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政策委員長談話「マイナス改定では安心安全な歯科医療の提供体制は維持できない」

政策委員長談話「マイナス改定では安心安全な歯科医療の提供体制は維持できない」

11月4日、次期診療報酬改定の基礎資料となる「第20回医療経済実態調査」が発表された。全国集計では大きな変動が見られなかったせいか、一般紙での取り扱いは控えめな内容であった。
しかし、詳細に見てみると、東京23区では歯科医療機関が疲弊していることが明確となり、患者にとって安心安全の歯科医療の提供に欠かせない人の確保と設備投資に影響が出始めている実態が明らかになっている。
個人立診療所の全国平均では医業収益が0.3%、医業・介護費用が0.4%増加し、前年並みの損益差額を確保している。保険収益の増加は見られないが、自費収入が1.5%の伸びを見せるなどしている。
ところが、東京23区分では様相が大きく異なる。
まず、医業収入では、保険診療収入がかろうじて0.3%のプラスであったものの、自費収入がマイナス5.3%、健康診断などの収入がマイナス4.3%と、大きく落ち込んだ結果、収入全体では1.2%のマイナスとなった。支出では減価償却費がマイナス10.6%、歯科技工料などの委託費がマイナス4.9%などと減少した。給与費は率ではマイナス2.5%であったが、実額では36万8000円の減少であった。収入が減少した分を、支出を切りつめることでかろうじて収支バランスを保っている格好となった。大幅な減額となった給与費は、歯科衛生士をはじめとしたスタッフの雇用確保が困難であることを示している。人件費が高い東京で、安心安全の歯科医療を提供することの厳しさが表れた。
今回の発表により、東京の歯科保険医療機関は、経費節減によって歯科医療提供を維持しており、構造的な経営状態の悪化はまったく改善されていないことが明らかになった。もう個人の努力による経営改善は限界を超えていることは明らかである。
調査結果には表れていないが、消費税の損税の問題も深刻である。1歯科医療機関当たり年間80万円ともいわれる損税は今後さらに大きくなり、さらに経営を圧迫することが予想される。消費税ゼロ税率による改善は喫緊の課題だ。
12月には次期診療報酬の改定率が閣議決定される。中医協でも全身的な疾患を有する患者への対応の評価が議論されている。そのためには歯科衛生士などスタッフの充実は欠かすことができない。もしマイナス改定が実施されるならば、安心安全の歯科医療提供がさらに困難となることは明らかである。改めて次期診療報酬改定は大幅な技術料のプラス改定を求めるものである。
2015年11月27日
東京歯科保険医協会
政策委員長 中川勝洋