年別アーカイブ: 2024年

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)7月1日

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)7月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)7月1日

※お詫び※11面に掲載しました東京都知事選挙に関する記事内の表現に誤りがございました。詳細はこちらをご覧ください。訂正してお詫び申し上げます。
なお、ホームページ上に公開しているのは訂正版の紙面です。

【新聞7月号】

【1面】

1.第52回定期総会開催 2024年度活動報告など承認
2.定期総会記念講演 2024年度診療報酬改定の考察と今後の歯科医療の展望を説く
3.第52回定期総会「決議」
4.「探針」
5.ニュースビュー

【2面】

6.社保・学術部長談話「6月施行に変更した診療報酬改定の効果・検証を確実に」
7.2024 年度指導計画 協会の開示請求で明らかに 集団的個別指導1,466点以上が対象に
8.診療報酬改定情報

【3面】

9.連載「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望③/(佐藤一樹氏)岡田調査官解説:原告優勢の理由

【4面】

10.経営・税務相談Q&A No.418「ウェブサイトの運用にご注意を!~医療広告ガイドライン~」
11.2024年度第1回東京都歯科医師認知症対応力向上研修
12.東京保険医協会:第40回保険医美術展/保団連:第35回全国保険医写真展
13.7月会員無料相談のご案内

【5面】

14.研究会・行事ご案内

【6面】

15.退き際の思考 歯科医師をやめる/(張 紀美さん・前編)「引退を決心した瞬間目標10年“計画閉院”は周囲に支えられ—」

【7面】

16.署名へのご協力誠にありがとうございました
17.全国からの署名17万筆を国会議員に提出/現行健康保険証の存続を求める声/日弁連も意見書を提出するなど運動は多方面に拡大

【8面】

18.教えて!会長!! Vol.84「エナメル質初期う蝕と根面う蝕の管理」
19.定期総会5年ぶり懇親会 会員集う
20.第52回定期総会祝電・メッセージ等一覧
21.懇親会参加来賓一覧
22.共済部だより

【9面】

23.症例研究「抜髄時の麻酔薬剤料とNi−Tiロータリーファイルを用いた加圧根管充填処置」

【10面】

24.新連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第4回「3年後 病院の窓口に3台のカードリーダーが並ぶ?!」(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
25.理事会だより/2024年度第2回(暫定)・第3回(暫定)理事会
26.6月協会活動日誌

【11面】

27.「骨太の方針2024 」を閣議決定/歯科関連事項の記述は一部変更も期待感含む内容
28.神田川界隈「歯科医師として社会と関わる役割を考える」(監事・西田 紘一/八王子市)
29.第1回ドクター・スタッフ講習会「接遇講習会」/クレームを拡大しない極意伝授

【12面】

30.マイナ保険証問題 特別インタビュー/閉院知り涙する患者に「やりきれない」健康保険証廃止…従業員も“良い職場”失い「喪失感」
31.現行の健康保険証の存続を/国会議員と懇談し、署名手渡す/「保険証の存続を求める国会内集会」が開催

ご協力!! ありがとうございました「現行の健康保険証を残してください」請願署名5000筆超に

現行の健康保険証の存続を求める声/日弁連も意見書を提出/運動は多方面に拡大

◆署名は患者、医療機関・介護施設から続々と

協会は、全国の保険医協会・医会とともに健康保険証の存続を求める請願署名に取り組み、5,000筆を超える署名が寄せられ、国会議員に提出した。全国では17万筆超の署名が集まった。

署名は、医療機関だけではなく、患者や介護保険施設などからも続々と集まっており、日本弁護士連合会が健康保険証の存続を求める「マイナ保険証への原則一本化方針を撤回し、現行保険証の発行存続を求める意見書」を総務省などに提出したことをはじめ、多方面に運動が広がった。

◆強引な利用推進で医療現場は混乱

4月のマイナ保険証の利用率は未だ低迷しており、5月時点では7.73%と医療現場ではほとんど使われていない。このような状況について国は、低迷の原因は医療機関の声掛けにあるなどとし、診療所と調剤薬局に最大10万円(621日の社会保障審議会医療保険部会で2倍の20万円に引き上げを決定。診療所・調剤薬局20万円、病院40万円に)の「一時金」やマイナ保険証の提示を求める台本を用意し、医療機関に利用推進を押し付けている。この強引な推進策のため、医療現場では混乱が生じており、「保険証の存続を求める国会内集会」では、患者サイドから「『お前たちは10万円ほしさにマイナって言うんだろう』と言われ、受付事務員にマイナ保険証を投げつけられる」というトラブルを経験した医療機関があったことが報告された。

◆厚労省のチラシには資格確認書の案内なし

また、厚労省から示された配付用チラシは、本年122日の健康保険証廃止やマイナカードによる受診の呼びかけのみが強調され、マイナカードがない人やマイナカードを持っていてもマイナ保険証の利用登録をしていない人などには、代わりに「資格確認書」が交付されるといった本来患者に伝えるべき情報が十分に記載されていない。そのような中で、既に混乱している医療現場が、さらにその対応に追われることになる。

混乱を解決するには、現行の健康保険証を残すことが重要であり、協会はこれまでも国会議員要請などを通じて広く訴えてきた。

◆現行の健康保険証の廃止はありえない

国は、健康保険証の新規発行を終了させる改正法案作成に向けて、パブリックコメントを募集していたが(622日で終了)、協会がホームページなどで広報したところ、会員を問わず存続を求める多くの方々から問い合わせが寄せられた。

協会は、「やっぱりキミが必要だ」を合言葉に、引き続き、健康保険証の存続を求めていく。

 

【保険証廃止】閉院知り涙する患者に「やりきれない」 従業員も喪失感

【マイナ保険証問題インタビュー】閉院知り涙する患者に「やりきれない」健康保険証廃止…従業員も“良い職場”失い「喪失感」

 まもなく、都内で地域医療を守り続けてきた1つの医科診療所が、長きにわたる歴史に幕を下ろそうとしている。

理由は、健康保険証の廃止

 地域住民に根付いた診療所は、瞬く間に世界中を一変させた新型コロナウイルスに対しても、精力的に積極的に取り組み、地域医療の火を灯し続けた。しかし、マイナ保険証への対応ができず、閉院を余儀なくされた。
 これにより、長らく通院してきた患者はかかりつけ医を失い、院長や従業員は職を失うことになる。職場の閉院を告げられた看護師、医療事務の2人は、健康保険証の存続を求める協会の活動をホームページ上で見つけ、職場で300筆を越える署名を集めた。マイナ保険証一本化政策により閉院する診療所がたくさんあることを知ってほしい―今、まさに健康保険証廃止の影響を受ける2人の医療従事者に話を聞いた。

―まずは診療所について教えてください。

開業して数十年、幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃる診療所です。新型コロナウイルス感染症の流行当初から、発熱外来にも力を入れてきました。三世代で通ってくださる患者さんも多く、街のお医者さんとして定着しています。

―閉院の理由や、閉院までの経緯を教えてください。

当院では開院以来、紙カルテを使用してきました。現行の健康保険証が廃止されマイナ保険証に一本化された場合、保険診療が継続不可能となるため、閉院せざるを得ない状況です。パソコンの買い替えなどが必須となり、初期費用や毎年の経費も莫大です。今後どれくらい診療が続けられるかという院長や従業員の年齢的な問題もあり、助成さえあれば簡単にマイナ保険証に対応できると判断するのは安易だと考えます。

▼荻原博子さんが解説「健康保険証廃止『今のやり方は危険』」

院長は従業員を家族のように

―閉院を聞いた時の率直な気持ちは。

院長や従業員の意思とは関係ない部分が要因となった閉院で、非常に残念です。母校がなくなるような喪失感があります。マイナ保険証一本化の政策がなければ、当院の診療が継続していたことは確実です。健康保険証に問題なく、マイナ保険証の利用率が低迷している中、地域の方々から必要とされている診療所なのに、なぜ閉院しなければならないのかという思いが強いです。このような閉院は病院の少ない地域であれば死活問題です。マイナンバーカードが任意である以上、マイナ保険証と健康保険証が共存することを求めていきます。

―さまざまな葛藤があると思いますが、これまで働いてきた診療所への思いを教えてください。

従業員は全員勤務年数も長く、居心地の良い職場です。院長は家族のように従業員を大切にしてくれますし、従業員にとっても頼りになる大切な存在です。

患者にとって〝衝撃が大きい〟

―閉院を聞いた患者さんの様子はいかがでしたか。

長く通われている患者さんは先生との信頼関係も厚く、非常に残念に思ってくださる方々ばかりです。「最期まで先生に診てほしかった」「閉院後は別の場所で診察なさるんですか?」「これからどこの病院に行けばいいですか」といった声が多く聞かれました。思いがけない理由で突然かかりつけ医が閉院することを知り、涙を流す患者さんも多くいらっしゃり、患者さんにとっても衝撃が大きいことが伺えます。毎日膨大な量の診療情報提供書の作成に追われる院長や、これから他の病院に移り環境の変化に戸惑う患者さん方のことを思うと、私たちもやりきれない気持ちです。

―そうした思いを抱え、協会の署名に取り組んだ理由を聞かせてください。

任意のはずのマイナンバーカードが保険証になり変わるということは、事実上、マイナ保険証の使用を強制されているのと同じです。マイナ保険証の利便性が高ければ、健康保険証を廃止にせずとも自然と普及していくはずです。矛盾を押し通してこのまま健康保険証が廃止となれば、当院の閉院は免れません。納得できないまま、「何もしないまま閉院してもいいのか?」とモヤモヤしていた頃に、健康保険証存続のための署名活動があることを知りました。自分たちにも協力できることだと思い、署名活動に参加することを決めました。

―実際に診療所での署名活動はどのようなものでしたか。

院内にポスターを掲示し、署名用紙や回収ボックスを受付の見やすい場所に設置しました。閉院のお知らせの張り紙とあわせて、署名活動のポスターに興味をもってくださる患者さんが多い印象でした。中には一人で何十人もの署名を集めてくださった患者さんもいらっしゃり、私たち以上に患者さんが積極的に活動してくださっています。

―署名活動を通じて、気づいたことや変化がありましたか。

予想以上の署名が集まったことから、「閉院してほしくない」「健康保険証を残してほしい」という患者さんの気持ちが伝わってきました。おそらく当院の閉院は免れることはできないと思われますが、同じような状況にある他の医院や困っている患者さん方のためにも、最後まで署名活動は継続しようと考えています。

冒頭の2人は、「医院の患者さんの声を伝える最初で最後のチャンス」と、協会の取材に応じた。この診療所が集めた署名用紙には、保険証存続を求める意見もさることながら、「お世話になった診療所」「院長先生、スタッフが親切に対応してくれた」と、医院への思いを綴ったものが目立った。これほど地域に愛された診療所が不本意にも閉院してしまう現実。こうした現場の声を背負い、協会は健康保険証存続に向けて取り組んでいく。
※署名は国会議員に提出しました。

