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東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)6月1日

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【新聞6月号】

【1面】

1.第3回新点数説明会開催/6月施行に備え診療報酬を解説 全3回の説明会に計2,857人参加
2.「健康保険証は存続させるべき」坪田会長らが国会議員に緊急要請
3.第52回定期総会のご案内
4.「探針」
5.ニュースビュー

【2面】

6.オン資「義務化」撤回訴訟第6回口頭弁論/11月末までの結審求める 坪田有史氏「強制的に進められる現状に憤り」
7.6月1日施行2024年度診療報酬改定情報/新たな疑義解釈が示される!

【3面】

8.連載「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望②/(佐藤一樹氏)原告勝訴:「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」との類似性
9.ベ―スアップ評価料は「歯科医院の懐を見る加算」/メディア懇参加者から鋭い指摘

【4面】

10.経営・税務相談Q&A No.417「定額減税②~よくある質問~」
11.6月会員無料相談のご案内
12.第39回保団連医療研究フォーラム分科会・ポスターセッション演題募集
13.2024年6月版「歯科保険診療の研究」/発送は6月末頃
14.デンタルブックPR

【5面】

15.研究会・行事ご案内
16.会員優待サービス:夏休みはリソルの森へ! 

【6面】

17.退き際の思考 歯科医師をやめる/(石田昌也さん・後編)「“人生の半分は闘病”も悔いなし『「助けられた』共済制度と歩んだ歯科医師生活」

【7面】

18.会員なら加入しないともったいない!! 保険医休業保障共済保険

【8面】

19.教えて!会長!! Vol.83「施設基準とベースアップ評価料」
20.【ベースアップ評価料】届け出解説動画デンタルブックで公開中
21.ご注意を「6月からの労災診療費 初・再診料が引き上げ」
22.IT相談室/情報セキュリティ10大脅威2024解説①「情報セキュリティのオールインワンページ」
23.共済部だより

【9面】

24.症例研究「新設されたエナメル質初期う蝕管理料と外安全1・外感染1」

【10面】

25.インタビュー/協会は「基本的なスタンスを守ること」が大事(オクネット代表:奥村勝氏)
26.理事会だより/2024年度第2回(暫定)・第3回(暫定)理事会
27.2024年5月協会活動日誌

【11面】

28.2024年6月歯科用貴金属の随時改定情報
29.神田川界隈「原告のひとりとして」(理事・橋本健一/東村山市)
30.通信員便り No.143

【12面】

31.新連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第3回「急増しそうな『偽造マイナンバーカード』の悪用に気をつけよう!」(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
32.「現行の健康保険証はなくさないで」酒井菜摘・鈴木庸介両衆議院議員に署名提出

【13・14面】

33.第2休業保障制度(団体所得補償保険)募集キャンペーン

【健康保険証を残そう】パブリック・コメント提出のお願い(6/22まで)

 厚労省は現在、健保法等の省令から保険証を交付しなければならないとする規定を削除するための変更についてパブリック・コメントを募集しています。 オンライン資格確認ではトラブルがなくならず、マイナ保険証の利用率も6%程度と低迷する中での保険証廃止は乱暴です。

▼経済ジャーナリスト・荻原博子さんが解説「健康保険証廃止『今のやり方は危険』」

 このままでは医療機関にさらなる混乱をもたらす可能性が高いため、現行の保険証を残すために、ぜひともパブコメを下記の要領で提出していただきたく、お願いいたします。
※期限が間近に迫っています。Webからも直接提出することが可能です。

 

■期限:6月22日(土)必着 ※Webの場合、6月22日(土)23時59分まで
■提出方法:Webまたは郵送

パブリック・コメントとは?…どんなふうに提出すればいいの?

パブリック・コメントは、行政に現場の意見を伝えることができる貴重な機会です。ぜひ現場の声を届けましょう。

今回のパブリック・コメントの一例…

・健康保険証を残すことで、資格確認書などを新たに発行する必要はなくなる。保険証を残すべき。
・受付専任のスタッフがいない医療機関では、マイナカードの確認作業のために治療を中断せざるを得ない状況が生じる。読み取りに問題が生じた場合は多大な時間を取られ、診療に集中できない。
・オンライン資格確認システムのエラーが出たときにサポートセンターに電話をかけても繋がらない。

提出方法

方法①:WEBから提出    
厚労省のパブコメ募集用ページにアクセス。【意見募集要項】というPDFファイルを開き、内容を確認。その後、元のページに戻り、「□意見募集要領(提出先を含む)の全部を確認しました」のチェックボックスにチェックを入れ、右下の「意見入力へ」をクリック。意見入力画面にアクセスできるので、そちらに意見を入力してお送りください。(応募方法:詳細はこちら

イメージ

方法②メールでの意見提出
ご意見を入力の上、kokuho@mhlw.go.jp  宛に電子メールを送付してください。
※件名は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令案(仮称)に関する意見」と明記。

方法③郵送での意見提出
紙などに意見を記載の上、「〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2  厚生労働省保険局国民健康保険課企画法令係宛て」に郵送で意見をご提出ください。

関連記事:

▼荻原博子さんの連載を読む【マイナ保険証の〝失態〟を追う】

▼ジャーナリスト・堤未果さんインタビュー【ショック・ドクトリンに見る保険証廃止問題「立ち止まって」】

【連載】退き際の思考/「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ” 幼少期から育んだ信頼関係で医院託す(石田昌也さん【前編】)

【連載】退き際の思考 歯科医師をやめる

「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ” 幼少期から育んだ信頼関係で医院託す

石田昌也さん(石田歯科医院副院長) ― 前編

石田昌也先生

歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生にお話しを伺い、引退を決意した理由や、医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。今回は、杉並区上荻にある石田歯科医院の副院長、石田昌也先生。1975年に開業し、“地域に根ざした歯医者”を目指し、患者から親しまれる歯科医院を一代で築いた。2009年に長男の博也先生と院長を交代し、現在は副院長として医院経営を支える。持病と闘いながらも「悔いがない」と語る歯科医師人生や、親子間の医院承継に大切なことなどについて、妻の光子さんとともに回顧していただき、前後編2回に分けて連載する。

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年5月1日号)

―歯科医師として、一線を退こうと思ったきっかけは。

昌也先生:長男が歯科医師になり、静岡で勤務医として5年間働きました。その後、東京に戻り、一緒に診療をはじめて2年ほど経った頃です。私自身は、開業した時から一代限りで閉院しても構わないと考えていましたが、息子の治療や患者さんへの対応を見て、「これなら息子一人でやっていける」と思い、引退を考えました。私は30年あまり前から持病があり、通院しながら診療にあたっていたこともあったので、少しずつ現役を退いていく方向を考え始めましたね。

―引き継ぎにあたり、準備はどのように進めましたか。

昌也先生:2年ほどかけて管理者や開設者、その他金融機関や労務関連などさまざまな変更手続きをしましたが、「メインバンクだけは変えないように」と、息子に伝えていました。これまで長年続いてきた銀行との信頼関係をそのまま維持することで、医療機器の入れ替えなど大きな出費への備えにもなりますし、今後の医院経営を見据えても、息子自身にとっても良いことだと考えたからです。

―当初、息子さんと一緒に診療に携わってみていかがでしたか。

昌也先生:今まで通っていた患者さんは私が、新患はすべて息子が診るようにしました。そうすることで、患者さんを引き継ぐ苦労がありませんし、患者さんを取り合うようなこともなかったです。技工の模型や治療の技術を見ても息子の方が技術的に優れていて、静岡でしっかり経験を積み、勉強してきたことがわかりました。相性の問題もあり、歯科技工所は自分がやりやすい取引先に変えていましたが、治療内容で揉めるようなことはありませんでしたし、仕事に限らず、子どもと争ったことがありません。

―昔から親子関係を大切されてきたのでしょうか。

光子さん:子どもが小さい時から、夏休みに夫が計画を立てて、必ず家族旅行に出かけていました。2人の息子が高校を卒業するまで続きましたが、朝からテニスにプールと、いろんなことを楽しみたい夫に対し、宿でのんびりしたい子どもたちが初めて「なぜ予定を決められなきゃいけないのか」と反抗したんです(笑)。“争う”といえばそのくらいだったでしょうか。

昌也先生:今でも息子家族と定期的に会食をして、良い親子関係ができています。同じ仕事を引き継ぐからこそ、親子関係は大切だと思います。息子同士も大きな喧嘩をしたことがないし、未だに仲が良く、互いを認め合っています。

―信頼関係を軸に、院長交代まで順調に準備が進んだようですね。

光子さん:ただ最初のうち、息子は自分が担当する患者さんがいなかったので、ギャップを感じたみたいです。「ほかでバイトをしよう」とか、診療時間の延長や日曜診療を提案したり、少し心が揺れていた気がします。

昌也先生:その気持ちは理解できましたが、「ちょっと待って」と声をかけました。今は若いから良いけど、診療時間を延ばしたりするのは年を取ればだんだんときつくなる。自分の体やプライベート、家族サービスも大切にして「今のペースで続けたほうが良い」と、自身の経験をもとに助言しました。

