第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

若林秀隆氏

協会は2025年11月27日、協会会議室(WEB併用)で第1回地域医療研究会を開催した。「リハビリテーション・栄養・口腔連携の重要性」をテーマに、若林秀隆氏(東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授・診療部長)を講師に迎え、65名が参加した。
講演の冒頭では、入院継続か在宅療養へ切り替えるかの判断には、栄養状態や嚥下、口腔状態を総合的に見る必要があり、リハビリと栄養の管理に歯科が介入することが重要であると自身の症例を交えて紹介した。
その後、低栄養の原因にアプローチすることの重要性が示され、リハビリ・栄養・口腔の三位一体の連携に基づく介入で、栄養不良による筋力低下や嚥下機能低下を防ぎ、患者のADLおよびQOLを引き上げることができるとした。診断方法としては、低栄養の診断基準である「GLIM基準※」が紹介され、「栄養スクリーニング」である「MUST」を使い、BMI、体重減少、急性疾患の有無、栄養摂取などを点数化して評価する方法も紹介した。
また、栄養管理への介入には、患者本人のベスト体重を共有し、話し合いながらゴールを設定することが大切であるとした。
誤嚥性肺炎の栄養管理では、不適切な安静臥床、禁食などの栄養管理、医原性疾患や薬剤の副作用がもたらす「医原性サルコペニア」の予防が重要であるとし、適切な評価のもとで、在宅の多職種にわたるチームが整っている場合には、早期の退院を目指すことが必要であると述べた。
◆これからの栄養は「感謝・親切・応援」が大事
最後に「これからのリハ栄養3・0」として、心理面については傾聴、共感の重要性を説き、そして時間が許す限りそばにいることで、患者のウェルビーイングが高まるとした。また、医療者のウェルビーイングも重要であり、「感謝・親切・応援」は実行した側もされた側もプラスになるエビデンスがあり、積極的な取り組みを呼びかけた。
◆デンタルブックで配信中
本研究会は現在、デンタルブックでオンデマンド配信中である。保険診療における栄養やリハビリとの連携を視野に入れた歯科治療が求められており、次年度の診療報酬改定への議論でも栄養サポートチーム等連携指導料や情報通信機器を用いたミールラウンドなどの有効性に焦点が当たっている。歯科医師が栄養の視点を持つことで患者の生活を支えることができる。ぜひ、ご視聴いただきたい。

※GLIM基準:世界の主要な臨床栄養学会が協力することにより「Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)」として提唱した新しい成人の低栄養診断基準のこと。