おいしい食事を楽しみながら、仕事や趣味の話など、とても充実した時間を持つことができ、私もその時に知り合った先生方とは、長らく交流が続いています。

◆入会ご希望の方は電話かWEBBで

協会への入会動機は、新規開業や遡及開業に伴うもの、個別指導や医院経営の相談のため、共済制度利用のためなど、会員の先生によりさまざまです。協会ではニーズに合わせた会員サポートを充実させており、これらのサポートはご入会いただければ、その日からご利用いただけます。

入会ご希望の場合には電話(03-3205-2999)やWEBからお問い合わせいただければ、事務局からご連絡差し上げます。しっかりと対面で協会のことを聞きたい先生には、事務局員の訪問による説明・手続きも行っています。

保険医協会は、保険医の経営・生活と権利を守り、国民医療の向上を目的にする任意団体です。歯科保険医の要求実現と国民医療向上を目指しています。実現のためには一人でも多くの会員の力が必要です。

組織部では、未入会の先生のご入会を心よりお待ちしています。ご子息やお知り合いで、まだご入会いただいていらっしゃらない方がおられましたら、ぜひご紹介ください。

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

 日本で初めての女性総理が就任した2025年。時を同じくして2人の女性リーダーが一足先にその任に就いた。1人は創立142年の伝統を誇り、優れた人材を輩出し続ける法政大学のダイアナ・コー総長。もう1人は設立約半世紀の歴史で初の女性会長となった当協会の早坂美都会長。
 十数年来の関係がある2人は昨年、就任初年度の慌ただしさの中、それぞれの組織の進化、発展に向け奔走した。そして、就任2年目となる2026年、2人はその視線の先に何を見据えるのか。今回はコー総長、早坂会長による新春特別対談の模様をお届けする。

■互いに尊敬し合う間柄

―2人の出会い

早坂:16年前、知り合いのつながりで初めてコー先生にお会いした時に、「笑顔が明るい素敵な方」というのが第一印象でした。

コー:共通の知人から「信頼できる方」と聞かされて、早坂先生にお会いしました。それ以来、歯科医師と学者という関係以上の学び合う関係が築けていると思います。

早坂:2025年3月頃に、総長になったことを聞き、とても驚きました。私自身もその時期は、会長に立候補すべきかどうか思いを巡らせていた時期でした。総長就任の知らせとコー先生が「風景が変わりますよ」と言ってくれたことが、私の背中を後押ししてくれました。

コー:それは嬉しいですね。私自身も早坂先生のように働く女性の頑張っている姿に共感しています。学部長やグローバル教育センター長としてグローバル化やDEI*の推進に取り組んできましたが、それが与える影響には組織的な限界を感じていました。大学全体でこれらの取り組みを進めたいとの思いから、総長より指名を受けて常務理事・副学長をお引き受けしましたが、その後もなお、大学全体を動かす力の限界を実感し、これまで大学から受けてきたご恩に報いたいという思いも重なり、総長として取り組みを発展させたいと考え立候補を決意しましたが、立候補する前は、重圧から3週間ほど寝られない日々が続きました。その中では、本学で初の女性総長だった田中優子先生にも相談しました。私は大変な部分にばかり目を向けていましたが、繋がりが増えたり、学びが多くなったり、得るものもたくさんあることがよく分かり、大きな一歩を踏み出す決意をしました。
*=Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取ったもの。

■キャリアで直面した壁

―これまでのキャリアの苦労

コー:日本の大学組織で女性、しかも外国出身という立場でリーダーシップを取っていくことは簡単ではありません。常務理事になった際にも男性中心の組織でどのように物事を進めていくかが全く分かりませんでした。また、私にとって日本語は第三言語なので、自由に使えない部分もあり、当初は総長としてやっていけるかどうか不安を感じていました。実際に何か発言しても、理解してもらえていないか無視されていると感じる場面もありましたし、制度や文化の壁に直面して、会議が終わった後に涙が出てくることがありました。ただ、ある時、本学の卒業生から「法政大学を通じて社会を良くしてください」と言われ、これが大きな気付きとなり、今でもモチベーションになっています。

早坂:トップに立つ“孤独感”はよく分かりますね。また、私も女性として妊娠、出産、育児と、キャリアを歩む上では苦しい場面もあり、悔しい思いをすることも多々ありました。それでも「必ず時代は変わる。新しい命を宿した人間が悲しい思いをしないでキャリアをつなぐことができる時代が必ず来る」という思いが原動力となり、ここまで歩んできました。