※この記事は、東京歯科保険医新聞2024年7月1日号に掲載されたものです。

▼関連記事

▼荻原博子さんの連載を読む【マイナ保険証の〝失態〟を追う】

▼ジャーナリスト・堤未果さんインタビュー【ショック・ドクトリンに見る保険証廃止問題「立ち止まって」】

2024年度指導計画/協会の開示請求で明らかに

集団的個別指導は1,466点以上が対象に

2024年度指導計画が関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)より開示され、集団的個別指導、新規個別指導、個別指導の指導計画が明らかになった(下表参照)。

◆新規個別指導

264件は前年度の半数今年度の新規個別指導は、243月までに新規指定された医療機関を対象に、前年度(532件)の半数となる264件に対し、年6回に振り分けて実施される。

◆集団的個別指導の基準平均点数は1,463点

集団的個別指導は、23年度のレセプト1枚当たりの平均点数が東京都の平均点数(1,219点)の1.2倍を超える基準点数1,463点以上の上位8%にあたる医療機関801件に対して、9月に52回に分けて実施される。実際に選定された医療機関の平均点数は1,466点以上となった。集団的個別指導へのカルテ持参は不要で、2時間の講習を受けるのみである。ただし、正当な理由がなく欠席した場合は個別指導の対象となるため、通知が届いた際は、必ず参加いただきたい。

 

 

 

 

◆高点数による個別指導が計画

個別指導は102件が計画され、568月を除き、毎月実施される。選定理由の内訳は、「情報提供」15件、「再指導」70件、「高点数」8件、「その他」9件となっている。高点数による個別指導は、コロナ禍に配慮して21年度以降は計画されていなかったが、今年度は計画件数が明記された。ただ、厚生局は「情報提供や再指導を優先して個別指導を実施する」としている。患者トラブルによるカルテ開示や医療費通知と領収証との不一致など、患者からの情報提供により個別指導に選定されることもあるため、日頃から適切な保険請求やカルテ記載を行うことが肝要だ。

 

 

 

 

 

◆4月の異動で新たに指導医療官が着任

また、厚生局の開示資料より、東京の指導医療官が明らかになった。東京では2名の指導医療官の異動に伴い、新たに笹井義宣氏と小林隆氏が着任した。なお、前年度に引き続き田原洋氏と山本健氏は留任となった。

◆不安を感じたら

迷わず協会に相談を診療報酬の改定が6月に施行され、新設された点数や改変された点数など多岐にわたる。協会では改定に対応した「歯科保険診療の研究 20246月版」を会員にお送りしている。ぜひご一読いただき、保険請求などの際にご活用いただきたい。

また、新規開業医だけでなく、改めて保険のルールやカルテ記載の方法などを確認したい先生は、新規開業医講習会に、ぜひ、ご参加いただきたい。

協会では保険請求の相談のほか、指導に関する相談も行っている。不安を感じている先生は、一人で抱え込まず、協会へ連絡してほしい(TEL   033205―2999)。

【連載】退き際の思考/引退を決心した瞬間 目標10年“計画閉院”は周囲に支えられ―(張紀美さん【前編】)

引退を決心した瞬間 目標10年“計画閉院”は周囲に支えられ―(張紀美さん【前編】)

引退を決心した瞬間 目標10年“計画閉院”は周囲に支えられ―

張紀美さん(キミ小児歯科クリニック院長) ― 前編

張紀美(ちょう・きみ)さん/1965年、長野県松本市生まれ。90年に松本歯科大学卒業後、同年東京歯科大学小児歯科学講座に入局。1997年同大学院修了。2010年キミ小児歯科クリニック開業。2024年5月同クリニック閉院。

歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生にお話を伺い、引退を決意した理由や、 医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。
今回は、今年5月をもって閉院したキミ小児歯科クリニックの張紀美先生(59歳/文京区)の前半。開業当初から目標年数を定め、引退後の人生について考えていたというが、その道のりには苦難も。小児歯科の専門医として、長らく地域の子どもたちの口腔内を守ってきた張先生に迫る―。

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年7月1日号)

―まずは歯科医師を志したきっかけからお聞かせください。

「女性も手に職を」という両親の考えのもと医療分野を勧められ、特に医師の父から「歯科医師の方が家庭と両立しやすい」とアドバイスを受けて歯学部に進学しました。大学院(小児歯科学専攻)在籍時に結婚して4年時に妊娠しました。私が在籍していました講座は4年間での学位取得が厳しいため、教授にご相談したところ「あと少しだから家で論文をまとめてきなさい」とご配慮いただき、なんとか修了することができました。この間、医局の先生方にはご迷惑をおかけしたと思います。その後、専門医を取得して3人の子どもの育児をしながら夫の歯科医院で小児の診療を担当しました。

―ご夫婦で医院を経営したのち、開業したきっかけは。

小児歯科専門医のため非協力児を診療する機会も多く、そのため大人の患者さまと同じ診療室で仕事をしているとやはり気を遣うことも増えてきました。そんな経緯から45歳で開業しました。末娘はまだ5年生になったばかりでした。「せめて中学生になるまでは…」と葛藤がありましたが、借入の返済の年齢を考えて区切りの良い45歳で開業しました。3人の育児と家事との両立は大変でしたが、「仕事を言い訳にして家事ができない」と言わないと心に決めました。将来、留学したいという思いも漠然とあり、まずは10年を目標に歩み始めました。振り返ってみると開業翌年以降は赤字や大きなトラブルもなく、仕事、家事、子育てをよくやり遂げられたと思います。

―開業当初からお一人で医院経営をされていたのですか。

開業当初は優秀な常勤の助手と非常勤の歯科衛生士がいました。しかし9年半勤務してくれていた助手が病気を患い、2019年末に退職してしまいました。ちょうどコロナが始まった頃です。冬休みの多忙な時期でとても困っていましたら、患者さまのお母さまが「良い人がいる」と優秀な方を紹介してくださり、とても助かりました。それ以外にも「受付募集」の案内を見て「私じゃだめかしら?」とお声をかけていただき、お願いしたこともありました。このように、タイミングよく周りの方に助けていただきながらなんとか続けることができました。

閉院を決めた要因「いつのまにかストレスに…」

―最終的に閉院を決めた理由は。

まず専門医として小さなお子さまの口腔管理を長期にわたって担う責任、最終的にはお子様一人ひとりが自分の歯に関心を持ち管理できるよう育成することに対しての責任がとても重くなってきたことです。その責任の重さがいつのまにかストレスになってきました。それから当初目標としていた10年に達したこと、3人の子どもが社会人になったことや、両親の高齢化という要因もあります。腱鞘炎の悪化、老後の生活資金面にも目途が立ったことなどいくつかの理由が重なりましたし、歯科医師として35年、よく頑張ったなという実感もあります。最後にこれらに加えて、マイナ保険証関連の対応もストレスになりました。

―閉院にあたり具体的な準備はどう進めましたか。

夏休みに来院する中高生以上の患者さまには「来年の3月が最後かもしれないから、もう一度来てね」と伝え始めました。また、万が一、次回の検診に来られなかった場合に他院で渡せるように、口腔内の状態を記してお渡ししていました。矯正治療も2019年には新規の受け付けをやめましたが、希望する方のために矯正の先生と連絡を取り、患者さまが困らないようにできることをやりました。

―閉院準備を進めていく中で心境の変化は。

パート従業員も体調不良で退職し、昨年冬頃からは1人ですべてこなしました。疲れ切って帰宅する生活に昨年11月末、とても虚しくなった瞬間がありました。もともと目標の10年は過ぎていたので引退のことも常に頭の片隅にありました。そんなある日の帰宅後、「あれ?家事も減って育児もないのになんでこんなに疲れ切ってるんだろう」「読みたい本も疲れて読めない…」、そうした思いが急に虚しくなって半年後の引退を決心しました。

―その後の動きは。

後任の先生に開業告知のパンフレットを作ってもらい、患者に安心してもらえるよう説明しながら手渡した

引退を決心した翌日の12月1日にM&Aの業者に連絡をしたところ、ちょうど物件を探していた女性の先生を紹介してくださり、10日ほどで契約が決まりました。今回は医院の承継ではなく、いったん閉院の形を取りました。私の患者さまは乳幼児も多いですが、永久歯列になった患者さまも多いです。そのため、長いお付き合いのあったお子さんを今後も安心して後任の先生にお任せすることができて良かったと思います。4月末で診療を終えて5月は片付けにあてました。保存するカルテはダンボール15箱ほどになり、M&Aの業者に保管を依頼しました。どうしても引継ぎ事項がある患者さまは、その内容を詳細に記してカルテを残しています。

思い入れある患者、最後の来院

幼い頃から成長を見守る患者を最後に診療を締めくくった

―最後の診療はどのようなものでしたか。

上の子が高校1年生の三兄弟でみんな2歳から来院してくれているとても思い入れのあるお子さんたちが最後になりました。1年ぐらい予約がなく、「どうしているかな」と思っていましたが、最後に診療できて花束と贈り物までいただいて、本当に良かったです。赤ちゃんの頃からの患者さまも多く、引退を決めてからはなんだか私自身が“親戚のおばさん”のような感覚で接していました。保護者の方からは「先生、長い間お疲れ様でした」とお言葉もいただき、無事診療を終えました。5月以降も放課後に訪ねてくる子や、わざわざ挨拶に足を運んでくださる保護者の方、中には「先生、明日缶ビール持って行っていいですか!」なんて方もいて、最後まで交流が続きましたね。

―引退後はアルバイトや勤務医として診療する予定は。

もう診療はしないと思います。アルバイトでも一度仕事を引き受けましたら責任が伴いますから簡単には辞められません。

―冒頭には留学というお話しもありましたが、充実した第二の人生が始まりそうですね。
(後編では、引退後のキャリアについてお聞きします)

PROFILE/ちょう・きみ
1965年、長野県松本市生まれ。90年に松本歯科大学卒業後、同年東京歯科大学小児歯科学講座に入局。1997年同大学院修了。2010年キミ小児歯科クリニック開業。2024年5月同クリニック閉院。

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年7月1日号)

#インタビュー #連載 #退き際の思考

【連載】退き際の思考/“人生の半分は闘病”も悔いなし 「助けられた」共済制度と歩んだ歯科医師生活(石田昌也さん【後編】)

【連載】退き際の思考 歯科医師をやめる

「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ” 幼少期から育んだ信頼関係で医院託す

石田昌也さん(石田歯科医院副院長) ― 後編(前編はこちら

石田昌也先生と妻の光子さん

 歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生にお話を伺い、引退を決意した理由や、医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。
 今号は、杉並区上荻にある石田歯科医院の副院長、石田昌也先生の後編。息子への医院承継や、大切にしてきた親子関係について聞いた前編に続き、協会とのつながり、「悔いがない」という人生について、妻の光子さんとともに振り返ってもらった。

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年6月1日号)

―協会に入会したきっかけは。

昌也先生:医師である妻の父から紹介されて保険医協会を知りました。「保障内容や利率の面で共済制度が良い」と助言を受け、特に休業保障を勧められたので、深く考えずに共済制度に加入するために入会して、はや50年近くになります。

