年末年始休診日 案内ポスターのご案内
年末年始の休診日にご使用いただける『休診日案内』をご用意いたしました。
ご入用の方は、お好みのデザインをダウンロードのうえご使用ください。
郵送をご希望の方は、お電話でお申し込みください(03-3205-2999)。
以下よりPDFをプリントアウトもできます。卓上型は組み立ててお使いください。
▶こちらをクリック 年末年始休診日のお知らせポスター(A4サイズ)
年末年始の休診日にご使用いただける『休診日案内』をご用意いたしました。
ご入用の方は、お好みのデザインをダウンロードのうえご使用ください。
郵送をご希望の方は、お電話でお申し込みください(03-3205-2999)。
以下よりPDFをプリントアウトもできます。卓上型は組み立ててお使いください。
▶こちらをクリック 年末年始休診日のお知らせポスター(A4サイズ)
9月13日にGoogleの検索結果の順位(例えば、地域名と歯医者などと検索した場合に表示される順番のこと)が大幅に入れ替わる可能性のある改修(アップデートと呼ばれる)が行われました。そこで今回は、「SEO」と呼ばれる「検索サイトの最適化」について考えてみます。
営業電話等で「おたくのホームページは順位が低いので月額○○万で上位にしますよ」という内容を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。検索サイトの順位向上は、すでに20年以上も前から試行錯誤が繰り返され、専門業者を名乗る企業も雨後の筍のごとく乱立していました。
近年では、SEO業者に支払う費用をGoogle広告に支払ってほしいという思いなのか、2012年7月頃から人為的に検索順位を操作することが困難になりました。結果としてSEOをサービス事業のメインにしていた業者は、「Googleマップの表示順位を上げます」(このサービスも現在は順位が上がらなくなってきています)となり、その後は「口コミの削除を行います」(簡単に消すことはできません)などと看板を差し替え、手を変え品を変えて勧誘電話をかけてくるようです。検索順位で競合する他院よりも下になると、「自分の診療所が下のランクになった」ように感じる方や、上位の診療所にはさぞたくさんの新患が来院しているのではと思われる方も多く、どうしても気になるようです。しかし、実際には、毎日変わる検索順位が診療所の格付けになることはありませんし、上位にランクインしても診療所には「通院できる距離」というビジネスの縛りがあるので、思ったほど順位が患者数に大きく影響することはありません。
一番良いのは検索順位など気にすることなく、素敵な診療所づくりに注力することですが、相談内容のトップ3に必ずこのSEOが入ってきますので、次回はもう少し細かくSEOについて考察していきます。
株式会社クレセル
(東京歯科保険医新聞2022年10月号4面掲載)
―はじめに
本連載では、社会保険診療報酬支払基金の概要とともに、特に、皆様とのご縁が深い審査支払業務に関し、適正なレセプト請求に向けての私見もあわせて紹介させていただきます。
―支払基金の位置づけ
戦前と戦後すぐの時期は、「歯科医師会」が歯科の審査支払業務を担ってきましたが、1947(昭和22)年に当時の歯科医師会は解散させられ、混乱が生じたため、1948(昭和23)年に新たに審査支払業務を担う「特殊法人」として支払基金が発足。その後、行政改革の一環の中で2003(平成15)年に「特別の法律に基づく民間法人」へと移行しています。
支払基金の特徴は、診療担当者代表、保険者代表、被保険者代表、公益代表から同数ずつの役員で構成されている「中立の第三者機関」という点です。一時、国民健康保険(国保)の審査支払業務を行っている各都道府県の「国民健康保険団体連合会(国保連)」およびその中央組織の「国民健康保険中央会(中央会)」と、支払基金を統合すべきという議論が起こりました。
しかしながら、国保連や中央会の役員構成は主として首長という「保険者」そのものであって、組織体としては「中立の第三者機関」という性格ではありません。また、審査支払業務以外の業務は両者で大きく異なり、現在では審査支払システムの共同開発や審査基準の統一など、審査支払業務を中心に連携を図っているところです。
―支払基金の業務の概要
表1に示すとおり、主な業務としては、①審査支払に関する業務、②保健医療情報の活用に関する業務、③保険者等との財政調整等に関する業務―の3つがあります。
支払基金発足以来、皆様とのご縁が深いのが、いわゆる「社保」のレセプトの審査支払業務で、近年ですと、新たに「オンライン資格確認等システム」の運用など歯科医療現場におけるDXの一翼を担うこととなり、顔認証付きカードリーダーの導入などでも皆様とのご縁が深くなってきています。
次回以降、審査支払に関する業務の概要、審査結果の都道府県間の不合理な差異解消に向けての取り組み、適正なレセプト請求に向けてご留意いただきたいこと、審査結果(査定)に対する疑問等への対応について、紹介させていただきます。
表1.社会保険診療報酬支払基金の主な業務
| ①審査支払に関する業務 | 主として被用者保険(いわゆる「社保」)における診療報酬の適正な審査と迅速な支払を行っています。審査においては、医学・歯科医学的な観点を踏まえ、保険診療(診療報酬点数表、療養 担当規則等)に適合するかどうかを確認しています。さらに、「紛争処理機関」として、医療機関や保険者から申し立てがあった場合には、再審査を行っています。 |
| ② 保健医療情報の活用に関する業務 |
オンライン資格確認等のシステムの運用、電子処方箋管理サービスの開発、健康スコアリングレポートの作成、データヘルスポータルサイトの運営、NDBの受託業務などを行っています。データヘルス改革の確立に貢献する役割を担っており、今後、医療におけるビッグデータ分析、医療DXの中核機関としての役割が期待されています。 |
| ③ 保険者等との財政調整等に関する業務 | 日本の公的医療保険は、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療等に分かれており、医療費が増嵩しやすい高齢者の割合が大きい保険者は財政が厳しくなる状況にあります。そのため、保険者間の財政調整が法律で定められ、法律に基づき、財政調整業務を行っています。また、特定健診等の決済代行、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給などの業務も行っています。 |
山本光昭 / 社会保険診療報酬支払基金 理事
やまもと・みつあき 1984年3月、神戸大学医学部医学科卒業後、厚生省に入省。横浜市衛生局での公衆衛生実務を経て、広島県福祉保健部健康対策課長、厚生省健康政策局指導課課長補佐、同省国立病院部運営企画課課長補佐、茨城県保健福祉部長、厚生労働省東京検疫所長、内閣府参事官(ライフサイエンス担当)、独立行政法人国立病院機構本部医療部長、独立行政法人福祉医療機構審議役、厚生労働省近畿厚生局長などを歴任し、2015年7月、厚生労働省退職。兵庫県健康福祉部医監、同県健康福祉部長、東京都中央区保健所長を経て、2021年4月より現職。
専門紙記者から見えた先天性の歯科疾患
私は1954年に口唇口蓋裂児として生を授かり、歯科界に身を置き現在に至っています。まさに歯科界にお世話になっている人間です。歯科専門紙記者として、齲蝕、歯周病、義歯、インプラントなどの関連学会ほか、日本歯科医師会代議員会、日本歯科医師連盟評議員会、日本学校歯科医会評議員会、日本歯科技工士会代議員会(当時)、厚生労働省の関係有識者会議、中医協などを取材してきました。当然ですが、日本口蓋裂学会の存在は承知していましたが、専門紙の読者は関心がありませんし、社内の編集会議でも話題になることはありませんでした。先天性の歯科疾患は、一部の専門の歯科医師が携わる特殊な分野で、一般的な歯科医師からは関心外に置かれていると痛感しました。
