協会ニュース

歯科訪問診療に踏み込むポイントと請求のネックを紹介/「これから始める!歯科訪問診療」講習会に90名弱が参加

歯科訪問診療に踏み込むポイントと請求のネックを紹介/「これから始める!歯科訪問診療」講習会に90名弱が参加

協会は本日10月19日、事務局至近のエムワイ会議室で「これから始める!歯科訪問診療」講習会を開催。雨降る荒天の中、会員とそのスタッフ合わせ90名近い参加者で、会場は熱気に包まれた。

冒頭では、協会の坪田有史会長が挨拶し、現在厚生労働省で審議が進められている地域包括ケアシステムの中で、歯科、歯科訪問診療の役割が重視されており、今後の超高齢社会の到来とあわせ、歯科訪問診療は重要な位置を占めてくることを強調した。

続いて、協会地域医療部長を務める馬場安彦副会長が自らの歯科訪問診療の経験と実績、豊富な成功談と失敗談を交えながら講演し、訪問診療の現場の様子や心得などを説明した。

続いて、橋本健一理事が講演し、訪問診療における正しい請求や介護報酬に関する注意事項をていねいに説明した。

参加者のうち、およそ半数はまだ訪問診療を行ったことがない方々で占められてはいたが、地道に一歩一歩、着実に訪問診療に踏み出していく姿勢、気概が伝わってきた。

馬場安彦地域医療部長

橋本健一理事

第32回保団連医療研究フォーラム開催しました。

 10月8、9日、ウインクあいち(名古屋)において、第32回保団連医療研究フォーラムが開催され、全国から医師・歯科医師・スタッフ・一般市民など併せて826名が参加し、当協会からは11名が参加した。

 8日は、保団連の住江憲勇会長と第32回保団連医療研究フォーラム実行委員長の荻野高敏愛知県保険医協会理事長、次回主務地を代表して沖縄県保険医協会の仲里尚実会長より挨拶が行われた。

 

 その後、「今をどう生きる 子や孫が安心して暮らせる社会をどう残すか」をテーマとした記念対談が開催された。記念対談では、ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏と医師で作家の鎌田寛氏が登壇し、①子どもたちの未来を育てる、②科学との向き合い方、③平和への想いの3つの視点を中心に、ご自身の生い立ちや幼少期の様子から、平和への考え、日ごろの心に刻んでいることなどを語られた。その中で益川氏からは「子どもは育てるのではなく、自分で育っていくもの。子どもが飛びつくような種まきは必要だが、自立しはじめたら見守ることが重要である。私の場合はそれが本だった。本の向こう側には、無限の世界が広がっていると感じ、読書に夢中になった」と語られた。鎌田氏からは「権力に支配されていないか、時代の空気に支配されていないか、思い込みや偏見に支配されていないかということを常に心に刻んでいる。また、全員が誰かのためにと1%ずつ思えば、世界はずっと良くなる。社会の目にがんじがらめになってはいけない。」と語られた。

 対談の最後には、若い医師に向けて、鎌田氏から「優れた技術を身に着けるとともに、心を診る職業であるので、心を失わずにいてほしい。常に自分以外の視点で物事を考えられる力が必要。自由な人間でいないと患者の自由が認められない。」と呼びかけた。

 次いで、2017年4月~5月に全国の会員から30%無作為抽出し、ご協力いただいた「骨粗鬆症治療薬と顎骨壊死2017 実態・意識調査」の結果報告がされた。医科・歯科とも顎骨壊死の経験がある方の方が、ポジションペーパー2016の見解の変更について知っているという回答が高くなっており、関心が高くなることが示された。また、変更の賛同については、医科が54.6%、歯科が40.8%と医科の方が高かった。顎骨壊死を知った経緯について、医科では患者から聞いたが57.9%、歯科医師からの情報提供が42.1%という結果だった。一方、歯科からの顎骨壊死発症に関する処方医への情報提供は、56%は行われていたが、情報提供していないという回答が38.3%にも上った。

 調査のまとめとして、「現在の骨粗鬆症薬は、注射や点滴での投与が増えており、お薬手帳では確認がしきれない。今回の調査でも、緊密な連携をとっているとは言い難い状況であり、保団連として、連携パスのようなものを作成してはどうか。」との提案がされ終了した。

 9日の午前は分科会が開催され、東京歯科保険医協会からは5名5演題の発表があった。

 第1分科会多職種連携では、高山史年理事が「経口維持加算における多職種会議等におけるシステム化の試み」の題で、ミールラウンドや多職種会議など一連の業務の効率化を図るべく行ったシステム開発について報告し、食支援の分野は歯科業界での中でも未開拓な部分であるが、将来的に最も必要とされる分野であり、積極的に参画してほしいと呼びかけた。

 第2分科会高齢者医療・介護では、小林顕氏が「オーラルフレイルの主観的判断について」の題で、実症例を紹介しながら、口腔機能の低下が疑われる場合の精査の適応の可能性や、高齢者の多数歯欠如と口腔機能の低下の関連などについて考察を述べた。

 第5、第6分科会歯科診療の研究と工夫では今西祐介氏が「それでも抜かないわけがある2017」の題で定期予防、歯牙再建、コンフォートブリッジ等を用いて抜歯をしない方法を紹介。歯根膜の保存はその後の人生において重要であり、保存か抜歯かの選択を任される歯科医師の責任は非常に重いと訴えかけた。また、横山康弘理事が「超高齢者の咬合採得の一例」の題で、実際の症例を紹介しながら、義歯作成における咬合採得の方法を述べた。自身が用いている用具などについても併せて紹介した。また、加藤開理事が「歯科用金属アレルギー患者に対する、医科歯科連携の実際」の題で、実際の症例を示しながら、金属アレルギー検査の依頼と問題点などを述べ、併せてメタルフリーにした症例を紹介した。