―長らく協会に入会し、共済制度を利用してみていかがですか。

昌也先生:病気になったり、けがをするとやっぱり「どうしよう」と不安に思うものじゃないですか。そうした時、保険医協会に「助けられた」「救われた」という気持ちが今でもあります。数年前に足を骨折した時も協会に連絡すると、事務局の方がすぐに飛んで来て、保障内容などいろいろと説明をしてくれてほっとしたことを覚えています。

光子さん:協会にはいろんな面で助けてもらっていますね。

昌也先生:それから、スタッフの給与計算や年末調整など医院の経営や税務のことは、妻と税理士さんに任せきりだったんですが、その税理士さんを紹介してくれたのも協会です。税理士さんには、保険・自費収入から経費計算まで、毎月きっちりと会計のサポートをしてもらい、とても良かったと思っています。

▼休業のリスクに備える協会の「休業保障」とは?気になる掛金や給付額も…
▼入会案内はこちら

病とともに歩んだ歯科医師人生

ー長い歯科医師人生の中、さまざまな苦難もあったと思います。

光子さん:大変だったことと言えば、夫は働き盛りの40歳頃に網膜剝離を発症し、失明するかもしれないと宣告されました。

昌也先生:私は諦めが早く、その時に「もう続けられないんだな」と思い、歯科医師を辞める覚悟もありました。それでも入院中に「この先をどうしようか」と考え、失明しても患者さんの問診だけならできるんじゃないかと、その後のことに目を向けていましたね。

光子さん:退院後、幸いにも段々と症状が回復しました。入院中の半年間と、退院直後の期間は、知り合いの先生に助けてもらい、その後、運良く治療ができるまでに復帰しました。

ー大変な経験の中でも、石田先生の強さを感じるお話ですね。

光子さん:ただ、翌年に腎臓の病気が分かり、今でも闘病を続けています。

昌也先生:私の人生の半分は病気とともにあります。でも人生78年。地方から東京に出てきて、歯科医師として開業して、たくさん病気はしたけどまったく苦ではありません。「嫌な人生だったな」「歯科医師はつまんなかった」という感情はなく、自分の人生に満足しています。今は身体のこともあり、妻がいないと外にも出られないけれど、何も悔いはありません。それは協会の共済制度の助けがあったからこそで、そんな人生観でここまでくることができました。これから何を楽しみに生きる、ということはないけど、この前は息子夫婦と焼き鳥を食べたり、そんなふうに家族と食事をしたり、孫と将棋をしたり、楽しみながら生活をしています。最初はかわいそうだと思って、孫を勝たせるように将棋を打っていたんですが、段々と上達してきて、先日は、テレビを観ながら片手間で駒を打つ孫に負けてしまいました。

光子さん:主人を近くで見ていると、歯科医師として現役時代から仕事もプライベートも全力で、普通の人ではできないくらい人生を謳歌してきたと感じます。「悔いがない」というのは本心なんだと思います。


ー最後に引退を考える先生にメッセージをお願いします。

昌也先生:歯科医師は定年退職がないので、ある程度長く続けることができる仕事です。これは技術がある歯科医師の特権です。だけど、体力、視力の問題や、何か不安に思っていることがあれば、人生設計を考え直して、どこでリタイアをするか家族できちんと考える必要があります。あとは、患者さんが退き際を教えてくれる部分もあると思います。年齢を重ねれば、若い患者さんは自然と来なくなったり、世間からの見られ方は変化するんじゃないかな。でも長く診てきた高齢の患者さんは、「あの先生は義歯を作ったり、調整するのがうまい」と信頼して来院するかもしれません。そうした棲み分けは世間がするものかなと思っています。

ー本日はありがとうございました。

~編集後記~
庭先で撮影した桜の木です―。協会宛てに届いた1枚の写真を本紙に掲載したご縁で石田先生と初めてお会いした。今回、「私でよければ」と企画にご協力いただき、約1年ぶりに石田先生のもとへ。満開の桜は青々とした新緑に移り変わっていたが、変わらずお話し好きな先生の様子と、仲睦まじいご夫婦のかけ合いに心温まる取材となった。
協会設立初期からの会員である石田先生。病を患いながらも逞しく、家族思いの優しき人柄で、こうした先生方とともにある協会半世紀の歩みを感じるひと時であった。

石田先生の「退き際の思考」前編はこちら

▼休業、老後、死亡の3大リスクに備える協会の「共済制度」とは?

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年6月1日号)

#インタビュー #連載 #退き際の思考

【お知らせ】毎年の施設基準の定例報告について

定例報告の提出時期が今年度から以下のように変更になっています。

【2023年度】   【2024年度】
 7月報告  →    8月報告

施設基準等を届け出た保険医療機関は、各種通知等に基づき、毎年8月1日現在の状況を地方厚生局長へ報告する必要があります。

<主な定例報告>
選定療養及び歯科衛生実地指導等の実施状況報告書
歯科点数表の初診料の注1の施設基準に係る報告書 など

【お詫びと訂正】「東京歯科保険医新聞」7月1日号(第652号)掲載記事について

「東京歯科保険医新聞」71日号(第652号)11面に掲載しました記事「東京都知事選挙 無歯顎者の増加・病院歯科の減少などが課題」内の表現に誤りがございました。以下の通り、訂正してお詫び申し上げます。

 <見出し>
:東京都知事選挙 無歯顎者の増加・病院歯科の減少などが課題

:東京都知事選挙 病院歯科の減少などが課題

<本文中>
: 一方、無歯顎者数は増加傾向で、16年と22年を比べると、5559歳で8千558人が1万2千539人に、6064歳で9千729人が1万6千86人に増えている。その他の年代でも概ね増加傾向にあり、無歯顎者数は増えている。

:一方、無歯顎者数は減少傾向で、16年と22年を比べると、5559歳で6人が2人に、6064歳で10人が8人に減っている。その他の年代でも概ね減少傾向であるが、8084歳、90歳以上は増加している。

 以上

【教えて!会長!! Vol.84】エナメル質初期う蝕と根面う蝕の管理

エナメル質初期う蝕と根面う蝕の管理

Q 今次改定でエナメル質初期う蝕と根面う蝕の管理料が新設されました。

 エナメル質初期う蝕ですが、口管強(改定前:か強診)以外の歯科医療機関において、改定前は、歯管または特疾管の算定があってCe病名で3月ごとに1回、フッ化物歯面塗布処置(F局130点)の評価でした。6月の今次改定の施行後は、同じ条件でCe病名で3月ごとに1回、F局100点の評価と減算されました。その30点の減算分は、エナメル質初期う蝕管理料(Ce管)の新設(30点)で補填されています。このCe管は、月1回算定できることになり、う蝕に対する重症化予防の位置付けとなっています。なお、口管強の歯科医療機関は、この30点に48点の加算(口腔管理体制強化加算)があり、さらにF局を月1回算定することが可能です。F局には当該部位の口腔内カラー写真撮影が必要です。

Q Ce管の具体的な臨床の対応とカルテ記載は?

 具体的な対応などは、通知文に「エナメル質初期う蝕に関する基本的な考え方」(平成283月:日本歯科医学会)を参考にすることと明記されていますので、詳細はそちらで確認する必要があります(全文は下記参照)。抜粋すると、Ceの病態はエナメル質表面に限局したう窩を形成しない脱灰病変(エナメル質形成不全症は除く)で患者に疼痛などの自覚症状はなく、視診にて、エナメル質表面に粗造感のある白斑が認められた場合で、年齢は問いません。

全文は「エナメル質初期う蝕に関する基本的な考え方」(平成283月:日本歯科医学会)全文はここをクリック

Ce管は、当該部位にフッ化物を応用することにより、その進行を停止させ、さらには再石灰化により病変を改善させることが目的です。う蝕を再石灰化させるためには、できるだけ早期にCeを検出することが重要です。また、患者個人のう蝕リスクをコントロールするためには、歯科側と患者が互いに協働することが重要です。

したがって、カルテ記載は、Ceの病態、ならびにフッ化物による効果を患者に説明し、ホームケアの重要性の理解を促し、Ceの管理を行うなど、具体的な記載が必要となります。

Q 根面う蝕の管理料(根C管)は?

 根C管は、口管強(改定前:か強診)以外の歯科医療機関において、改定前は、歯管または特疾管を算定している65歳以上の患者や歯科訪問診療料を算定した患者に対して、根C病名で1月に1回、F局(110点)の評価でした。6月の今次改定の施行後は、同じ条件で根C病名で3月に1回F局80点と減算され、30点の減算分は、根C管の新設(30

点)で補填されています。この根C管は、月1回算定できることになり、Ceと同じくう蝕に対する重症化予防の位置付けとなっています。なお、口管強の歯科医療機関は、この30点に48点の加算(口腔管理体制強化加算)がありますが、Ceとは違いF局は3月ごとに1回の算定です。根CのF局には写真撮影が不要です。

Q 根C管の具体的な臨床の対応とカルテ記載は?

 具体的な対応などは、通知文に「初期根面う蝕の管理に関する基本的な考え方」(令和63月/日本歯科医学会)を参考にすることと明記されていますので、詳細はそちらで確認する必要があります。抜粋すると、診断は視診と触診で行い、実質欠損深さ0.5㎜未満の歯根に生じた色調が淡黄色、淡褐色、暗褐色、黒色のう蝕を根Cと診断します。なお、実質欠損の深さが0.5㎜以上のケースは、修復治療の適応となるため、切削の適否の判断基準となり、また活動性か、非活動性かにより診断します。根Cと鑑別しなければならない病態は、くさび状欠損、アブフラクションによる実質欠損、酸蝕症です。

根C管の目標は、初期根面う蝕の再石灰化を促してその進行を抑制することにより、非活動性で周囲健全歯質と同程度の硬さを呈する状態を維持し、非切削で管理することです。したがって、根C管は、個人のう蝕リスクに応じた管理計画を策定する必要があり、う蝕リスクとして、生活状況・飲食習慣、口腔衛生習慣などを聴き取り、根面う蝕のリスク因子(歯肉退縮、部分床義歯の使用、プラークの蓄積。唾液分泌量の減少など)から総合的に判定します。

したがって、カルテ記載は根Cの病態、ならびにフッ化物による効果を患者に説明し、ホームケアの重要性の理解を促し、根Cの管理を行うことなど、具体的な記載が必要となります。

【東京歯科保険医協会】診療報酬改定 特設ページ

過去の「教えて!会長!!」はこちら

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

(東京歯科保険医新聞2024年7月号掲載)

【重要】CD-R等の請求に係る猶予届出兼オンライン請求への移行計画書の提出について

CD-R等の請求に係る猶予届出兼オンライン請求への移行計画書の提出について

<概要説明>

  • 光ディスク(CD-RやMO)でレセプト請求している場合の取り扱い

    ①2023年4月以降、オンライン資格確認システムの導入の原則義務化に伴い、レセプトのオンライン請求も可能な回線が整備された状況にあると解釈され、2024年9月末までにオンライン請求に原則として移行しなければならない。

