医政・行政ニュース

社会保障審議会医療保険部会が開催

社会保障審議会医療保険部会が開催

厚生労働省は4月19日、TKP市ヶ谷カンファレンスセンターで社会保障審議会医療保健部会(部会長:遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所所長)を開催した。部会では、「医療保険制度をめぐる課題」を中心に審議・検討を進めた。事務局は①医療保険制度改革と一体改革の展望、②2040年を見据えた社会保障改革、③医療制度に関する主な論点―などの資料を提示し、地域医療介護確保基金や国保への財政支部の充実,高額療養費の見直しなどを巡り議論が行われた。

歯学部・歯学科の留年と休学者割合を公表

歯学部・歯学科の留年と休学者割合を公表

文部科学省はこのほど、2015~2017年度における「歯学部(歯学科)における留年・休学者の割合」を取りまとめた。

それによると、直近の29年度の場合でみると、国立大学の休学・留年率は14.7%、公立大学は9.4%、私立大学21.9%となっており、これら合計では19.8%となっていることが分かった。休学、留年別の数値は公表していない。また、卒業できなかった学生数、卒業はしたものの結果的に歯科医師国家試験に合格できないものの数値は不明だ。

主な数値は、以下の通り。

表  2015~17年度 歯学部(歯学科)における留年・休学者の割合

年 度

国立大学合計

公立大学合計

私立大学合計

国公私立大学合計

2015

14.7%

11.2%

23.4%

21.0%

2016

14.0%

  9.2%

23.5%

20.9%

2017

14.7%

  9.4%

21.9%

19.8%

 

歯科衛生士・歯科技工士国家試験の合格者を発表

歯科衛生士・歯科技工士国家試験の合格者を発表

厚生労働省は3月28日、第27回歯科衛生士国家試験の合格発表を行った。試験そのものは3月4日に実施されている。それによると、受験者数(新卒・既卒)7374名、合格者数7087人となり、合格率は96.1% となっている。

また、同日行われた歯科技工士国家試験については、受験者数952名、合格者数902名 、合格率は94.7% となっている。

第111回歯科医師国家試験合格者は2039名/合格率は全体で64.5%、新卒は77.9%に

 

 

第111回歯科医師国家試験合格者は2039名/合格率は全体で64.5%、新卒は77.9%に

厚生労働省は本日3月19日、第111回歯科医師国家試験の合格者を発表した。試験そのものは本年2月3~4日の2日間にわたり実施されている。

今回の歯科医師国試は全体では出願者数3721名(うち、新卒者は2469名)、受験者数3159名(同1932名)、合格者数2039名(同1505名)となっており、合格率は64.5%で、新卒のみで見ると77.9%となっている。

◆合格者数は3年ぶりに2000名を上回る

合格者数は3年ぶりに2000名を上回ったが、合格率は前回を0.5ポイント下回る結果となっている。

また、大学別の合格率をみると、出願者数と実際の受験者数の違いがあるものの24.3%から95.0%までと、かなりのばらつきを見せている。国公立大学で最も合格率が高かったのは東京医科歯科大学歯学部の92.7%で、私立大学では東京歯科大学の95.0%となっている。

合格状況を設立主体別にみると、国公立大学12校は出願者数823名、受験者数811名、合格率は78.3%となっている。同様に私立大学をみると、2884名、2335名、1400名、60.0%というい状況だ。

◆女性の合格者数は877名で全合格者の43%占める

一方、男女別の合格状況をみると、男性は受験者数1924名、合格者数1162名、合格率60.4%となっている。同様に女性は、1235名、877名、71.0%となっている。女性の合格者は全合格者数の43.0%を占めている。

2018年度診療報酬改定の通知などが発表

 3月5日に厚労省は2018年度診療報酬改定に関する通知などを発出した。

院内感染防止対策の施設基準の新設や外来環・か強診・歯援診の施設基準

の見直しが行われる。また、管理料の加算として小児や高齢の患者に対する

口腔機能管理の点数が新設された。

 また、訪問診療では、歯科訪問診療料の急性対応加算を廃止し、

切削器具の携行を算定要件化。さらに、訪衛指は1対1で20分以上の要件を課し、

新たに単一診療患者の人数により3つに区分する。

 協会では、3月27日と29日に新点数説明会を開催する。会員におかれては

ぜひご参加を頂きたい。

 

歯科点数表(告示)はこちらから

歯科点数表(通知)はこちらから

施設基準(医科歯科 基本診療料関係・通知)はこちらから

施設基準(医科歯科 特掲診療料関係・通知)はこちらから

 

 

 

 

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部は、新たに歯科訪問診療を専門に行う「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を三条市須頃に開院する。開院は本年4月の予定だ。すでに地元新潟県内の新聞やテレビなどでは紹介されており、注目されている。

医療法の規定に基づき、同診療所から半径16キロ以内の三条市、燕市、加茂市、見附市、長岡市、新潟市西蒲区がその範囲に入る。同市内で通院が困難な高齢者や障がい者がを対象になる。診療の現場には、歯科医や歯科衛生士のほか、学生も同行して教育の場としても活用する方針という。診療は平日の午前10時~午後4時になる予定。