    

左から、高山先生、小林先生、今西先生、横山先生、加藤先生

午後は、「医療従事者の働き方はこれで良いのか?~良質なキュアとケアは、良質な労働環境でこそ~」「地域包括ケアの現状と課題~3つの地域からの提言~」「子どもの貧困と健康~医療者としてどう支援できるのか~」の3つのシンポジウムが開催され、2日間にわたる医療研は終了した。

10月から新会員証をご利用ください

新会員証のご案内

6月に発行した会員証のバーコードに不備があり、急きょ利用を停止し、新たに会員証(ゴールド色)を発行します。

会員の皆様には大変ご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。

 

印刷の工程で当会指定と異なるバーコードが混在し、研究会などで入退場を管理する際に不具合が生じる事態が発生しました。

そのため、新たに会員証を作成することとなり、10月10日(火)より会員の先生方に順次、お届けいたします。

研究会などの参加の際には、新会員証の提示をお願いします。

6月発行の会員証は以後使用できなくなりますので、ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ご郵送】

10月10日(火)以降、ヤマト運輸メール便にて、ご指定の住所にお送りいたしました。

 開封後、ご不明な点がありましたらご連絡ください。

※10月中に新会員証が届かない先生は、お手数ですが、協会(組織部)までご連絡ください。

 

【新会員証が届かない会員の先生】

発送事故等で未着の場合は、2018年1月31日までのお申し出に限り無償で再作成いたします。再度ご確認いただきますようお願い申し上げます。

 

 【再発行のご案内】

上記期日までにお申し出がない場合や会員証を紛失した場合は、会員証を再発行していただきます。

お申し出後、再作成し発行するまでに1カ月程かかりますので、ご了承ください。

なお、発行手数料は代引きで1,770円となり、お受け取りの際にお支払いください。

ご希望の先生は協会までご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

◆◆お問合せ◆◆

ご不明な点は、協会までご連絡ください。

連絡先:03-3205-2999(組織部)

 

 

 

フォローアップ講習会ーOSA医療連携ー

OSA医療連携名簿の登録者向けに開催しております。

経験豊富な講師陣が先生方の不安を解消します。

今回は、林俊成先生(所沢呼吸器科クリニック 院長)をお招きし、医師の視点から良好な医療連携についてご講演いただきます。奮っての参加をお待ちしております。

 

◆日 時 10月22日(日)午前10時~午後1時30分

◆講 師 

≪協会講師団≫

   古畑 升 氏(古畑歯科医院 院長、古畑いびき睡眠呼吸障害研究所・所長、

               日本歯科大学 内科 臨床教授)

      西田 紘一 氏(東京歯科保険医協会 監事)

       山本 鐵雄 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

≪医師の視点から≫

     林 俊成 氏 (所沢呼吸器科クリニック 院長)

(林 俊成 氏)

テーマ より良い歯科医科連携を目指して
抄録

睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対する口腔内装置(OA)は2004年に健康保険適応になってから軽症~中等症OSA患者に多く用いようになった。OA装着によって有意に血圧が低下したことやCPAPと同等な効果があるとの報告がある一方,「OSAに対するOAに関するガイドライン2013」で定められた定義を守らず,全く効果のないOA症例も多く見受けられる。OA治療の流れとしては医科での検査・診断を受けて歯科へ依頼され,再び医科での評価が必要なため両者の良好な連携が必要である。実際の症例を提示してよい連携のあり方を共に考えていきたい。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆会 場 エムワイ貸会議室お茶の水4F(A+Bルーム)

         住所: 千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4F

◆交 通 JR中央線・総武線御茶ノ水駅徒歩2分

     東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅徒歩3分

     東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅徒歩4分

 

 

 

 

 

◆定 員 50名  お座席わずか!!

◆参加費 1名につき5,000円(テキスト代込み。昼食はございません)

ご注意

①過去に協会が主催する「OSAのOA治療/医療連携のための講習会」に参加した会員、会員医療機関のスタッフ、会  員と連携している技工士。または、10月29日「医療連携のための講習会」に参加される方。

②OSA関連治療機器を展示予定

③会員証をご持参ください。お連れ様がいらっしゃる場合はご一緒に受付ください。

④要予約 電話 03-3205-2999(担当:組織部)

NHK「プロフェッショナル」で紹介された小山珠美氏と口腔ケアで活躍する五島朋幸氏をお招きします/11.2地域医療研究会

第1回地域医療研究会

◆テーマ:食べる喜びをあきらめない

◆日 時 11月2日(木)午後6時30分~8時30分

◆講 師: 

・小山珠美 氏:JA神奈川県厚生連伊勢原協同病院看護師、NPO法人口から食べる幸せを守る会理事長

・五島朋幸 氏:ふれあい歯科ごとう代表、新宿食支援研究会代表

◆内 容:病院、特養、在宅。特に歯科訪問診療と関連の深い在宅医療を中心に、患者本位の口腔ケア、摂食嚥下、食の3つの視点から、現場での実践例とそれを支える実務と心得を取り上げる。さらに、それらを踏まえた現状分析と課題、解決の方向などを参加者とともに考え、議論する。また、近未来の医科歯科連携で求められるであろう技量とともに「心」を学ぶ。地域包括支援システムも視野に入れたい。

講師で看護師の小山氏は、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル」で、「摂食嚥下障害」を抱える人たちの食べる力を回復させるエキスパートとして紹介され、これまでに担当した患者さん約2000人のうち9割が再び食べることができるようになった。