    ②特段の届出を行うことなく、2024年4月~9月までは従来の方法でレセプトの請求ができる。

    ③2024年10月以降も従来の方法でレセプト請求をするためには、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出とオンライン請求への移行計画書を提出しなければならない。
    ※2024年8月31日までに医療機関向け総合ポータルサイトから提出することが必要。

    ④移行計画書は、最大で1年以内の計画を記載する必要があり、記載した期間に限り、従来の方法でレセプト請求ができる。


    ➄1年間の更新制であり、従来の方法を継続していくためには、改めて届出と移行計画書の提出が必要である。

    ■詳細はこちら↓↓↓
    光ディスク(CD-RやMO)でレセプト請求している場合の提出フローはこちらをクリック

「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望③(佐藤一樹氏)

第3回 岡田調査官解説:原告優勢の理由

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。
全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

7 裁判長は先例判例の最高裁調査官(注:見出し番号は前号からつづく)

最高裁判所判例委員会は、数ある最高裁判決の中から時の重要な判例を選んで「最高裁判所判例集」に搭載し、原則月1回刊行している。この民事編のことを、略して「民集」と呼ぶ。民集の公式判例集に登載された最高裁判決は、「法曹時報」(一般財団法人法曹会が発行する月刊の法曹専門誌)の「最高裁判所判例解説」欄に、詳細な判例解説が搭載される慣習がある。「調査官解説」とも呼ばれるこの解説は、裁判の要旨等に加え、最高裁調査官*1の「個人的意見」に基づいて解説したもので、「最高裁としての見解」を示したものではない。ただし、学説や判例について詳細な分析や当該事案の事実関係を簡潔に知ることができる上、最高裁における判断過程の一端を知ることができることから、重要な影響力を持つ。なお、最高裁に受理された事件の判決文は、基本的には調査官が判決文の草案を書くとも言われている。

裁判の当事者や弁護人・代理人の第一の関心事は「裁判長は誰なのか」である。実は、本訴訟の岡田幸人裁判長(東京地裁民事第51部統括)は、前述(本紙6月号)の先例判決「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」の最高裁調査官として「調査官解説」を執筆し、「施行規則は薬事法上の委任の範囲を逸脱した違法無効なものである」と結論付けていた。望外の僥倖とはこのことであろう。

8 岡田判事の調査官解説と職歴

最高裁調査官は、判事でも優秀な人材から選ばれる。岡田判事の輝かしい経歴(図1)を調べると納得がいく。現在の51部統括としては、障害年金不支給決定取消請求事件(令和4726日判決)で厚生労働省を訴えた原告や、小金井市長専決処分保育園入園拒否取消事件(令和6222日判決)で自治体を訴えた原告らを、それぞれ勝訴させている(表1)。

図1

表1

また、内閣法制局参事官を5年間経験した点も注目すべきだ。本連載第2回の法律ピラミッドで示した「政令」とその下の「省令」では、内閣法制局との関わり方に違いがあり、内閣法制局の審査事務の対象は条約案、閣議に附される法律案、政令案であって、省令は対象外である。審査の内容は、「憲法や他の法律と抵触する部分はないか」「文章の体裁が法令表記の慣例から逸脱していないか」などである。外国との条約や法律などについて

は、絶対に誤りによる紛争が生じないよう厳密な審査がなされている。「岡田調査官解説」をはじめとして法令の審査に対しては、厳格な判断力を具備されていると推測される。

一方、「省令」は審査が内々でなされるため、厳しさに欠ける処理がされていると推測される。なにしろ、法律は門外漢の私が、保険局医療介護連携政策課長の発言(本連載第1回参照)を聞いてリアルタイムで「授権法の根拠がない」と気付いたほどである。

「庸人すら尚ほ違法を知る、況んや岡田判事に於いてをや。」

9 四つの考慮要素と授権規定の明確性

岡田調査官解説では、「一般に,専門技術的事項は必ずしも国会の審議になじまず,また,状況の変化に対応した柔軟性を確保する必要がある事項は法律で詳細に定めることが適当ではないため,こうした事項については法律の委任に基づいて行政機関が規定を定めること(委任命令)が認められている。委任命令によって国民の権利義務の内容を定めることも許容されるが,当該委任命令が委任をした法律(授権法)に抵触していれば違法であり,委任に際して行政機関に裁量が認められている場合でも当該裁量の範囲を逸脱し又はこれを濫用した場合には違法となる*2」とし、委任命令が授権規定*3による委任の範囲内といえるか否かが問題になった最高裁判例を8つ挙げている。そのうち6つは原告が勝訴している(表2)。

それら判例による判例法理*4は、委任命令が授権規定による委任の範囲内といえるか否かについて、4つの考慮要素(評価に影響を与える要素)を挙げている(図2のA)。なお、この4つの各要素は常に互いに載然と区別し得オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。

全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

るというわけではない。

また、岡田調査官解説は、その判断にあたって「授権の趣旨が…明確に読み取れること」(授権趣旨の明確性)という基準を初めて最高裁判決で言及した点が特徴的といわれている(図2のB)。

本訴訟も、訴状の段階からこの4つの考慮要素、さらに、授権趣旨の明確性が争点となって、岡田調査官解説の土俵の上で、立ち合いからがっぷり四つの勝負となっている。

表2

図2

 

*1 定員がわずか15人の最高裁判所裁判官は数多くの事件を抱えて多忙であるため、審理を補助する。判事の身分にある職業裁判官が充てられる重要な役職。
*2 行政手続法第三十八条第一項も,委任命令を定める機関は,当該委任命令が授権法の趣旨に適合するものとなるようにしなければならないと注意的に定めている。
*3 議会がその立法権の一部を他の国家機関に委任し法令の条文として定めること
*4 最高裁が示した判断の蓄積によって形成された考え方。

【プロフィール】佐藤 一樹(さとう・かずき)

1991年3月、国立山梨医科大学医学部卒業。同年4月、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科入局。19994月同科助手。200912月、いつき会ハートクリニック理事長・院長。専門は心臓血管外科、小児心臓外科。学位:医学博士。著書に「医学書院医学大辞典」(第2版)医学書院(2009年)他、多数。

談話「6月施行に変更した診療報酬改定の効果・検証を確実に」

6月施行に変更した診療報酬改定の効果・検証を確実に

2024年度診療報酬改定は、診療報酬改定DXの推進に向けて、医療機関・薬局等やベンダーの集中的な業務負荷の平準化を目的にこれまでの4月の施行から6月施行に後ろ倒しされた。中医協総会の中では、「後ろ倒しの恩恵を受けるレセコンのベンダー等が保守費用やリース料を大幅に引き下げる等により、これまで医療機関が負担してきたコストの低減が目に見える形で実現されることが望まれる」という発言もあった。そのような発言があったにも関わらず、疑義解釈においては、施行間際の5月末まで発出が続き、ベースアップ評価料の特設ページも定まることなく、随時更新され続ける事態であった。加えて、医療機器の保険適用とする通知も日付は531日であるが、公表されたのは6月に入ってからで、特に、光学印象の施設基準は、提出締切日に物理的に間に合せることが厳しい事態が生じている。

新規技術や重症化予防、継続的な管理等が新たに保険収載され、要件が緩和された内容については一定評価できる。一方で、施設基準の新設、再編、細分化が行われ、さらに複雑化が増したことは残念である。加えて、人材確保や賃上げと称して新設されたベースアップ評価料は、医療機関にとっては、評価や届出方法の複雑さに加え、次期改定時に維持されるのか不透明な項目であり、他方、患者には一部負担金の増加を強いるものである。

オンライン資格確認の導入義務化を皮切りに、レセプトのオンライン請求の実質的な義務化、健康保険証を廃止する方針の表明、診療報酬改定時期の後ろ倒しも加わり、様々なことを一気に変化させてしまったため、現場は混乱している。安心安全な歯科医療を国民に提供できなくなってしまっては、本末転倒である。

確かに6月施行になったことで時間的なゆとりができ、作業の負担は軽減したが、たくさんの施設基準の新設や算定要件の複雑化、通知等の遅れが6月施行のメリットをかき消してしまっているように感じているのは私だけではないと思う。

6月施行が当初の目的であったレセコンのベンダーや医療機関の負担軽減等のメリット、患者の利益にどれだけ繋げることができたかは疑問が残る。

国は、医療機関等の関係団体に向けて十分かつ丁寧なヒアリングを行い、複雑な施設基準や改定内容を含め、今回行われた6月施行の具体的な効果・検証が行われることを期待したい。

2024年618

東京歯科保険医協会

社保・学術部長

本橋 昌宏

第52回定期総会「決議」

52回定期総会「決議」

2024年度の改定率は、診療報酬本体がプラス0.88%および薬価等がマイナス1.00%となり、全体でマイナス0.12%と6回連続の実質的なマイナス改定となった。歯科の改定率はプラス0.57%となったが、賃上げ対応分を除けば前回の改定率(プラス029%)を下回る僅かな引き上げである。これでは、患者が望む歯科医療の享受、かつ継続的な提供を可能にする体制整備は進まない。

今次改定では医療従事者の賃上げ対応が行われたが、診療報酬の評価および届出方法の複雑さに加えて、2年後の改定時も評価が維持されるのかが不透明であり、賃上げを恒久的に行うための方策を国は示すべきである。また、多数の施設基準の見直しおよび点数の細分化によって算定要件などが複雑化し、現場は混乱している。必要な歯科医療が円滑に患者に提供できるよう、複雑な改定は止め、算定要件は簡素化すべきである。さらに、本年10月より後発医薬品のある先発医薬品の処方において、その差額を患者に追加負担として求める選定療養の施策が実行されようとしており、負担増を理由とした受診控えにより、歯科疾患の重症化が懸念される。

国は、本年122日に健康保険証の新規発行を終了するとしているが、マイナ保険証の利用率は4月時点で僅か6.56%と低迷している。全国保険医団体連合会が行った調査では、過半数を超える59.8%がマイナ保険証やオンライン資格確認システムでトラブルがあったと回答しており、総点検後もトラブルは全く解消していない。そもそも医療現場では現行の健康保険証で資格確認を行っており、これを廃止する理由がない。

また、歯科の約半数が電子媒体で診療報酬を請求する中、本年10月を目途にオンライン請求の義務化が進められている。電子レセプトの提出をオンライン化する審査上の必要性は殆どなく、経験豊富なドクターの閉院を助長し、国民の受療権を奪う意味のない制度といえよう。医療機関にコストを負担させる施策は中止して、従来の方法を残すべきである。

協会は、安心安全な歯科医療の提供を脅かす動きに強く反対し、人の命を奪う戦争や核兵器使用で諸国を威嚇するいかなる行動にも断固反対し、国民の生活と歯科医療のより一層の充実に向けた運動を国民とともに力を合わせ推進するために、以下の要求を国民、政府および歯科保険診療に携わる全ての方に表明する。