丹下一郎先生のこと
母は16年1月に乳がんで亡くなりましたが、遺品を整理している中で、1枚のかなりの年月を経たと思われるハガキが目に留まりました。私の口唇口蓋裂を執刀した丹下一郎先生(当時/東京大学医学部形成外科、現在/順天堂大学名誉教授)からのものでした。その一文に「わたくしは今後とも、顔かたちの変形に悩む方々をお救いすることを一生の念願とし、あなた方の友として診療を続けて参りたいと思っています」とありました。先生の患者に対しての医療人としての率直な優しい思いが伝わりました。
私自身、瘢痕がある顔貌でここまで年月を重ねて来ましたが、特別イヤな思いは、正直なところ“ゼロ”ではなかったですが、気持ちの中で苦悩した記憶はありません。
母の自責の念
一方で、この瘢痕のことを母に質問することはしなかった、というより敢えて避けてきたのかもしれません。というのも、口唇口蓋裂児を生んだ母親は、「私が悪かった、妊娠中にもう少し注意していれば、本人に一生辛い思いをさせることはなかったのに」「できるなら、私が代わってあげたい。本当に申し訳ない」といった自責の念にとらわれた言葉を吐露していることを、日記から知っていました。そのことを思うと、問いただすようなことをしては、母に「やはり勝は、私を責めている」と思われはしないかと察し、自然に“事実を受け入れて普通に生活すればいい”と思ったのです。
最善を尽くしての治療
こうした経緯の中で、少なくともハガキの文面から伝わる当時の外科学の技術を駆使し、最善を尽くして下さった丹下先生ほか関係者の方々に“感謝したい”という気持ちが募ってきました。昭和30年代当時と現在の外科手術レベルの相違はありますが、その当時において最善を尽くして対応していただいたことがすべてなのです。亡き母は慈恵医大(実父・内科医の母校)に献体した人間ですが、篤志献体の組織「白菊会」のある年の定例総会で、矯正歯科医の福原達郎先生(昭和大名誉教授)がその特別講演の中で、「『医療人は患者に対しての治療には最善を尽くし、患者の気持ちを鑑みる上では優し過ぎるということはない』と述べたようで、その言葉が強く印象に残っている」と生前、母は言っていました。
一般的に口唇口蓋裂の治療には、口腔外科、矯正歯科、小児歯科、一般歯科、形成外科、耳鼻咽喉科、言語療法などが関わる分野ですが、各専門家が患者への思いを込めて最善を尽くしての治療があったことで、現在の自分があることを改めて痛感しています。振り返ると特に、今でいう「かかりつけ歯科医」であった故 清信弘雄先生を始めとする歯科医師・歯科関係者には本当にお世話になり、また今回、コラムを書かせていただくことになり、改めて歯科がもう少し社会から正当に評価されることを期待して、時には耳の痛い指摘などもあるかもしれませんが、ささやかな経験からの思いを綴っていきますので、何卒よろしくお願いいたします。
奥村 勝

(東京歯科保険医新聞2022年10月号10面掲載)
◆奥村勝氏プロフィール
おくむら・まさる オクネット代表、歯科ジャーナリスト。明治大学政治経済学部卒業、東京歯科技工専門学校卒業。日本歯科新聞社記者・雑誌編集長を歴任・退社。さらに医学情報社創刊雑誌の編集長歴任。その後、独立しオクネットを設立。「歯科ニュース」「永田町ニュース」をネット配信。明治大学校友会代議員(兼墨田区地域支部長)、明大マスコミクラブ会員。
政府は、2023年4月1日から保険医療機関などで「オンライン資格確認(電子資格確認)システム」(以下、「オン資」)の義務化を決め、医院に直接導入を促す電話がかかってくるなど、圧力ともとれる様々なアプローチが行われています。協会には現在、会員の先生方から「オン資」に関して数多くの問い合わせがきています。協会の「オン資」に対する考えは、9月号で経営管理部長談話(協会ホームページに掲載)、そして本紙2面の理事会声明に示しています。ぜひ、ご確認をお願いします。
すでに「オン資」の運用を開始している、または準備が完了、あるいは準備を進めている先生など、対応されている方が私の周りにいらっしゃいます。しかし、すでに対応されている先生方からもその運用に多くの疑問の声が寄せられています。他方、「オン資」の導入に迷われている先生が少なからずいらっしゃるのが現状です。
確認させていただきますが、現時点で協会は、あくまで「原則義務化」の撤回を訴えています。当然のことですが、将来の歯科医療のために医療の「ICT化」や「デジタル化」は避けることではなく、構築のため推進すべきと考えています。しかし、すべての保険医を対象とした今回の「原則義務化」には、素直に同意することはどうしてもできません。このことは8月26日から開始させていただいた「義務化に関するアンケート」「義務化撤回を求める署名」で多くの先生方が賛意を示されています。なお、このアンケート、署名の実施は、当初実施期間を9月末までとしていましたが、9月22日の2022年度第11回理事会において、会員の先生方のご意見を反映させるために、さらに実施期間を延長することが承認されました。まだご対応されていない先生は、WEB署名、あるいはFAXによる署名およびアンケートの回答をお願いします。結果は、随時保団連が収集したデータとあわせて関係各位(議員、厚労省、メディアなど)に伝えるデータとして活用させていただきます。
「対応が困難である」と協会に相談される先生の事情は様々です。例を挙げると「地域的に光回線が不通」「建物の構造上、導入費用(回線整備など)が高額になる」などの物理的問題、また「高齢で閉院予定がある」「小規模で対応するスタッフがいない」「患者数が少ない」などの個人的問題など、多種多様です。すなわち、「電子レセプト請求」を理由にして、一律に導入の義務化を押し付けられることはどうしても理解できません。
「オン資」の原則義務化撤回を求める運動を全国規模で行っている保団連と協働しています。また、この案件の先に様々な問題があると考えています。以下に抜粋して示します。
・「オン資」の「原則義務化」を多くの医療機関に義務付ける必要性、合理性が理解できないため、導入は医療機関ごとの任意の判断に委ねるべきです。
・現状、患者側は保険証で受診することに問題がなく、マイナンバーカードで医療機関を受診したいと望んではいません。
・「23年4月までに義務化」と一方的に提示されたスケジュールは、個々の医療機関の状況を考慮していません。
・マイナンバーカードの院内での紛失・盗難、マイナンバーの漏洩などについてすべて医療機関側が責任を負わなければいけないことになっています。
国民に対してのマイナンバーカード取得義務化・普及のために医療機関を利用して、多くの負担を我々に強いる原則義務化は理解できません。今後も協会は、「オン資」導入の「義務化撤回」に向けて取り組んでいきます。
なお、導入に関して不安がある、疑問がある先生は、協会までお問い合わせください。また、先生方の意見を厚労省に伝えていきますので、ぜひご意見をお寄せください。
東京歯科保険医協会 会長 坪田 有史
(東京歯科保険医新聞2022年10月号8面掲載)
2009年の衆議院選挙で民主党が勝利し、政権交代が起きた。そして、社会保障審議会医療部会の審議の中で、医療費の底上げと配分の見直しが提起され、歯科も充実すべき分野として位置付けられた。
同時期の英国では、保守党のサッチャー政権とそれに続くメジャー政権により、国営医療制度NHS(National Health Service)が疲弊。政権を奪還した労働党のブレア政権およびそれに続くブラウン政権が医療費全体の底上げを目指すことなどで、なんとかNHSの蘇生を図ろうと取り組んでいた頃である。
―10年度改定の特徴