無借金で承継を―内なる父の思い…

―その後、実際に院長を交代してみてどうでしたか。

昌也先生:診療以外の経営まわりのことをすべて一任しました。スタッフの採用面接などもすべて息子が担当しましたし、一切口を出しませんでした。医院経営は大変だったと思いますが、そういうことが好きなタイプに見えましたね。

光子さん:やっぱり医院に親がいるのは照れくさいじゃないですか。そんな時に夫が骨折して、コロナ禍も相まって医院を訪れる頻度が減りました。スタッフさんに聞くと、息子が「変わった」と言うんです。仲の良い親子とはいえ、父の目もなく自分の思い通りにできるとなると、良い意味で気持ちの変化もあったんだと思いますね。

妻の光子さん

―引き継ぎにあたり一番大切にされたことは。

昌也先生:医院には借金が残っていました。息子に引き継ぐにあたり、どうにかしてこれをゼロにしたかった。親子でなくても、やはりお金は一番問題になる部分。私は私、息子は息子と切り分けて、妻と協力してなんとか借金を完済することができました。

光子さん:子どもに対する思いは、人一倍強い夫です。息子の夢を絶つようなことはしたくないと、持病の詳しいことは子どもたちが学生のうちは伏せておきました。長男の学費や次男の留学、出費がかさむ時期だったけど、子どものためなら不思議となんとでもなるんですよね。

昌也先生:考え方は人それぞれですが、自分でたくさんのお金を抱え込むと、やはりトラブルが起きてしまうのかなと。私の人生観としては、死ぬ時にお金を持っていけるわけではないから、自分が生活できる程度でお金を持ちつつ、あとは家族に分け与えていきたいと思います。前はマンションに住んでいましたが、ライフステージに合わせて住むところを移していくなど、そうした人生設計を描きながら過ごしてきました。(つづく)

後編は、「助けられた」と語る協会との関わりについてお届けするー。

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年5月1日号)

#インタビュー #連載 #退き際の思考

退き際の思考 歯科医師をやめる/10年越しの夢叶えたセカンドキャリア「神様から2つのチャンスを」(中野多美子さん【後編】)

【 退き際の思考 歯科医師をやめる/10年越しの夢叶えたセカンドキャリア「神様から2つのチャンスを」】

中野多美子さん(元協会会員) ― 前編 ※前編はこちら

歯科医師としての〝引退〟に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生や、引退を考えている先生にお話を伺い、引退を決意した理由や、医院承継の苦労、現在の生活などを深堀りします。今回は、前号に引き続きワイナリー「ヴィンヤード多摩」の専務としてセカンドキャリアを歩む中野多美子さんの後編。歯科医師を引退したタイミングについて振り返ってもらいました。

―歯科医師を引退して1年少々経ちますが、引退したタイミングについてどう振り返りますか。

もう少し早くやめてもよかったと思っています。それは、いろいろな身体の衰えが出てきて、あらゆることに時間がかかってしまう。そうした中で、私は65歳あたりを目途に引退するほうが良かったと思います。

―歯科医師人生の思い出を聞かせてください。

歯科医療の仕事は好きでした。よい歯科医師人生だったと思います。人に関わることができ、感謝される素晴らしい仕事です。よい思い出も、そうでない思い出も沢山ありますが、特に印象に残っているものは、引退する前にいただいた手紙です。その方はとても美しい女性でしたが、口腔内にはほとんど残存歯がありませんでした。若い頃、多くの歯を抜歯され、とてもつらい思いをしたそうです。それ以来、なかなか治療に行けなかったといいます。その方から、「先生と巡り会えて本当によかった」と心のこもったお便りをいただきました。

とある患者さんたちとの出会い― セカンドキャリアのはじまり

―現在の目標は?

まずはワイン作りという、歯科医療とはまったく違う方向に進んだので、周囲の皆さんはびっくりしています。私は神様から二つのチャンス、つまり私は二度も人生を味わわせていただいたと思っており、本当にありがたいと感じています。目標としては、経営的に会社をきちんとした規模、形態にしたいと思っています。私は今、ワイナリーの中で畑を担当しているのですが、畑や農地を大きくしていくとか、ワインの品質も向上させていきたいです。

―セカンドキャリアとしてワインづくりを選んだ理由を聞かせてください。

最初は、ワインを飲んで楽しむだけの〝ノムリエ〟でした。ただ、大好きなワインを飲んでいくうちに、ワインについて体系的に勉強したくなり、いくつかのワインスクールに10年ほど通いました。また、私の医院にグループホームの方たちが患者さんとして来院していました。その方たちが年を重ねた時に働く場を作りたい、その方たちが作ったブドウでワインを作りたいというのが、ヴィンヤード多摩を設立した目的です。人間は社会と関わることで、自分の価値や存在意義を必ず見出していくものだと思います。障がい者の方々が高齢になって仕事ができなくなってしまった後、経済的な面だけではなく、社会とのつながりという面から、畑の仕事に携わってほしいと考えています。ブドウに袋をかけたり、草刈りをしたり、畑の作業は能力に応じた仕事の種類がたくさんあるものです。現在、東京都は、就労に困難を抱える方が必要なサポートを受け、他の従業員とともに働いている社会的企業のことをソーシャルファームと位置付けていて、今はその認証を受けるためにがんばっています。

―現在のお仕事で最近、一つ夢が叶ったそうですね。

構想から10年かけて、ついにグループホームの方たちが手掛けたワインが完成しました。ようやく一つの目標を達成しました。ワインボトルにはグループホームの皆さんの似顔絵のエチケット(ラベル)を付けます。自分たちが作ったものを外で売るまでの一連の流れが大切なので、これを店頭で販売して1つの仕事が完結するのが楽しみです。

―先生と同じように、引退の時期を考えている先生方がいらっしゃると思います。最後にそうした方々へメッセージをお願いします。

医院を引き渡す相手を尊重してなるべく速やかに身を引くのが良いと思います。私だけではなく、身体の衰えは65歳前後の多くの人が直面するものだと思います。また、引退をするにしても3年、5年と準備の時間がかかると思いますので、引退の時期と、引き継ぐ相手など時間をかけて考えていくことが大切なのかなと思います。

―ありがとうございました。(完)

(前編を読む)

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2024年1月1日号)

【IT相談室】「情報セキュリティ10大脅威2024」解説 ①

情報セキュリティのオールインワンページ

今回から、独立行政法人「情報処理推進機構」(以下、IPA)が発表している「情報セキュリティ10大脅威2024」について、3回にわたり解説していきます。「情報セキュリティ10大脅威」は2014年から毎年発表されており、情報セキュリティの問題点と対策がわかりやすくまとめられています。IPAのホームページにも公開されているので、医療機関従事者の方々にも、ぜひご覧いただきたいです。

◆IPAについて

IPAは、04年に設立された経済産業省所管の独立行政法人です。この独法、身近なところでは、受験者数で自動車運転免許に次ぐIT関連の国家資格「情報処理技術者試験」( 通称「情処」じょうしょ)事業、「未到ソフトウエア」事業、「IPAフォント」公開など、幅広く活動しています。

◆新しい脅威は

「ランサムウエア」「情報セキュリティ10大脅威」は、個人向けと組織向けに分かれており、本連載では組織向けの脅威を解説していきます。

21年から引き続き1位は「ランサムウエア」です。比較的新しい脅威ですので、まずは名前を覚えてください。ランサムウエアはパソコン内や外付けで、ネットワーク上のデータを暗号化してアクセスを不能にし、解除のパスワードと引き換えに金銭を要求します。

対策としては、通常のセキュリティ対策に加え、外部クラウドや通常使用しているパソコンなどと直接接続しないハードディスクなどへのバックアップが有効です。

件数としては多くないと思われますが、いわゆる身代金や調査・復旧の手間など、損害が大きいのが特徴です。ある日突然、院内のパソコンやすべてのデータが使えなくなったら…と想像していただき、対策を急ぎ、万全を期すことをお薦めします。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞20246月号8面掲載

【IT相談室】「Googleビジネスプロフィール」の大きなリスク③ 完

管理者権限の確認について

前回までは「Googleビジネスプロフィール」がどのようなものか、どのようなリスクが潜んでいるかを中心にお話ししました。今回は、そのリスクに対してどのように対応すべきかを考えます。

◆管理権限者の確認を

まず、歯科医院におけるGoogleビジネスプロフィールのオーナー権限、管理者権限は「誰が持っているのか」を確認する必要があります。

もしWEBサイトの管理やインターネット全般の支援をしている業者と契約しているなら、その担当者へ現状の確認を依頼するとすぐに教えてくれます。

そのような業者の支援がなく、Googleビジネスプロフィールのことを「初めて聞いた」「よくわからない」という状況でしたら、医院の名前で検索してGoogleビジネスプロフィールを確認してみてください。