一.国は、現行の社会保障制度を後退させず、世界の国々が模範とする日本の社会保障制度をさらに充実させること。

一.国は、歯科医療の充実や医療従事者の処遇改善が進むよう、診療報酬を抜本的に引き上げること。

一.国は、さらなる患者負担増を止め、長期収載医薬品の選定療養化を撤回すること。

一.国は、本年122日以降も健康保険証の新規発行を行い、オンライン資格確認システムおよびオンライン請求の導入義務化を撤回すること。

一.私たち歯科医師は、平和を妨げるすべての動きに反対する。

2024年616

東京歯科保険医協会

52回定期総会

オンライン資格確認 資格確認限定型の解説

診療報酬を紙レセプトで請求されている方および、猶予届を提出し受理されている方は、オンライン資格確認の「資格確認限定型」を導入することができます。

導入にあたっては、
 ① スマホ・タブレット選択
 ② 利用申請
 ③ マイナ資格確認アプリユーザ設定情報の取得
 ④ 運用開始日登録
 ⑤ アプリケーションのダウンロード
 ⑥ アプリケーションの設定
 ⑦ 接続テスト
 ⑧ 運用
などを順番に行う必要があります。
手順をまとめた資料を作成しましたので、参考にしてください。


画像をクリックしてファイルをダウンロードして下さい。
(動画ではありません)

<<< 参考 >>>
1.資格確認限定型に対応しているスマートフォン一覧
2.資格確認限定型に利用できるカードリーダー一覧

 

第39回医療研究フォーラム参加者募集

【メインテーマ】 「白衣にヒューマニズムを 時代に聴診器を」
~せっかくやけん 道後温泉におはいりなもし~

【日 時】2024年9月22日(日・祝)~23日(月・振替)

【会 場】ANAクラウンプラザホテル松山
〒790-8520 松山市一番町3-2-1

1日目:9月22日(日・祝) 15:00~18:40 (レセプション 19:00~21:00)

1.全体会 (WEB配信あり)
(1)開会式
・来賓、主催者、主務地よりご挨拶

(2)全国共同調査結果発表
「オンライン資格確認導入、オンライン請求義務化に伴う医療機関への影響調査」

(3)オープニング企画 (市民公開講座)
(募集俳句入選作の発表と講演)
講 師 神野紗季氏(俳人〔愛媛県松山市出身〕)

(4)記念講演 (市民公開講座)
「日本の衰退と未来」
講 師 原真人氏(朝日新聞編集委員)

*レセプション(19 時~21 時)

2日目:9 月 23 日(月・振替) 9:00~12:00

2.分科会・ポスターセッション
(1)分科会:(6テーマ)
第1分科会 在宅医療、介護
第2分科会 医科診療の研究と工夫
第3分科会 歯科診療の研究と工夫
第4分科会 医科歯科連携した診療の研究と日常診療の工夫
第5分科会 災害、公害、環境、職業病
第6分科会 医学史、医療運動史、医療と裁判

(2)ポスターセッション

【参加費】

現地参加
医師・歯科医師 8,000円
協会事務局   2,000円
コ・メディカル等 500円
一般        無料

オンライン参加
医師・歯科医師 4,000円
協会事務局     無料
コ・メディカル等  無料
一般        無料

【締切】

1次締め切り2023年8月9日(金)まで

※当協会で取り纏めて、一括で保団連に申込を行います。

地域医療部までご連絡ください。

電話番号 03-3205-2999

第52回定期総会、5年ぶりに「懇親会」を開催し会員と来賓が交歓・交流

懇親会には会員や関係団体、企業、議員ほか74名が参加

新型コロナウイルスの影響で開催が見送られてきた定期総会懇親会が2019年以来、5年ぶりに開かれた。会場には会員や関係団体、企業、議員など74名が参加。タイミングを見計らって総会への祝電・メッセージを紹介しつつ、久しぶりの宴の席を楽しむ姿が見られた。

冒頭、坪田有史会長は懇親会の再開を喜び、「先生方とこうしてお会いできて、とてもうれしく思う」と挨拶し、来場者に謝意を伝えた。その後、全国保険医団体連合会の小澤力副会長(大阪府歯科保険医協会理事長)が挨拶に立ち、歯科技工所アンケートや学校歯科治療調査などの実施を評価し、健康保険証存続の取り組みについても「先生方にわかりやすく丁寧に呼びかけている。これなら自分でもできると考える先生も多いと思う。このような活動を組み立てる協会に敬意を表する」と挨拶した。

続いて、東京保険医協会の須田昭夫会長は、オンライン資格確認義務化撤回訴訟に触れ、「歯科・医科協会がともに訴訟の問題を提起できたことは大変良かったと思う」と、東京都内2つの協会での取り組みを評価した。

その後は関係団体や議員も祝辞を述べ、定期総会の開催を祝した。参加者は思い思いに会話や食事をしながら懇親を深め、盛況のうちに幕を閉じた。初めて定期総会に足を運んだという会員は、「緊張したが、将来的なビジョンを考えて活動するという会長の発言を頼もしく思った。若手の会員も増やしてエネルギッシュに、そして希望が持てる歯科医療界にしてほしい」と協会への思いを語った。

さらに、定期総会で質問に立った会員からは、「会員のためにがんばっている様子が伝わってきた」という声が聞かれた。


 懇親会にご参加いただいた来賓の方々

 

 お送りいただいた祝電・メッセージの一覧

定期総会記念講演では坪田会長が今次改定のポイントと歯科医療の展望を説く

2024年度診療報酬改定のポイントと今後の歯科医療の展望

6月16日に開催した第52回定期総会では、総会終了後に記念講演が「2024年度改定を考察し、今後の歯科医療を展望する」をテーマに開催され、当協会の坪田有史会長が講師を務めた。

講演では、社会医療診療行為別統計のこれまでの傾向と、今後の歯科治療の需要の将来予想イメージが治療中心型から治療・管理・連携型に移行しつつあることに触れ、それらを踏まえたうえで、今次改定を「難解」とし、さらに、健康寿命延伸や在宅医療提供が喫緊の課題となる中で、その患者の負担割合を引き上げる動きには反対であるとしつつ、これまでの政府の「骨太の方針」を見据えつつ、今後の歯科医療に言及。国民皆歯科健診とも関連させ、疾病の早期発見と健康寿命の延伸が求められていることなどを指摘した。

一方、今回の診療報酬改定については、複雑・難解な改定、新たな項目や算定要件、加算、施設基準の届出などが多数含まれていることを指摘しつつ、日々の診療に加え、特に今次改定でさらに複雑化した診療報酬体系を学習・理解し、適正な保険請求に繋げることが肝要であるとした。

そして、「我々歯科医師の目的は目の前の患者に適正に歯科医療を提供することに邁進したいということだけである」と強調した。

◆萎縮診療はしないこと

最後に、集団的個別指導を恐れた萎縮診療はしないこと、適正な保険請求を行うこと、歯科界全体で協力し、歯科医療費の総枠拡大を目指すことの必要性を提唱し、講演を締め括った。

2024年度第52回定期総会を開催/2024年度活動報告など承認

第52回定期総会 5年ぶりに懇親会を開催

協会は616日、千代田区の主婦会館プラザエフで2024年度第52回定期総会を開催。設立50年を迎えた23年度の取り組みなどを報告した。総会には、一般会員および役員を合わせた48名が出席。委任状を含めると1,003名の出席となり、総会成立要件である会員数の10%を超え、総会は成立。メディア3社・3名も取材に訪れた。総会後には記念講演を行い、その後に2019年以来、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされていた懇親会を5年ぶりに開催し、会員や関係者らが一堂に会した。

◆坪田会長「先生方と対話を」

山本鐵雄副会長の開会の挨拶で幕を開けた定期総会。

冒頭、坪田有史会長は、23年度の取り組みを振り返り、設立50周年記念企画に触れながら、協会設立当初から協会活動に協力いただいた先生方への感謝の意を表した。また、24年度診療報酬改定は複雑であるとし、3月に行なった新点数説明会には会員ら約1,500人が訪れたことを報告した。そして、「これからも協会のために先生方と対話をしていきたい。その中で、ぜひ協会にさまざまな提案をいただきたい」と会員に協会諸活動への協力を呼びかけた。

次に、岡田尚彦理事が、日本歯科医師会・高橋英登会長、全国保険医団体連合会・竹田智雄会長、与野党議員ほか関係団体などから多数のメッセージが寄せられていることを紹介した。議長には橋村威慶氏(文京区)、副議長には三島桂氏(足立区)が選出された。

まず、早坂美都副会長が第1号議案「2023年度の活動報告の承認を求める件」、半田紀穂子理事(財政部長)が第2号議案「2023年度決算報告の承認を求める件」、西田紘一監事が「会計監査・会務監査報告」を提案し、いずれも賛成多数で承認された。

続いて、加藤開副会長が第3号議案「2024年度活動計画案の承認を求める件」、半田理事が第4号議案「2024年度予算案の承認を求める件」を提案しいずれも賛成多数で承認された。さらに、第5号議案「選挙管理委員会承認の件」、第6号議案「決議採択の件」もそれぞれ賛成多数で承認された。

◆質疑応答の模様

なお、総会時の質疑応答では、2名の会員から「組織対策費、時局対策費とは、具体的にはどのようなものか」「役員報酬を引き上げることは検討しているのか」「『決議』は承認後、どのような目的で活用されるのか」などの質問があり、会長、担当役員が回答した。閉会の挨拶は馬場安彦副会長が行い、定期総会は閉会した。

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)6月1日

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)6月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)6月1日

【新聞6月号】

【1面】

1.第3回新点数説明会開催/6月施行に備え診療報酬を解説 全3回の説明会に計2,857人参加
2.「健康保険証は存続させるべき」坪田会長らが国会議員に緊急要請
3.第52回定期総会のご案内
4.「探針」
5.ニュースビュー

【2面】

6.オン資「義務化」撤回訴訟第6回口頭弁論/11月末までの結審求める 坪田有史氏「強制的に進められる現状に憤り」
7.6月1日施行2024年度診療報酬改定情報/新たな疑義解釈が示される!

【3面】

8.連載「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望②/(佐藤一樹氏)原告勝訴:「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」との類似性
9.ベ―スアップ評価料は「歯科医院の懐を見る加算」/メディア懇参加者から鋭い指摘

【4面】

10.経営・税務相談Q&A No.417「定額減税②~よくある質問~」
11.6月会員無料相談のご案内
12.第39回保団連医療研究フォーラム分科会・ポスターセッション演題募集
13.2024年6月版「歯科保険診療の研究」/発送は6月末頃
14.デンタルブックPR

【5面】

15.研究会・行事ご案内
16.会員優待サービス:夏休みはリソルの森へ! 

