連載/協会探訪 その⑥「次々と浮上する地域の歯科医療問題を改善へ」<地域医療部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都
地域医療部は、1988年度に新設された専門部です。85年に医療法が改正され、各都道府県で「地域医療計画」の策定が始まりました。その結果、全国的に地域医療活動に注目が集まりました。協会でも小児科、産婦人科と連携して、子どもの虫歯予防などを推進するため、盛んに必要な活動を計画、実施していました。
こうした中、88年に独立した専門部として発足したのが地域医療部です。
◆高齢社会に応じた地域医療の改善活動発足当初は、「健康テレホンサービス」「健康相談」「寝たきり高齢者の往診、歯科健診」などを東京保険医協会と協力して進めました。その後、歯科訪問診療の推進、歯科健診事業への取り組み、介護保険への対応、国保問題や学校歯科の諸課題への取り組みなど、次々と浮上する地域の歯科医療が抱える課題を検討、改善につながる要請活動を実施してきました。
直近では、まだ歯科訪問診療に取り組んでいない会員を対象とした講習会の開催に取り組んでいます。また、東京都からの依頼に基づいて、会員に歯科医師認知症対応力向上研修の周知にも協力しています。
超高齢社会に突入している現状を踏まえると、要介護高齢者や障害者など、在宅や施設で療養しているために、かかりつけ歯科医への通院が困難な方々はますます増加していきます。
このような状況の中で地域医療部は、今後の医療制度、医療提供体制を見極めた現状分析と将来展望を持ち、地域包括ケアシステムも含め、地域医療の改善運動に取り組んでいます。
◆子ども医療費助成制度の格差撤廃について
さらに、学校歯科治療調査の実施、およびその結果を基にした養護教諭との懇談会の開催、地域の医療受療格差をなくすための子ども医療費助成の拡充要請も地域医療部が担当しています。要請は東京23区と多摩地区の地域ごとの格差是正であり、養護教諭との懇談会で出された要望に基づくもので、地域医療部ならではの取り組みとなりました。
また、都内で子ども医療費助成制度に自己負担が残っている16自治体に対して調査を行ったところ、財源不足が課題であることが分かりました。子育てしやすい東京を実現するため、東京都の財政補助により、自己負担の撤廃を要望いたしました。
◆給食後歯磨き推進に向け公立学校水道設備の拡充の要望
都内の公立小・中・高等学校では、水道設備が少数または老朽化、蛇口の数が少ないことにより、昼食後の歯磨きの習慣づけが困難な状況にあります。口腔衛生の保持および校内での歯磨きの習慣獲得のためにも水道設備の整備、拡充は必要であることを要望しました。
そのほか、地域医療部が作成した歯科訪問診療用のポスターを用意しております。ぜひ、活用してください。