同大は、すでに東京都花小金井市内に、摂食不良や嚥下問題、会話機能などにも対応する「口腔リハビリテーション多摩クリニック」(菊谷武診療所長)をスタートさせ、歯科医療界の注目を集めている。

第111回歯科医師国家試験が3日から2日間実施

第111回歯科医師国家試験が3日から2日間実施

2月3日と4日の2日間、第111回歯科医師国家試験が実施される。合格発表は3月19日となっている。東京は、昨晩から降雪があったものの、きょう2日の正午頃にはほぼやみ、夕方5時過ぎには雪も雨も止み、電車もほぼ順調に動いている。

昨年12月1日に厚生労働省が公表した試験会場は以下の3カ所。前年までは1カ所であったが、今回は3カ所に分散されている。

【第111回歯科医師国家試験東京会場3カ所】

◆CIVI研修センター秋葉原:千代田区神田須田町1-5-10 相鉄万世橋ビル

◆TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター:中央区八重洲1-2-16 TGビル別館

◆TOC有明:江東区有明3-5-7

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

 

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

協会は本日1月25日、国会議員に対して2018年度歯科診療報酬改定に関する要請行動を行った。橋本健一理事と中川勝洋理事が参加した。

次期診療報酬改定については、麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣が昨年12月に改定率を本体でプラス0.55%(歯科はプラス0.69%)に決定している。しかし、この改定率では、そのすべてを再診料に充当させたとしても、再診料を約6点引き上げた額に当たるだけで、今後の必要な歯科医療を提供するには充分とはいえない。そこで、今後も引き続き、地域包括ケアシステムのスムーズな施行、国民から期待される歯科医療の実現に向け、歯科診療報酬の拡充を求めるため、関係議員への要請を行ったもの。

午前中は、国会議員会館において与野党あわせて26名の衆議院議員を訪問し、国会会期中のさなかにもかかわらず、3議員と直接懇談が実現し、他の議員各氏については秘書各氏に要請文を託した。

26議員の内訳は以下の通り(敬称略、訪問順)。

【懇談のできた議員:3氏】

山花郁夫(立憲・東京)、初鹿明博(立憲・東京)、木原誠二(自民・東京)

【秘書対応:23氏】

三ツ林ひろみ(自民・埼玉)、尾辻かな子(立憲・大阪)、末松義規(立憲・東京)、柿沢未途(希望・東京)、長谷川嘉一(立憲・群馬)、若宮けんじ(自民・東京)、西村ちなみ(立憲・新潟)、橋本岳(自民・岡山)、高木みちよ(自民・東京)、越智隆雄(自民・東京)、牧原秀樹(自民・東京)、塩崎恭久(自民・愛媛)、高鳥修一(自民・新潟)、平将明(自民・東京)、太田昭宏(公明・東京)、長島昭久(希望・東京)、菅直人(立憲・東京)、渡辺孝一(自民・東京)、辻清人(自民・東京)、海江田万里(立憲・東京)、大島敦(希望・東京)、松本文明(自民・東京)、井上信治(自民・東京)

山花郁夫議員

初鹿明博議員

木原誠二議員

個別改定項目を提示~院内感染防止対策の施設基準の新設、新規技術の導入など~/中医協

  本日の中央社会保険医療協議会(中医協)に、次期改定に関する個別改定項目(その1)が提示された。

 歯科に関しては、かかりつけ歯科医機能強化型診療所(か強診)の施設基準の見直し、院内感染防止対策として初診料・再診料への施設基準の導入、歯科外来診療環境体制加算(外来環)の施設基準の見直しや診療情報の共有に対する評価の新設など、広範囲に改定が行われる。

 口腔機能管理の評価では、歯科疾患管理料の加算点数として、小児口腔機能管理加算と高齢者を対象とした口腔機能管理加算が新設された。全身的な疾患を有する患者に対する評価では、歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)が廃止され、歯科疾患管理料の加算点数として総合医療管理加算が新設された。また、咀嚼能力検査、咬合圧検査、精密触覚機能検査、高強度硬質レジンブリッジなど新しい検査、技術項目も示された。

 在宅医療に関しては、急性対応加算が廃止されて、歯科訪問診療料に包括されるほか、外来で受診していた患者が通院困難となり歯科訪問診療に移行した場合に算定する歯科訪問診療移行加算(新設)などが評価された。訪問歯科衛生指導料については、複雑なもの、簡単なものによる区分が廃止され、新たに「単一建物診療患者」という考え方が導入された。

 なお、2月7日には答申がされる予定である。

 協会では3月末に会員を対象にした新点数説明会を開催する。ぜひ、スタッフの皆さんと一緒にご参加頂きたい。

 ご案内は協会の機関紙またはホームページ(/wp/event/12037/)でお知らせしている。

※参考 中医協(2018年1月24日)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000191961.html

 ○個別改定項目(その1)について 総-1(PDF:1,709KB)

歯科医師から「か強診」の改善私案含め意見陳述/中医協が地方公聴会を開催

 