◆具体的な確認方法

確認方法としては、まずGoogleビジネスプロフィールのページ(検索ですぐに見つけることができます)にログインします。

ログインIDやパスワードは普段使用している、もしくは医院用のGmailアドレスです。そもそもGoogleビジネスプロフィールを使用していない、Googleのメールアドレスを持っていないという方は、Googleビジネスプロフィールへの登録を医院側では行っていないはずです。

Googleビジネスプロフィールへログイン後に医院の情報が登録されていた形跡があれば、ご自身がオーナーとして登録されています。なければ、誰か別の人間が登録していることになります。その場合は、ご自身の歯科医院名で検索して表示されたGoogleビジネスプロフィールに「このビジネスのオーナーですか?」というリンクがあります。そのリンクをクリックすると、現在オーナーとして登録されている人物に「アクセス権をリクエスト」することができます。

アクセス権のリクエストによりオーナー権限を譲り渡してもらうことで、他者に管理させずにご自身での管理が可能になります。

悪意を持った第三者が、オーナー権限の譲渡を拒む場合もあります。その場合はGoogleのサポートへ連絡してください。

この問題は、医院側がGoogleビジネスプロフィールを積極的に管理・更新することでリスクを軽減し、医院の情報を正しく発信することができ、さらにリスクをベネフィットに変えることができるものですので、確認を強くおすすめします。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞20244月号5面掲載)

【教えて!会長!! Vol.83】施設基準とベースアップ評価料

施設基準とベースアップ評価料

◆6月になり2024年度診療報酬改定が施行されましたが…。

 5月中旬頃から、会員の先生方から非常に多くの問い合わせをいただき、途切れることなく協会の電話が鳴っています。電話が繋がりにくい状況となり、ご迷惑をおかけしてしまい、お詫び申し上げます。このような状況ではありますが、会員の疑問に答えるべく対応していますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

今次改定に多くの会員が疑問を持ち、困惑して協会に助けを求めてきているこの状況について、今後、行政側がどう対応しようと考えているのか問いたいと考えています。すでに新点数説明会を3回開催し、多くの会員や関係者に参加していただきました。この3回の説明会を収録した動画は、デンタルブックですべて視聴できますので、今次改定を理解するために視聴していただくことをお勧めします。

◆会員からの問い合わせの内容は?

 今次改定の内容は、全般的に「複雑で理解できない」ことが多いですが、個別項目で質問が多いのは「施設基準の内容と届出」と「ベースアップ評価料」です。

「施設基準の内容と届出」は、書籍「2024年改定の要点と解説」の「今次改定で新設された主な施設基準」(173ページ)を参照していただき、本書内の項目ごとの解説を読み、自院が該当する、また、届け出したい施設基準があれば対応を検討してください。61日からの算定には「ベースアップ評価料」の届出以外は63日までが提出期限ですが、期限が過ぎても検討していただき、適宜届出を行い、該当月から順次算定していただければと思います。

一方、自院が既に届け出している施設基準に対する問い合わせがあります。関東信越厚生局のホームページに施設基準の届出受理状況の一覧が掲載されていますので、東京都・歯科のPDF内で自院の届出項目、受理番号、算定開始年月日が確認できます。

◆算定するにあたって、注意すべき点はありますか?

 「ベースアップ評価料Ⅰ」を61日から算定する場合、520日付の事務連絡で届出期限が621日に延長されましたので、時間的な猶予ができました。ここで理解しておくべき8項目を挙げます。

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①「ベースアップ評価料」の届出・算定は必須ではなく任意です。各医療機関で判断して、届出・算定の可否を決めます。

②「ベースアップ評価料」の対象職員は、歯科衛生士、医療機関で雇用している歯科技工士、歯科業務補助者(歯科助手)のみで、歯科医師は該当しません。なお、受付専任の事務職員、40歳未満の勤務歯科医師、歯科技工所に勤務している歯科技工士(非雇用)の賃上げ措置は、「ベースアップ評価料」とは別に初・再診料(プラス0.28%)のアップ分で対応していると厚労省は説明しています。

③「ベースアップ評価料」で得られた診療報酬は、すべてベースアップ(賃上げ)の原資に限定して使います。なお、定期昇給の原資に充てることはできません。④各医療機関において、厚労省が示した2023年度比較で、24年度にプラス2.5%、25年度にプラス2.0%(2年間で4.5%)のベースアップを目標としています。しかし、これはあくまでも「厚労省の目標値」であり、賃上げ率、またベースアップを行うか否かも、各医療機関の判断に委ねられています。なお「ベースアップ評価料」で得ることができるのは1.2%になるように構築されています。したがって、「厚労省の目標値」に足りない分は、診療報酬のベースアップ評価料以外の部分や賃上げ促進税制を活用するよう示されています。

⑤「ベースアップ評価料」の届出は、届出様式以外に賃金改善計画書の提出が必要です。また、毎年8月(※今次改定前までは7月)に行う定例報告で賃金改善実績報告書による報告が必要です。

⑥詳細な明細書には「ベースアップ評価料」と記載されますので、患者からの問合せに医療機関として対応しなければならないことが想定されます。

⑦賃上げを行うにあたっては、給与(賃金)規定の改定も必要です。給与(賃金)規定が整備されていない場合には、労働条件通知書を新たに提示するなどして、従業員に周知する必要があります。

⑧「ベースアップ評価料」は、賃上げのための特例的な対応です。先のことなので不確定ですが、次回の改定で評価されず廃止される可能性が高いとも言われています。2年後に医療機関側にとって「ベースアップ評価料」分の財源がなくなることを想定しておく必要があります。

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協会では、「ベースアップ評価料」の届出方法についての解説動画を作成しました。届出の記載方法などについてお悩みの先生は、まず動画を視聴してください。動画はデンタルブックのマイページから視聴できます。視聴した上で不明な点がありましたら協会にお問合せください。

全国の医科、歯科ともに今次改定で混乱が生じていることが報告されています。物価や光熱費の上昇などの現状から、スタッフのために何らかの対応をする必要があることは致し方ないです。しかし、この国の現状を招いた責任をまったく取らず、オンライン資格確認、オンライン請求、マイナ保険証などを拙速に押し付けてくることに憤りを感じています。先生方はどうお思いでしょうか。

【東京歯科保険医協会】診療報酬改定 特設ページ

過去の「教えて!会長!!」はこちら

 

東京歯科保険医協会

                                     会長 坪田有史

(東京歯科保険医新聞20246月号掲載)

「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望②(佐藤一樹氏)

第 2 回  原告勝訴:「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」との類似性

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。今回から複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

4 法体系における法律と省令(注:見出し番号は前号からつづく)

オンライン資格確認義務化」を療養担当規則で規定した厚生労働省令は違憲・違法である。国権の最高機関で国の唯一の立法機関である国会(憲法第四十一条)が制定した健康保険法による委任(注1)がないのに、省令で保険医(医師・歯科医師)の権利を侵害するような義務を課しているからだ(図1)。法律の委任がなければ、省令に罰則を設け、または義務を課し、もしくは国民の権利を制限する規定を設けることはできないはずである(国家行政組織法第十二条三項)。

図 1

健康保険法第七十条一項は、「療養の給付」に限り厚生労働省令に委任する条文である。同項に、「資格確認」について委任している文言はない(図2)。

図 2

そもそも、被保険者が資格確認のために提出する資料について規定しているのは、健康保険法第六十三条三項に基づく健康保険法施行規則第五十三条である。法律は、療養の給付と資格確認を峻別している(図3)。

図 3

このため、提訴時の訴状(注2)の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」の理由は、以下の(1)(2)となっている。

(1)健康保険法上、給付の「内容」は療養担当規則に委任しているが、資格確認の「方法」については、条文に委任していると書かれていない
(2)仮に健康保険法上、委任がされているとしてもオンライン資格確認を義務化することは、委任の範囲を逸脱している

 

 5 日本の裁判おける「判例」の拘束性

裁判において裁判所が示した具体的事件における法律的判断を「判例」と呼ぶ。「先例」としての重み付けがなされ、それ以後の判決に拘束力を持ち、影響を及ぼす(先例拘束の原則)。判例が重みを持つ理由は、同類・同系統の訴訟・事件に対して、裁判官によって判決が異なることは不公平になることを防ぐためだ。日本では、特に最高裁判所が示した判断が「判例」であり、下級審の判断は実務上「裁判例」と呼ばれ区別される。

ただし、日本国憲法には先例拘束性を一般的に定める明文規定は存在しない。しかし、判例とされる最高裁判決は、最高裁大法廷で判例変更がなされないかぎり、下級裁判所はもちろん、最高裁自身の判断を実質上は拘束すると考えられている。

6 判例「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」と類似

私たちの確認訴訟と同類・同系統の訴訟の「判例」に、原告が勝訴した「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」判決(平成25年1月11日 最高裁第二小法廷)」がある。これは、2021年度の行政書士国家試験に出題されるほど重要な行政訴訟の判例で、ありとあらゆる行政法の基本書や専門書・文献で解説されている。