コー:早坂先生の経験は、今の若い世代の女性たちにも必ず伝わりますし、共感されるものだと思います。早坂先生のような方がいることで、今、多くの女性歯科医師が働きやすくなる社会に少しずつ変化していることでしょう。日本のジェンダーギャップ指数は世界的に見ても低い数値です。この問題は、私の専門領域でもあるので、本来であれば系統的に考えて政策を提言していくのですが、なかなか改善が見込まれない現状ですので、とにかくできることからやっていかなければと感じています。それは、女性教員が24%に留まる本学でも同じことが言えます。さまざまな課題を解決するには、教職員の力を合わせてチームとして対応しなければなりませんが、根本的には現状に対する危機感を共有し、教職員一人ひとりが当事者として関わっていただくことが重要だと考えています。また、組織の中の部局間の壁を越えて連携していくことも鍵だと考えます。

早坂:ジェンダーギャップについて、より具体的にどのような課題から解消していけば良いのでしょうか。

コー:まずは、どの分野でも管理職をはじめとする女性の人数を増やすことが重要でしょう。男性中心の社会では、「働く人のモデル」がどうしても、家事や子育てをしない、仕事中心の男性像になってしまいます。そこでは女性に限らず、現代の若い男性までもが、「働く人のモデル」に合わせることができず、組織に居続けることができないのです。生き方の多様性を追求していくことが大切だと思います。

■多様性と「声を聞く」文化

―組織のトップとして

早坂:会長として意識しているのは、会員の“生の声”を拾うことです。声なき声、サイレントマジョリティの意見をどのように汲み取るのかも大切なことです。あらゆる課題について、1つの答えでまとめないことが大切だと考えています。

コー:大学でも同じような課題があります。教職員や学生のニーズは多様で、時には相反する意見もあります。一人ひとりの声を丁寧に拾い、決して置き去りにしない文化を作ることが、結果的には組織の強さにつながると実感しています。

■制度改革は「できるところから」

―“一人ひとりの声を大切にする”組織づくりで大事なこと

コー:最初から完璧を目指すのではなく、まずはできるところから積み上げることが大切だと考えています。制度だけ作っても、人の意識が変わらなければ機能することはありません。だから「制度」と「人」を同時にアップデートしていくことが重要です。これはどのような組織にも共通することではないでしょうか。

早坂:歯科医院は特に小規模な組織が多いので、従業員が1人休むとたちまち業務が回らなくなるという状況は珍しくありません。それでも産休、育休などを取得できる環境を整えて、周囲もそれを支えなければいけません。

コー:結局は「周囲が支える文化」を創り出せるかどうかが重要だと思います。“女性だから”“男性だから”ではなく、誰かの人生の重要なタイミングを支え合える職場。それを作るには、小さな改善の積み重ねが不可欠です。

■若き女性研究者・歯科医師を目指す人へ

コー:自分に制限をかけずに、挑戦し続けることを大切にしてほしいと思います。すぐに成果が出なくても、そのプロセスは必ず自分の糧になります。恐れず一歩を踏み出せば、必ず新しい世界が見えてきます。

早坂:今は歯科大学で女子学生が半数を超える時代です。“女性だから”という理由で遠慮したり諦めたりする必要はありません。皆さんの力で歯科医療界の未来を作ってほしいと思います。私たちの世代は、そのための環境作りを進めていく責任があります。

―2026年の目標を

コー:本学がグローバルに開かれて、「多様性・包摂性・公平性」を実践する大学として、さらに社会から認められるようにしたいと思っています。その姿勢が社会にも良い影響を与えられればと願っています。

早坂:今、歯科医療の世界は転換期にあります。女性の割合が増え、価値観も働き方も多様化しています。誰もが公平に、そして誇りを持って働ける歯科医療界にしたい。そのために協会としてできることを一つずつ実行していく、そんな1年にしたいと思っています。

■おわりに―
 対談から見えてきた、2人の女性リーダーが語る“人”を中心に据えた組織作り。現場の声を汲み取り、相互に支え合うことができる組織風土をどのように育てることができるか。2026年、教育と歯科医療の両分野で、2人がどのような変革をもたらすのか、大きな期待が寄せられている。

▼紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2026年1月号6-7面)