歯科医師からか強診の改善私案含め意見陳述/中医協が地方公聴会を開催

中医協(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の地方公聴会が1月19日、東京ベイ幕張ホールで開催された。中医協の仕組みの上では総会となっているこの公聴会では、千葉県内の医療提供者他合計10名が意見陳述した。10人の内訳は医療提供者5人(医師2人、歯科医師1人、薬剤師1人、看護師1人)、保険者、地方自治体、企業経営者、患者、連合が各1名となっている。

歯科医師からの意見発表は、千葉県長生郡長南町の毛取健至氏が行った。毛取氏は、歯科の地域完結型医療への参加促進の必要性を指摘した上で、か強診について歯科検診や学校検診への参加することを求めた。また、歯科衛生士問題にも言及し、歯科衛生士を雇用できない実情を考慮して、か強診や医管の施設基準のあり方の見直しを求め、その改善に向けた一案として、「例えば、か強診なら、地域の保健所の歯科衛生士との連携でも可」とする考えなどを説明した。そのほか、次期改定との関連では、①歯科金属の価格変動が激しいため、メタルフリーを推進してほしい、②継続管理をすると、1初診1回の点数が算定できない問題の解決を、などを挙げた。

なお、今回の公聴会での意見も考慮し、中医協は来る2月7日に加藤勝信厚生労働大臣に次期診療報酬改定についての「答申」を行う予定だ。

 

2018年度診療報酬改定を中医協に諮問/加藤厚労大臣が本日12日に中医協総会で

 

 

2018年度診療報酬改定を中医協に諮問/加藤厚労大臣が本日12日に中医協総会で

厚生労働省の加藤勝信大臣は1月12日、同省2階講堂で開催された中医協総会で、懸案となっていた2018年度診療報酬改定を諮問した。総会では、10日に提示された「平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」について検討を加え、おおむね了承した。同省では、この整理(案)に関するパブリックコメントを募る準備に入ったほか、今月19日に開催する中医協公聴会を迎える予定だ。

なお、中医協から加藤厚労大臣への答申は、2月中旬の見込みだ。

加藤厚労大臣から中医協への諮問書PDFダウンロードはここをクリック

加藤厚生労働大臣からの諮問書

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆改定骨子の整理案における歯科に関する主な内容

この改定骨子の整理案の中で、特に歯科医療関連内容をみると、院内感染防止対策に伴う初・再診料の引き上げ、口腔機能低下に対する加算の新設、訪問歯科衛生指導料の見直しなどを打ち出している。

注目されていた初診料と再診料のあり方をめぐっては、引き上げ方針を示すとともに、院内感染防止対策についての新たな施設基準を設け、その診施設基準の届出を行わない場合には、初・再診料を減算するとしている。

口腔機能低下への対応では、機能不全著しく継続的管理が必要な患者に対する評価加算を新設する考え方が明記された。

一方、医科歯科連携推進の観点からは、歯科診療を行う上で必要な診療情報や処方内容等の診療情報を「かかりつけ歯科医とかかりつけ医との間で共有した場合の評価をそれぞれ新設する」方針を打ち出している。また、診療情報提供料(Ⅰ)のシカイリョ右記間連携加算を算定できる歯科医療機関に歯科訪問診療を実施する歯科医療機関を追加することとし、対象患者に摂食機能障害を追加する考え方を打ち出している。

そのほか、「か強診」の施設基準が見直されるほか、歯科訪問診療料、在宅患者等急性歯科疾患対応加算などの加算の見直しなども打ち出されている。

 

歯科医療分野からの発言や指摘なし/人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会

歯科医療分野からの発言や指摘なし/人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会

厚生労働省は12月22日、東京・港区内の会議場で「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」(座長/樋口範雄武蔵野大学法学部教授)の第3回会合を開催した。12月13日に開催されている同じく同省の「歯科医師資質向上等の検討会」では、緩和ケアの分野で歯科的対応を提供することが可能ではないのか、との発言も出ていたが、この人生最終段階検討会には、歯科医療界からのメンバーが加わっておらず、メンバーの中から歯科医療分野に関する発言はなく、また資料においても歯科医療分野の表記は十分とはいえない状況だ。

なお、同省がアンケート調査として2012年度に行った「人生の最終段階における医療に関する意識調査結果」によると、「最後を迎えたい場所」は、自宅54.6%、病院27.7%となっている。

歯科診療報酬改定率は+0.69%に/2018年度診療報酬改定率が決定

2018年度診療報酬改定率が決定/歯科は+0.69%に

昨日12月18日、来年度の政府の各省庁の2018年度予算案に関する大臣折衝が実施された。その中で、加藤勝信厚生労働大臣と麻生太郎財務相との折衝により、2018年度診療報酬改定は、診療報酬本体は0.55%の引き上げが決まった。ただし、薬価は1.65%引き下げ、材料価格は0.09%引き下げとなり、合わせて1.74%の引き下げとなった。これにより、ネットで(全体で)は、マイナス1.19%となった。