【6面】

17.退き際の思考 歯科医師をやめる/(石田昌也さん・後編)「“人生の半分は闘病”も悔いなし『「助けられた』共済制度と歩んだ歯科医師生活」

【7面】

18.会員なら加入しないともったいない!! 保険医休業保障共済保険

【8面】

19.教えて!会長!! Vol.83「施設基準とベースアップ評価料」
20.【ベースアップ評価料】届け出解説動画デンタルブックで公開中
21.ご注意を「6月からの労災診療費 初・再診料が引き上げ」
22.IT相談室/情報セキュリティ10大脅威2024解説①「情報セキュリティのオールインワンページ」
23.共済部だより

【9面】

24.症例研究「新設されたエナメル質初期う蝕管理料と外安全1・外感染1」

【10面】

25.インタビュー/協会は「基本的なスタンスを守ること」が大事(オクネット代表:奥村勝氏)
26.理事会だより/2024年度第2回(暫定)・第3回(暫定)理事会
27.2024年5月協会活動日誌

【11面】

28.2024年6月歯科用貴金属の随時改定情報
29.神田川界隈「原告のひとりとして」(理事・橋本健一/東村山市)
30.通信員便り No.143

【12面】

31.新連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第3回「急増しそうな『偽造マイナンバーカード』の悪用に気をつけよう!」(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
32.「現行の健康保険証はなくさないで」酒井菜摘・鈴木庸介両衆議院議員に署名提出

【13・14面】

33.第2休業保障制度(団体所得補償保険)募集キャンペーン

【健康保険証を残そう】パブリック・コメント提出のお願い(6/22まで)

 厚労省は現在、健保法等の省令から保険証を交付しなければならないとする規定を削除するための変更についてパブリック・コメントを募集しています。 オンライン資格確認ではトラブルがなくならず、マイナ保険証の利用率も6%程度と低迷する中での保険証廃止は乱暴です。

▼経済ジャーナリスト・荻原博子さんが解説「健康保険証廃止『今のやり方は危険』」

 このままでは医療機関にさらなる混乱をもたらす可能性が高いため、現行の保険証を残すために、ぜひともパブコメを下記の要領で提出していただきたく、お願いいたします。
※期限が間近に迫っています。Webからも直接提出することが可能です。

 

■期限:6月22日(土)必着 ※Webの場合、6月22日(土)23時59分まで
■提出方法:Webまたは郵送

パブリック・コメントとは?…どんなふうに提出すればいいの?

パブリック・コメントは、行政に現場の意見を伝えることができる貴重な機会です。ぜひ現場の声を届けましょう。

今回のパブリック・コメントの一例…

・健康保険証を残すことで、資格確認書などを新たに発行する必要はなくなる。保険証を残すべき。
・受付専任のスタッフがいない医療機関では、マイナカードの確認作業のために治療を中断せざるを得ない状況が生じる。読み取りに問題が生じた場合は多大な時間を取られ、診療に集中できない。
・オンライン資格確認システムのエラーが出たときにサポートセンターに電話をかけても繋がらない。

提出方法

方法①:WEBから提出    
厚労省のパブコメ募集用ページにアクセス。【意見募集要項】というPDFファイルを開き、内容を確認。その後、元のページに戻り、「□意見募集要領(提出先を含む)の全部を確認しました」のチェックボックスにチェックを入れ、右下の「意見入力へ」をクリック。意見入力画面にアクセスできるので、そちらに意見を入力してお送りください。(応募方法:パブコメ応募詳細はこちら

イメージ

方法②メールでの意見提出
ご意見を入力の上、kokuho@mhlw.go.jp  宛に電子メールを送付してください。
※件名は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令案(仮称)に関する意見」と明記。

方法③郵送での意見提出
紙などに意見を記載の上、「〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2  厚生労働省保険局国民健康保険課企画法令係宛て」に郵送で意見をご提出ください。

関連記事:

▼荻原博子さんの連載を読む【マイナ保険証の〝失態〟を追う】

▼ジャーナリスト・堤未果さんインタビュー【ショック・ドクトリンに見る保険証廃止問題「立ち止まって」】

【連載】退き際の思考/「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ” 幼少期から育んだ信頼関係で医院託す(石田昌也さん【前編】)

【連載】退き際の思考 歯科医師をやめる

「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ” 幼少期から育んだ信頼関係で医院託す

石田昌也さん(石田歯科医院副院長) ― 前編

石田昌也先生

歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生にお話しを伺い、引退を決意した理由や、医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。今回は、杉並区上荻にある石田歯科医院の副院長、石田昌也先生。1975年に開業し、“地域に根ざした歯医者”を目指し、患者から親しまれる歯科医院を一代で築いた。2009年に長男の博也先生と院長を交代し、現在は副院長として医院経営を支える。持病と闘いながらも「悔いがない」と語る歯科医師人生や、親子間の医院承継に大切なことなどについて、妻の光子さんとともに回顧していただき、前後編2回に分けて連載する。

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年5月1日号)

―歯科医師として、一線を退こうと思ったきっかけは。

昌也先生:長男が歯科医師になり、静岡で勤務医として5年間働きました。その後、東京に戻り、一緒に診療をはじめて2年ほど経った頃です。私自身は、開業した時から一代限りで閉院しても構わないと考えていましたが、息子の治療や患者さんへの対応を見て、「これなら息子一人でやっていける」と思い、引退を考えました。私は30年あまり前から持病があり、通院しながら診療にあたっていたこともあったので、少しずつ現役を退いていく方向を考え始めましたね。

―引き継ぎにあたり、準備はどのように進めましたか。

昌也先生:2年ほどかけて管理者や開設者、その他金融機関や労務関連などさまざまな変更手続きをしましたが、「メインバンクだけは変えないように」と、息子に伝えていました。これまで長年続いてきた銀行との信頼関係をそのまま維持することで、医療機器の入れ替えなど大きな出費への備えにもなりますし、今後の医院経営を見据えても、息子自身にとっても良いことだと考えたからです。

―当初、息子さんと一緒に診療に携わってみていかがでしたか。

昌也先生:今まで通っていた患者さんは私が、新患はすべて息子が診るようにしました。そうすることで、患者さんを引き継ぐ苦労がありませんし、患者さんを取り合うようなこともなかったです。技工の模型や治療の技術を見ても息子の方が技術的に優れていて、静岡でしっかり経験を積み、勉強してきたことがわかりました。相性の問題もあり、歯科技工所は自分がやりやすい取引先に変えていましたが、治療内容で揉めるようなことはありませんでしたし、仕事に限らず、子どもと争ったことがありません。

―昔から親子関係を大切されてきたのでしょうか。

光子さん:子どもが小さい時から、夏休みに夫が計画を立てて、必ず家族旅行に出かけていました。2人の息子が高校を卒業するまで続きましたが、朝からテニスにプールと、いろんなことを楽しみたい夫に対し、宿でのんびりしたい子どもたちが初めて「なぜ予定を決められなきゃいけないのか」と反抗したんです(笑)。“争う”といえばそのくらいだったでしょうか。

昌也先生:今でも息子家族と定期的に会食をして、良い親子関係ができています。同じ仕事を引き継ぐからこそ、親子関係は大切だと思います。息子同士も大きな喧嘩をしたことがないし、未だに仲が良く、互いを認め合っています。

―信頼関係を軸に、院長交代まで順調に準備が進んだようですね。

光子さん:ただ最初のうち、息子は自分が担当する患者さんがいなかったので、ギャップを感じたみたいです。「ほかでバイトをしよう」とか、診療時間の延長や日曜診療を提案したり、少し心が揺れていた気がします。

昌也先生:その気持ちは理解できましたが、「ちょっと待って」と声をかけました。今は若いから良いけど、診療時間を延ばしたりするのは年を取ればだんだんときつくなる。自分の体やプライベート、家族サービスも大切にして「今のペースで続けたほうが良い」と、自身の経験をもとに助言しました。

無借金で承継を―内なる父の思い…

―その後、実際に院長を交代してみてどうでしたか。

昌也先生:診療以外の経営まわりのことをすべて一任しました。スタッフの採用面接などもすべて息子が担当しましたし、一切口を出しませんでした。医院経営は大変だったと思いますが、そういうことが好きなタイプに見えましたね。

光子さん:やっぱり医院に親がいるのは照れくさいじゃないですか。そんな時に夫が骨折して、コロナ禍も相まって医院を訪れる頻度が減りました。スタッフさんに聞くと、息子が「変わった」と言うんです。仲の良い親子とはいえ、父の目もなく自分の思い通りにできるとなると、良い意味で気持ちの変化もあったんだと思いますね。

妻の光子さん

―引き継ぎにあたり一番大切にされたことは。

昌也先生:医院には借金が残っていました。息子に引き継ぐにあたり、どうにかしてこれをゼロにしたかった。親子でなくても、やはりお金は一番問題になる部分。私は私、息子は息子と切り分けて、妻と協力してなんとか借金を完済することができました。

光子さん:子どもに対する思いは、人一倍強い夫です。息子の夢を絶つようなことはしたくないと、持病の詳しいことは子どもたちが学生のうちは伏せておきました。長男の学費や次男の留学、出費がかさむ時期だったけど、子どものためなら不思議となんとでもなるんですよね。

昌也先生:考え方は人それぞれですが、自分でたくさんのお金を抱え込むと、やはりトラブルが起きてしまうのかなと。私の人生観としては、死ぬ時にお金を持っていけるわけではないから、自分が生活できる程度でお金を持ちつつ、あとは家族に分け与えていきたいと思います。前はマンションに住んでいましたが、ライフステージに合わせて住むところを移していくなど、そうした人生設計を描きながら過ごしてきました。(つづく)

後編は、「助けられた」と語る協会との関わりについてお届けするー。

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年5月1日号)

#インタビュー #連載 #退き際の思考

退き際の思考 歯科医師をやめる/10年越しの夢叶えたセカンドキャリア「神様から2つのチャンスを」(中野多美子さん【後編】)

【 退き際の思考 歯科医師をやめる/10年越しの夢叶えたセカンドキャリア「神様から2つのチャンスを」】

中野多美子さん(元協会会員) ― 前編 ※前編はこちら

歯科医師としての〝引退〟に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生や、引退を考えている先生にお話を伺い、引退を決意した理由や、医院承継の苦労、現在の生活などを深堀りします。今回は、前号に引き続きワイナリー「ヴィンヤード多摩」の専務としてセカンドキャリアを歩む中野多美子さんの後編。歯科医師を引退したタイミングについて振り返ってもらいました。

―歯科医師を引退して1年少々経ちますが、引退したタイミングについてどう振り返りますか。

もう少し早くやめてもよかったと思っています。それは、いろいろな身体の衰えが出てきて、あらゆることに時間がかかってしまう。そうした中で、私は65歳あたりを目途に引退するほうが良かったと思います。

―歯科医師人生の思い出を聞かせてください。

歯科医療の仕事は好きでした。よい歯科医師人生だったと思います。人に関わることができ、感謝される素晴らしい仕事です。よい思い出も、そうでない思い出も沢山ありますが、特に印象に残っているものは、引退する前にいただいた手紙です。その方はとても美しい女性でしたが、口腔内にはほとんど残存歯がありませんでした。若い頃、多くの歯を抜歯され、とてもつらい思いをしたそうです。それ以来、なかなか治療に行けなかったといいます。その方から、「先生と巡り会えて本当によかった」と心のこもったお便りをいただきました。

とある患者さんたちとの出会い― セカンドキャリアのはじまり

―現在の目標は?

