「歯科医療費の総枠拡大を」国会議員へ要請/歯科の諸課題・保険証発行終了後の問題に理解求める

「歯科医療費の総枠拡大を」国会議員へ要請/歯科の諸課題・保険証発行終了後の問題に理解求める

物価高で国民の生活や歯科医療機関の経営は苦しくなっている。患者の窓口負担軽減と歯科医療費の総枠拡大を求め、416日に早坂美都副会長が国会議員へ要請を行い、健康保険証の発行終了後に起きている問題も訴えた。さらに、前厚生労働大臣の武見敬三参議院議員を表敬訪問した。

早坂副会長は、口腔が健康な患者の医療費や介護費は、健康でない患者よりも低いとの調査結果を紹介しつつ、高齢者のう蝕や歯周病の有病率は増加傾向であると説明。歯科は医科よりも経済的な理由で診療を中断する場合が多く、患者負担の軽減と歯科医療費の総枠拡大は国民の健康の観点からも重要であるとした。

また、マイナ保険証の利用率は昨年122日の健康保険証の発行終了後も低調であり、その背景には国民がマイナンバーカードの紛失などに不安を感じているからではないかと指摘。全国保険医団体連合会が実施したアンケートでも、医療機関の業務負担が増えているという結果が出ており、健康保険証の存続や併用を求める声が多いことなどを紹介した。

塩村あやか議員/左

川田龍平議員/左

田村まみ議員/左

牧山ひろえ議員/右

武見敬三議員/右

◆活発な意見交換を展開

要請では活発な意見交換が行われた。協会の提案に対して、国会議員からは「口腔の健康が全身の健康に寄与する話はよく聞いている」「マイナ保険証の利用率は低く、保険証の発行終了はもっと丁寧に進めるべきだった」と概ね賛同する意見があった。一方で、「医療職の人手不足が懸念される中、独居老人が激増する。医療提供体制の維持には、スマートウォッチなど、デジタルによる健康管理ができる仕組みは不可欠」「歯科予算の拡大は理解できるが、財源の捻出も重要。その点で、デジタル化による効率化は推進すべき」「マイナ保険証には医療費控除が簡単になるなどのメリットもある。デメリットが強調されすぎではないか」との指摘もあった。

協会は、国会議員や行政との意見交換を通じ、現場の声を届けつつ、歯科への理解を深めてもらうとともに、国民と歯科医療機関をめぐる諸課題を解決するべく要請を行っていく。引き続き、協会の諸活動へのご協力をいただきたい。