各科の改定率をみると、医科+0.63%、+歯科0.69%、+調剤0.19%となっている。次期改定は、診療報酬本体は6回連続プラス改定で、前回改定よりも0.06ポイント上回ったものの、ネットの改定率のマイナス幅は0.16ポイント(2016年度はマイナス1.03%→2018年度マイナス1.19%)拡大した。

なお、介護報酬は+0.54%(前回2015年度改定では―2.27%)、障害福祉等サービス報酬は+0.47%(0%)となっている。

本年8月時点における2018年度の社会保障費自然増は約6300億円増と試算されていた。しかし政府は、これを約5000億円に抑制する方針を決めており、通常の薬価改定のほかに、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の見直しのほか、大型門前薬局の調剤報酬適正化を実施することになっており、マスコミ報道では、これにより国費ベースで60億円の引き下げにつながるという。

【2018年度診療報酬改定率】

1.診療報酬改定    +0.55%

   各科改定率 医科 +0.63%

         歯科 +0.69%

         調剤 +0.19%

2.薬価等

 (1) 薬価     ▲1.65%

     (うち、実勢価等改定 ▲1.36%、薬価制度の抜本改革 ▲0.29%)

 (2) 材料価格   ▲0.09%

 

医師需給問題めぐり第2次中間まとめ

医師需給問題めぐり第2次中間まとめ

医師偏在の問題を議論している厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」(分科会長/片峰茂長崎大学前学長)が12月18日、同省内会議室で開催された。この席で、懸案となっていた第2次中間取りまとめが決定された。

今回のまとめは、①はじめに、②医師偏在対策が求められる背景、③今回講ずべき医師偏在対策の基本的な考え方、④具体的な医師偏在対策、⑤将来に向けた課題―などで構成されている。

◆都道府県権限の強化やインセンティブの付与を明記

これら項目のうち、同検討会での議論や関係者の間で、これまでも最も注目されていたのは④と⑤であったが、医師偏在対策については、「都道府県における医師確保」対策として、医師確保計画の策定、地域医療対策協議会の実効性の確保、効果的な医師派遣等の実施に向けた見直しなどを提示。次に、「医師養成過程を通じた地域における医師確保」対策としては、医学部、臨床研修、専門研修をあげている。さらに、「地域における外来医療機能の不足・偏在等への対応」としては、医師の少ない地域での勤務を促す環境整備の推進に向けて、①医師個人への環境整備やインセンティブ、②医師派遣を支える医療機関等へのインセンティブ、③認定医に対する一定の医療機関の管理者としての評価、などが提起されている。

他方、「将来に向けた課題」としては、今回の医師偏在対策効果の検証を踏まえた継続的議論が必要であるとの観点から、①専門研修における診療科ごとの都道府県別定員策定、②認定医への一定の医療機関の管理者としての評価、③無床診療所開設への新たな制度上の枠組み導入などが明示されている。

与党税制改正大綱が決定/検討事項の中で医療機関と消費税・診療報酬について言及

与党税制改正大綱が決定/検討事項の中で医療機関と消費税・診療報酬について言及

自民党と公明党の与党による2018年度「税制改正大綱」が、12月14日に決定されたが、その中で、医療機関の経営に密接に関係する内容として、「検討事項」の中に消費税と事業税が取り上げられている。消費税については、2019年10月に、現行の8%から10%へ引き上げることになっており、大綱でも「平成31年度税制改正に際し…(中略)…結論を得る」としている。

なお、消費税、事業税関係の記述は以下のようになっている。

◆消費税との関連事項

医療にかかる消費税のあり方については、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ、平成31年度税制改正に際し、税制上の抜本的な解決に向けて総合的に検討し、結論を得る。

◆事業税と診療報酬の関連事項

事業税における社会保険診療報酬にかかる実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する。

地域医療構想WGを開催

地域医療構想WGを開催

「歯科医師の資質向上に関する検討会」が開催された同日の12月13日、厚生労働省は「第10回地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也/九大名誉教授)を同省内会議室で開催した。

今回の課題は、①都市部の地域医療構想調整会議における議論の進捗状況、②地域医療構想の進め方に関する議論の整理―の2本。実際の議論では、①との関連で「公的病院・公的医療機関等2025プラン対象医療機関」に関心が集まった。

前回会合では、その対象医療機関として10設立・運営母体の現況(平成29年10月末時点)が報告されたが、それらの各法人は、設立理念が異なるため病院の運営方針のほか、公的補助の法人へのあり方などが問題点として示唆され、今回もそれに続く議論が行われ、それらを協議・検討し、今後の方向を定めるためにも、地域医療構想調整会議の役割が重要だることが説明、確認された。

なお、今後の課題としては、①2025プラン対象医療機関等の策定状況、②医療機関における5疾病5事業、在宅医療等の医療機能の明確化の状況、③都道府県にける医師派遣・医師確保の方針との関係―などが挙がっている。

なお、このWGには、歯科医療界関係者がメンバーになっておらず、歯科からの意見、医師が十分に通じていないことが指摘されている。

歯科保健医療ビジョンで医政局としての「かかりつけ歯科医の機能」の具体的内容提示/歯科大入学定員削減などにも言及か

歯科保健医療ビジョンで医政局としての「かかりつけ歯科医の機能」の具体的内容提示/歯科大入学定員削減などにも言及か

厚生労働省は本日12月13日、同省内会議室で 第9回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋/医療系大学共用試験実施機構副理事長)を開催した。