10年4月の歯科診療報酬改定の主な項目を見ると、下記のようになる。
【基本診療料】
・初診料 182点→218点
・再診料 40点→42点
【歯科疾患管理料 月1回】
歯科疾患管理料は、1回目130点、2回目以降110点であったのが、110点に統一された。
初診料は36点引き上げられたが、その中身は歯管の中から基本的医療行為の分20点、スタディモデルの包括化等で16点を絞り出す枠内操作である。
次に、義歯管理料にも見直しの手が入り、左記のようになった。見た目には分かり易くみえるが実質減算で、有床義歯調整管理料30点を新設し、月2回まで算定可能とし、辻褄を合わせた。
【義歯管理料の見直し】 ・義管A 100点×装着
1カ月以内月2回→装着 月150点
・義管B(70点 2・3カ月目)
・義管C(60点 4カ月~1年)
【歯周疾患に関して】
歯周基本治療の再治療の場合の評価を30/100→50/100へと引き上げたが、これも枠内操作で長期の治療対象患者でなければ減算となる。その一方で、歯周病安定期治療は150点を300点へと引き上げ、同時に3カ月毎の期間制限、および経過年数での漸減制を廃止し、毎月1回の算定と長期管理へのシフトを促す改定とした。
10年度改定における歯科の改定率は10年ぶりに医科を上回ったが、歯科の医療費は95年以降2兆5000億円台で横ばい状態であった。その原因の一つは、前装鋳造冠以降、新しい技術・項目の導入がないこと。 また、補管は長期維持管理を評価しているとはいえず、か初診に代表される初診料へのこだわりや、枠内操作での見せかけだけの増点といえる。
中医協の医療安全に関するコスト調査の結果を見ても、初診時のコストよりも再診時のコストがかかる歯科は、ホスピタルフィーとしての再診料の大幅な引き上げを目指すべきではないか。
なお、これより2年後の12年度改定では、長期維持管理路線がらみの目立つ改定はなかった。
―14年度改定の特徴
続く14年度改定においては、まず、歯周病安定期治療に対し、点数引き上げが行われた(一律300点の点数であったのを、歯数に応じた評価に変更した)。具体的には、
・1歯~9歯 300点→200点
・10歯~19歯 300点→250点
・20歯以上 300点→350点 となった。
これは、16年度改定において、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」、いわゆる「か強診」の導入という大きな変更につなげられ、継続的な管理に対する高い評価のスタートとなった。
また、管理項目はう蝕・歯周病・在宅をセットしたものとなった。
・う蝕に関してはエナメル質初期う蝕フッ化物塗布処置を行う。
・歯周病に関しては歯周病安定期治療を行う。
・在宅患者に対しては在宅患者訪問口腔リハビリテーションを行う。
ただし、「外来環」と「歯援診」の施設基準要件を満たした届出が必要なため、参加へのハードルは高いといえる。
なかがわ・かつひろ:1967年東京歯科大学歯学部卒業、1967年桜田歯科診療所開設、1981年東京歯科保険医協会理事、昭和大学医学部医学博士授与。1993年協会副会長、2003年協会会長、2011年協会会長を辞し理事に。2022年理事を勇退し協会顧問に就任。
7月25〜31日、東京・銀座のギャラリー暁で「第38回東京保険医美術展〜2022〜」が開催された。都内の医師を中心に27作品が展示され、協会からは早坂美都理事を含む、3名の先生が出品した。
早坂理事は、ろうけつ染めの日傘2本をお披露目。淡い赤、青、黄の水玉が鮮やかに日傘を彩り、酷暑の夏に一瞬の涼を感じさせる作品や、花柄を散りばめ、幻想的な世界観が印象的な一品を飾った。
会員の長尾広美先生は、「Eternal radiance」(和訳:永遠の輝き)というタイトルのもと、スワロフスキーを使った曼荼羅を。均整の取れた煌びやかな作品は、自然と足を止めてしまう存在感を放った。さらに、会員の渡辺吉明先生は3枚の写真を展示。両国駅に並ぶ雛人形、上野公園のハスのつぼみなど、季節感溢れる作品が並んだ。以下に作者の先生より寄せられたコメントを紹介する。

▽早坂美都
昨年に続き、ろうけつ染めの作品2点を出展した。昨年は名古屋帯、今年は日傘を二つのデザインで染めた。
溶かした蝋を筆などで布に塗って模様を描き、染料にて染色し、蝋を落として水洗いする。蝋を塗った部分は染め抜かれる。複数の染色のときは、この工程を繰り返す。蝋に、乾燥ひび割れを入れることによって、独特の亀裂模様を作り出すことも多い。
ろうけつ染めは「バティック」とも言い、インドネシアやマレーシアの特産品になっている。ユネスコの無形文化遺産にも登録されているそうだ。日本では 正倉院宝物に見られるなど、 天平時代から見られる染色技法である。着物などの反物の染色によく見られ、京都の京友禅でも「ろうけつ友禅」がある。今回は水玉と草木のデザインを蝋で描いた。布地は麻で、持ち手は竹である。麻は風を通し、涼やかなので、猛暑をこの傘で乗り切りたい。
▽長尾広美
曼荼羅作家活動を始めて10年弱、よく「曼荼羅とは何か」と聞かれます。いろいろ解釈はありますが、私はあまり小難しいことにこだわらず、アートの表現手段として捉えています。心赴くままに文様やクリスタルビーズを駆使して仕上げていく過程は、歯科医として外へと気持ちを向けている自分が唯一内へ向かうことができる時間だと感じています。
修正の第1は、システム導入の補助金の大幅な拡充だ。診療所なら4分の3補助から42万9千円を上限に、実費補助とする内容だ。その狙いは、来年4月からの医療機関でのシステム運用義務化方針にも関わらず、全医療機関における運用段階に至った割合が現状26%、診療所で18%程度にとどまる普及の後れを取り戻すことにある。
第2は、診療報酬での加算制度の変更で、これは大問題だ。本年4月に導入したばかりの当該システム運用の医療機関への加算を廃止し、10月から制度を刷新するというものだ。当該システムを運用する医療機関で、いわゆる「マイナ保険証」を使った場合の加算を見ると、現行では初診で70円(患者の自己負担は最大3割で21円)だったのが20円(同6円)になる。その一方で、当該システムを運用する医療機関で従来の保険証を使った場合の初診加算は、現在の30円(患者自己負担最大9円)から40円(同12円)になる。
マイナ保険証を使った患者の自己負担額が、使わない患者に比べて、今は12円高いのが、逆転して6円安くなる。マスコミ報道を契機に、国民の中から「マイナ保険証にしたのに料金が高くなるのはおかしい」という声が上がった。これを聞いて慌てたのが、今回の「朝令暮改」の真相だろう。この変更による金額は小さいが、本来は医療機関が提供する医療サービスへの対価(公定価格)であるべき診療報酬(今回は加算)のはずが、実際には別の算定基準が紛れ込み、役所の恣意性も含め、あいまいに決められているのではないか、と国民に疑念を抱かせかねないものだ。
半年で当該システムによる医療サービスの質が変わるわけはないが、マイナ保険証を使う場合の加算を70円から20円へ下げ、使わない場合は30円から40円に引き上げるのはなぜか。
当該システムを運用する医療機関でマイナ保険証を使えば、特定健診や複数病院にまたがる薬剤情報を病院などが利用でき、併用忌避薬の回避など患者もより良い医療サービスを享受できる。患者の自己負担分も含めた医療サービス向上の対価としての値段を上げるというのが加算の根拠ならば、そのサービスを享受できない従来の保険証を使う場合に比べ、高くすることがむしろ当然。現状の加算の在り方もこの理屈に立つはずだ。
国民からの疑問には、そう答えて従来方針を堅持すればよいはずだが、厚労省は批判を受けて腰砕けになった。国にも「加算=サービス対価」とはいえない別の加算根拠があるからに他ならない。当該システム普及(国のデジタル化の大きな柱でもある)という国策普及のインセンティブとしての加算であろう。厚労省もこの点は折に触れて語っているから、間違いはないはずだ。