この判例では、「第一及び二類医薬品の情報提供は有資格者の対面により行わなければならない旨の厚生労働省令、一般医薬品の郵送等による販売を行うことを禁止する旨の厚生労働省令は、いずれも各医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において、新薬事法(平成18年改正後)の趣旨に適合するものではなく、新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である」と原告の訴えが確認された。

このため、私たち原告による最初の主張を記述した訴状にも、被告である国による最初の準備書面(注3にも、この平成25年判決の判例法理(4)が引用され、その後も双方のすべての準備書面での主張も一貫して、これに準じている。たとえ行政訴訟における原告勝訴率が数%であったとしても、類似の判例では原告が勝訴しているのであるから、原告側が裁判官の心証*5を得る蓋然性が高い。

(注1 法律で定めなければならない事項を命令によって定めることができる旨を法律自身が定めること

(注2 民事訴訟において、訴えの提起に際し、当事者・法廷代理人・請求の趣旨・請求の理由を記載し、第一審裁判所に提出する書面

(注3民事訴訟において、当事者が口頭弁論において陳述しようとする事項を記載して、あらかじめ裁判所に提出する書面

(注4 裁判所が示した判断の蓄積によって形成された考え方

(注5 訴訟事件の審理において、裁判官が得た事実の存否に関する認識や確信

(つづく)

【プロフィール】佐藤 一樹(さとう・かずき)

1991年3月、国立山梨医科大学医学部卒業。同年4月、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科入局。19994月同科助手。200912月、いつき会ハートクリニック理事長・院長。専門は心臓血管外科、小児心臓外科。学位:医学博士。著書に「医学書院医学大辞典」(第2版)医学書院(2009年)他、多数。

 

「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望①(佐藤一樹氏)

第 1 回  確認訴訟:提訴の決意と弁護団結成

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。今回から複数号にわたり、訴訟ワーキンググループの原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状と今後の行方を展望していただく。

1 提訴の決意

2021年8月、健康保険法にマイナンバーカードによるオンライン資格確認が追加され、国民が医療機関を受診する際には、健康保険証かマイナンバーカードのいずれか任意の方法で資格確認を行うことになった。

ところが、2022824日、厚生労働省と三師会が合同開催したオンライン資格確認等システムに関するウェブ説明会で、保険局医療介護連携政策課長は、「厚生労働省令〔同年95日保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)〕により202341日からオンライン資格確認が義務化される。医療機関がオンライン資格確認を導入しない場合、療担規則違反になる。療担規則に違反することは、保険医療機関の指定取消し事由になる」旨を発言した。

法令にない「指定取消し」を錦の御旗にしての脅しだ。国を提訴し、司法の場で違法性を明らかにする、と私たちは決意した。

2 日本の弁護士「いの一番」

国民が国などの公権力を相手に起こす行政訴訟は、原告勝訴率が数%の難関だ。例えば「マイナンバー制度違憲訴訟(注/1)」は全国8カ所で提訴され、すべて敗訴した。勝訴のためには、どれほど評判の良い弁護士だと言われていても、行政訴訟で勝訴実績がないのなら頼まない。

私たちの行政訴訟は、2種類ある当事者訴訟のうち「確認訴訟」に分類される。確認訴訟は2005年4月1日施行「平成16年改正『行政事件訴訟法』」で初めて「公法上の法律関係に関する確認の訴え」と条文化された。同年9月14日、最高裁大法廷で新法施行後、確認訴訟では最初の原告勝訴判決が出た。「在外日本人選挙権剥奪違法確認等事件」である。これが、国民の権利利益の実効的救済を図る上で、確認訴訟の活用の有効性を示す嚆こうし矢

となった。憲法訴訟・行政訴訟の歴史に燦さんぜん然と輝くこの訴訟の弁護団長が自由人権協会代表理事の喜田村洋一先生である(右写真)。

当時、朝日新聞は1面に連載「日本の弁護士」を開始し、いの一番に喜田村先生を選んだ。刑事事件では数々の無罪を勝ち取り、日本の民事名誉毀損裁判の規準を創り、憲法訴訟では有名な「レペタ訴訟」も担当したオールラウンダーである。2022年9月、東京保険医協会理事会で私は「この行政訴訟の主任弁護士は喜田村先生しかいない」と主張し、全員一致で可決された。

弁護団には、在外日本人選挙権剥奪違法確認等事件で喜田村先生の右腕だった二関辰郎先生も入り、牧田潤一朗先生、小野高広先生の4人体制となった。全員が自由人権協会の主要メンバーである。

(注/1)マイナンバー制度がプライバシー権を侵害し、違憲であるなどとして仙台、新潟、金沢、名古屋、東京、神奈川、大阪、福岡の各地で行われたマイナンバー関連の訴訟

3 私たちの訴え2023年2月22日の第一次提訴から

第三次提訴までに原告は1,415人となった。なお、当時、健康保険証の廃止は立法化されておらず、訴訟外の事案である。私たちの訴えの柱は、以下の2本である。

(1)オンライン資格確認義務のないこと、すなわち、患者から電子資格確認により療養の給付を受けることを求められた場合に、①電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることを確認する義務がないこと、②電子資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認ができるようあらかじめ必要な体制を整備する義務がないことをいずれも確認すること。

(2)「違憲・違法なオンライン資格確認を義務化した療養担当規則の制定や関連する政府の動きのため、保険医療機関の閉鎖を含めた対応を余儀なくされる可能性など、自己の職業活動、その継続に対する不安のため精神的苦痛を受けたこと」に対し、各原告に、金10万円を支払え。重要なことは、オンライン資格確認自体には反対してない点だ。

一方、政府発表の「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」「医療DXの推進に関する工程表」では、情報保護の安全性に問題がある。この前提となるオンライン資格確認について、十分なシステムの構築をしないまま、違法な省令によって、保険医に対し強権的に「義務づけ」したことについて訴えている。

(つづく)

【プロフィール】
佐藤 一樹(さとう・かずき)

1991年3月、国立山梨医科大学医学部卒業。同年4月、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科入局。19994月同科助手。200912月、いつき会ハートクリニック理事長・院長。専門は心臓血管外科、小児心臓外科。学位:医学博士。著書に「医学書院医学大辞典」(第2版)医学書院(2009年)他、多数。

東京歯科保険医協会 第52回定期総会開催のご案内

東京歯科保険医協会第52回定期総会を下記の通り開催致します。

日時

 Ⅰ 総会
◆開催日時 2024年6月16日(日)午後2時30分~7時45分
◆開催場所 主婦会館プラザエフ(住所:東京都千代田区六番町15)
      ※交通:JR中央線四ツ谷駅麹町口より徒歩1分。東京メトロ丸ノ内線・南北線四ツ谷駅より徒歩2分

◆総会議事 午後2時30分~4時15分(7Fカトレア)
◆議  案
 第1号議案 2023年度活動報告の承認を求める件
 第2号議案 2023年度決算報告の承認を求める件
       (付・会計監査報告)
 第3号議案 2024年度活動計画案承認の件
 第4号議案 2024年度予算案承認の件
 第5号議案 選挙管理委員承認の件
 第6号議案 決議採択の件

Ⅱ 記念講演
◆時 間 午後4時30分~6時00分(7Fカトレア)
◆テーマ 
「2024年度改定を考察し、今後の歯科医療を展望する」
講師:坪田 有史 氏(東京歯科保険医協会 会長)

Ⅲ 懇親会
◆時 間 午後6時15分~7時45分(B2Fクラルテ)
※6年ぶりの懇親会開催です。会員であればどなたでもご参加いただけます。ゲストも多数お越しになりますので定期総会と記念講演の終了後には、ぜひお越しください。

★キャンセル待ち★【受付中】7月28日(日)開催:第2回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たすための講習会です。 

●歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
●外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
●口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
●歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催が近くなりましたら、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】
7 月 28 日(日)

【内 容】
▼4つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼2つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】
ワイム貸会議室高田馬場 4階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8
<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで施設基準を維持することができます。そのため、急いでご受講をする必要はございません。ご不明な点は、協会までお問い合せください。
※新規届出以外の会員の先生方向けの講習会は、別途開催予定です。日時の確定までもうしばらくお待ちください。



【施設基準の届出】外安全1の届出に係る主な注意点/2024年度診療報酬改定情報

【施設基準の届出】外安全1の届出に係る主な注意点/2024年度診療報酬改定情報

 

2024年3月31日までに外来環1の施設基準を届出済み、かつ算定している医療機関

外安全1の研修については届出日から3年以内の再受講は必要なく、様式4にある「常勤歯科医師名と医療安全に関する研修の受講歴等」の「受講者名」欄に常勤歯科医師名を記載し、「講習名(テーマ)」欄に外来環1の届出時の受理番号を記載する。

届出に必要な様式は以下のとおり(外安全と外感染を同時に出す場合は別添7はそれぞれ必要だが、様式4は1部で良い)。

外安全1 別添7(PDF)

外安全1・外感染1 様式4

※リンクは変更される可能性があります。

東京歯科保険医協会に未入会の先生(歯科医師)は、ぜひご入会をご検討ください (▼入会資料請求をする)

