第1回学術研究会:ここが“勘所”CAD/CAM冠の特性
◆接着の注意事項も解説
協会は5月21日、第1回学術研究会を協会会議室およびオンラインで開催した。「保険診療における間接法メタルフリー修復~CAD/CAM冠・インレー、PEEK冠、エンドクラウンについて~」をテーマとし、講師は坪田有史氏(下写真。開催時当会会長)が務め、会場6名を含む116名が参加した。
講演の中で坪田氏は、日本の国民医療費の中で歯科医療費が占める割合を示しつつ、それを踏まえた今後の歯科医療に求められる役割を説明した。
次に、国の方針として脱金属の流れが進む中で、歯科医療機関は接着充填修復やメタルフリー修復の頻度が増加しており、臨床の場でも正確な接着操作や、正しい知識に裏付けされた材料の選択が求められることを指摘した。
さらに各論では、接着材料は現在第7世代であり、ワンステップタイプのボンディングも販売されているが、より強固な接着を求めるならば、エッチング、サンドブラスト処理などの前処理も状況に応じて行うことが必要と説明し、CAD/CAM冠の特性と、適切な形成量、CAD/CAMインレー、エンドクラウンの適応などを解説した。
講演後の質疑応答では会員から接着の“勘所”を率直に質問されるなど、凝縮された2時間であった。参加者からは、「臨床に直結している。一言一句、聞き逃さないよう聞くべき内容だった」「レジンセメントについて疑問に思っていたことが講習で解決した」などの感想が寄せられた。