今回も前回会議時と同様に「歯科保健医療ビジョン(素案)」について審議・検討を加えたが、内容や表記について疑問点を指摘する意見が続き、正式なビジョン決定には至らなかった。

その中では、次期診療報酬改定や地域包括ケアシステムとの関連で注目が集まっている「かかりつけ歯科医の機能・役割」については、「多少の制約があっても、かかりつけ歯科医は地域で指定してもいいのではない」、「患者のフリーアクセスは確保しておくべき」。「かかりつけ歯科医の基本には信頼があり、それに期待したいのでフリーアクセス制約には抵抗感がある」などの意見が出された。

なお、「かかりつけ歯科医の機能・役割」に関してビジョン案では、①地域包括ケアシステムの一翼を担い、地域保健活動や外来受診患者の口腔疾患の重症化予防のための継続的な管理、②連携し切れ目なくサービスを提供、③具体的には、住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応、切れ目ない提供体制の確保、他職種との連携―などを掲げており、歯科医師法や医療法を司る厚労省の医政局として、初めて「かかりつけ歯科医の機能」について踏み込んだ内容を提起している。

一方、歯科大学の入学定員削減や選抜基準などについても関心が集まり、「資質・能力を確保するために、歯科大学は、入学定員の削減や厳正な入学者の選抜基準を運用するとともに、きめ細やかな教育を行うことで…(中略)…医育機関の質が高まる」との表記に対し、このビジョンに加えるべき内容なのか、疑問符を投げかける意見が提起された。

なお、このビジョン案の内容取りまとめに関しては、この日の議論、意見を参考に座長と事務局に一任して年内に取りまとめることとなった。

「歯科医療:その2」を審議・検討/中医協で次期改定に向け議論煮詰める

「歯科医療:その2」を審議・検討/中医協で次期改定に向け議論煮詰める

厚生労働省は本日6日、中医協総会を開催し、2018年度診療報酬改定に向け審議・検討を加えたが、その中で懸案となっていた薬価調査や入院医療とともに「歯科医療(その2)」を取り上げ、事務局が提示した資料に基づき各委員から意見が出された。事務局が示した資料の柱は、以下の3本で、それぞれに小項目が付されている。

1.地域包括ケアシステムの構築の推進

(1)医科歯科連携

  • 周術期口腔機能管理
  • 医科歯科間の診療情報共有

(2)病院併設歯科の評価

(3)かかりつけ歯科医機能の評価

2.歯科外来診療における院内感染対策

3.口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応等

※「歯科医療(その2)」の資料全文PDFはここをクリック!

また、今回は特に歯科医療についての事実上、締めくくりの議論となることから、委員の遠藤秀樹氏(日本歯科医師会常務理事)が資料を提供した。この資料の柱は以下の4本となっている。

1.かりつけ歯科医

2.地域の中の歯科医療

3.地域医療連携に係るアンケート調査

4.歯科医療行為のタイムスタディー調査

※「遠藤委員提出資料」の資料全文PDFはここをクリック!

 

 

12月1日から保険導入されるCAD/CAM冠大臼歯で厚労省が通知/本日11月30日付で発出

12月1日から保険導入されるCAD/CAM冠大臼歯で厚労省が通知/本日11月30日付で発出

12月1日から保険導入となるCAD/CAM冠大臼歯の通知が発出された。

保険請求点数は、技術料1,200点、材料料523点で合計1,723点となった。

適用は第二大臼歯が4歯全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において下顎第一大臼歯に使用する場合に限られる。

使用できる材料は、CAD/CAM冠用材料(Ⅱ)として、下記条件となる

・ シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの合計の質量分率が70%以上であること。

・ ビッカース硬さが75HV0.2以上であること。

・ 37℃の水中に7日間浸漬後の3点曲げ強さが240MPa以上であること。

・ 37℃の水中に7日間浸漬後の吸水量が20μg/㎣以下であること。

カルテには、製品に付属している使用した材料の名称及びロット番号等を記載した文書(シール等)を保存して管理する(診療録に貼付する等)。

レセプトは、「歯冠修復および欠損補綴」の「その他」欄に「歯CAD(大)」と表示し、部位、点数及び回数を記載する。なお、歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者に用いた場合は、「摘要」欄に紹介元保険医療機関名を記載する。

なお、歯冠形成、印象採得、装着料は小臼歯の場合と同じ。

クラウンブリッジ維持管理料は適用となる。ただし、金属アレルギーを有する患者に用いた場合は適用外となる。

※20171201適用「留意事項等一部改正通知」はここをクリック

※20171201適用「記載要領改正通知」はここをクリック

 