院内感染防止対策講習会(歯初診の研修)

協会では、現在院内感染防止対策講習会のお申し込みを受け付けています。
お申し込みは、デンタルブックで受け付けています。

この講習会は、
 ・歯初診(初診料注1の施設基準)
 ・外感染1(歯科外来診療感染対策加算1)
の施設基準に対応しています。
※ 外感染1の届け出は歯初診の届け出が前提となります。

◆ 開催予定
原則第3水曜日 午後1時から午後2時

◆ 開催形式
Web開催(Zoomウェビナーを使用します)

◆ 講習会概要
講師:浜﨑啓吾氏
対象:東京歯科保険医協会会員
(全国各道府県の保険医協会会員の方は当該協会にご相談ください)
参加費:1,000円

◆ 申し込み・詳細
デンタルブックへ移動します←ここをクリックしてください。

デンタルブックは、会員制の情報サイト(情報配信型電子書籍)です。
東京歯科保険医協会の会員の先生は無料でご利用いただけます。
様々な情報配信を行っていますので、この機会に是非ご登録ください。

<ご注意ください>
東京歯科保険医協会の先生用に特別のページを作成しています。
会員の先生は協会ホームページのバナーから移動していただくようお願いいたします。
ネット検索を行うと、有料会員のページに移動してしまいますので、ご注意ください。

退き際の思考 歯科医師をやめる/「一生働けるわけではない」医院継承の〝反省〟(中野多美子さん【前編】)

【 退き際の思考 歯科医師をやめる/「一生働けるわけではない」医院継承の〝反省〟】

中野多美子さん(元協会会員) ― 前編 ※後編はこちら

 今回から、歯科医師としての〝引退〟に着目した新たな企画を連載します。すでに歯科医療の第一線を退いた先生や、引退を考えている先生にお話を伺い、引退を決意した理由や、医院継承の苦労、現在の生活などを深堀りします。
 初回は、40年以上もの間、歯科医療に携わり、現在はあきる野市でワイナリー「ヴィンヤード多摩」の専務としてセカンドキャリアを歩む、中野多美子さん。反省する部分があったという医院継承や、異業種へ飛び込んだ現在の暮らしについて、2回にわたり掲載します。

―単刀直入に、歯科医師を引退しようと決めたきっかけは?

若い頃には想像がつかなかった身体的な衰えを実感したことです。例えば、腱鞘炎や視力の低下、また、海馬の衰えによる記憶力の低下です。はじめの頃は、身体の衰えを受け入れられなかったのですが、だんだん老化を認めるようになりました。若い頃にはなかった別のストレスが増え、疲労度も増してきました。そうしたことが積み重なり、真剣に引退を考えましたね。

―歯科医師の場合、視力の低下は特に影響が大きいと思います。

周囲の他科の先生方を見ていると、他科と比べて歯科は手先の動きや目の動きも多いため、引退は早い印象があります。


―周囲には相談されましたか。

具体的に周囲に相談したことはないですが、歯科医師会の先生方とお会いするときに、引退の話はよく話題に上りました。同期の先生方の中には、引退された先生、診療時間を短縮された先生が何人もいらっしゃいました。私だけが特別ではなく、年齢とともに出てくる話だと思いますから、受け入れるしかないと改めて感じました。

「関係がギクシャク…」医院継承を振り返る

―現在は医院を継承されているということですが、そのあたりのお話について教えてください。

継承は、医療人生の中で最後の大きな仕事です。一生働けるわけではありませんので、うまく引き継いでいかなければなりません。60歳頃から継承を考えはじめ、以前から後を継いでくれることになっていた娘夫婦に、具体的に相談していきました。本人たちは、もう少し外でキャリアを積みたかったようですが、お願いして医院に戻ってもらいました。
しかし、実際に医院に戻ってもらうと、診療スタイルの違いが明確に出てきました。「40年培ってきた自分のキャリアは間違っていない」という自負がありましたので、当人たちの診療スタイルを自分の方に近づけようとしました。それが軋轢となり、関係がギクシャクしていきました。スタッフも不安になって、退職される方もいました。今思えば、自分のキャリアに固執して、皆を苦しめたことを反省しています。医院を引き継ぐことと、診療スタイルをどこまで引き継ぐかという点は、棲み分けをもっと上手にできればよかったと思います。
そんな訳で、自分の影響力を無くし、新しい先生が診療しやすくするためには、速やかに引退して、一切口出しをしない、姿を現さないことに決めました。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」です。今は安定した医院の運営をしています。

―中野先生が担当していた患者さんはどうされましたか。

歯科は口腔内という身体に接触する治療ですので、患者さんと深く関わることが多く、引退をお伝えすると『先生辞めないで』と言われることが多々ありましたが、その時は「後を継いでくれる先生をよろしくお願いします」とお答えしました。継続して来院される方も、そうでない方も、新しい先生との相性もありますので、そこは継いでくれる先生にお任せしました。そうして新しい先生のスタイルの医院になってゆくと思います。
(つづく)

後編を読む)

バックナンバーはこちら(退き際の思考 歯科医師をやめる)

「退き際の思考」を紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2023年12月1日号)

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)5月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)5月1日

【新聞5月号】

【1面】

1.“複雑改定”歯科医療改善には不十分 6月1日施行迫る
2.在宅医療に特化 第2回新点数説明会第52回定期総会のご案内
3.第52回定期総会のご案内
4.探針
5.ニュースビュー

【2面】

6.理事会声明「理解が困難な改定 必要な歯科医療が提供できる改定を切望する」
7.地域医療部長談話「患者を最期まで診るために求められること」
8.2024年度診療報酬改定 在宅医療の主なポイント


【3面】

9.2024年度診療報酬改定情報 歯科はこうなる/一問一答と施設基準を解説

【4面】

10.経営・税務相談Q&A No.416「6月以降事業主は忘れずに対応を!定額減税①」
11.5月会員無料相談のご案内

【5面】

12.2024年度診療報酬改定新点数説明会
13.研究会・行事ご案内

【6面】

14.退き際の思考 歯科医師をやめる/(石田昌也さん・前編)「息子の方が優れていた」親心溢れる父の“潔さ”
幼少期から育んだ信頼関係で医院託す
15.2024年6月版「歯科保険診療の研究」/発送は6月末頃
16.「2024年改定の要点と解説」/正誤表は随時更新中 ぜひチェックを

【7面】

17.連載「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提訴からの進捗と展望①/(佐藤一樹氏)第1回確認訴訟:提訴の決意と弁護団結成
18.締切間近/まだ、間に合う/春の共済申込期間 5月25日(土)まで

【8面】

19.2024年度6月施行診療報酬改定/カルテおよびレセプトに使用できる略称(抜粋版)
20.2024年4月1日以降の麻酔薬剤料、P処に係る特定薬剤、薬価等について
21.2024年4月協会活動日誌

【9面】

22.症例研究「2024年度診療報酬改定を踏まえて―クラウン・ブリッジ維持管理料(補管)の対象補綴物の縮小」

【10面】

23.教えて!会長!! Vol.82「自動練和型・接着性レジンセメントの点数アップ」
24.4月からすでに実施 2024年度の「個別指導」/指導通知が届いたら協会に連絡を
25.会員が見た診療報酬改定「現場との乖離を感じる」(小林顕氏)
26.理事会だより/2023年度第23回・2024年度第1回(暫定)理事会

【11面】

27.マイナ保険証の利用率 いまだ5.47% 厚労相、それでも「健康保険証廃止」と強弁
28.神田川界隈「食」(加藤開・副会長/豊島区)
29.会員が見た診療報酬改定/「現場との乖離を感じる」(川本弘氏)

【12面】

30.新連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第2回「『便利さ』を置き去りにした普及活動は無意味(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
31.窓口で「期限切れ」表示が―マイナンバーカード電子証明書等の有効期限に注意
32.健康保険証を残すべく―お手元の署名用紙は5月中に協会へ!

【13・14面】

33.春の共済キャンペーン

【教えて!会長!! Vol.82】自動練和型・ 接着性レジンセメントの点数アップ

自動練和型・ 接着性レジンセメントの点数アップ

6月から接着性レジンセメントの保険点数が変わるそうですが、具体的に。

 6月1日施行の診療報酬改定で、特定保険医療材料の材料価格(使用歯科材料料)の見直しが行われ、接着性レジンセメントの保険点数が一部変更されます。6月1日施行前の5月末までは、歯科用合着・接着材料Ⅰのレジン系の点数は、ハンドミックスの標準型と自動練和型は、ともに17点でしたが、標準型は17点と変わらないものの、自動練和型が38点へと21点アップします(表1)。

※東京歯科保険医協会に未入会の先生は入会をご検討ください(入会資料請求はこちら

保険における接着性レジンセメントの定義は。

 表2に接着性レジンセメントの機能区分による定義を示します。標準型と自動練和型とは、この定義で分類されます。この分類が初めて提示された2018年度診療報酬改定の際、自動練和型の点数を上げる財源を確保するために標準型の点数を下げる可能性があると考えました。そこで厚労省に対して、標準型の点数の17点では、使用するセメントによっては、使用の度に赤字になります。しかし、歯科接着によるメリットを考え、修復、補綴する歯のため、そして患者さんのために接着性レジンセメントを選択していることを伝え、17点から点数を下げないよう訴えました。今次改定で、標準型の17点は変わらず、自動練和型が適正な評価に近づいたと理解します。しかし、特定保険医療材料の材料価格は、実勢価格とイコールであるべきなので、標準型の17点は理解できません。この不合理を正すため、次期改定に向けて検討し、行政に働きかける所存です。

【東京歯科保険医協会】診療報酬改定 特設ページ

現在、自動練和型のセメントは?