▼過去のインタビューを見る

Profile

Diana Khor(ダイアナ・コー)/1983年香港大学社会学科卒業、1985年同大学院社会学研究科修士課程修了、1987年スタンフォード大学大学院社会学研究科修士課程修了、1994年同大学院社会学研究科博士課程修了。1999年より法政大学第一教養部専任講師に着任し、2005年に法学部教授。副学長・常務理事を歴任し、2025年3月より法政大学総長に就任。

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

明けましておめでとうございます。

会員の先生方におかれましては、2026年の新春を新たな気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃より東京歯科保険医協会の活動に対してご理解、ご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

 保険で安心して、きちんとした診療ができるようにしよう

1973年4月に協会が設立されて以来、長く受け継がれてきた言葉です。以後、協会は歯科医療を通して都民、そして国民の皆さまの歯と口腔の健康のため、さらに何よりもその担い手であります歯科保険医の先生方の生活を守るために活動して参りました。

歯科医療は、人生の最期の日まで「自分の口でおいしく食べることができるようにすること」を目指しています。そのことは、年齢を重ねても健康で過ごせること、すなわち「健康長寿社会の実現」に貢献することでもあります。最近では、「口腔内の環境が全身疾患に大きく影響すること」が広く知られ、歯科の重要性に対する理解が深まりつつあります。歯科医療を正しく理解していただける時代に差しかかっていると言えるのではないでしょうか。

しかしながら、その歯科医療界にも数年来続く物価高騰、人手不足の波が押し寄せ、歯科医院経営に大きな影を落としており、このままでは国民の口腔内を守り続けることができません。

こうした状況を受け、昨年は「基本診療料を中心に、診療報酬の期中改定や、国の責任による国の補助金等での緊急財政措置を早急に行うこと」「2026年度診療報酬改定で、基本診療料を中心に少なくとも10%以上の大幅な引き上げを行うこと」「患者窓口負担を軽減すること」などを掲げ、会員の先生方の貴重な声が記された請願署名、要請署名を厚生労働委員会の国会議員一人ひとりに手渡しました。保険診療は国会での審議、承認が必要な国の予算、つまり国政に直結していますので、国会議員の歯科への理解を深めるため、また、今年施行となる診療報酬の改善につなげるためにも地道な活動が大切です。2026年度診療報酬改定にあたっては、今回も協会は『新点数説明会』を45月にかけて計3回開催いたします。新たな診療報酬を理解すべく、ぜひ、会場に足をお運びください。

また、健康保険証廃止によるトラブルが後を絶ちません。さらに、少子高齢化が急速に進み、医療技術の進展に伴う医療コストの急増なども重なり、1961年から60年以上続く国民皆保険制度を揺るがしかねない事態が続いています。国民皆保険制度は、国民の誰もがいつでも、全国どこでも公的保険によって一定の負担でカバーされた医療を受けることができるという、諸外国に類を見ない素晴らしいものです。質が保たれた医療を安心して受けられる環境維持のためにも、この制度を守らなければいけません。

協会は、患者、国民が安心して医療を受けられるよう、そして歯科医療機関が混乱なく患者を受け入れられるように、まずは資格確認書の全員交付を求めて、東京都知事と都内51自治体の首長に要望書を持参・送付しました。私も保団連関東ブロックの会長・理事長と共に新宿駅前で街頭宣伝を行い、多くの方々から署名をいただきました。今後も都民の方々に向けて、歯科治療と健康の重要性を理解していただくために幅広く活動していきます。

「食べることは生きること」です。協会は、6,043名(202512月時点)の会員の先生方に支えられながら、都民、そして国民の皆さまがより一層安心して歯科医療を受けることができるよう、さらなる努力を続けて参ります。今後ともご理解とご協力、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

東京歯科保険医協会会長 早坂 美都(2026年 年頭所感)

新春寄稿「私の一枚」

新春寄稿「私の一枚」

「東京歯科保険医新聞」2026年1月号に掲載した会員からの写真投稿を以下の通り、ご紹介させていただきます。ご応募いただき、誠にありがとうございました。

厳冬のモルゲンロート(早坂 美都 先生/世田谷区)

昨年の年始、マイナス15度ほどの時に撮影した八ヶ岳のモルゲンロートです。初日の出が山肌に映えるシーンを捉えた1枚。「モルゲンロート」とは、早朝に昇り始めた太陽の光に照らされて山肌が赤く染まる現象を指す登山用語です。語源はドイツ語で、「モルゲン(Morgen)」は「朝」、「ロート(rot)」は「赤い」という意味になります。