歯科衛生士の復職・離職防止プログラムがスタート/東京医科歯科大学附属病院で

歯科衛生士の復職・離職防止プログラムがスタート/東京医科歯科大学附属病院で

口腔ケアの重要性が高まり、一般での認識も広まっている。しかし、実際に口腔ケアを担当する歯科衛生士の数が不足している。そのような現状の中、厚生労働省が歯科衛生士の復職支援と離職防止を目的に計画した事業がスタートした。事業を受託先は東京医科歯科大歯学部附属病院で、院内に「歯科衛生士総合研修センター」をこのほど設置した。

厚労省の統計では、平成28年度時点において、全国の歯科衛生士免許登録者数は約26万人となっているが、実際に就業している人はその半分以下だ。

歯科衛生士の離職の理由、原因で多くを占めるのは、結婚・出産。その後、復職を望んでも、生じてしまったブランクのため、自身の技術が通用するか否か不安完を抱く人が多いという。そのような点に配慮するため、同研修センターでは、一人ひとりのスケジュールに合わせたオーダーメードの復職支援・離職防止の研修プログラムをつくることとしている。

さらに東京医科歯科大学附属病院では、来年2018年1月14日(日)午後1~5時まで、大学特別講堂で歯科衛生士の復職支援と離職防止に向けたキックオフセミナーを開く。講演内容は、①歯科衛生士の自覚と責任ある行動、②地域における歯科衛生士の役割の理解と活動、③患者および家族との良好な人間関係の確立、などとなっている。参加は無料。問い合わせは歯科衛生士総合研修センター(03-5803-4349、またはtmd-dhtc@ml.tmd.ac.jp)まで。

歯科医師資質向上等に関する検討会が第8回会合を開催

歯科医師資質向上等に関する検討会が第8回会合を開催

厚生労働省の第8回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長/江藤一洋医療系大学共用試験実施機構副理事長)が11月21日、同省内会議室で開催された。

今回は、厚労省事務局が前回会議で「歯科保健医療ビジョン(素案)」に対し、各委員から指摘された意見を盛り込んだ新たな素案を提示。そしてこの新素案をめぐり、協議・検討を加えた。

その中では各種の意見が提示されたが、ビジョンそのものは国民に対して提示されるものであり、国民が理解できる表現などを用いて最終的なとりまとめを行うことが確認された。

なお、同検討委会は次回が最終回となる。

橋本岳前厚生労働副大臣が「集い」開催

橋本岳前厚生労働副大臣が「集い」開催

11月14日、元厚労副大臣の橋本岳衆議院議員の「橋本がく前進の集い2017」がホテルニューオータニで開催された。会場には、加藤勝信厚生労働大臣、塩崎恭久・前厚労大臣、茂木・経済再生担当大臣(前政務調査会長)などが参加した。

歯科診療所の収支状況も公表/厚生労働省が2017年3月実施の「医療経済実態調査結果」を報告

歯科診療所の収支状況も公表/厚生労働省が2017年3月実施の「医療経済実態調査結果」を報告

厚生労働省は本日11月8日、医療機関の経営状況を調べた2017年3月実施の「第21回医療経済実態調査(以下、「実調」と略)報告」を同日開催の中医協に報告、公表した。この実調のデータは、2018年度に実施する診療報酬改定のための重要な基礎資料となる。

そのうち、青色申告のみについて歯科診療所について、①医業収益、②介護収益、③医業・介護費用、④損益差額―についてデータをみると、個人立と医療法人立を合わせた歯科診療所の①の医業収益は6035万円、②の介護収益は25万円、③の医業・介護費用は5121万円となっており、①+②-③により④の差額は939万円となっている。詳細は、下記表をご覧いただきたい。

なお、今後の大事な動きとしては、中医協で本年5月に続く「歯科医療(2)」の審議・検討が今月中に行われる可能性がある、社保審医療保険部会で次期診療報酬改定に向けての「基本方針」が今月中に決定される可能性がある、それらを受け、12月早々に「2018年度診療報酬改定率」の閣議決定が行われる、12月26日頃をメドに2018年度政府予算案と2018年度税制改正要望が決定される…。などの点に絞られていく。

 

 

財政審分科会が診療報酬・介護報酬の引き下げを提案/診療報酬2.5%以上のマイナス案

財政審分科会が診療報酬・介護報酬の引き下げを提案/診療報酬2.5%以上のマイナス案

10月25日、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は、2018年度政府予算編成に関して提案をまとめ、その中で2018年度診療報酬改定について、医療費の伸びを「高齢化等」の範囲内に抑えるとともに、診療報酬改定1回当たり2%台半ば、つまり2.5%以上のマイナス改定が必要との考えをまとめた。すでに、厚生労働省などと調整に入っている。

本年6月9日に閣議決定された政府の基本方針である「骨太の方針2017」では、歯科医療に関し、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」と明記しており、今回の財政審分科会提案との関係がどうなるのかも注視する必要がある。

具体的な提案内容は、2018年度予算編成では歳出の約1/3を占める医療や介護に関する社会保障費の伸びを抑制するため、2018年度診療報酬改定では、「2%台半ば」に当たる1兆円以上引き下げるよう求めている。民間企業の賃金、物価水準がほぼ横ばいで推移する中で、診療報酬引き上げが続いており、引き下げが必要だとしている。