いま一人の講師の五島朋幸氏は、歯科医療界における口腔ケア、歯科訪問診療の第一人者。診療に携わるほか、新宿食支援研究会を主催し、適切な栄養摂取、経口摂取の維持、食を楽しむことを目的としたリスクマネジメントに立脚した適切な支援を追求している。

 

小山珠美氏:NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル」で、「摂食嚥下障害」を抱える人たちの食べる力を回復させるエキスパートとして紹介された。病院をはじめとする施設や在宅での多職種連携と包括的にみていく視点を重視。NPO口から食べる幸せを守る会を立ち上げ、理事長も務める

五島朋幸氏:歯科医療界における口腔ケア、歯科訪問診療の第一人者。診療に携わるほか、新宿食支援研究会を主催し「人」と「心」本位の食支援を追求している。小説家への志も抱き、既に2冊を上梓している

 

◆会 場 エムワイ貸会議室高田馬場3F(A+B+Cルーム)→下記地図参考

◆対象者 会員およびその診療所に勤務するスタッフ

◆定 員 150人

◆参加費 会員無料(同伴者1名につき1,000円)

◆要予約 TEL03-3205-2999(担当:地域医療部)

9.4

 

睡眠時無呼吸症(OSA)の講習会

人気の睡眠時無呼吸症(OSA)の口腔内装置(OA)治療医療連携のための講習会です。

今回の講習では、今検討されているNewガイドラインや国際ガイドラインを如何に臨床に役立てるかをお話しします。また、実際のOSA患者のPSG検査結果などを基に、OA製作に必要なデーターの読み方も解説する予定です。

OA装置のNEWガイドラインが作成されています。

 

◆日 時 10月29日(日)午前10時~午後5時

◆講 師   ≪協会講師団≫

     古畑 升 氏

      (古畑歯科医院 院長、古畑いびき睡眠呼吸障害研究所・所長、

        日本歯科大学内科臨床教授)

     田賀 仁 氏(JR東京総合病院歯科口腔外科 主任医長)

        西田 紘一 氏(東京歯科保険医協会 監事)

                     山本 鐵雄 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

◆会 場 明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー2F/1021号室

      住所:千代田区神田駿河台1-1 

◆交 通 JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線、   御茶ノ水駅下車徒歩約3分

◆定 員 100名  今すぐお申込を!!

◆参加費 1名につき8,000円(弁当・テキスト代込み)

◆持参物 会員証、筆記用具など

◆要予約 電話 03-3205-2999(担当:組織部)

 ※参加は会員、会員医療機関のスタッフ、会員と連携している技工士になります。

 ※OSA関連治療機器を展示予定。

小出馨先生が、咬合と顎関節を語る

10月11日(水)午後7時から小出馨氏

(日本歯科大学新潟生命歯学部

歯科補綴学第一講座主任教授)が、

「咬合と顎関節の診断をわかりやすく」を

テーマに講習会を開催します。

是非、ご参加ください。

 

         記

日 時:10月11日(水)午後7時~午後9時

講 師:小出 馨 氏(日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科補綴学第1講座 主任教授)

会 場:文京シビック小ホール

交 通:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩3分

   都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅(文京シビックセンター前)」

    JR中央・総武線「水道橋駅」徒歩8分

参加費:会員無料(同伴者1名につき1,000円、未入会員8,000円)

予約不要:当日は会員証を受付にご提示ください  

※2017年度日歯生涯研修に2単位で登録予定です。

                 以上

牧原秀樹厚労副大臣と坪田会長、橋本理事が懇談/歯科保険医の切実な現場の声を直接届ける

牧原秀樹厚労副大臣と坪田会長、橋本理事が懇談/歯科保険医の切実な現場の声を直接届ける

―本日28日に副大臣室で歯科医療の改善求める要請書も手渡す

9月28日、協会の坪田有史会長と橋本健一理事は、牧原秀樹厚生労働副大臣と懇談した。懇談内容は、①2018年診療報酬改定、②院内感染症対策など。

協会では、現在、次期診療報酬改定に向け会員署名に取り組んでいる。署名には多くの会員から「義歯、根管治療の報酬を上げてほしい」「現状では感染症対策もままなりません」「保険の範囲で良い診療をしたいと常に思っています」など、切実な声が寄せられている。

これらの会員の声を坪田会長から牧原副大臣に直接伝え、医療従事者の技術料を正当に評価する「診療報酬の改善」「院内感染症対策への理解と実践を促す方策」「患者さんの窓口負担の軽減」「消費税問題の改善」などについて、引き続きご尽力をいただくよう要請した。牧原厚労副大臣は、坪田会長からの院内感染対策などについて真剣に耳を傾け、担当部署にもその旨を伝えるとした。

坪田会長の説明に真剣に聞き入る牧原秀樹厚労副大臣

牧原厚労副大臣に歯科医療改善を求める要請書を手渡し

今度の城南地区懇談会は”周術期連携”

秋の城南地区懇談会

テーマ「病院と歯科診療所との

    周術期医療連携の現状と今後」

今度の城南地区懇談会は”周術期の医療連携”がテーマです。今後求められる「かかりつけ歯科医」にとって医療連携は重要です。医師・歯科医師が行う医療連携の1つである周術期口腔管理について、現状と今後をお伝えします。

なお、周術期口腔機能管理を行う医療機関は通知で、定期的に周術期における口腔機能管理の研修会への参加が義務付けられています。今回の内容は十分にそれを満たす内容になります。

今回はすべての地区の会員が参加できます!!