インセンティブとしての加算であるとすれば、国の“迷走”にも納得がいく。進まないシステム普及のためにマイナ保険証使用での加算は下げ、マイナ保険証不使用の料金は上げて逆転させる。マイナ保険証不使用の場合に加算(料金)を引き上げるのは、国策に従わない国民に対する一種の「ペナルティ」と言えるのかもしれない。
従来の保険証を使う場合は、マイナ保険証利用者より医療サービスの質は下なのだから、加算は低くて良いはず(あるいは、今とサービスは変わらないはずだから、加算はゼロでいいはず)という青臭い「診療報酬(加算)=サービス対価論」は、ここでは成立しない。これが暗黙の国の理屈なのだろうが、これで国民が納得するかは別物。8月の中医協でも支払い側委員は「加算の対価としての患者メリットがはっきりしない」点などで、10月の制度変更に疑問を呈した。まさしく正論である。
結果的には、こうした疑問への対応として「患者・国民の声を良く聴き…(中略)…医療の質の向上の状況について調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合には速やかに対応を検討する」ことなどの付帯意見を付けることで、中医協では了承を取り付けた格好だ。
日本医師会は、来春の原則義務化に賛成した。5月の中医協では拙速な義務化に強く反対していたが、会長交代もあってか、国との協調路線に修正した感がある。このことは、国としてのシステム義務化に向け、大きなステップを超えたことになろう。
筆者:東洋経済新報社 編集局報道部記者 大西 富士男
(東京歯科保険医新聞2022年9月号10面掲載)
3年ぶりに現地会場で会員地区懇談会を北千住(城東7月16日)、大井町(城南7月23日)、立川(多摩7月30日)で開催した。「いまさら聞けない?CAD/CAMインレーや総医など改定後の疑問点を解決しよう!」と題し、2022年度診療報酬改定の内容で講師陣が直面した実際に困った事例や協会に多く寄せられた相談をもとに事前にアンケートを行った上で、参加した会員の疑問点を中心に話題提供を行い、実際に困っている点、具体的な事例など交え発言してもらい、懇談を行った。
懇談時に、「CAD/CAM冠の症例数の実態や実際どれくらいの割合で他の診療所は請求を出しているのか知りたい」「オンライン資格確認の電子加算が新たに創設されたが、どのくらいの診療所が導入し、算定しているか状況を知りたい」などの日々の業務に直結する質問が寄せられ、協会講師陣が自分自身でどのように対応をしたかという具体例や現在都内の歯科診療所がどのような状況になっているかなどを丁寧に回答し、懇談した。
終了後アンケートでは「知らなかったことも多くあり、今後の診療に活かしていける内容でした」「直接会場に参加したことで、近くの先生方の状況などを知ることができ、少し安心できた。また次回も参加したい」といった感想が寄せられた。
開催直前にコロナの感染者数が爆発的に増加したこともあり、開催が危ぶまれたが、現地で直接聞くことのるメリットは大きいとの声もあり、可能な感染対策を講じ開催した。
これからも会員地区懇談会は感染状況を注視しつつ、会場で開催していく予定だ。既にご参加いただいている会員はもとより、まだ参加されていない会員は、ぜひ一度ご参加いただき、協会に直接意見をお寄せいただきたい。

協会は8月7日、ワイム貸会議室高田馬場にて、第1回スタッフ講習会「TBI&PMTC・デブライドメント」を開催した。講師は、古畑歯科医院勤務の歯科衛生士の波多野映子氏が務め、43名の歯科衛生士が参加した。3人掛けのテーブルに一人のみの着席とするなど、新型コロナ感染防止対策を徹底し、万全を期しての開催となった。
今回は、「ライフステージに沿った口腔衛生指導」をテーマとするTBIに関する声掛けや口腔衛生指導方法の講義、また「プロフェッショナルケアの極意」をテーマに歯科衛生士の実践的立場からPMTC・デブイドメント、歯周治療とSPTに関する講習を行った。波多野氏は古畑歯科医院の多くの症例を用いつつ、指導方法や患者さんへの声掛け方法を紹介した。参加者からは、「実際の症例を用いての講義でわかりやすかった」「患者さんの症状に合わせた声掛けのヒントを紹介されとても参考になった」などの感想が寄せられた。
TBI&PMTC・デブライドメントの講習会は来年度も開催予定。協会では、会員のスタッフ向けの講習会を定期的に開催しているため、スタッフ教育や研修にぜひご活用いただきたい。
当協会も反対してきた75歳以上で一定の所得がある患者の負担割合が、10月より1割から2割に引き上げられる。配慮措置はあるものの、複雑な制度による窓口での混乱、受診抑制、そのことが原因での重症化が懸念される。

10月からの負担割合変更に伴い、今年は通常の7月に続いて9月にもすべての75歳以上の後期高齢者に対して新しい被保険者証が発行される(表1)。10月以降に診療をする際には、窓口で水色(東京都の場合)の被保険者証の提示を求めて確認する必要がある。
窓口負担の増加額の上限を3,000円とする配慮措置が、2025年9月まで設けられている。この配慮措置は、同一医療機関での受診の場合は払い戻しではなく現物給付となっているため、医療機関で診療毎に計算し、1カ月当たりの負担増加額が3,000円を超えないように負担金を領収することになる。
今のところレセコンメーカー側で対応する予定となっているが、仕組みとして、負担増加額が3,000円以上になった場合は2割負担から1割負担+3,000円に変更となり、患者への説明など窓口業務が煩雑になることが懸念される(表2)。
複数の医療機関を受診している場合は、合算した1カ月当たりの負担増の上限を3,000円とする配慮措置もあるが、超えた分は最短で4カ月後に患者自身が事前登録した口座へ払い戻される。口座が登録されていない患者には、9月中旬に申請書が郵送される。後期高齢者である患者には、その手続きの負担も増えることになる。
例えば、後期高齢者である患者Aさんは、「値上がり前に治療できないでしょうか」と主治医に相談をしたとする。10月から負担割合が1割から2割になる可能性があり、家族と相談し、値上がり前に治療を終えたいと考えたようである。このような相談が医療機関で頻発することが危惧される。しかし、歯科治療は症状によって一定の期間が必要になることもあり、すべての治療を9月でまに終わらせることは難しいケースも少なくない。
岸田文雄首相は、物価・賃金・生活総合対策本部を立ち上げ、物価高騰に関する追加対策策定を指示する方針を示した。ただし、追加策はエネルギーと食料品に集中して講じるとしており、医療については触れていない。
10月から負担割合が2割になる対象は約370万人であり、75歳以上の患者の2割にも相当する。引き上げを中止する、あるいは窓口負担金について対策を講じるべきである。
中医協総会で、医療等におけるオンライン資格確認システム導入が、2023年4月から原則義務化される方針案が了承され、厚生労働大臣に答申された。
この義務化は、療養担当規則において紙レセプト請求以外の医療機関にオンライン資格確認システムの体制整備を義務付けるとともに、診療報酬の変更、補助金の内容を見直して体制整備を強制する内容である。
システム導入普及率の遅れを取り戻すべく政府・行政は、「電子的保健医療情報活用加算」から「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」に10月から再編するなど、医療機関から提供する医療サービスへの対価であるべき診療報酬の在り方を歪めた。
現在、全医療機関における運用段階に至った割合は現状26%、医科診療所では17.5%、歯科診療所では18.1%である。2023年3月末までに義務化となれば、その導入準備は困難を極める。