 表3に38点を算定できるセメントを示します。会員の先生方におかれましては、6月施行に向けて間接法による修復物・補綴物の装着用セメントを検討されることを望みます。

  東京歯科保険医協会
会長 坪田有史
(東京歯科保険医新聞2024年5月号掲載)

過去の「教えて!会長!!」はこちら

第1回新点数説明会の動画はコチラから(会員限定、デンタブックへの登録が必要です。)

1400人超参加…第1回新点数説明会の様子をチェック!

【教えて!会長!! Vol.81】2024年度診療報酬改定補管の範囲を縮小へ

2024年度診療報酬改定補管の範囲を縮小へ

◆2024年度診療報酬改定で、補管の範囲が縮小されますね。

 今次改定で、クラウン・ブリッジ維持管理料(略称「補管」)の範囲が縮小されます。

具体的には3/4冠(前歯部の単冠)、4/5冠(小臼歯部の単冠)、全部金属冠(小臼歯および大臼歯の単冠)、レジン前装「教えて!会長!!」過去の連載はこちら金属冠(レジン前装チタン冠を除く)が補管の対象外になりました。なお、すべてのブリッジ、HJC、CAD/CAM冠、チタン冠、レジン前装チタン冠は、引き続き補管の対象です。

ただし、246月1日の改定施行前の531日までに補管を算定した前述の歯冠修復物は補管の対象となり、2年間の縛りがあります。

◆補管の対象を決めた根拠は、どのようなものだったのでしょうか。

 明確な根拠は分かりません。そこで、このスクラップで確保できる財源を調べてみました。22年(令和4年)の「社会医療診療行為別統計」を見ると、6月分における単冠の補管(100点)の算定は937576回で、この数字からHJC、CAD/CAM冠、チタン冠、レジン前装チタン冠の回数を引くと572855回となり、単純に12カ月分として12をかけると6874260回となります。補管の対象ではない歯科用金属アレルギー患者に装着されたクラウンの数を考慮すると、約680万の補綴物が今回の対象となり、このスクラップにより約68億円の財源が生まれたことになります。

今次改定の歯科改定率は、プラス0.57%と発表されましたが、賃上げ対応分を除くと技術料としての引き上げ分は、前回改定のプラス0.29%よりも低い数値であることが推測されます。さらに、その引き上げ分のうちマイナ保険証活用の推進などの目的で「医療情報取得加算」「医療DX推進体制整備加算」が新設されたため、技術料の引き上げ分の予算はかなり少ないのでしょう。そこで、財源を捻出するために補管が縮小されたのではないでしょうか。

また、231215日開催の中医協総会の資料には、この縮小の根拠となっている論文を示しており、「臼歯部修復物の予後を調査した研究において、金属歯冠修復(4/5冠、メタルクラウン)の平均生存期間は3000日を超え、5年生存率は約8割であったとの報告がある」と記載されています。しかし、この記載のどこに、金属歯冠修復物の補管のスクラップの根拠があるのでしょうか。

なお、この論文は、991月から053月の期間に1カ所の歯科診療所(札幌市)において、修復物治療を受けた95人、649歯(臼歯)に修復物を用いた治療を行い、その後、定期健診やその他の治療で1回以上来院した患者の診療録に基づく後ろ向きな観察研究です。

このような研究デザインの結果を、歯科医療に大きな影響を与える改定のエビデンスとして採用していることに違和感があります。28年前の96年度診療報酬改定の際、2年間の再製作を縛る補管が新設されました。その背景は、財源確保でした。金属歯冠修復物の2年間の縛りがなくなることによる影響は注視する必要があります。補管が新設された当時の経緯を認識した上で、良識ある対応が望まれます。

過去の「教えて!会長!!」はこちら

 

                            東京歯科保険医協会

                            会長 坪田有史

(東京歯科保険医新聞41日号掲載)

在宅医療に特化―第2回新点数説明会に500人

新点数説明会のお申し込みはこちら(予約専用サイト)
※東京歯科保険医協会に未入会の先生は入会をご検討ください(入会資料請求はこちら

池川裕子理事

 

協会は4月25日、2024年度診療報酬改定に伴う第2回新点数説明会をなかのZERO大ホールで開催し、会員やスタッフほか約500人が会場に足を運んだ。
計3回開催される新点数説明会のうち、在宅医療をテーマにした今回は、歯科訪問診療料など在宅医療に関する診療報酬改定のポイントを中心に解説した。歯科訪問診療料や、訪問歯科衛生指導料については2面で詳報しているのでぜひご覧いただきたい。
冒頭で挨拶した坪田有史会長は、「今次改定は複雑だが、診療報酬を学び、理解を深めてほしい」と呼びかけた。講師は、馬場安彦副会長、池川裕子理事が務め、参加者は熱心に耳を傾けた。終了後のアンケートには「カルテ内容が例示されており、わかりやすい」「スライドを用いて聞きやすかった」などの言葉が並んだ。

馬場安彦副会長


今次改定に伴う新点数説明会は残り1回。第3回新点数説明会は5月20日㈪、同じくなかのZERO大ホールで開催。6月1日施行に向け、疑義解釈や保険請求上の留意点を踏まえた内容を予定している。施行直前の開催ということもあり、すでに多くの申し込みがある。参加希望の方は、参加申し込みページからお早めにご予約いただきたい。詳細は協会までご連絡を(03-3205-2999)。

第1回新点数説明会の動画はコチラから(会員限定、デンタブックへの登録が必要です。)

1400人超参加…第1回新点数説明会の様子をチェック!

【東京歯科保険医協会】診療報酬改定 特設ページ

※東京歯科保険医協会に未入会の先生は入会をご検討ください(入会資料請求はこちら

【談話】 患者を最期まで診るために求められること

患者を最期まで診るために求められること

いわゆる「団塊の世代」が75歳を迎え、約3,500万人が後期高齢者となる。社会保障費の負担は増加し、少子化の進む日本では働き手不足などの問題が生じる。今次改定はこの「2025年問題」を迎える前の最後の改定である。さらには生産年齢人口が急激に減少し、85歳以上の人口が急増する「2040年問題」を見据え、高齢者になっても住み慣れた地域で生活を続けられるような地域包括ケアシステムのさらなる深化と推進のための改定とされている。

今次改定の在宅歯科医療において、歯科訪問診療料120分の時間要件が撤廃されたことにより診療時間を気にせず診療できるようになったことは評価したい。しかし「単一建物と同一建物の違い」や「医療保険と介護保険との給付調整」などの煩雑な算定方法が歯科訪問診療を行う上で大きな弊害になっている。歯科訪問診療料45の追加に伴い、人数区分が細分化され、より一層、算定方法が煩雑になってしまった。これらの改定で歯科訪問診療が推進されるかどうかは疑問である。

また、他職種との連携を推進させる観点から、他の保険医療機関等からの情報提供に基づき、在宅歯科医療に係る管理を行った時の評価である「在宅歯科医療連携加算」や介護報酬において、歯科医療機関との連携体制を築くことで介護事業所が算定できる「口腔連携強化加算」が新設された。

生活の質(QOL)の向上には、最期まで自分の口から栄養を取ることが欠かせない。さらに誤嚥性肺炎の予防のためには、専門的口腔ケアはもとより、日常的な口腔ケアを実施し、口腔内を衛生に保つことが必須である。そのためには口腔衛生管理に歯科医師が積極的に介入し、多職種との連携を図ることが不可欠である。歯科訪問診療を行っていたとしてもケアマネジャーや施設職員、栄養士などの多職種と連携しない歯科診療所や歯科訪問診療に全く取り組まない歯科診療所は地域包括ケアシステムの枠組みから大きく外れてしまうかもしれない。

多職種連携の第一歩として、まず文書を提供することから始め、次に顔の見える関係を築き、密に患者の情報を共有することを心掛けてほしい。また、歯科訪問診療を行ったことがない先生はまず一度、歯科訪問診療に行ってみよう。体制的に歯科訪問診療が難しいのであれば、歯科訪問診療を行う歯科診療所との連携を強化することでもよい。患者を最期まで診られるように、積極的に取り組んでほしい。