◆日 時 10月28日(土)午後6時30分~8時30分

◆講 師 関谷 秀樹 氏(東邦大学医療センター大森病院口腔外科部長、東邦大学医学部准教授)

会 場 大井町きゅりあん(品川区立総合区民会館)6F大会議室

     住所:品川区東大井5-18-1

交 通 JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線大井町駅徒歩1分

参加費 無料(当日は会員証を受付にご提示ください)

参加者 会員本人のみ

要予約 ℡ 03-3205-2999(担当:組織部)

歯科医療の充実訴える/当協会の坪田会長も報告行う/「保険でよい歯科医療の実現を求める9.28市民集会」に230名が参加

歯科医療の充実訴える/当協会の坪田会長も報告行う/「保険でよい歯科医療の実現を求める9.28市民集会」に230名が参加

「保険で良い歯科を」全国連絡会(雨松真希人会長)が主催する、「保険で良い歯科医療の実現を求める9.28市民集会」が9月28日、国会議事堂至近の憲政記念会館で開催された。全国から歯科医師をはじめ、歯科技工士、歯科衛生士など230名が参加し、歯科に関す連する各職種についての様々な課題が取り上げられ、報告や協議・検討が加えられた。

各団体や地域からの報告では、当協会の坪田有史会長、兵庫県保険医協会理事で神戸常盤大学短期大学部教授の足立了平氏、巨摩共立歯科診療所長の榊原啓太氏、全国商工団体連合会常任理事の今井誠氏、保険適用拡大を願う会代表の小尾直子氏ほかによる挨拶や報告などが行われた。

9.28市民集会で歯科の現状と次期改定に関して報告に立つ協会の坪田有史会長

理事会声明「ハンドピース滅菌問題解決の方策を国に求める」/機関紙2017年10月1日号(№571)3面掲載

理事会声明「 ハンドピース滅菌問題解決の方策を国に求める」

2017年5月30日に厚生労働科学研究費補助金研究「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」が公表された。この研究の中で、「使用済みハンドピースを患者毎に交換、滅菌している医療機関は半数の医療機関に留まっている」旨の報告がされた。

2017年7月5日付の読売新聞はこのことを、「未だに半数の歯科医院が、前の患者さんに使用したハンドピースを何もせずにそのまま使用している」と国民に誤解を招く記事として報道した。協会は本紙八月号で強く抗議をしたところである。

9月4日に厚生労働省は歯科保健課長名により「歯科医療機関における院内感染対策の周知について」を通知した。通知は、「都道府県に、使用したハンドピースは患者毎に交換し、オートクレーブ滅菌処理などの院内感染対策を取り組むよう歯科医療機関に周知すると共に、各保健所には歯科診療所の立入検査の際には、これらの衛生管理を重点検査項目とし、公衆衛生上重大な危害が生ずる恐れがある場合には歯科医療機関および歯科医師に対し指導を徹底すると共に厚労省に報告すること」を求める厳しい内容である。

2009年8月に協会が実施した開業歯科医院を対象とした院内感染予防対策会員アンケートでは、オートクレーブやケミクレーブなどを使用する医療機関は九五%を超えていることや、グルタラールなどの滅菌薬剤を多くの医療機関が使用していることがわかる。歯科診療所では診療報酬上の裏付けがない中、その時点でのふさわしい感染予防対策を行ってきた。

感染予防対策に係る費用としては、オートクレーブ滅菌処理で劣化するハンドピースや各種器具の問題や、滅菌処理を行う人件費など多面的に捉える必要がある。基本診療料でそのすべてを賄うことはきわめて困難で、日本歯科医療管理学会では、「患者1人当たりの院内感染対策費は約1058円」との報告がある。

また、厚労省が「感染予防対策を評価した」と言われる歯科外来診療環境体制加算は、感染対策を純粋に評価したものではなく、偶発症に対する緊急時や医療事故時の対応も課している。さらに、届出医療機関が全国で25.6%(平成29年6月1日時点)でしかない現実は、感染予防対策に役に立っていないと言える。

国は早急に必要な原価計算などを行った上で、診療報酬上で感染予防対策を評価した点数を新設すべきである。また、感染予防対策に必要な器材の購入や人の配置に係る費用を軽減するために、補助金や基金の創設などの手当を早急に検討いただきたい。それと並行して、安価で滅菌処理をしても劣化をしないエアータービンや手狭な歯科診療所でも設置ができるオートクレーブやウォッシャーディスインフェクターなどの開発が必要だと考える。国は産業界や大学などの研究機関と共同で開発を進めるようリーダーシップを発揮すべきである。

協会は、スタンダードプリコーションへの歯科医療機関の理解と実践を促すために尽力する。それと同時に、将来にわたって国民皆保険制度を維持し、安心・安全な歯科医療を提供するための方策を患者と共に国に求める。

2017年9月28日

東京歯科保険医協会

理事会

会長談話「政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う選挙」/機関紙2017年10月1日号(№571)2面掲載

会長談話「政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う選挙」

安倍首相が9月25日、首相官邸で記者会見を開き、9月28日召集の臨時国会で、冒頭に衆議院を解散して総選挙を行う意向を正式に表明した。

それを受け、総選挙は10月10日公示、10月22日投開票となった。さらに安倍首相は会見で、この解散を「国難突破解散」とし、総選挙の大義を消費税増税の使途変更、北朝鮮情勢の2点とした。消費税については、約2兆円を「子育て支援」「教育無償化」のために確保し、『全世代型』の社会保障制度の実現を図るという。また、北朝鮮情勢を「国難」と規定し、北朝鮮への圧力強化路線の堅持を表明した。

しかし、9月26日付の新聞各紙は「国会を軽視し、憲法をあなどる政治姿勢は、安倍政権の体質」(朝日)、「(森友・加計学園問題)実質審議はなくなっても、一連の疑惑に関する首相や政府の説明責任は残る」(読売)「(消費税)使い道の見直しは民進党が既に打ち出している課題だ。解散して信を問うテーマと言うには説得力を欠く」(毎日)、「もろ手を挙げて賛同できる案ではない」(日経)、「歳出拡大は約束するが、財政再建の検討は後回しというだけでは都合が良すぎる」(産経)、「首相は会見で『憲法上問題はない』と強調したが、憲法軽視との誹りは免れまい」(東京)など厳しい意見が並んでいる。