オンライン資格確認システムを導入した医療機関からは、システムの不安定さや情報漏洩のリスク、院内ネットワークの障害、患者への窓口対応、医療機関での導入コスト、ランニングコストの問題も指摘されるなど、問題点は残されたままだ。
ほかにも訪問診療や生活保護の患者さんへの対応もできておらず、システム改善が行われない状況では、導入を義務化すべきではないという意見が上がっている。
政府・行政は場当たり的な施策によって医療機関、また国民に負担を強いるのではなく、コロナ禍で疲弊した医療機関等の立て直しに向けて施策すべきだ。医療機関と国民に疑念を抱かせたことに猛省を促したい。オンライン資格確認システム導入の義務化の撤回を求める。
2022年9月8日
東京歯科保険医協会
第10回理事会
前回は、2000年診療報酬改定で登場した「か初診」(かかりつけ歯科医初診料)の算定要件等と、その後、橋本龍太郎元首相への献金問題を経て2006年度改定で「か初診」廃止
に至るまでの経緯を紹介した。
ところで、「か初診」導入時の2000年から2002年に向けては、膨張する医療費をどうするのかが政権のテーマとなり、混合診療が取り上げられた時期でもあった。歯科では、従来から補綴の金属床総義歯と歯冠修復物に関しては特別な料金(自費)と認められていた。歯周病に関してP特養が医療保険の特定療養費(保険)に適合するかどうかが厚労省医療保健福祉協議会作業委員会で検討され、「継続的な治療管理は保険診療特定療養費の活用」との報告がなされ、中医協の診療報酬基本問題委員会でも「再発抑制に必要なセルフケアを継続して行く上での指導管理の評価」が議論の中心となり、この流れの中で「か初診」廃止後はこの保険者主導の長期管理路線が以降改定ごとに少しずつ取り入れられて来ていると言える。
| 月に1回 | 基本治療あり | 基本治療なし |
| 1~9歯 | 310点 | 210点 |
| 10~19歯 | 450点 | 270点 |
| 20歯以上 | 620点 | 360点 |
2002年4月、日本歯周病学会は「治癒と病状安定」の考えの流れを示すフローチャートを発表し、2002年4月の診療報酬改定では、メインテナンスに係わる総合評価として「歯周疾患継続治療診断料100点」が新設され、1~3カ月間隔で再診時に歯周組織検査・歯周基本治療・指導管理を行った場合に歯周疾患継続総合診療料として表1を算定する取り扱いとなった。
2005年は、小泉純一郎首相による衆議院の電撃解散によって小泉劇場の幕が切って落とされた。基本政策は当時の英国のサッチャー政権と同じ小さな政府であり、構造改革路線の延長として「財政再建」を打ち出した。その中の一つが「医療制度改革」であり、これを受けて厚労省は2005年10月19日、「医療制度構造改革試案」を発表、2025年に向けての医療費の伸びの削減方向を示した。その中で短期的な方向として、①公的保険給付の内容・範囲の見直し、②診
療報酬改定―の2点を挙げた。政府は2005年12月1日、「医療制度改革大綱」を決定。すでに廃止の憶測が流れていた「か初診」は、2006年4月の診療報酬改定で廃止された。しかし、長期維持管理路線=「か初診路線」が強化される方向は変わらなかった。
マスコミは、「医療は高コスト」と表現するが、当事者の我々からすれば、日本の医療は低報酬・低コストであり、先進諸国と比較してもGDP比最低である。良質な医療を低コストで提供しているのが日本であると、WHOも認めていた。
2008年4月改定の中で政府は、「質の高い医療を効率的に提供すための視点」と180度転換、「歯科医療の充実について」との記述が加えられた。その主たるものは2007年11月の日本歯科医学会の「歯周病の診断と治療に関する指針」の発表に基づくもので、分かり易いフローチャートも発表された。その内容は表2のように、管理料の大行列となった。

なかがわ・かつひろ:1967年東京歯科大学歯学部卒業、1967年桜田歯科診療所開設、1981年東京歯科保険医協会理事、昭和大学医学部医学博士授与。1993年協会副会長、2003年協会会長、2011年協会会長を辞し理事に。2022年理事を勇退し協会顧問に就任。
政府の「骨太の方針2022」では、これまで医療機関において任意とされてきた「オンライン資格確認」のシステム導入について、「2023年4月より医療機関・薬局に原則義務付ける」としました。また、「2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指す」とともに、「システム導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す」ともしています。誰もが使わざるを得ない保険証を廃止して、マイナンバーカードの取得を事実上義務化するものです。
続く8月の中医協には、紙レセプト請求以外の医療機関等に義務付ける具体案が示され了承されました。医科診療所の97%、歯科診療所の91%が義務化対象となります。このままでは対応できない医療機関を閉院・廃業に追い込み、医療アクセスが阻害される危険性があります。
マイナンバーカードは、申請・更新の煩わしさ、カード紛失による個人情報漏洩の危惧など様々な問題があります。マイナンバーカードを取得した人は、大切に保管している人がほとんどで、国民の多くは、マイナンバーカードを保険証として利用することを望んでいません。オンライン資格確認導入の原則義務化は明らかに行きすぎです。あくまでマイナンバーカードの取得は任意です。保険証廃止後も、加入者が申請すれば保険証を交付するとしていますが、わざわざ発行申請を行う負担を国民に課すことは納得できません。これまで同様、保険証は交付したうえで、マイナンバーカードの利用は任意とする方がはるかに簡便で合理的です。
当会では歯科医師署名とアンケートを取り組みます。
ぜひ下記リンク(Googleフォーム)より歯科医師署名とアンケートにご協力ください。
会員署名はこちらから (Googleフォーム)
https://forms.gle/xTGB2KJB6PU4tLte6
会員アンケートはこちらから (Googleフォーム)
https://forms.gle/MQpfLUdWdR1MZZjP6
下記よりダウンロード、印刷いただき、FAX(03-3209-9918)で送信いただいても結構です。
| 会員署名 ダウンロード | 会員アンケート ダウンロード |
![]() |
![]() |
厚労省は2023年4月より「保険医療機関及び保険医療養担当規則」に、保険医療機関等での「電子資格確認」の実施を盛り込むことで、義務化を行うとした。しかし国民や保険医療機関は義務化に必要性を感じているであろうか。今回のオンライン資格確認システムの導入義務化は医療を利用してマイナンバーカード(以下マイナカード)普及を行う政策であることは明らかで、歯科医療に携わるものとして疑問を感じる。
オンライン資格確認システムは、マイナカードに健康保険証機能を紐づけした「マイナ保険証」を読み取る機械=顔認証付きカードリーダー(以下カードリーダー)を保険医療機関等に設置し、本人確認を行う仕組みで、国は「医療DX」の基盤と位置付けている。
マイナカードの普及はポイントを付与するなどして、普及促進を図っているが、「必要性が感じられない」「身分証明書は他にもある」「個人情報の漏えいが心配」「紛失や盗難が心配」(マイナンバー制度に関する世論調査 内閣府)などの理由で普及が進んでいない。そのため、だれもが利用する健康保険証の機能を追加し、医療機関にカードリーダーの設置を義務付けることで、導入促進を図ろうとしているのだろう。
