東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに
第25回医療経済実態調査の結果が2025年11月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告された。結果からは、厳しい歯科診療所の経営状況が明らかになった。
歯科医療機関の7割を占める個人立歯科診療所の全国の状況を見ると、医業収益が対前年度比で1.9%上昇(前々年度5,121万円、前年度5,218万5,000円)した一方、医業・介護費用が2.4%上昇(前々年度3,595万8,000円、前年度3,682万4,000円)した。収益では労災や自費の収入が減り、保険診療が増加を示している。費用面では給与費が4.5%、委託技工料が6.5%と、それぞれ上昇し、経営を圧迫。その結果、損益差額は0.8%の伸び(前々年度1,549万3,000円、前年度1,5322,000円)に留まった。
◆厳しい環境下にある東京の歯科医療機関
他方、東京23区の歯科医療機関では保険診療収益が1.5%上昇(前々年度4,762万2,000円、前年度4,834万3,000円)、自費収入が10.4%上昇(前々年度1,934万1,000円、前年度2,135万7,000円)したが、費用面では医業・介護費用は前年並みとなり、損益差額は43.5%上昇(前々年度520万円、前年度746万3,000円)した。損益差額が上昇したといっても、全ての地域(1級~7級)で最も低く、一番多い地域(5級地域1,747万6,000円)のわずか42.7%に留まった。費用面では給与費が1.8%(前々年度3,345万8,000円、前年度3,286万9,000万円)、委託技工料が9.6%低下(前々年度637万8,000円、前年度576万4,000円)、減価償却費が5.6%(前々年度376万2,000円、前年度345万2,000円)それぞれ減少した。東京では、物価高騰の中で、人件費などの経費を削減して何とか経営を維持している状況が見て取れる。
診療報酬は全体として6回連続で実質マイナス改定が続く中、設備投資が必要な施設基準が次々に導入されてきた。しかし、現場では新たな設備を導入する資金がないため、届出そのものが難しい状況だ。24年度改定では、人件費に対応したベースアップ評価料が導入されたが仕組みが複雑な上、次期改定以降も存続する保証がないため算定しづらく、算定率は伸びていない。安定した収入増が見込めないため、特に都内においては人件費を引き上げることができず、結局、人材の流出にも歯止めがかからなかった。さらに、それに追い打ちをかけるように、テナントの更新時の家賃値上げや、再開発による立ち退きを迫られる場面も散見される。オンライン資格確認も、ランニングコストは全て医療機関の負担となり経営を圧迫している。こうした状況が如実に表れた結果となった。現在でも閉院・廃業に追い込まれる歯科医療機関増加には、歯止めがかからなくなっている。
その解消のために、26年度診療報酬改定では、疲弊した歯科医療機関の経営を立て直すための大幅なプラス改定が求められる。