また、共同通信社の全国電話調査(9月23日、24日実施)では、北朝鮮情勢が日増しに緊迫感が高まる中で、衆議院の解散・総選挙によって政治的空白が生じることへの不安の声が上がっており、この時期の解散に64.3%の人が反対している。安倍首相は、2つの大義について「速やかに国民の信を問わねばならない」と訴えた。「速やかに」としているが、消費税の2%増税が予定されているのは2年後である。何故、この時期に国民に信を問わねばならないか理解できず、疑問である。

前回、2014年の総選挙では、経済再興を全面に出し、原発再稼働、集団的自衛権、TPP、痛みを伴う改革など、与野党の主張に明確な争点があったとは評価されていない。さらに戦後最低の投票率52.7%も追い風となり、与党が改憲発議に必要な3分の2を超える議席を確保した。だが、今は社会保障、北朝鮮、年金、景気対策、農業改革、教育改革、あるいは待機児童問題など、対応・対策が急がれる数多くの問題がある。今回の総選挙は、主権者たる国民の良心と政府への評価が問われ、日本の未来の方向を占う重要な選挙となるだろう。

来年は、医療・介護報酬同時改定が行われる。政府は2018年度までの社会保障費の自然増分を毎年5000億円に抑え込む方針で、さらにその方針の期間延長が検討されている。その抑制分は、診療報酬を中心とする旨が、すでに財務省から示されている。だが、「国民生活に関する世論調査(内閣府:2017年6月15日~7月2日実施)」では、政府が力を入れるべき政策としては、「医療・年金等の社会保障の整備(65.1%)」が最も高くなっていた。多くの国民が望んでいる政策は、社会保障の充実であることは明らかだ。

来る総選挙では、自らの一票が今後の日本の方向、そして社会保障への影響を考えて行動することが望まれる。

2017年9月28日

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

10月金パラ早見表をアップ

10月金パラ改定早見表を、「会員向け情報」の

「診療報酬改定対策」の「2016年度」にアップしました。

ダウンロードはコチラから

*ログインにはパスワードが必要です。

開催!第2回 若手歯科医師向け学術ベーシック講座

成功率向上のために根管治療の基礎を学ぶ

 第1回に続き、第2回目の学術ベーシック講座を開催しました。
 今回は「根管治療の基礎~成功率を高めるための基本的な手技を中心に~」をテーマに当協会の理事である本橋昌宏氏が講演され、会員32名が参加しました。

 講演では、根管治療の目的、方法、使用薬剤・機材の紹介など、日常の臨床症例を複数症例提示し、X線画像や臨場感あふれる臨床中の動画を用いて解説をしました。また、ラバーダム防湿の必要性ならびに根管内感染防止のための仮封の重要性についても解説されました。

 参加者からは、「明日からの診療に是非役立てたい」「カラー写真や動画が取り入れられていて、受講して大変良かった」「日常の臨床をもとにしており、大変参考になった」などの感想が寄せられました。

 社保・学術部では、学術ベーシック講座以外にも外部講師を招いての研究会など日常の臨床技術向上のための講座・研究会を随時開催しております。是非、ご参加ください。

講師:本橋理事

か強診の施設基準等で議論沸騰/2017年度第3回(通算64回)メディア懇談会を開催

か強診の施設基準等で議論沸騰/2017年度第3回(通算64回)メディア懇談会を開催

9月8日、第3回メディア懇談会を開催した。当協会からは山本鐵雄副会長、早坂美都広報・ホームページ部長が出席した。今回は①8月18日に協会が厚生労働省に対して行った「診療報酬にかかわる要望について」の概要と当日の模様、②8月31日に東京都に対して行った「2018年度東京都予算に対する請願」の概要と当日の模様、③協会が独自に6月に実施した「か強診アンケート」の集計結果について、④7月2日の読売新聞朝刊報道を皮切りとした一連のハンドピース関連記事に対し、厚生労働省が9月④日付で出しました通知についてなどを話題に取り上げ、参加したメディア4社との意見交換が行われた。

議論が集中したのは、厚労省への要望関係についてで、メディアから、「口腔外バキュームは、外国では使われていない」「国内外を問わず、実際、これまでに歯科医療機関でハンドピースによる感染事故発生事例は確認されているのか」「か強診の施設基準や訪問診療の三十分要件は、届出が増えすぎないよう、行政が設けたものではないのか」「臨床現場の歯科医師のおよそ八~九割が『おかしい』との意見が出ているのだから、もっと強く厚労省に訴えるべきではないか」といった、厳しい意見が相次いだ。

第1回 学術ベーシック講座を開催しました

第1回 若手歯科医師向け

学術ベーシック講座

今年で6年目となる若手歯科医師向け学術ベーシック講座を開催しました。

第1回は、「歯性炎症・感染症について~開業医で行う歯性感染症への対応~」をテーマに濱崎啓吾理事が講演され、会員27名が参加しました。

講演では、歯性感染症の病態と特徴、感染症拡大と臨床解剖、歯性感染症の病態評価、歯性感染症の治療の各項目について、症例を示しながら基本的な解説をしました。

また、患者の症状・病態から感染程度を把握し、投薬・処置を始め、どの時期に病院歯科(口腔外科)への紹介するのが適切なのかも説明し、医院や患者にとって無理のない診療を行うことが大切と解説されました。

炎症時に使用する抗菌薬については現在のガイドラインに沿って、基本的な特性や効果を説明し、抗菌薬の選択を行えるよう話がされ、参加者からは、「基礎的なことが学べた」「抗菌薬の再考になった」などの感想が寄せられました。

第2回は、9月9日に根管治療の基礎をテーマに講座を開催します。満員御礼で今年も大人気の当講座は、若手の歯科医師向けにあくまでも基本的なことを学んでもらうことを趣旨とし開催しています。ぜひ、日常診療でお困りな先生方に参加していただきたい講座です。

2017年秋の共済普及キャンペーン始まりました!

