第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

第38回 東京反核医師の会総会・記念講演/「被ばく者の声を未来へ」

1月31日、東京反核医師の会は第38回総会・記念講演を東京保険医協会セミナールームで開催し、代表委員の矢野正明氏(当協会理事)が参加した。

冒頭、東友会の家島昌志代表理事が挨拶に立ち、東京反核医師の会が被ばく者や被爆二世の健康保持・相談事業に協力していることへの謝辞を述べると共に、「被爆体験の継承に共に取り組んでいこう」と呼びかけた。

続く議事では、2025年度の活動報告、決算案が承認された。報告では、憲法大集会や原水爆禁止世界大会への参加のほか、米国のイラン核施設攻撃、イスラエルによるガザ攻撃に対する抗議声明などが挙げられた。また、26年度活動計画案として、広島での原水爆禁止世界大会や全国反核医師のつどいへの代表派遣などが提案され、全て満場一致で承認された。

◆斉藤とも子氏記念講演

総会後、「被ばく者の声を未来に伝えるために」と題し、俳優で社会福祉士の斉藤とも子氏による記念講演が行われた。

斉藤氏はその中で、12歳で俳優デビューしたものの、役柄と自己の境遇との乖離に悩み、33歳で引退を考え、その際「人の役に立ちたい」と社会福祉士を目指して大学へ進学。同時期に井上ひさし氏原作の舞台『父と暮せば』の主役への依頼を受けたことが、広島を訪れる契機となったと語った。そして、現地で被爆者と交流を深める中で、原爆に関する凄惨な体験談を聞き、「被爆者の苦しみに比べれば、自分の悩みはちっぽけなもの」と衝撃を受け、ここが被爆者に寄り添う活動を始める原点になったとした。さらに、長年被爆者医療に携わった故肥田舜太郎医師のアドバイスに基づく、福島第一原発事故後の被災者支援、現在も続く裁判の支援活動に触れた。発災当時小学生で現在は25歳となった女性の訴状を読み上げ、会場全体が深い沈黙に包まれた。

最後に、被ばくの記憶を風化させず、次世代へ語り継ぐことの重要性を強調し、講演を締めくくった。

講演動画はオンデマンド配信中です。ぜひご覧いただきたい。URLは下記の通り。

https://hankaku.tokyo/docs/2026020900012/