水平線から昇る日の出(坪田 有史 先生/文京区)

五島列島の小値賀島を4時50分に出航して福江島までの移動で乗船した太古定期フェリーからみた日の出。

 

ハワイ島 マウナケア山頂から(伊藤 愛子 先生/世田谷区)

夏休みに標高4,205mの山頂までレンタカーで登って撮影。一番左がすばる望遠鏡。

 

中央アルプスの雪解け(吉田 真理 先生/武蔵野市)

機窓から撮った中央アルプスです。まもなく雪が解け動植物が生命を謳歌するようになります。

 

そうふ岩(下田 祐里江 先生/大田区)

東京から約600km南に位置するアホウドリの生息地の鳥島の先にある、高さ100mの突岩。

魔女の瞳(川本 弘 先生/足立区)


場所は福島県の五色沼。一切経山から見下ろした絵です。通称”魔女の瞳”と呼ばれています。

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

次期診療報酬の改定率が発表され、プラス3.09%と、1996年度以来の3%超の改定となった。物価高騰や人件費上昇が続く中での3%を超えるプラス改定には一定の評価を示したい。
しかし、消費者物価指数(CPI)が2022年度以降、毎年約3%上昇し、他業種の賃上げが3~5%台に達している状況であり、診療報酬改定が2年に1度であることを考えれば、疲弊する歯科医院の経営を抜本的に改善するには程遠い。
歯科では、歯科材料費などの物価上昇、水道光熱費の高騰、委託技工料や外注費の増加などの影響を受けやすい。また、テナント料も増加しており、特に東京23区は医療経済実態調査で示されているように、より一層厳しい状況である。さらに、医療DXが急速に進み、機材導入費用やランニングコスト増が経営を圧迫している。このような厳しい経営環境の中でも、歯科医療水準を保つため、スタッフの雇用・定着のため、賃上げに取り組んでいる。医療経済実態調査を見ると、歯科衛生士は金額の伸び率が前年度比3.3%、歯科業務補助者は前年度比3.5%増となっている。一方、院長、歯科医師は1.2%~5.1%減となっており、自らの給与を削って人件費に充てている状況が示されている。
事実、閉院・廃業を理由とした当会の退会も、これまでは30件前後で推移していたが、2024年は54件、2025年は56件と増加している。このままでは、安心して受診できる歯科医療の継続が難しくなり、地域の歯科医療が成り立たなくなる可能性がある。
今回の改定率の水準は、歯科医療現場の実態よりも、財政抑制を優先した財務省の姿勢を汲んだものだと思われる。財務省は「経営努力」「効率化」を繰り返し求めるのみで、地域医療を守る姿勢が全く見られない。今後予測される金利変動や国際的な物価急騰などの「外部リスク」を経営努力だけで吸収させることには限界がある。一時しのぎの補正予算による手当ではなく、しっかりと診療報酬本体の改定で評価すべきである。
歯科医療の役割は、次期改定の議論でも示されているように、リハビリテーションや栄養、生活習慣病対策など全身疾患やQOL(生活の質)にも影響を及ぼす、国民の健康と生活の質を支える医療である。今後、具体的な改定内容が決定されていくが、将来にわたって歯科医療の役割を果たすためにも、より一層の評価と、現場の歯科医師がプラス改定の実感を得られる改定内容を求める。

2025年12月19日
東京歯科保険医協会
政策委員長 松島 良次

協会事務局休務のお知らせ

協会事務局休務のお知らせ

年末年始につき、以下の期間、東京歯科保険医協会事務局を休務とさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。

2025年12月27日(土)~2026年1月5日(月)

なお、年内の最終業務は20251226日(金)、新年の業務は202616日(火)から開始となります。

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

次期診療報酬の改定率が発表され、プラス3.09%と、1996年度以来の3%超の改定となった。物価高騰や人件費上昇が続く中での3%を超えるプラス改定には一定の評価を示したい。

しかし、消費者物価指数(CPI)が2022年度以降、毎年約3%上昇し、他業種の賃上げが35%台に達している状況であり、診療報酬改定が2年に1度であることを考えれば、疲弊する歯科医院の経営を抜本的に改善するには程遠い。