マイナ保険証の利用に関しても問題が多い。マイナ保険証は受診の度に提出が必要である。他にもマイナカードそのものに有効期限があり期限が切れれば使用ができない、更新の際には役所に行く必要があるなども指摘されている。
カードリーダーの申し込み状況は、東京の歯科保険医療機関では47.7%(7/31現在)に留まっている。紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関等は義務化の例外となったが、東京で67.6%の歯科医療機関が利用しているCD等による請求は義務化の対象となったままである。
会員からは「保険証が有効であるか確認できる安心感がある」との声も聞くが、「カードリーダーやパソコンを置く場所が無い」「1日の来院患者が少ない当院では利用目的がよくわからない」「保険証だけで十分なのに、なぜわざわざマイナンバーを取り扱う必要があるのか、セキュリティ面の不安が増えるだけだ」など、必要性を疑問視する声が圧倒的だ。
特に問題なのは、何も知らない高齢者などが端末にマイナカードを置いてしまい、知らないうちに保険証と紐付けられて2度と紐付けを解けないことだ。さらには、その作業に医療機関が協力してしまうことも大きな問題だ。また、通信障害や機械のエラーで利用ができなかった場合、このシステムを義務化した国は患者や医療機関に対して保障をするのだろうか。医療機関としてはマイナ保険証のみを持参した患者に対して、システムが使えない場合は10割負担で患者に受診してもらわざるを得なくなる。中医協の資料では導入することのメリットしか記されていないが、根本的にシステムが使えなくなるトラブルが起こった場合の対応など、まったく起こりえないような議論しかされていない。導入を義務化するのであれば、トラブルが起こった場合の対応について十分な議論が必要なのではないだろうか。
厚労省ではオンライン資格確認システムの普及促進のため、カードリーダーを申し込んでいない医療機関等に電話をかけ、簡易書留での案内を始めた。案内を受け取った医療機関では不安になり、協会に問い合わせが多く寄せられている。
私自身カードリーダーを導入し、実際にどのような問題があるか検証した。まず、設置の為の手続きやネット環境の整備が非常に複雑で大変であった。設置工事には半日を要しその間はカルテを見る事ができず保険診療ができなくなった。また狭い受付スペースへの設置のため場所が取られ不自由している。設置4ヶ月が経過した現在、マイナカードを使用した患者はたったの2名であった。乳幼児医療費助成制度(マル乳)等を利用の場合は、受給者証を原本で確認が必要なため、窓口業務は変わらない事にも気づいた。顔認証に使用するパソコンはWindowsに限定されており、更新の度に端末が使用不能になり、業者に連絡を取らざるを得ず、数時間利用できない等の問題が発生した。幸い現在は利用者が少なく大きなトラブルにはなっていないが、患者側の立場からすれば、使おうと思ったときに使えないことがあれば、義務化を指示した国ではなく医療機関に不信感を抱くだろう。このような問題点がある中での導入は院長の自由な判断に委ねられるべきであり、導入を決める際には実際にトラブルが起きた場合の対応をよく考える必要があるだろう。
政府・厚労省には、現場の声に耳を傾け、現場が不安を抱かないよう丁寧に説明をするよう求める。「義務化になったら仕事を引退する」「保険医を辞める」と話している先生もいる。オンライン義務化のために辞めるのでは、地域医療へ与える影響も懸念される。現場にとってはそれほど重要な問題である。導入は自由意思に任せるべきで、強制的な「義務化」は撤回するよう強く求める。
2022年8月23日
経営管理部部長 相馬 基逸
Ⅰ.日医反発「来年度義務化は乱暴」
この厚労省の動きに対して、歯科医師の諸団体や日本医師会など医療機関側は猛反対だ。システム導入には、導入費用だけではなく、実際にはランニングコストもかかる。政府の補助金があるといっても、それだけで充分とは言えない。
マイナ保険証を使うことで、特定健診や複数の病院をまたぐ過去からの治療データを活用できるため、医療の質的向上につながるという大義名分はあるにしても、「来年度から義務化するというのは、あまりにも乱暴だ」とする医療機関サイドの懸念は、もっともである。
Ⅱ.政府の対応はまさに「朝令暮改」
また、政府の方針が首尾一貫していないことも問題を紛糾させている。
医療機関サイドの費用負担懸念を和らげようと、今春の2022年度診療報酬改定で導入したばかりのシステム導入・運用に伴う診療報酬加算の見直し(廃止?)を打ち出している。まさに、朝令暮改だ。加算は利用患者の自己負担アップを伴う。従来の保険証を使うよりも高い料金になるという報道が出たとたん、国民からの反発を恐れてか、その取り下げを考えたようだが、もし国が本当にそのシステム導入が利用者の医療の質向上につながるメリットがあると確信するなら、これを貫くべきだろうが、現実的には腰砕けになっている。
これは、「費用対効果を利用者に納得させるだけのエビデンスや覚悟を、国が持ち合わせていないのではないか」と疑わせしむ事例だろう。もちろん、厚生労働省を含む国にも言い分はあるだろう。ただ、システム運用を開始した医療機関が、未だ全医療機関の2割程度に留まっており、この普及遅れの現状への焦りが、今回の厚労省の性急な義務化方針打ち出しに繋がっていることは間違いない。
それでも、記者よりもむしろ普通の一国民、医療機関利用者の一人の目線から、今回の国が進める性急なシステム義務化への疑問は拭い去れない。
Ⅲ.マイナ保険証は1割未満最優先は国民を納得させること
オンライン資格確認システムは、国民のマイナ保険証利用といわばセットになるものだ。つまり、仮に医療機関がシステム導入しても、国民がマイナ保険証を選択して使用しないと、国や医療機関が大枚を投じて導入した高価なシステムが無駄になってしまう。
厚労省は、先述の社保審医療保険部会で、2024年度中に従来の保険証の原則廃止方針をも提案した。医療機関へのシステム義務化を強行し、若干の時差をもって国民にも事実上「マイナ保険証」を使用せざるを得ない状況に追い込み、マイナ保険証への全面切り替えを図る構えのようだ。
ただ、マイナ保険証か現行保険証のどちらを選ぶかは、あくまでも国民の判断に委ねられるべきものだ。マイナ保険証使用を強制し、国民に選択権を与えないという高度な判断を、審議会や厚労省など役所に与えること自体が適切なのかどうか。
法制度全般からの配慮を考慮すれば、国民を代表する選良が議論する国会で審議すべきではないのか。これらのことは、大いに問題となろう。
また、マイナ保険証利用による「システム導入が利用者の医療の質向上につながるメリットがある」という、一般的な制度導入目的を前述したが、マイナ保険証導入に伴う費用対効果を具体的な数値を伴って国民が知ったうえで、選択・判断すべき事柄のはずだ。
そもそも論からいえば、国民の大多数は現行保険証で不便を感じてはいないはずだ。何よりもマイナンバーカード普及率が未だ5割未満、さらに健康保険証と紐づけたマイナ保険証交付率は全国民の1割未満という事実がその証左だ。
Ⅳ.必要なのは原点回帰国民視点の真剣議論は不可欠
マイナ保険証の交付を受けに行く場合も、①マイナンバーカードを導入する、②このカードに保険証機能を持たせる(紐づけする)―という2段階の手続きをする必要がある。特に②の紐づけ作業については、スマートフォンのアプリをうまく使いこなせない高齢者には厄介だ。自治体窓口などに多数の手続き拠点を設け、アプリを使えない高齢者などの手続きを助ける手段も用意するとしても、肝心の医療の最大ユーザーである高齢者には、結構障害がありそうだ。
国はマイナ保険証の普及拡大に躍起だ。キャッシュレス決済などで利用できる一人当たり最大2万円相当のマイナポイントがもらえるキャンペーンをこの6月末から本格化。そのための予算枠は、1.8兆円の大盤振る舞い。その目玉としてマイナ保険証の登録推進があるわけだ。