薬価については、新薬は高価格設定されているため、これが医療費増加につながっていると指摘し、「薬の効き目などを見て価格を決める新たな仕組み」を策定するよう求めている。

さらに、75歳以上の高齢者の追加負担も打ち出しており、75歳以上の医療費窓口負担を現行の原則1割から段階的に2割に引き上げるよう求めている。

介護分野では、介護報酬の引き下げを提案している。介護報酬は、今年度、職員の処遇改善のため臨時改定を行い、約1%を上乗せしている。財務省は、これを引き合いに出し「来年度の改定ではこの上乗せを考慮に入れ…訪問介護サービスの費用は抑えたい」とし、マイナス改定を提案しているもの。

◆協会は政策委員長談話を発表

協会では、今回の財政審分科会の提案に対し、その撤回を求める松島良治政策委員長名による「談話」を発表した。談話は以下の通り。

【 談 話 】

「引き下げありき」の財務省提案は撤回せよ

財務省は10月25日、財政制度等審議会財政制度分科会で、次期診療報酬改定の引き下げを提案した。今後、高齢者がさらに増加し、医療の重要性が一層求められているにもかかわらず、「引き下げありき」の財務省に対し提案を取り下げるとともに、必要な財源を確保するよう求めるものである。

財務省は、過去10年間の雇用者報酬の伸びが年平均0.2%であるのに対し、国民医療費が2.5%だとして「診療報酬改定1回当たり2%半ば以上のマイナス改定が必要」だとした。

しかし2002年以降の診療報酬ネット改定率は、累計マイナス10%である。現場では経費節減や設備投資の先送りで何とか乗り切ってきたのが実態だ。

また、そもそも診療報酬は医療機関の収入だけでなく、社会保障制度を通じ国が国民に提供する医療の質と内容を規定するものだ。経済の問題を優先した安易な削減はそもそも行うべきではない。また診療報酬には、人件費や様々な経費に加え、将来にわたって医療を継続するのに必要な費用も含まれている。このため現場を無視した削減は、将来にわたる医療崩壊の危険をも生じさせることになる。

来年は医療・介護の同時改定であり、増加する高齢者を地域でどのように支えるかの対応が大きなテーマになっている。口腔疾患と全身疾患の関係にも関心が高まり十分な手当が必要だ。「マイナス改定」では必要な医療の提供が出来ないのは明らかだ。

厳しい財源の中、次期診療報酬改定を少しでも良い内容にしようと中医協では論議が進んでいる真最中であり、こういった中での財務省の「マイナス改定」提案は、関係者の努力に水を差すものである。

東京歯科保険医協会は、国民に保険で良い歯科医療を提供するために、次期診療報酬改定での大幅な引き上げを改めて要求する。

2017年11月1日

東京歯科保険医協会

政策委員長 松島良次

女性歯科医師の市長が誕生/10月22日の栃木県那須烏山市長選挙で川俣純子氏

女性歯科医師の市長が誕生/10月22日の栃木県那須烏山市長選挙で川俣純子氏

衆議院選挙と同日の10月22日、栃木県内の那須烏山市に置いて市長選挙が行われた。無所属の塚原雅志氏と、無所属で自民・公明推薦の川俣純子氏との一騎打ちとなったが、川俣氏が当選を果たした。川俣氏は1985年日本歯科大学卒の歯科医師で、日本歯科大での勤務後、実家の川俣歯科医院で診療に従事。2010年に同市市議会議員に当選し、2014年に再選され、今回の市長選で同市長に就任したもの。日本で初めての女性歯科医師の市長の誕生となった。

なお、現在、日本国内で歯科医師出身の市長は、千葉県我孫子市の星野順一郎氏(日本大学松戸歯学部卒)、神奈川県大和市の大木哲市長(鶴見大歯学部卒)、奈良県桜井市の松井正剛氏(大阪歯科大卒)、沖縄県宮古市の山本正德氏(岩手医大歯学部卒)が在職している。

かかりつけ歯科医についての日歯の考え方を整理し提示/歯科医師資質向上検討会が第7回会合

かかりつけ歯科医についての日歯の考え方を整理し提示/歯科医師資質向上検討会が第7回会合

厚生労働省は本日10月13日、同署内会議室で第7回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋/医療系大学共用試験実施機構副理事長)を開催した。

今回の審議・検討の中では事務局側が前回提示した「歯科保健医療ビジョン(素案)」について、「歯科保健医療ビジョンの対象者」について検討が加えられた。さらに、意見が集中したかかりつけ歯科医問題について、資料「かかりつけ歯科医について/日本歯科医師会の考え方」が提示され、説明が加えられた(資料は下記に)。

そのほか、地域包括ケアシステム、歯科衛生士と歯科技工士、歯科での緊急時対応などについても検討が加えられている。

定時資料/「かかりつけ歯科医について 日本歯科医師会の考え方」

 

 