2024年425

東京歯科保険医協会

地域医療部長

森元主税

【声明】  理解が困難な改定 必要な歯科医療が提供できる改定を切望する

理解が困難な改定 必要な歯科医療が提供できる改定を切望する

低い診療報酬本体の改定率

2024年度診療報酬改定は診療報酬本体がプラス0.88%で医療従事者の賃上げ対応分を除くとわずか0.18%の引き上げに過ぎない。歯科改定率はプラス0.57%で賃上げ対応分を除くと、引き上げ分は前回のプラス0.29%を下回る。

改定財源のほとんどが、医療従事者の賃上げを目的として新設された「外来・在宅ベースアップ評価料」などに割り振られた。この評価料の収入は全額賃上げ充当が要件であり、診療報酬の使途を限定していることは問題である。

さらに、マイナ保険証の利用促進を主目的とした「医療情報取得加算」「医療DX推進体制整備加算」などが新設されたことによって、純粋な診療報酬の引き上げ分はさらに少ない。患者や医療機関の多くが望んでいないマイナ保険証推進に改定財源を費やされたことは歯科医療自体が軽視されたと感じざるを得ない。

継続性が担保されないベースアップ評価料

職員の確保、医療従事者としての正当な評価のために賃上げが必要であることは医療界の総意であり、賃上げ分の収入を職員に支払うことに誰も異議を唱えることはない。

しかし、対象者や賃上げ方法が不明瞭なうえ、職員全員を賃上げするための原資が担保されず、次期2026年度改定時に賃上げ分が確保される保証がないことは不合理である。

また、ベースアップ評価料の対象職員と対象外の職員との間で不要な摩擦が起きる可能性や、患者から会計窓口で説明を求められるなどの混乱が生じることも想像に難くない。

このような継続性が担保されていない財源に加え、煩わしさや不安感が強いため、届出・算定に二の足を踏んでいるのが現状である。賃上げを恒久的に行うための方策を示すべきである。

複雑な施設基準の増加

「かかりつけ歯科医機能強化型診療所(か強診)」が廃止され、「口腔管理体制強化加算(口管強)」が新設された。名称が変更されたものの、か強診の施設基準の要件が引き継がれ、口腔機能の管理を一部評価したに過ぎない。一方、歯科外来診療環境体制加算(外来環)は、歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)と歯科外来診療感染対策加算(外感染)に分離されるなど、施設基準が増加し複雑になった。

また、エナメル質初期う蝕処置、根面う蝕処置が、管理料と処置料に改編されるなど、複雑な体系となり、算定要件などの熟知が求められる改定となった。

危険な歯冠補綴物の保険外し、選定療養に反対

クラウン・ブリッジ維持管理料(補管)の対象から歯科用貴金属材料(金パラ・銀合金)の単冠が外れ、2年以内に再製作が必要になった場合でも再製作にかかる費用が請求できることになったが、再製作の必要性を判断する歯科医師の診断がより重要となった。

歯科用貴金属材料を使用した歯冠補綴物が補管の対象から除外されたことは、金属材料を使用した歯冠補綴物が選定療養の仕組みに導入される、いわゆる「保険外し」につながることが危惧される。保険適用の歯冠補綴物を選定療養とすることについて、断固反対する。

今次改定で、先発医薬品と後発医薬品の差額の一部を選定療養として患者負担とする取扱いが10月から施行されることについても撤回を強く求めるものである。

適応拡大や要件緩和など評価すべき項目

CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)の適応拡大、ブリッジ支台の5番にレジン前装金属冠の適応、接着ブリッジの支台歯1歯のみの延長ブリッジ適応、歯科訪問診療1の20 分の時間要件撤廃、義歯新製6カ月以降から義管が算定可能に緩和、実地指に対する口腔機能指導加算の新設、咀嚼能力検査・咬合圧検査が6カ月に1回から3カ月に1回に要件緩和、薬局への情報提供依頼に電話、FAX、メールが認められ、診療情報を医科へ返書した場合の算定が可能に、生活歯髄切断と抜髄を行う際に使用した麻酔薬剤料が算定可能になるなど、当協会や全国保険医団体連合会で要望していた項目が反映されたことは一定評価できる。

診療報酬本体の大幅な引き上げが必要

診療報酬は公定価格の中で公的に提供されることから、国が医療の質に責任を持つべきであり、それを担保するものである。

しかし、今次改定の改定率では物価高にも対応できず、歯科医療の改善のための診療報酬改定が不十分である。物価高騰で苦しい生活を強いられている患者の窓口負担の軽減と歯科医療費の総枠拡大、診療報酬本体への大幅な改定率の配分をあらためて求めるものである。国民に必要な医療を提供できる診療報酬改定を切望する。

2024年4月11日

2024年度第1回(暫定)理事会

7/27(土)「予防先進国スウェーデンに学ぶ!健口寿命を延ばす3つのポイント」市民公開講座

日時:2024年7月27日(土)午後1時~3時30分

講師:西 真紀子歯科医師  NPO法人「科学的なむし歯・歯周病予防を推進する会」(PSAP)理事長

開催形式:会場およびZoomウェビナー

内容:予防歯科といえば、スウェーデンが真っ先に取り上げられるのはなぜなのでしょう? なぜアメリカではない? なぜ日本ではない? そういうスウェーデンも、20世紀中頃は世界で最もむし歯の多い国の一つでした。その歴史を辿り、現在の取り組みを紐解くことで、日本の健口寿命を延ばすヒントになると期待して、歯を失う病気を征服するポイントを交えて、スウェーデンが柱にしている科学的エビデンスに基づいたお話をいたします。

参加費:無料

ご予約はこちらから

 

 

「オンライン資格確認義務不在確認等請求訴訟」関連資料集

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だ―。全国の医師・歯科医師ら1,415人が、義務の無効確認などを国に求めた訴訟が現在も続く。「東京歯科保険医新聞」では、訴訟ワーキンググループ原告団事務局長で、東京保険医協会理事の佐藤一樹氏(いつき会ハートクリニック)に、訴訟の現状を見つめ、今後の行方を展望していただく。また、同訴訟に関連する資料、動画は以下から確認できるので、ぜひご覧いただきたい。

オンライン資格確認義務不在確認等請求訴訟関連資料(webサイト上で閲覧可能な資料)

①東京保険医協会HP:オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟経過編
②東京保険医協会HP:オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟資料編
③佐藤一樹.違憲・違法!オンライン資格確認の義務化診療研究593『待合室に置く「診療研究」現代医療のキーワード2023~2024』
④佐藤一樹.Vol.23167 12月7日(木)11時東京地裁大法廷の「地上戦」へ:オン資確認義務不存在訴訟の進捗医療ガバナンス学会2023年9月22日
⑤佐藤一樹.医師の倫理規範から「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」提起へ 月刊『住民と自治』2023年5月号 2023年6月18日
⑥佐藤一樹.【識者の眼】「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟の背景」医事新報(2023年05月06日発行) P.25
⑦佐藤一樹:Vol.23035 厚労省令「オンライン資格確認義務化」は違憲・違法~国を相手に274人の原告団による「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」一次訴訟を提訴。二次訴訟で目標2500人~ 医療ガバナンス学会  2023年2月22日

 

オンライン資格確認義務不在確認等請求訴訟関連資料(動画)

①デモクラシータイムズ.
佐藤一樹. マイナ保険証の闇あなたの医療情報が危ない【PICK UP!】2023年4月4日
②デモクラシータイムズ.
申偉秀,佐藤一樹.マイナ保険証の闇保険証がなくなる医療情報が流出する【荻原博子のこんなことが!】2023年4月4日

「こばと通信」による記者会見・原告説明会の動画報道
③第2回口頭弁論報告
④第3回口頭弁論報告
⑤第4回口頭弁論報告
⑥第5回口頭弁論報告前半
⑦第5回口頭弁論報告後半

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)4月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)4月1日

【新聞4月号】

【1面】

1.第1回新点数説明会 複雑な改定内容に1400人超参加/定評ある丁寧な解説、質疑応答にも多数対応
2.新たな診療報酬改定を前に入会のご検討を
3.第52回定期総会のご案内
4.新点数説明会/オンデマンド配信のお知らせ
5.新点数説明会/今後の日程
6.探針
7.ニュースビュー

【2面】

8.2024年度診療報酬改定 主なポイント

【3面】

9.歯科技工士問題検討委員会委員長談話「歯科医師と歯科技工士のさらなる連携で歯科医療の未来を守る」
10.教えて!会長!!「2024年度診療報酬改定 補管の範囲を縮小へ」
11.介護改定内容決まる/「口腔と栄養」がポイント
12.2024年度6月施行診療報酬改定特設ページ

【4面】

13.オン資猶予届提出医療機関および紙レセで請求している医療機関向け情報②/マイナ保険証の利用率はわずか4.65%「資格確認限定型」導入は急ぐ必要なし
14.2024年4月/歯科用貴金属の随時改定情報
15.「2024年改定の要点と解説」正誤表

【5面】

16.~先生の一歩につなぐ~私の歯科訪問診療/第8回(最終回)森元主税理事
17.第117回歯科医師国家試験/2060人が合格 合格率は66.1%に
18.IT相談室/「Googleビジネスプロフィール」の大きなリスク③完

【6面】

19.2024年度診療報酬改定「新点数説明会」
20.第1回ドクター・スタッフ講習会:接遇講習会「クレームを大きくしない3 つの極意」

【7面】

21.連載「歯科界への私的回想録⑱ 完」/奥村勝氏「ネット時代の歯科界刷新・牽引に期待/歯科刷新時代を担う東京歯科保険医協会に期待」
22.第6回メディア懇談会を開催/複雑な改定内容に意見相次ぐ「歯科医師も分からない」
23.共済募集キャンペーン中!/この機会にぜひ加入ください!