国は義務化を急ぐ前に原点に立ち戻るべきだ。マイナ保険証を利用したシステム導入のメリットを、可能な限り実例や費用対効果などで提示して、国民が納得し、自発的にマイナ保険証を選択するように努力すべきだろう。
システム導入が国益、国民の医療の質向上に役立つと考えるのなら、医療機関や保険者、識者、自治体、政治家なども巻き込んで、広く国民向けの公聴会を開くほどの覚悟で進めていく筋の政策だ。
ぜひ、医療機関側も自らの視点だけにとどまらず、この新たなシステムの最終ユーザー、つまり国民の目線に沿った真摯な論戦・運動を展開してほしい。
東洋経済新報社 編集局 報道部 記者 大西富士男
「東京歯科保険医新聞」2022年8月1日号10面掲載
2000年(平成12年)の診療報酬改定で、歯科初診料186点とは別に「かかりつけ歯科医初診料」、いわゆる「か初診」が270点で導入され医科初診料と同じになったが、再診料は40点で医科とは異なった。初・再診料の医科歯科格差解消は歯科の長年の要望であったが、か初診以外は従来のままで据え置かれた。その算定要件は、以下の3項目であった。
そして、この要件の中で「同意と文書提供」という縛りを付け、再び「か初診」を算定できるのは、治療終了後3カ月目からとし、また、説明手段のスタディモデル(50点)と口腔内写真(50点)は包括化され算定できない。「か初診」は医科と同じになったが、指導管理を主とする医科との格差はむしろ拡大したと言え、1口腔1初診の歯科の概念が強化された。医科でも00年度診療報酬改定に際して「かかりつけ医機能」について検討され、指導料に対する継続管理加算が導入された。
1日平均16名~20名の患者数の歯科では加算点数はなく、270点だけの算定であり、医科と比べて厳しい「かかりつけ機能」の要件となっており、歯科の中での「かかりつけ機能」の定義付けがされていない中、最初に270点ありきであった。
02年(平成14年)の改定は、初のマイナス改定となった。初診料は186点から180点へ引き下げられたが、「か初診」は270点のまま据え置かれた。また、歯周病に「治癒と病状安定」の概念が取り入れられ、2回目の歯周病検査で病状安定と判断されたら継続治療診断(基本検査・精密検査)を行い100点を算定、①継続治療計画を作成し、②1~3カ月間隔で検査・基本治療・指導という「継続管理」を行う。算定点数は左記表の通りだ。
05年は憂鬱な年となった。橋本龍太郎元首相への1億円献金がワイロとの疑いで日本歯科医師会・日本歯科医師連盟元会長の臼田貞夫氏をはじめ5名の逮捕者を出し、「か初診」と「1億円献金」が連日のように新聞・テレビに取り上げられることとなり、結果、中医協に歯科側委員は出席せず、保険者側の「保険者機能を推進する会」の活動が活発化した。06年(平成18年)の改定で「か初診」は廃止となり、保険者主導のかかりつけ歯科医路線へと姿をかえた。
02年以降、協会は「かかりつけ歯科医」は歯科医師が決めることではなく患者さんが選択することだとして、「か初診」の廃止運動を行ってきた。協会アンケートでは会員の92%は算定していなかった。しかし、患者さんへの情報提供は必要であるので「お口の治療計画書」を協会独自に作成し、従前から会員に提供してきたが、9月の保団連理事会では、いくつかの協会から廃止運動と矛盾しているとの発言がなされた。保団連歯科理事会議ではそのような発言はなされいなかったので、9月に保団連に意見書を提出し、訂正を求めた。

なかがわ・かつひろ:1967年東京歯科大学歯学部卒業、1967年桜田歯科診療所開設、1981年東京歯科保険医協会理事、昭和大学医学部医学博士授与。1993年協会副会長、2003年協会会長、2011年協会会長を辞し理事に。2022年理事を勇退し協会顧問に就任。
—4月の診療報酬改定でCAD/CAMインレーが保険収載されました。
坪田有史会長:新しい技術が保険収載された場合、今まで多くの技術で医療技術評価提案書を提出した学会や関連学会から診療指針(ガイドライン)が示されてきました。現時点でCAD/CAMインレーに関しては学会からの診療指針が示されていません。4月の改定以降、本会にCAD/CAMインレーに関して会員から多数の質問や問い合わせがあります。そこで今回、臨床的な視点でCAD/CAMインレーについて解説します。
—診療報酬上の算定について教えてください。
坪田:CAD/CAMインレーを保険で行うにはCAD/CAM冠と同じく、施設基準の届出が必要ですが、既に4月の改定前からCAD/CAM冠の届出を行っている医療機関は再度の届出は不要です。院内掲示物の名称を、「CAD/CAM冠」から「CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレー」に変更してください。
「表1」に22年7月現在のCAD/CAMインレーとメタルインレーの比較を示します。なお、12%金銀パラジウム合金(以下、「金パラ」)の材料料の点数は、10月1日に予定されている随時改定により変更される可能性があります。
CAD/CAMインレーの適用は、小臼歯と第一大臼歯の複雑窩洞に限られます。なお、上下左右すべての第二大臼歯が残存し左右の咬合支持があり、過度な咬合圧が加わらない場合に第一大臼歯に適用できます。歯科用金属アレルギー患者はすべての臼歯部に適用できますが、大臼歯については医科と連携の上、診療情報提供に基づく場合に限られます。
—窩洞形成の注意点を教えてください。
坪田:図にCAD/CAMインレーの窩洞形成について示します。表内の形成量には注意が必要です。「表2」に窩洞形成の注意点を示します。
間接法で作業模型からの製作のみが認められているため、精確な印象採得を行い、製作されてきたCAD/CAMインレーの装着は、必ず接着性レジンセメントを使用し、装着前処理として接着面にアルミナ・サンドブラスト処理およびシラン処理(内面処理加算1:45点)を行うことが推奨されます。

会長 坪田有史
(東京歯科保険医新聞2022年8月号8面掲載)
2022.08.01 (6)野村太一郎氏(能楽師狂言方 和泉流)
#野村萬斎 #野村万蔵 #狂言 #能楽 #古典芸能 #鬼滅の刃 #情報経営イノベーション専門職大学 #青山学院大学
例年夏ごろから税務調査の連絡があったという相談が寄せられ始めます。
税務調査では税務署より事前に連絡があります。その際に法律で定められている以下の11項目を必ず聞き取ってください。
1,実地の調査を行うことの旨
2,調査官の所属官署と氏名
3,調査を受けるものの氏名・名称と住所
4,調査開始日時
5,調査開始場所
6,調査開始日時と調査開始場所は合理的理由があれば協議できるという説明
7,調査の目的
8,調査の対象となる税目
9,調査の対象期間
10,調査の対象となる帳簿書類や物件
11,通知事項以外に非違が行われることとなった事項は改めて通知しなくても調査できるという説明
なお、調査開始日時や調査開始場所については都合が悪ければ変更できます。
また、無予告で来院した場合は、身分証明書や質問検査証の提示を求め、氏名・所属を確認しましょう。捜査令状のない調査は、強制調査ではなく、全て任意調査です。都合がつかない場合などはきっぱりと断り、改めて日程調整をするようにしましょう。
去る5月29日㈰、
「国民皆歯科健診」検討開始へ 骨太方針
こう見出しを打って、産経新聞デジタル版が特ダネ記事を流した。
6月上旬にまとめる「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太方針」で「全国民に毎年の〝国民歯科健診〟の導入検討を始めるのを明記する」というのがその肝となる内容だ。通常のペーパー版には翌5月30日㈪版に掲載されているので、そちらをご覧になった方も多いと思う。