歯科提供体制における広域災害対応で提言/日本学術会議歯学委員会

歯科提供体制における広域災害対応で提言/日本学術会議歯学委員会

日本学術会議に設置されている歯学委員会(委員長:古谷野潔・九州大学大学院歯学研究院教授)は9月29日付で、広域災害時における歯科の活動とその提供体制などについてのこれまでの審議結果を取りまとめ「広域災害時における求められる歯科医療体制」として公表した。

同委では、阪神淡路大震災から東日本大震災、熊本地震などの大地震における複合災害、広域災害時で歯科医療に求まられる歯科医療活動内容、広域災害時に望まれる歯科医療活動の提供体制の問題点とその改善について審議・検討を進めていたもの。

報告では、現状の問題点として①歯科医療救護体制、②被災者の口腔内の状況、③物資の備蓄、④身元確認、⑤行政における歯科関連職の現状、⑥医科との連携状況、⑦歯学部・歯科大学の役割―の7項目から触れている。

これらに対する提言としては、震災関連疾患予防のために歯科的介入が必要で、かつ最も 効果的な時期である発災直後から2週間~1カ月間に被災者に必要な支援対策とし、① 歯科医療救護体制の整備、②被災者の口腔内状態の改善、③ 物資の備蓄、④身元確認、⑤行政における歯科関連職の役割、⑥医科との連携(災害時の医科歯科連携を進め、DMAT、 JMATなどに歯科医師が参画するか、歯科でもこれらに類する災害医療チームを立ち上げる必要がある)、⑦歯学部・歯科大学の役割―の視点から、かなり詳しく触れている。

歯科医師の立候補者は5氏/与党3氏と野党2氏

歯科医師の立候補者は5氏/与党3氏と野党2氏

10月10日、衆議院総選挙立候補者が公示され、総選挙がスタートした。その中で、歯科医師の立候補者は5氏となっているが、自民党からは前職の3氏が立候補している。白須賀貴樹氏(千葉13区・2回・東歯大卒)、比嘉奈津美氏(九州ブロック・1回・福岡歯科大)、渡辺孝一氏(北海道ブロック比例・2回・北海道医療大学歯学部卒)の3氏が再選を目指す。

また、野党からは2氏が立候補している。長谷川嘉一氏(群馬3区・新・日本歯科大学卒)が立憲民主党から初めて立候補したほか、かつて民主党時代に衆議院議員当選経験を持つ水野智彦氏(千葉13区・1回・明海大歯学部卒)が希望の党から立候補した。

都議会で「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が可決・成立/努力義務規定にとどまる/来年4月から施行へ

都議会で「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が可決・成立/努力義務規定にとどまる/来年4月から施行へ

東京都議会は10月5日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を賛成多数で可決した。2018年4月から施行される。この条例は、都議会の都民ファーストの会と公明党の共同提案の形をとっている。小池百合子都知事は、都知事選挙の際の公約としてこの条例成立を掲げていた。また、政府の受動喫煙法案が先送りになっている状況を先取りする形となっている。

具体的な内容は、家庭内での受動喫煙防止が中心となっているほか、「子供は自らの意思で受動喫煙を避けることが困難で、保護の必要性が高い」ことを明記し、子供がいる室内や車内で喫煙しないことなどを求めている。ただし、罰則規定は設けず努力義務規定にとどまっている。

なお、日本禁煙推進医師歯科医師連盟は本年2月、「受動喫煙対策に小規模での一部を原則禁煙の例外を検討」に対し反対声明を出しているほか、昨年12月、藤原久義氏(禁煙推進学術ネットワーク理事長)、横倉義武氏(日本医師会会長)、堀憲郎氏(日本歯科医師会会長)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、高久史麿氏(日本医学会会長)の5氏は連名で「2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて屋内完全禁煙とする包括的受動禁煙防止法・条約制定の要望書」を取りまとめ、安倍首相ほか関係大臣・知事あてに提出している。

それでも吸いたい。やっぱり吸いたい

 

社保審医療保険部会が開催/歯科医療界からは日歯の遠藤秀樹常任理事が参加

社保審医療保険部会が開催/歯科医療界からは日歯の遠藤秀樹常任理事が参加

第107回社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫/学習院大学経済学部教授)が10月4日、厚労省内で行われた。

今回の協議・検討テーマは、①次回の診療報酬改定に向けた検討、②骨太2017、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項、③平成28年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)―など。

このうち①の次期改定に向けた検討では、改定への基本認識、視点、方向性などを議論し、資料提示された中には、「次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について」が含まれており、「人生100年時代を見据えた社会の実現」「どこに住んでいての適切な医療・介護を」安心して受けられる社会の実現」「制度の安定性。持続可能性の確保と医療・介護現場の新しい働き方の推進」が開設されている。

基本的視点として①地域包括ケアシステムの構築と医療機能分化・強化・連携の推進、②新しいニーズにも対応できる安心・安全で、質の高い医医療の実現・充実、③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進、④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続性可能性の向上―の4点が提示された。

議論の中では、先に閣議決定された「骨太方針2017」で、歯科健診の導入に関する施策推進が打ち出されており、このことが今回の議論の中にも影響した。

なお、同部会の歯科医療界からは、歯科医療界からは遠藤秀樹氏(日本歯科医師会常任理事)が構成員となっている。