 

秋の共済普及期間:9月1日(金)~10月25日(水)

 協会では、先生方が安心して日々の診療を行っていただく事を目的に下記の共済制度を取り扱っており、9月1日より秋の共済募集キャンペーンが始まりました。

 どの制度も先生方のライフステージやライフイベントに応じて必要な保障を用意できるよう、歯科医師向けのシンプルな制度設計となっています。

 多くの先生から支持をいただいている制度です。この機会にぜひご検討下さい!

35周年!会員加入NO.1  グループ生命保険

万が一の時、家族の安心のために、手頃な掛金でしっかり保障!最大4000万円まで備えられます。

剰余金は配当としてお返ししています。(昨年度実績 保険料の約69%)

日本有数の私的年金 保険医年金

将来に備えてしっかり貯蓄!1.259%の高利率で積立できます。さらに、受託生命保険会社の運用実績に応じて配当がつくこともあります。(昨年度実績+0.102%)

いつからでも受取可能で、減口、払込中断にも対応でき、使いやすい保険です。

医業にあった保障の形 保険医休業保障共済保険

傷病での休業の際に手厚い保障!最長730日の長期保障です。入院はもちろん、自宅療養でも、代診をおいても給付が受けられます。掛金は加入時のまま上がらず、掛け捨てではありません。

共済制度への加入や説明を希望される場合は、協会にご連絡いただくか、下記リンクからメールで送信して下さい。メールをいただいた場合は、担当者よりご連絡させていただきます。この機会に会員だけが加入できる共済制度をご検討ください。

グループ生命保険 加入者特典

チラシ・FAX送信表のダウンロードは下記イラストをクリックしてください♪

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

 

巨星墜つ。

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、呼吸不全のため亡くなった。105歳であった。葬儀は7月29日、青山葬儀所で行われた。

日野原氏は医業にとどまらず、多種多様な講演会活動、地域貢献活動に携わってきた。日野原氏は、1911年に山口県で生まれ、1937年に京都帝国大医学部を卒業。1941年に東京の聖路加国際病院に内科医として勤務を始めた。1992年には同病院院長、96年には理事長に就任。2005年には文化勲章を受章した。

日野原氏は、1951年から1年間留学した米国のエモリー大学医学部で、患者の人格や考えや意見、生き方そのものを尊重する「全人医療」を学びとり、帰国後は看護師育成を中心に精力的に取り組んだ。また、1954年には病気の早期発見と早期治療の実現を目指し、日本の民間病院では初の「人間ドック」を開設。また、「生活習慣病」という呼称を新たに考え定着させ、予防医療にも力を注がれていたことは記憶に新しいところ。そのほか、終末期医療の充実に向け、日本初の独立型ホスピスの創設にも携わった。

一方、小中学生を対象とした命の尊さを伝える活動として「いのちの授業」を全国で展開。また、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と命名し、75歳以上の自立した老人で組織する「新老人の会」を設立した。

著作活動にも熱意を注ぎ、200冊におよぶ著作がある。特に2001年に出版した『生きかた上手』は社会的にも注目を集め、200万部を超えるミリオンセラーとなったほか、絵本『葉っぱのフレディ』のミュージカル向け脚本を執筆するなど、執筆活動は広範囲にわたった。

日野原氏はエピソードにも富み、1970年に赤軍派がハイジャックした日航機『よど号』に偶然、乗客として乗りあわせたほか、1995年の地下鉄サリン事件の際は、聖路加国際病院院長として、直ちに被害者の無制限受け入れを行い、率先して治療拠点としての役割を果たすとともに、被害拡大防止に尽力した。

100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し、心から敬意と感謝を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

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※なお、当協会の機関紙2010年5月号(第477号)では、当時98歳を迎えていた日野原重明氏のインタビュー記事を掲載しております。下記をご参照ください。聞き手は、藤野健正理事(当時、広報部長)で、場所は聖路加国際病院理事長室内。

下記インタビュー記事のダウンロードはこちら

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

7月21日、第2回メディア懇談会を開催した。協会からは坪田有史会長と広報・ホームページ部担当部長の早坂美都理事が出席した。

今回は第45回定期総会で新会長となった坪田会長の就任後のあいさつと今後の当協会の活動の方向、来月実施予定の東京都の次年度予算に対する要請、医療・歯科医療をめぐる諸情勢などを話題のほか、6月24日にB型肝炎弁護士団が開催した「歯科の感染対策を考えるシンポジウム」の模様など、参加メディア四社との意見交換が行われた。

冒頭、坪田会長はあいさつで、「前執行部が取り組んできた事業を継続し、着実なものにしていく。また会員数は6月18日の定期総会時点で5236名。会員を増やし、新規事業のデンタルブックと合わせて、さらに広めていく」と意気込みを語った。

参加者からは、中医協の社保審で検討されている次期診療報酬の改定については、「厚労省も認識していると思うが、『かかりつけ』のイメージが厚労省と患者で、大きく異なっているように思える。『かかりつけ』の定義を明確にすべきと思う」との意見が出された。

また、医療情勢でレセプトを電子化してAIを活用しようという動きについては、「審査会を飛ばしてしまおうという話は、昔からあった。審査会は『地域差』があるらしいと言われていて、保険者からも不満があった。そのため、機械化することで審査にムラがないようにしたのではないか」「機械的に審査をしようというのはムラを防ぐためだろう。電子化が進められてきたときから、いつかはこうなることだろうとわかっていた。ただ、電子化することで手書きの方などはあぶれてしまう人もいるだろう」などの意見が続いた。

 

 

 

“デンタルブック”のログイン方法が変更になりました!!