我が国では1歳半、3歳時点の乳幼児や小・中・高時代を除けば、歯科健診は義務ではない。健康増進法で40~70歳の国民は40歳、50歳、60歳、70歳と節目の10年ごとに1回、歯科健診を受ける機会を持つ。この法律で努力義務を課せられる自治体のうち約7割が住民に歯科健診を実施しているが、実際の受診率は1割未満と低い。
事業主に毎年の実施が義務づけられている歯科以外の健診と比べ、大きく遅れをとっている歯科健診を一気に全国民義務化へと方向転換するというのだから、驚きのニュースだったわけだ。
そして、6月7日に閣議決定された「骨太方針」には、実際に「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」という文言が入った。
Ⅰ.全国民に義務化は本当か?不明点多い骨太方針入り
ただ、記事に疑問もある。
第一に情報源だ。可能性が高いのは、政府・自民党に歯科健診拡大を働きかけてきた日本歯科医師会か自民党の関係者だろう。
すぐ目の前に参議院選挙が迫っている。歯科医師の票がほしい自民党と支援団体の双方に情報を流す動機がある。どちらのサイドにも、全国の歯科医師やその関係者に「運動の成果」をアピールできるからだ。
本質的な疑問は、産経記事がいう「全国民に義務付ける」という部分だ。事業主や自治体ではなく、直接、全国民に義務付けるのかどうか(産経記事は「全国民に毎年健診を義務付ける」と書いている)。
もしそうならば、歯科健診を受けない国民へのペナルティーはどうなるのか、毎年、全国民を対象に実施する際の侮りがたい費用負担をどうするのか、負担の主体は国・自治体・事業主のどこなのか、国民の直接負担もあるのか、全国民に毎年歯科健診を受けさせる手段として職場と自治体の両方を動員するのか、など様々な謎があるのだが、記事は「健保組合などが毎年行う健康診断の際に唾液を提出してもらう」などの例を挙げるのみだ。
具体的には、まだ煮詰まっていないのが本当なのだろうが、「全国民に義務付け」を字義通り受け取るべきか、疑問符が付く。
Ⅱ.財務省はかねて予防医療に懐疑的具体化時点で反対に回る可能性も
財務省がこれを黙認する理由も謎だ。今年も例年通り骨太方針の前、5月25日に財政制度等審議会の財務大臣への答申があった。そこには①かかりつけ医の制度化、②給付費の伸びと経済成長率の整合性、③医療法人の事業報告書の電子開示、④リフィル処方箋―など、医療費を狙い撃ちにし、その削減を求める内容が入っている。これについては、日本医師会も特に大きな問題として注視している。
医療費(本体を含めた診療報酬)の削減に関しては、2022年度診療報酬改定で見せた強硬路線をさらに強力に進める方針を打ち出している。歯科医療界の将来にとっても、大きな意味を持つ内容になっている。
財務省は、予防医療には極めて懐疑的だ。かつて、厚生労働省が財務省の反対を押し切って進めた「生活習慣病の予防の徹底」など予防医療政策が、医療費適正化効果を出せずに終わったことを、わざわざ具体的数値を列挙しつつ今年の答申でも強調しているほどだ。
「国民皆歯科健診」推進の大義名分に挙げられるのは、歯周病予防など歯・口腔の健康維持が他の病気の発症を抑え、医療費全体の抑制につながるという理屈だ。
この歯科版の予防医療の効果には、財務省は否定的なはず。少なくとも国の財政出動となれば強く反対すると思われるが、骨太方針には「国民皆歯科健診」が入っている。なぜか。
大事な選挙前だから目をつむっているとすれば、選挙が終わり具体策を作り、予算付けの段階になれば、注文が付く可能性が強い。
Ⅲ.まずは歯の健康向上を訴え様々な課題克服を目指すべき
国民の間にも、「選挙目当て」「団体利権」など、懐疑的な見方があるのも確かだ。
それでも歯の健診の受診率が、わずか10%のままで良いはずがない。高校を出た後で、歯の健診でいち早く歯周病などの予防、早期発見・改善につなげる機会を増やすことは、国民の健康の観点のみならず、生活の質の維持・向上を図る観点からも望ましいことは確かだ。
歯の健康維持(健診効果)、およびそのほかの病気・医療費の削減との因果関係の検証・エビデンスの確率は、今後じっくり構築すれば良い。まず最優先すべきは、歯・口腔の健康向上に照準を絞り、費用対効果を考えた上で、国が関与しての歯科健診の制度的拡大を進めていくことだ。
歯科医療関連団体は、懐疑的な国民・財政当局に対して、健診拡大による歯の健康の維持・向上効果を粘り強く訴えていく活動を進めてほしい。
健診の本格的拡大のためには、歯科医師だけでなく不足する歯科衛生士などの人員増強も必要になるかもしれない。その待遇改善も併せて実施しなければ「国民皆歯科健診」は絵に描いた餅になる可能性もある。
「国民皆歯科健診」の実現は、巷間、言われるほど簡単ではない。超えるべき課題は多く、関係者の努力と覚悟が必要になることだけは間違いない。
東洋経済新報社 編集局 報道部 記者 大西富士男
「東京歯科保険医新聞」2022年7月1日号10面掲載
施設基準の届出を行った保険医療機関は、毎年7月1日現在で届出書の記載事項について地方厚生(支)局長(東京の場合、関東信越厚生局 東京事務所)へ報告を行うこととされています。
各医療機関には、7月上旬に「施設基準の届出状況等の報告について」というハガキが送られてきます。
提出期限は7月29日(金)です。
以下、歯科における報告の手順について掻い摘んでご紹介します。
※東京都内の医療機関向けに作成しています。 都外の場合、書類の提出先や該当リンクなどが異なります。
デンタルブックに届け出用紙の例をUPしています。
東京の届出受理医療機関名簿(PDFファイル)に、医療機関ごとの届出状況が掲載されています(「受理番号」の列)。
※PDFがリンク切れの場合、こちら(施設基準受理状況一覧)から探してください。
略称で掲載されているため、略称一覧(PDFファイル)を適宜参照してください。
地区順に並んでいますが、掲載量が膨大なので、文字列検索でご自身の医療機関名を検索するのが早いです。
Windowsなら「Ctrl+F」(Ctrlキーを押しながらFキー)
Macbookなら「Command+F」(Commandキーを押しながらFキー)
で検索窓が開きます。
Macbookの場合の注意:Safariで「医療機関ごとの届出状況」のPDFを表示した場合、うまく「Command+F」で検索ができない場合があります。そのため「プレビュー」などアプリで「Command+F」をお試しください。Firefoxでは検索ができることが確認できました。
施設基準の要件は、協会会員にお送りしている「歯科保険診療の研究」や、厚生局Webサイト(基本診療料の届出一覧、特掲診療料の届出一覧)などで確認してください。
基準を満たしていないものについて、
①施設基準の届出の確認について(報告)(PDF)
②辞退届(PDF)
の提出(郵送)が必要となります。
提出先は、関東信越厚生局 東京事務所です。
関東信越厚生局 東京事務所
〒163-1111
東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー11階
TEL 03-6692-5119
報告が必要なものおよび様式はこちら(歯科診療所に係る定例報告等について)でご確認ください。報告については、所定の様式に必要事項を記載したものを、上記 関東信越厚生局東京事務所宛に1部のみ郵送します。
なお、届け出ている点数の施設基準を全て満たしており、かつ「3.の定例報告が必要なもの」を届け出ていない医療機関は、特に提出するものはありません。
東京歯科保険医協会では、会員向けに施設基準に関するご質問も受け付けております。会員の方はお気軽にお問い合わせください。
デンタルブックに届け出用紙の例をUPしています。