歯科では、歯科材料費などの物価上昇、水道光熱費の高騰、委託技工料や外注費の増加などの影響を受けやすい。また、テナント料も増加しており、特に東京23区は医療経済実態調査で示されているように、より一層厳しい状況である。さらに、医療DXが急速に進み、機材導入費用やランニングコスト増が経営を圧迫している。このような厳しい経営環境の中でも、歯科医療水準を保つため、スタッフの雇用・定着のため、賃上げに取り組んでいる。医療経済実態調査を見ると、歯科衛生士は金額の伸び率が前年度比3.3%、歯科業務補助者は前年度比3.5%増となっている。一方、院長、歯科医師は1.2%~5.1%減となっており、自らの給与を削って人件費に充てている状況が示されている。

事実、閉院・廃業を理由とした当会の退会も、これまでは30件前後で推移していたが、2024年は54件、25年は56件と増加している。このままでは、安心して受診できる歯科医療の継続が難しくなり、地域の歯科医療が成り立たなくなる可能性がある。

今回の改定率の水準は、歯科医療現場の実態よりも、財政抑制を優先した財務省の姿勢を汲んだものだと思われる。財務省は「経営努力」「効率化」を繰り返し求めるのみで、地域医療を守る姿勢が全く見られない。今後予測される金利変動や国際的な物価急騰などの「外部リスク」を経営努力だけで吸収させることには限界がある。一時しのぎの補正予算による手当ではなく、しっかりと診療報酬本体の改定で評価すべきである。

歯科医療の役割は、次期改定の議論でも示されているように、リハビリテーションや栄養、生活習慣病対策など全身疾患やQOL(生活の質)にも影響を及ぼす、国民の健康と生活の質を支える医療である。今後、具体的な改定内容が決定されていくが、将来にわたって歯科医療の役割を果たすためにも、より一層の評価と、現場の歯科医師がプラス改定の実感を得られる改定内容を求める。

2025年1219

東京歯科保険医協会

政策委員長  松島 良次

談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

介護保険制度は、介護が必要な高齢者とその家族を社会全体で支え合い、利用者の生活や尊厳を守るために作られた制度であり、安定的に支援を受けられることが重要である。20251111日の財政制度分科会で議論された介護保険利用者の負担割合の見直し(2割・3割となる対象者の拡大)は、利用者に経済的負担を強いるものとなり、必要な介護サービスの利用控えを招くのは明らかだ。特に歯科受診は所得や自己負担額の影響を受けやすい。受診が減ることで口腔機能の低下を招き、食事量の減少による低栄養やフレイル、感染症の増加につながる恐れがあり、全身疾患に悪影響を及ぼす可能性がある。

介護サービスは入浴や食事など、生活に溶け込んでいるものが多く、経済的な理由で妨げることは結果として介護度の進行、生活の質(QOL)の低下、さらには医療・介護費全体の増大につながり、むしろ社会的なコストを押し上げる恐れが極めて強い。

介護は社会全体で支えあう必要があり、負担割合の引き上げという利用者へのしわ寄せではなく、予防の取り組みへの支援や継続的に介護サービスが受けられる仕組みの強化が必要である。誰もが安心して介護サービスを受けられる体制を守るため、生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する。

20251212

東京歯科保険医協会

地域医療部長  池川 裕子

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

【1面】
  1. 実現必須/「大幅な診療報酬引き上げ」早坂会長会員の声を国会議員へ
  2.「オン資訴訟」控訴審始まる/原告棄却から1年
  3. 健康保険証/有効期限終了も来年3月末まで使用可能 12月2日以降原則 マイナ保険証か資格確認書で資格確認
  4. 協会事務局 休務のお知らせ
  5. 探針
  6. ニュースビュー


【2面】
  7. 中医協 歯科医療(その2)議論 口腔機能管理・歯周病治療・デジタル化/次期改定へ歯科保険制度の見直し本格化
  8. 3次元プリント有床義歯(3DFD)期中改定/12月1日から保険収載
  9. 中医協 在宅医療その4/訪問歯科の短時間化・制度の複雑化が深刻化 公平な評価体系へ見直し議論進む
10. 歯科領域の新規医療技術提案が確認/暫間的ダイレクトボンディングブリッジなど提出 来年1月開催の医療技術評価分科会で最終検討へ

【3面】
11. 3地区で会員地区懇談会を開催/保険請求の「迷い」解決 増点のコツで意見交換も
12. 2025年12月 歯科用貴金属の随時改定情報
13. 第40回医療研究フォーラム/会員の意識と実態調査 子ども医療費助成を発表
14. 来年は診療報酬改定/会員の皆様に「テキスト」をお届けします