“デンタルブック”のログイン方法が変更になります!!

7月3日(月)から、協会員の皆様にご活用いただいております“デンタルブック”のログイン方法が変更となります。その概要は、下記の通りです。

今後とも、デンタルブックのご活用をお願いいたします。

 

下記説明書のダウンロードはここをクリック!!

 

第45回定期総会「決議」/機関紙2017年7月1日号(№568)2面掲載

第45回定期総会「決議」

政府は、2017年度政府予算案で、一般会計の総額を前年度当初比0.8%増の97兆4547億円とし、軍事防衛関係費を5年連続増額の5兆1251億円とした。しかし、社会保障費は、2016年度から2018年度の3年間で自然増を1兆5000億円に抑制し、更にその抑制方針を2020年まで継続しようとしている。

伸びの抑制に導入されるのは、70歳以上の高額療養費制度の上限額引き上げ、介護保険利用料の3割負担導入など高齢者を狙い撃ちにした自己負担の引き上げである。このことは、医科よりも低い高齢者の歯科受療率を更に引き下げ、歯科疾患の重症化を招きかねない。患者の負担増を進める動きには反対する。

さらに、歯科医療機関の経営は厳しい。第20回医療経済実態調査結果では、都内23区を集計した1級地の医療収益の伸び率は-1.2%であり、その減収分を歯科材料や医薬品などの経費削減で補っている現状が明らかになった。在宅医療や基礎疾患を持つ高齢者へ歯科治療が重視される中、患者に安心・安全な歯科医療を提供できる体制が脅かされている。歯科診療報酬の引き上げを行うとともに、保険診療に係る仕入れ価格のうち消費税分の負担を強いる損税問題も早期に解決すべきである。

私たちは、社会保障削減策を推し進める動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療の充実の実現に向けた運動を国民とともに力を合わせ、以下の要求を表明する。

一.わが国の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする社会保障制度を充実させること。

一.高齢者の医療保険や介護保険の自己負担を引き下げること。

一.歯科医療機関の経営を抜本的に改善するため、歯科診療報酬を引き上げること。

一.社会保険診療に係る消費税非課税制度を、ゼロ税率に改めること。

一.保険医を萎縮診療に誘導し、結果患者の受療権を侵害する高点数を理由とした一切の指導を行わないこと。

一.生命と健康を脅かすものを排除し、平和を尊ぶ社会を目指すこと。                          

2017年6月18日

東京歯科保険医協会

第45回定期総会

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

6月18日、協会は「東京歯科保険医協会2017年度第45回定期総会」を中野サンプラザで開催した。今総会では、2016年度の活動・予算決算などの報告のほか、2017年度の活動計画案と予算案などの議案について審議・検討を加え、すべて賛成多数で可決された。また、6項目による総会決議も採択した。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、今総会は役員改選の年に当たるため、定款に則り会長、副会長、理事が選出され、新会長には、これまで副会長、政策委員長などを担当していた坪田有史氏が選ばれた。

 

◆坪田新会長あいさつ

坪田新会長はその就任に当たり挨拶し、その中で、これまで会員からいただいた支援、協力について、今後も引き続きお願いしたい旨を述べるとともに、「歯科のおかれている現状は厳しい。少子高齢化が進み総人口も減少しており、歯科でも疾病構造が大幅に変化しているのも事実。なかなか難しい時代だが、頑張っていきたいと思う」と訴えた上で、「公的医療保険の中で総枠拡大はどうしても必要と考える。いろいろと前向きに考えたい」と、来年度の診療報酬・介護報酬同時改定を視野に入れた今後の方向を示唆。さらに「副会長、理事者、執行部とともに、また事務局とスクラムを組んで進みたい。会員、国民、都民、患者、協会の将来のために頑張りたい」と抱負を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆近未来の歯科医療語る/医療ジャーナリストの田辺功氏が記念講演

総会に続き、記念講演として、医療ジャーナリストで元朝日新聞編集員の田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」をおこなった。田辺氏は、自身の科学部で医療問題を担当していた記者時代からの経験を紹介した後、歯科は今後も口腔関係の専門家であるとともに、食と栄養に関する専門家であるべき点を指摘し、「口腔ケア」の概念と全身の健康と疾患の関係が解き明かされてきた経緯を説明。しかし、その重要性とは裏腹に、現状では病院歯科は減少しており、病院では「口腔ケアの実情を見聞することもしなければ、厚生労働省が推進を図ろうとしなければやろうとしない。これはおかしい」とした。さらに、「厚労省の一番の関心事は、基本的には医療費減らしとその方法論、医科・歯科の医療の“質”のことを忘れている」と訴えた。また、歯科と医科の関係についても言及し、歯科は医療の質を注視すること。および歯科は、口腔内の専門家とともに栄養の専門家であってほしいとした。

◆懇親会の模様

総会、記念講演後に開催された懇親会には、記念講演を行った田辺氏も参加し、さらに国会議員、都議会議員や協会顧問弁護士、顧問税理士、友誼団体関係者も加わって議論を重ね、さらに交流を深めた。

