マイナ保険証/スマホ搭載時期を検討 「●」などトラブル対策は進展なし
4月3日に行われた社会保障審議会医療保険部会では、マイナ保険証のスマホ搭載や、次なる規格の顔認証付きカードリーダーについて検討された。しかし、協会などが行ったアンケート調査で明らかになった「●が出る」「資格が無効と表示される」など、医療機関の負担増加につながっているトラブル対策への新たな提案はなかった。
◆スマホ搭載早ければ8月に
今年6月頃より、病院3施設、医科診療所4施設、歯科診療所2施設、薬局2施設程度でスマホ搭載の実証実験を行い、早ければ8月より運用を開始する。読み取りに必要な汎用カードリーダーも示された(図1)。
汎用カードリーダーの導入は医療機関の任意とされ、義務ではない。これまでのオンライン資格確認システムで起きた混乱を考えれば任意の導入は当然だが、導入済み・未導入の医療機関が混在する。厚労省は、初めて医療機関を受診する際はマイナ保険証も持参するよう呼びかける予定としているが、国民に十分周知できるかが重要である。
なお、今後は導入に対する補助が検討される予定だ。
◆次期カードリーダー現状のトラブル解決できず
さらに、2026年3月末から現在の顔認証付きカードリーダーが保守期限を随時迎えることを受け、次期顔認証付きカードリーダーの規格も検討された。新しい仕様を決めた後にメーカーを公募し、26年夏頃からの販売開始を見込んでいる(図2)。
仕様をみると、汎用カードリーダーがなくてもスマホを読み取れる機能が加わっている。そのため、汎用カードリーダーを購入すべきか、または次期顔認証付きカードリーダーへの買い替えで対応すべきか、導入費用を負担する医療機関としては、判断に迷うところであろう。厚労省は、助成金もセットで提案するなど分かりやすく適切な提案をすべきである。
また、今回の提案では、「●が出る」や「新しい資格情報が反映されず、無効と表示される」といった今現在、医療機関を悩ませているトラブルへの対応策は示されていない。新しい機器を検討することも良いが、まずは現行の顔認証付きカードリーダーで起きている問題に向き合うべきではないのか。
協会は引き続き、現場の声を集め、行政に届けていく。