【8面】

24.経営・税務相談Q&A No.415「新規採用に向けての準備②~「社保完備」への手続き~」
25.理事会だより/2023年度第21・22回
26.3月協会活動日誌
27.院内感染防止対策講習会
28.4月会員無料相談のご案内

【9面】

29.症例研究「歯周治療用装置の算定」

【10面】

30.訪問診療等におけるオンライン資格確認 (居宅同意取得型)/4月から運用はじまる
31.閉院強いられた歯科医院「限られた人員で新たな事務負担は困難」/オン資「義務化」撤回訴訟で国側に実例突きつけ猛省求める

【11面】

32.神田川界隈「適用が見直されたクラウン・ブリッジ維持管理料を考える」(本橋副会長・荒川区)
33.マイナ保険証利用率わずか4.6%の現実
34.マイナンバーカードの代わりにPDFファイルでも資格確認可能/修学旅行や部活動の合宿・遠征などでの対応も提示
35.通信員便りNo.141

【12面】

36.新連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第1回「マイナ保険証」の利用率が、低迷しています」(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
37.昨年全国から6千600筆超/健康保険証存続へ引き続き署名にご協力を

【13・14面】

38.春の共済キャンペーン

第39回保団連医療研究フォーラム 分科会・ポスターセッション演題募集

第39回医療研究フォーラムが、愛媛県保険医協会を主務協会として、9月22日(日)~23日(月・振替休日)に、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開催します。

メインテーマは、「白衣にヒューマニズムを 時代に聴診器を~せっかくやけん 道後温泉におはいりなもし~」です。


 つきましては、分科会・ポスターセッションの演題を別紙の通り募集いたします。例年通り、6テーマの分科会とポスターセッション、各15演題、合わせて105演題を募集します。

演題発表にご協力いただける先生を募集しています。必要な事項を記載の上、Googleフォームにてお申し込みください。必要な条件を満たせば、協会規定に沿って、参加費等を協会負担とさせていただきます。

募集要項は 第39回医療研究フォーラムについて をご確認ください。

分科会・ポスターセッションの演題募集の1次締め切り
【5月25日(土)】

 

【~先生の一歩につなぐ~ 私の歯科訪問診療】第8回「安易に引き受けた歯科訪問診療の始まり」(地域医療部部長・森元主税)

 「歯科訪問診療をはじめようと思っているが、具体的なイメージがつかめない」「歯科訪問診療をしている先生はどのように行っているのだろう?」―。
 先生方は、訪問診療でお悩みではないですか?地域医療部担当役員や部員、会員の先生らが印象に残った訪問診療の経験や患者との診療のエピソードをコラムにして紹介します。他の先生がどのように訪問診療をしているのか。実際の訪問診療のイメージをつかみ、日々の診療に活かしていただければ幸いです。
 今シーズンの最終回に当たる今回は、苦節三十数年、歯科訪問診療に対し心血を注いでいる森元主税地域医療部部長が、初めて訪問診療を行なった時の忘れ得ぬエピソードを紹介します。

連載【~先生の一歩につなぐ~ 私の歯科訪問診療】バックナンバーはこちら

【第8回】地域医療部部長/森元主税

診療所から歯科訪問診療に出発する筆者

安易に引き受けた 歯科訪問診療の始まり

  たまに来院する高齢患者の子息より、連絡があった。「入れ歯の具合が悪いが歩いて行けない」とのこと。総入れ歯の調整だったので、患者宅でもできるだろうと安易に「訪問診療しましょうか?」と提案したところ、「ぜひとも来ていただきたい」と言われたため、初めての訪問診療に出向いた。
 診療場所は患者宅のベッドの上。口腔内の視野が暗く、義歯の粘膜面の痛い部分がよく見えないため、家族の方に懐中電灯で口腔内を照らしてもらった。当時は持ち運び用の切削器具などはなく、10㎏はあろうという重量の技工用エンジンを自転車に積んで行った。義歯のレジン切削片の粉塵で部屋を汚さないように、新聞紙を広げた玄関を作業場所とし、下顎の内面1カ所の調整と全体的な咬合調整に約1時間を費やしたが、何とか痛みを除くことができた。帰り際にベッドの上で調整した入れ歯を入れた患者さんから「先生、ありがとう」とひと言。かなり疲れたがこの言葉だけで「訪問診療をやって良かった」と思えた。現在まで歯科訪問診療の依頼を引き受けてきたのは、こうした患者さんの言葉があったからであった。今から三十数年前のできごとである。
 あれから年月は経ち、2000年に介護保険が制度化されたこともあったため歯科の訪問診療も認知され、ずいぶん行きやすくなった。歯科訪問診療を続けていると在宅に関わる他職種の人たちとも顔見知りになり、訪問件数も増え、訪問診療の器材なども徐々に充実してきた。
 当時の高齢者の口腔内のほとんどは無歯顎で、在宅での治療内容は義歯関連が多かったが、現在は残存歯数も多く治療内容は外来と同様なケースも見受けられる。
 診療所での治療のほうが楽ではあるが、外来受診の高齢者もいずれ通院困難となる。段取りを整えた上で、通院しなくなった高齢の患者さんをリストアップして、直接、連絡してみてはいかがだろうか。先生からの連絡を待っているかもしれない。
 今次改定において、歯科訪問診療料1の算定要件だった20分の時間要件がなくなり、在宅への歯科訪問診療はより行いやすくなると思う。ぜひ、訪問診療に踏み出すきっかけとしてほしい。

「東京歯科保険医新聞」2024年4月1日号(第649号)5面掲載

携行機器類

患者宅で義歯調整する筆者(診療所と訪問先で撮影)

【~先生の一歩につなぐ~私の歯科訪問診療】第7回「噛める=食べられる」ではないことを死をもって教えてくれた患者さん(地域医療部担当理事・松島良次)

 「歯科訪問診療をはじめようと思っているが、具体的なイメージがつかめない」「歯科訪問診療をしている先生はどのように行っているのだろう?」―。
 先生方は、訪問診療でお悩みではないですか?地域医療部担当役員や部員、会員の先生らが印象に残った訪問診療の経験や患者との診療のエピソードをコラムにして紹介します。他の先生がどのように訪問診療をしているのか。実際の訪問診療のイメージをつかみ、日々の診療に活かしていただければ幸いです。
 今回は、地域医療部担当の松島良次理事のエピソードです。20年来のメインテナンス中の患者さんが通院困難に。依頼を受けて赴いた歯科訪問診療で経験したこととは―。

連載【~先生の一歩につなぐ~ 私の歯科訪問診療】バックナンバーはこちら

【第7回】地域医療部担当理事/松島良次

『噛める=食べられる』ではないことを死をもって教えてくれた患者さん

 20年ほど当院に通われていた患者さんが、通院困難となり、歯科訪問診療の依頼を受けました。自宅へ伺ったところ、ちょうど食事の時間だったので、その様子を観察していました。お肉を噛んでいましたが、なかなか飲み込もうとせず、そのうちに口から出してしまいました。「なぜ、飲み込まなかったのか」と患者さんの奥様に尋ねると、「食べ物を飲み込むとすごくむせてしまうので、主治医の先生から止められている」とのことでした。それでも、噛む感触は味わわせてあげたいので、噛んで吐き出す食事を続けていたそうです。私は、外来で「ちゃんと噛めていますか?」とよく問診していましたが、噛めていても、食べられない人がいることに、初めて気が付きました。歯科訪問診療をしていなければ、一生気がつかなかったかもしれません。
 この患者さんの嚥下訓練は、言語聴覚士の方々が行っていました。「最期まで口から食べさせたい」なんて歯医者の妄想でしかないと思い知らされました。外来では、歯や歯肉、咬合関係は診ているけれど、肝心の嚥下は患者さんの主観に任せていました。この患者さんは、最期は胃ろうとなり亡くなってしまったのですが「嚥下を診ない歯医者は歯科医師にあらず」と言われたような気がしました。
 歯科訪問診療に行くと、患者さんの本当の生活がわかります。はじめから嚥下を診るのは難しいですが、その気持ちが大切だと思っています。まずは食事風景を観察するところから始めましょう。
 寒暑風雨でも、この坂道を登って通院してくれた患者さんの思いを足腰で感じて、今度は代わりに我々が、感謝の意を込めて居宅まで足を運びましょう。

「東京歯科保険医新聞」2024年3月1日号(第648号)8面掲載