映画紹介⑨「ジャンゴ~DJYANGO~」 2012年アメリカ/ スクエンティン・タランティーノ監督

映画紹介⑨「ジャンゴ~DJYANGO~」

【 2012年アメリカ/ スクエンティン・タランティーノ監督 】

白人が黒人を奴隷にして、どれほどひどいことをしていたかを描いた映画「ルーツ」「マンディンゴ」に続いて、クエンティン・タランティーノ監督は最新作「繋がれざる者 ジャンゴ」を作りました。
「奴隷商人を探しています」
「私はドクター・キング・シュルツです」
「何の医者だ?」
「歯科医だ」
映画「DJANGO」の舞台は1858年、南北戦争の3年前。奴隷制を真っ正面から取り上げました。
鎖で繋がれた6人の奴隷が、灼熱の砂漠を移動しています。馬に乗った3人の白人が銃とムチで護衛しています。映画はこの残忍苦痛なシーンから始まります。
ドイツ人歯科医と黒人ジャンゴの2人は賞金稼ぎをしながら、ジャンゴの妻を奴隷にしている冷酷無比なミシシッピーの大農園主を打ちのめし、愛しい妻を奪還しようとする痛快ラブストーリーです。
農場主は奴隷同士の死闘を楽しみ、脱走を図れば、犬の食餌にしてしまいます。女には子どもを生ませ、繁殖した子どもは、奴隷市場で売りさばきます。奴隷をいじめ殺して、喜んでいる最悪の変質者です。
この農場主を演じるのは、悪役がはまり役となったレオナルド・デカプリオです。
2つの映画を合わせて見ると、「リンカーン」も「ジャンゴ」も、より面白くなります。南北戦争が終わって以降百年、新たな黒人差別社会が始まります
ちなみに、日本では憲法第18条が奴隷禁止条項であります。
(竹田正史/協会理事)