まずはワイン作りという、歯科医療とはまったく違う方向に進んだので、周囲の皆さんはびっくりしています。私は神様から二つのチャンス、つまり私は二度も人生を味わわせていただいたと思っており、本当にありがたいと感じています。目標としては、経営的に会社をきちんとした規模、形態にしたいと思っています。私は今、ワイナリーの中で畑を担当しているのですが、畑や農地を大きくしていくとか、ワインの品質も向上させていきたいです。

―セカンドキャリアとしてワインづくりを選んだ理由を聞かせてください。

最初は、ワインを飲んで楽しむだけの〝ノムリエ〟でした。ただ、大好きなワインを飲んでいくうちに、ワインについて体系的に勉強したくなり、いくつかのワインスクールに10年ほど通いました。また、私の医院にグループホームの方たちが患者さんとして来院していました。その方たちが年を重ねた時に働く場を作りたい、その方たちが作ったブドウでワインを作りたいというのが、ヴィンヤード多摩を設立した目的です。人間は社会と関わることで、自分の価値や存在意義を必ず見出していくものだと思います。障がい者の方々が高齢になって仕事ができなくなってしまった後、経済的な面だけではなく、社会とのつながりという面から、畑の仕事に携わってほしいと考えています。ブドウに袋をかけたり、草刈りをしたり、畑の作業は能力に応じた仕事の種類がたくさんあるものです。現在、東京都は、就労に困難を抱える方が必要なサポートを受け、他の従業員とともに働いている社会的企業のことをソーシャルファームと位置付けていて、今はその認証を受けるためにがんばっています。

―現在のお仕事で最近、一つ夢が叶ったそうですね。

構想から10年かけて、ついにグループホームの方たちが手掛けたワインが完成しました。ようやく一つの目標を達成しました。ワインボトルにはグループホームの皆さんの似顔絵のエチケット(ラベル)を付けます。自分たちが作ったものを外で売るまでの一連の流れが大切なので、これを店頭で販売して1つの仕事が完結するのが楽しみです。

―先生と同じように、引退の時期を考えている先生方がいらっしゃると思います。最後にそうした方々へメッセージをお願いします。

医院を引き渡す相手を尊重してなるべく速やかに身を引くのが良いと思います。私だけではなく、身体の衰えは65歳前後の多くの人が直面するものだと思います。また、引退をするにしても3年、5年と準備の時間がかかると思いますので、引退の時期と、引き継ぐ相手など時間をかけて考えていくことが大切なのかなと思います。

―ありがとうございました。(完)

(前編を読む)

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年1月1日号)

【IT相談室】「情報セキュリティ10大脅威2024」解説 ①

情報セキュリティのオールインワンページ

今回から、独立行政法人「情報処理推進機構」(以下、IPA)が発表している「情報セキュリティ10大脅威2024」について、3回にわたり解説していきます。「情報セキュリティ10大脅威」は2014年から毎年発表されており、情報セキュリティの問題点と対策がわかりやすくまとめられています。IPAのホームページにも公開されているので、医療機関従事者の方々にも、ぜひご覧いただきたいです。

◆IPAについて

IPAは、04年に設立された経済産業省所管の独立行政法人です。この独法、身近なところでは、受験者数で自動車運転免許に次ぐIT関連の国家資格「情報処理技術者試験」( 通称「情処」じょうしょ)事業、「未到ソフトウエア」事業、「IPAフォント」公開など、幅広く活動しています。

◆新しい脅威は

「ランサムウエア」「情報セキュリティ10大脅威」は、個人向けと組織向けに分かれており、本連載では組織向けの脅威を解説していきます。

21年から引き続き1位は「ランサムウエア」です。比較的新しい脅威ですので、まずは名前を覚えてください。ランサムウエアはパソコン内や外付けで、ネットワーク上のデータを暗号化してアクセスを不能にし、解除のパスワードと引き換えに金銭を要求します。

対策としては、通常のセキュリティ対策に加え、外部クラウドや通常使用しているパソコンなどと直接接続しないハードディスクなどへのバックアップが有効です。

件数としては多くないと思われますが、いわゆる身代金や調査・復旧の手間など、損害が大きいのが特徴です。ある日突然、院内のパソコンやすべてのデータが使えなくなったら…と想像していただき、対策を急ぎ、万全を期すことをお薦めします。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞20246月号8面掲載

【IT相談室】「Googleビジネスプロフィール」の大きなリスク③ 完

管理者権限の確認について

前回までは「Googleビジネスプロフィール」がどのようなものか、どのようなリスクが潜んでいるかを中心にお話ししました。今回は、そのリスクに対してどのように対応すべきかを考えます。

◆管理権限者の確認を

まず、歯科医院におけるGoogleビジネスプロフィールのオーナー権限、管理者権限は「誰が持っているのか」を確認する必要があります。

もしWEBサイトの管理やインターネット全般の支援をしている業者と契約しているなら、その担当者へ現状の確認を依頼するとすぐに教えてくれます。

そのような業者の支援がなく、Googleビジネスプロフィールのことを「初めて聞いた」「よくわからない」という状況でしたら、医院の名前で検索してGoogleビジネスプロフィールを確認してみてください。

◆具体的な確認方法

確認方法としては、まずGoogleビジネスプロフィールのページ(検索ですぐに見つけることができます)にログインします。

ログインIDやパスワードは普段使用している、もしくは医院用のGmailアドレスです。そもそもGoogleビジネスプロフィールを使用していない、Googleのメールアドレスを持っていないという方は、Googleビジネスプロフィールへの登録を医院側では行っていないはずです。

Googleビジネスプロフィールへログイン後に医院の情報が登録されていた形跡があれば、ご自身がオーナーとして登録されています。なければ、誰か別の人間が登録していることになります。その場合は、ご自身の歯科医院名で検索して表示されたGoogleビジネスプロフィールに「このビジネスのオーナーですか?」というリンクがあります。そのリンクをクリックすると、現在オーナーとして登録されている人物に「アクセス権をリクエスト」することができます。

アクセス権のリクエストによりオーナー権限を譲り渡してもらうことで、他者に管理させずにご自身での管理が可能になります。

悪意を持った第三者が、オーナー権限の譲渡を拒む場合もあります。その場合はGoogleのサポートへ連絡してください。

この問題は、医院側がGoogleビジネスプロフィールを積極的に管理・更新することでリスクを軽減し、医院の情報を正しく発信することができ、さらにリスクをベネフィットに変えることができるものですので、確認を強くおすすめします。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞20244月号5面掲載)

【教えて!会長!! Vol.83】施設基準とベースアップ評価料

施設基準とベースアップ評価料

◆6月になり2024年度診療報酬改定が施行されましたが…。

 5月中旬頃から、会員の先生方から非常に多くの問い合わせをいただき、途切れることなく協会の電話が鳴っています。電話が繋がりにくい状況となり、ご迷惑をおかけしてしまい、お詫び申し上げます。このような状況ではありますが、会員の疑問に答えるべく対応していますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

今次改定に多くの会員が疑問を持ち、困惑して協会に助けを求めてきているこの状況について、今後、行政側がどう対応しようと考えているのか問いたいと考えています。すでに新点数説明会を3回開催し、多くの会員や関係者に参加していただきました。この3回の説明会を収録した動画は、デンタルブックですべて視聴できますので、今次改定を理解するために視聴していただくことをお勧めします。

◆会員からの問い合わせの内容は?

 今次改定の内容は、全般的に「複雑で理解できない」ことが多いですが、個別項目で質問が多いのは「施設基準の内容と届出」と「ベースアップ評価料」です。

「施設基準の内容と届出」は、書籍「2024年改定の要点と解説」の「今次改定で新設された主な施設基準」(173ページ)を参照していただき、本書内の項目ごとの解説を読み、自院が該当する、また、届け出したい施設基準があれば対応を検討してください。61日からの算定には「ベースアップ評価料」の届出以外は63日までが提出期限ですが、期限が過ぎても検討していただき、適宜届出を行い、該当月から順次算定していただければと思います。

一方、自院が既に届け出している施設基準に対する問い合わせがあります。関東信越厚生局のホームページに施設基準の届出受理状況の一覧が掲載されていますので、東京都・歯科のPDF内で自院の届出項目、受理番号、算定開始年月日が確認できます。

◆算定するにあたって、注意すべき点はありますか?

 「ベースアップ評価料Ⅰ」を61日から算定する場合、520日付の事務連絡で届出期限が621日に延長されましたので、時間的な猶予ができました。ここで理解しておくべき8項目を挙げます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

①「ベースアップ評価料」の届出・算定は必須ではなく任意です。各医療機関で判断して、届出・算定の可否を決めます。

②「ベースアップ評価料」の対象職員は、歯科衛生士、医療機関で雇用している歯科技工士、歯科業務補助者(歯科助手)のみで、歯科医師は該当しません。なお、受付専任の事務職員、40歳未満の勤務歯科医師、歯科技工所に勤務している歯科技工士(非雇用)の賃上げ措置は、「ベースアップ評価料」とは別に初・再診料(プラス0.28%)のアップ分で対応していると厚労省は説明しています。

③「ベースアップ評価料」で得られた診療報酬は、すべてベースアップ(賃上げ)の原資に限定して使います。なお、定期昇給の原資に充てることはできません。④各医療機関において、厚労省が示した2023年度比較で、24年度にプラス2.5%、25年度にプラス2.0%(2年間で4.5%)のベースアップを目標としています。しかし、これはあくまでも「厚労省の目標値」であり、賃上げ率、またベースアップを行うか否かも、各医療機関の判断に委ねられています。なお「ベースアップ評価料」で得ることができるのは1.2%になるように構築されています。したがって、「厚労省の目標値」に足りない分は、診療報酬のベースアップ評価料以外の部分や賃上げ促進税制を活用するよう示されています。

⑤「ベースアップ評価料」の届出は、届出様式以外に賃金改善計画書の提出が必要です。また、毎年8月(※今次改定前までは7月)に行う定例報告で賃金改善実績報告書による報告が必要です。

⑥詳細な明細書には「ベースアップ評価料」と記載されますので、患者からの問合せに医療機関として対応しなければならないことが想定されます。

⑦賃上げを行うにあたっては、給与(賃金)規定の改定も必要です。給与(賃金)規定が整備されていない場合には、労働条件通知書を新たに提示するなどして、従業員に周知する必要があります。

⑧「ベースアップ評価料」は、賃上げのための特例的な対応です。先のことなので不確定ですが、次回の改定で評価されず廃止される可能性が高いとも言われています。2年後に医療機関側にとって「ベースアップ評価料」分の財源がなくなることを想定しておく必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

協会では、「ベースアップ評価料」の届出方法についての解説動画を作成しました。届出の記載方法などについてお悩みの先生は、まず動画を視聴してください。動画はデンタルブックのマイページから視聴できます。視聴した上で不明な点がありましたら協会にお問合せください。

全国の医科、歯科ともに今次改定で混乱が生じていることが報告されています。物価や光熱費の上昇などの現状から、スタッフのために何らかの対応をする必要があることは致し方ないです。しかし、この国の現状を招いた責任をまったく取らず、オンライン資格確認、オンライン請求、マイナ保険証などを拙速に押し付けてくることに憤りを感じています。先生方はどうお思いでしょうか。

【東京歯科保険医協会】診療報酬改定 特設ページ

過去の「教えて!会長!!」はこちら

 