懇親会会場で壇上に上がった新役員オールキャスト

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

来たる6月18日(日)午後2時から、当協会の第45回定期総会が開催される。その第2部の記念講演「近未来の日本の医療と歯科」の講師を務める医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏が、本日15日午後4時半、協会事務局を訪れ、当日のスライド資料ほかの最終調整を行った。そのなかで田辺氏は、「明るいイメージを抱いて歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!」と重ねて強調された。

田辺氏作成の資料は、当日の記念講演とともにご覧いただくこととなるが、ここでは、協会の機関紙に2015年9月1日号(No.546号)~2017年2月1日号(No.563号)に連続掲載された『歯科医療点描』全18回分を再編集したものをご紹介させていただく。表記をクリックしていただき、全6ページ18話のPDF版をご覧いただきたい。また、記念講演の柱の一部は、この連載内容をベースに、さらに詳しい内容出会届けすることとなっており、18日(日)午後4時30分から中野サンプラザ11階「アネモルーム」で開催する記念講演に、ぜひお越しいただきたい。当日のご参加も大歓迎です。

◆田辺功氏略歴

たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

★「歯科医療点描」全18話PDFダウンロードはここをクリック!!

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

来たる6月18日(日)に協会の第45回定期総会が開催される。会員各位には、既に当日の「定期総会議案書」をお届けさせていただいた。

先ずは、その裏表紙をご覧いただきたい。

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この定期総会で午後4時30分から開催する第2部記念講演「近未来の日本の医療と歯科」で講師を務める田辺功さん(医療ジャーナリストで元朝日新聞で医療問題に専門に取り組む科学部所属で編集委員も務めた)と、当日の聞き所などについてうかがってみた。同じく当日司会を務めるコーディネーターの早坂美都理事(広報・ホームページ部担当)との“放談”は90分に及んだ。

◆近未来の歯科の議論にフロアーも引き込む

田辺功さん。医療問題を取材して半世紀のキャリアを持つベテランだ

今回の田辺さんの視点としては、「広く日本の医療を捉え、その方向を占った上で、歯科医療に話題を絞り込み、2016年診療報酬改定とその後の歯科医療の現場での状況から、今後の歯科の進むべき方向を割り出す。

もちろん、18年度改定も視野に入れてのこと」と、医療問題を取材して半世紀に迫る経験と見識などをベースに、現在の歯科の問題を一歩進める方向に引っ張っていく。しかも、「参加者はすべて会員=現役歯科医師のため専門用語も使って話を進める。こうした流れの先に、“近未来の日本の歯科”について言及して行く。もちろん、診療現場での患者対応、設備や人員などの必要経費などを含めた形での正当な報酬の方向、現実的な診療所運営に関する一工夫なども話題に取り込む…」。とかなり欲張った内容の講演となりそうだ。

広報・ホームページ部担当の早坂美都理事。協会機関紙の「きき酒いい酒いい酒肴」や記名記事で読ませる文章が得意。今回は総会記念講演のコーディネーターを務める

一方、コーディネーター役を務める早坂理事は、臨床現場での実情を踏まえ、適時、日々の診療や同じ歯科医師仲間との情報交換などの中で把握したホットな話題を提供し、田辺さんとも軽快なやり取りをしながらフロアーを議論に引き込み、あるいは意見を募り、議論の輪を広げていく。

 

 

 

 

 

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

6月1日の署名集会とあわせて実施した国会議員要請行動では、共産党衆議院の宮本徹議員との懇談を行った。

宮本議員に対して協会の橋本健一理事は、現在歯が多いほど医療費が少ないこと、8020達成者は医科・歯科共に医療費が少ないことなどをデータをもとに説明。さらに、総医療費に占める歯科医療費は7%以下となっており、基本的な診療項目の診療報酬が上がらない、新規項目・技術がなかなか導入されないことなどを説明し、「このままでは口腔と全身の健康問題への対応など、歯科における疾病構造の変化に対応することができない」と、歯科の現状を訴えた。

宮本議員も橋本理事の説明に大きくうなずくとともに、患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるため、患者負担・窓口負担を減らすことが大切であると指摘するとともに、歯科での感染症対策などにもコストがかかるが今の診療報酬などでは対応できず厳しいことなどにも言及し、歯科医療への理解を示した。

橋本健一理事:歯科の現状のほか、診療報酬の充実と患者負担軽減は両輪であることを説明

宮本徹議員。患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるとの認識

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

全国保険医団体連合会(以下、保団連)と「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は1日、「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を衆議院第1議員会館内で開催した。

今回の署名提出集会は、今年度より、①70歳以上の患者負担限度額(高額療養費制度)の引き上げ、②65歳以上の療養病床の患者に対し、新たに居住費負担、③後期高齢者の低所得者などの保険料の引き上げなど段階的に進められる中で、医療・介護の負担増中止を求めるために開催された。「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の署名提出集会は、歯と口の中を健康な状態に保つことち前新進の健康は深く関係していること、国民がお金の心配をせず、歯科医療を安心して受けられるよう、窓口負担の軽減、さらに歯科医療の保険適用範囲拡大を求め開催されたもの。

国会会期中にもかかわらず、衆議院から郡 和子議員(民進党)、初鹿明博議員(民進党)、柚木道義議員(民進党)、升田世喜男議員(民進党)、田嶋 要議員(民進党)、中島かつひと議員(民進党)、畑野君枝議員(共産党)、堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)の各議員。

参議院から川田龍平議員(民進党)、岩渕 友議員(共産党)、武田良介議員(共産党)が駆け付け、挨拶し続けて「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名を各議員に託した。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「政府・行政は社会保障の削減について、『無い袖は振れない』と初めから患者負担増ありきで話が終わる。それで済ませるのではなく、歳出・歳入を見直して、患者さんが安心して医療を受けられるように政策を見直してもらいたい」と訴えた。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。