【4面】
15. 経営・税務相談Q&A No.435 2025年の年末調整における注意点②完
16. 12月会員無料相談のご案内
17. 東京都支援金情報
18. お詫びと訂正
19. 3年ぶりに改訂版完成/冊子「医院経営と雇用管理」

【5面】
20. 研究会・行事ご案内
21. 2025年度第2回東京都歯科医師認知症対応力向上研修

【6面】
22. 連載/協会探訪その④ 会員同士の助け合いで備え、支える共済制度を守る—共済部とは—
23. 都内/「歯科」受診は医科より多い 「都民の健康と医療に関する実態と意識」で報告
24. IT相談室/再考歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

【7面】
25.「保険でよい歯を」東京連絡会/とげぬき地蔵尊髙岩寺でアピール
26. 理事会だより
27. 協会活動日誌
28. 年末年始休診ポスターのご案内
29. 共済部だより

【8面】
30. 12月2日からの資格確認方法
31. 神田川界隈「どうしてもやりたいこと」(理事・阿部菜穂/江東区)
32. 第4回メディア懇談会を開催/健康保険証廃止と医療DXなどテーマ
33. 特別企画「今年の漢字 2025」応募結果発表

地域医療部長談話 「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

地域医療部長談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

介護保険制度は、介護が必要な高齢者とその家族を社会全体で支え合い、利用者の生活や尊厳を守るために作られた制度であり、安定的に支援を受けられることが重要である。20251111日の財政制度分科会で議論された介護保険利用者の負担割合の見直し(2割・3割となる対象者の拡大)は、利用者に経済的負担を強いるものとなり、必要な介護サービスの利用控えを招くのは明らかだ。特に歯科受診は所得や自己負担額の影響を受けやすい。受診が減ることで口腔機能の低下を招き、食事量の減少による低栄養やフレイル、感染症の増加につながる恐れがあり、全身疾患に悪影響を及ぼす可能性がある。

介護サービスは入浴や食事など、生活に溶け込んでいるものが多く、経済的な理由で妨げることは結果として介護度の進行、生活の質(QOL)の低下、さらには医療・介護費全体の増大につながり、むしろ社会的なコストを押し上げる恐れが極めて強い。

介護は社会全体で支えあう必要があり、負担割合の引き上げという利用者へのしわ寄せではなく、予防の取り組みへの支援や継続的に介護サービスが受けられる仕組みの強化が必要である。誰もが安心して介護サービスを受けられる体制を守るため、生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する。

2025年12月12日

東京歯科保険医協会

地域医療部長  池川 裕子

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

◆ホームページを持たない選択
インターネットを利用した情報発信の媒体として、すでにホームページがメインと言えなくなっている業界があります。代表的なものは飲食業で、新たに開業する店舗ではホームページがないことが珍しくありません。検索に対する受け皿は「食べログ」「ぐるなび」などの情報サイトに任せ、メインの媒体はInstagram、日々の情報発信はXを利用しています。特に個人経営の飲食店では、そのような傾向があります。
◆機動力と即応性に勝る情報媒体
その理由として考えられるのは、「ホームページはコストをかけて、きちんと作れば作るほど更新するのは困難になる」「文章や写真を用意してブログを更新するよりも、InstagramやXの方が手軽である」などです。若年層へのアピールには、機動力と即応性に優るTikTokなどを含めたSNSやYou Tubeなどが有効であることを、経営者自身が感じていることもあるでしょう。
一方、情報サイトについては、選ぶ側から見れば、簡素ではありますが統一されたレイアウトで、求める情報がどこにあるのかがすぐにわかり、選択から予約までスムーズに進めるというメリットがあります。
◆すべてを1つのレイアウトで
飲食店のほか、美容室や整体院などでも同様の傾向があり、それぞれ特定の情報サイトが勢力を持っています。過去数回解説してきたGoogleビジネスプロフィールやYahoo!プレイス、Microsoft社のBing Places for Businessなどは、特定の業界に限定せず、総てを統一したレイアウトで閲覧できるようにしようという、壮大な展望を持っていると言えるのではないでしょうか。
今後は、歯科医院の情報発信も同様に変化していくのでしょうか。次回はその点について説明します。

クレセル株式会社 (東京歯科保険医新聞2025年12月号6面掲載)