東京歯科保険医協会

                                     会長 坪田有史

(東京歯科保険医新聞20246月号掲載)

「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望②(佐藤一樹氏)

第 2 回  原告勝訴:「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」との類似性

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。今回から複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

4 法体系における法律と省令(注:見出し番号は前号からつづく)

オンライン資格確認義務化」を療養担当規則で規定した厚生労働省令は違憲・違法である。国権の最高機関で国の唯一の立法機関である国会(憲法第四十一条)が制定した健康保険法による委任(注1)がないのに、省令で保険医(医師・歯科医師)の権利を侵害するような義務を課しているからだ(図1)。法律の委任がなければ、省令に罰則を設け、または義務を課し、もしくは国民の権利を制限する規定を設けることはできないはずである(国家行政組織法第十二条三項)。

図 1

健康保険法第七十条一項は、「療養の給付」に限り厚生労働省令に委任する条文である。同項に、「資格確認」について委任している文言はない(図2)。

図 2

そもそも、被保険者が資格確認のために提出する資料について規定しているのは、健康保険法第六十三条三項に基づく健康保険法施行規則第五十三条である。法律は、療養の給付と資格確認を峻別している(図3)。

図 3

このため、提訴時の訴状(注2)の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」の理由は、以下の(1)(2)となっている。

(1)健康保険法上、給付の「内容」は療養担当規則に委任しているが、資格確認の「方法」については、条文に委任していると書かれていない
(2)仮に健康保険法上、委任がされているとしてもオンライン資格確認を義務化することは、委任の範囲を逸脱している

 

 5 日本の裁判おける「判例」の拘束性

裁判において裁判所が示した具体的事件における法律的判断を「判例」と呼ぶ。「先例」としての重み付けがなされ、それ以後の判決に拘束力を持ち、影響を及ぼす(先例拘束の原則)。判例が重みを持つ理由は、同類・同系統の訴訟・事件に対して、裁判官によって判決が異なることは不公平になることを防ぐためだ。日本では、特に最高裁判所が示した判断が「判例」であり、下級審の判断は実務上「裁判例」と呼ばれ区別される。

ただし、日本国憲法には先例拘束性を一般的に定める明文規定は存在しない。しかし、判例とされる最高裁判決は、最高裁大法廷で判例変更がなされないかぎり、下級裁判所はもちろん、最高裁自身の判断を実質上は拘束すると考えられている。

6 判例「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」と類似

私たちの確認訴訟と同類・同系統の訴訟の「判例」に、原告が勝訴した「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」判決(平成25年1月11日 最高裁第二小法廷)」がある。これは、2021年度の行政書士国家試験に出題されるほど重要な行政訴訟の判例で、ありとあらゆる行政法の基本書や専門書・文献で解説されている。

この判例では、「第一及び二類医薬品の情報提供は有資格者の対面により行わなければならない旨の厚生労働省令、一般医薬品の郵送等による販売を行うことを禁止する旨の厚生労働省令は、いずれも各医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において、新薬事法(平成18年改正後)の趣旨に適合するものではなく、新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である」と原告の訴えが確認された。

このため、私たち原告による最初の主張を記述した訴状にも、被告である国による最初の準備書面(注3にも、この平成25年判決の判例法理(4)が引用され、その後も双方のすべての準備書面での主張も一貫して、これに準じている。たとえ行政訴訟における原告勝訴率が数%であったとしても、類似の判例では原告が勝訴しているのであるから、原告側が裁判官の心証*5を得る蓋然性が高い。

(注1 法律で定めなければならない事項を命令によって定めることができる旨を法律自身が定めること

(注2 民事訴訟において、訴えの提起に際し、当事者・法廷代理人・請求の趣旨・請求の理由を記載し、第一審裁判所に提出する書面

(注3民事訴訟において、当事者が口頭弁論において陳述しようとする事項を記載して、あらかじめ裁判所に提出する書面

(注4 裁判所が示した判断の蓄積によって形成された考え方

(注5 訴訟事件の審理において、裁判官が得た事実の存否に関する認識や確信

(つづく)

【プロフィール】佐藤 一樹(さとう・かずき)

1991年3月、国立山梨医科大学医学部卒業。同年4月、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科入局。19994月同科助手。200912月、いつき会ハートクリニック理事長・院長。専門は心臓血管外科、小児心臓外科。学位:医学博士。著書に「医学書院医学大辞典」(第2版)医学書院(2009年)他、多数。

 

「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望①(佐藤一樹氏)

第 1 回  確認訴訟:提訴の決意と弁護団結成

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。今回から複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

1 提訴の決意

2021年8月、健康保険法にマイナンバーカードによるオンライン資格確認が追加され、国民が医療機関を受診する際には、健康保険証かマイナンバーカードのいずれか任意の方法で資格確認を行うことになった。

ところが、2022824日、厚生労働省と三師会が合同開催したオンライン資格確認等システムに関するウェブ説明会で、保険局医療介護連携政策課長は、「厚生労働省令〔同年95日保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)〕により202341日からオンライン資格確認が義務化される。医療機関がオンライン資格確認を導入しない場合、療担規則違反になる。療担規則に違反することは、保険医療機関の指定取消し事由になる」旨を発言した。

法令にない「指定取消し」を錦の御旗にしての脅しだ。国を提訴し、司法の場で違法性を明らかにする、と私たちは決意した。

2 日本の弁護士「いの一番」

国民が国などの公権力を相手に起こす行政訴訟は、原告勝訴率が数%の難関だ。例えば「マイナンバー制度違憲訴訟(注/1)」は全国8カ所で提訴され、すべて敗訴した。勝訴のためには、どれほど評判の良い弁護士だと言われていても、行政訴訟で勝訴実績がないのなら頼まない。

私たちの行政訴訟は、2種類ある当事者訴訟のうち「確認訴訟」に分類される。確認訴訟は2005年4月1日施行「平成16年改正『行政事件訴訟法』」で初めて「公法上の法律関係に関する確認の訴え」と条文化された。同年9月14日、最高裁大法廷で新法施行後、確認訴訟では最初の原告勝訴判決が出た。「在外日本人選挙権剥奪違法確認等事件」である。これが、国民の権利利益の実効的救済を図る上で、確認訴訟の活用の有効性を示す嚆こうし矢

となった。憲法訴訟・行政訴訟の歴史に燦さんぜん然と輝くこの訴訟の弁護団長が自由人権協会代表理事の喜田村洋一先生である(右写真)。

当時、朝日新聞は1面に連載「日本の弁護士」を開始し、いの一番に喜田村先生を選んだ。刑事事件では数々の無罪を勝ち取り、日本の民事名誉毀損裁判の規準を創り、憲法訴訟では有名な「レペタ訴訟」も担当したオールラウンダーである。2022年9月、東京保険医協会理事会で私は「この行政訴訟の主任弁護士は喜田村先生しかいない」と主張し、全員一致で可決された。

弁護団には、在外日本人選挙権剥奪違法確認等事件で喜田村先生の右腕だった二関辰郎先生も入り、牧田潤一朗先生、小野高広先生の4人体制となった。全員が自由人権協会の主要メンバーである。

(注/1)マイナンバー制度がプライバシー権を侵害し、違憲であるなどとして仙台、新潟、金沢、名古屋、東京、神奈川、大阪、福岡の各地で行われたマイナンバー関連の訴訟

3 私たちの訴え2023年2月22日の第一次提訴から

第三次提訴までに原告は1,415人となった。なお、当時、健康保険証の廃止は立法化されておらず、訴訟外の事案である。私たちの訴えの柱は、以下の2本である。

(1)オンライン資格確認義務のないこと、すなわち、患者から電子資格確認により療養の給付を受けることを求められた場合に、①電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることを確認する義務がないこと、②電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認ができるようあらかじめ必要な体制を整備する義務がないことをいずれも確認すること。

(2)「違憲・違法なオンライン資格確認を義務化した療養担当規則の制定や関連する政府の動きのため、保険医療機関の閉鎖を含めた対応を余儀なくされる可能性など、自己の職業活動、その継続に対する不安のため精神的苦痛を受けたこと」に対し、各原告に、金10万円を支払え。重要なことは、オンライン資格確認自体には反対してない点だ。

一方、政府発表の「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」「医療DXの推進に関する工程表」では、情報保護の安全性に問題がある。この前提となるオンライン資格確認について、十分なシステムの構築をしないまま、違法な省令によって、保険医に対し強権的に「義務づけ」したことについて訴えている。

(つづく)

【プロフィール】
佐藤 一樹(さとう・かずき)

1991年3月、国立山梨医科大学医学部卒業。同年4月、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科入局。19994月同科助手。200912月、いつき会ハートクリニック理事長・院長。専門は心臓血管外科、小児心臓外科。学位:医学博士。著書に「医学書院医学大辞典」(第2版)医学書院(2009年)他、多数。

東京歯科保険医協会 第52回定期総会開催のご案内

東京歯科保険医協会第52回定期総会を下記の通り開催致します。

日時

 Ⅰ 総会
◆開催日時 2024年6月16日(日)午後2時30分~7時45分
◆開催場所 主婦会館プラザエフ(住所:東京都千代田区六番町15)
      ※交通:JR中央線四ツ谷駅麹町口より徒歩1分。東京メトロ丸ノ内線・南北線四ツ谷駅より徒歩2分

◆総会議事 午後2時30分~4時15分(7Fカトレア)
◆議  案
 第1号議案 2023年度活動報告の承認を求める件
 第2号議案 2023年度決算報告の承認を求める件
       (付・会計監査報告)
 第3号議案 2024年度活動計画案承認の件
 第4号議案 2024年度予算案承認の件
 第5号議案 選挙管理委員承認の件
 第6号議案 決議採択の件

Ⅱ 記念講演
◆時 間 午後4時30分~6時00分(7Fカトレア)
◆テーマ 
「2024年度改定を考察し、今後の歯科医療を展望する」
講師:坪田 有史 氏(東京歯科保険医協会 会長)

Ⅲ 懇親会
◆時 間 午後6時15分~7時45分(B2Fクラルテ)
※6年ぶりの懇親会開催です。会員であればどなたでもご参加いただけます。ゲストも多数お越しになりますので定期総会と記念講演の終了後には、ぜひお越しください。

★キャンセル待ち★【受付中】7月28日(日)開催:第2回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たすための講習会です。 

●歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
●外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
●口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
●歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催が近くなりましたら、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】
7 月 28 日(日)

【内 容】
▼4つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼2つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】
ワイム貸会議室高田馬場 4階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8
<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで施設基準を維持することができます。そのため、急いでご受講をする必要はございません。ご不明な点は、協会までお問い合せください。
※新規届出以外の会員の先生方向けの講習会は、別途開催予定です。日時の確定までもうしばらくお待ちください。



サイトのご利用にあたって掲載しているすべての情報は転載禁止とします。 内容についてのお問い合わせはメール(info@tokyo-sk.com)またはお電話(03-3205-2999)にてお願いいたします。

東京歯科保険医協会|「保険で安心してきちんとした診療ができるようにしよう」