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規制改革会議が「選択療養」を提案/「混合診療」解禁の突破口の可能性大

規制改革会議が「選択療養」を提案/「混合診療」解禁の突破口の可能性大

政府の規制改革会議(議長:岡素之住友商事相談役)が、3月27日、「診療の選択肢を拡大」「極めて短期間に受けられる仕組み」を目指し、混合診療解禁を目的とした「選択療養制度(仮称)」の創設へ向けて論点を示した。これらに対し、日医、保団連、日歯、保険3団体、患者団体から反対の意見が相次いでいる。日医は「現行の制度の機動性を高めることで対応すべきで、『選択療養』の導入は到底容認できない」と、日歯も「明確に反対の意を表明するものである」と見解を出している。

現在、健康保険制度ではいわゆる「混合診療」を原則認められていない。保険診療と自費診療の併用を認める「保険外併用療養費制度」と歯科の補綴治療で認められているだけだ。同制度には、将来の保険導入を想定する「評価療養」とそれを前提としない「選定療養」の2つの制度がある。それにもう一つの分野を設けようとするのが、今回の「選択療養(仮称)」だ。

同会議が目指す「選択療養」は、「必要な情報が医師から患者へ提供され、書面で確認」「医師のモラルハザードの防止」など一定の手続き・ルールに基づき、「きわめて短期間に保険外併用療養費の支給が受けられる」仕組みとし、保険者への届出も想定している。

同会議は4月16日に「合理的な根拠が疑わしい医療等の除外」なども示し、当初の範囲を限定しつつあるが、安倍首相も関係大臣に協力を指示するなど、最終的な提案に向けて一気に進む可能性がある。

現在の先進医療は、安全性、有効性などの審査が行われており、近年指摘されているドラッグラグの短縮も実績を上げている。「病気と闘う患者」の選択肢の拡大を突破口に「混合診療」の拡大を狙っている。

「差額徴収」の二の舞になる懸念も

歯科診療には1955年から「差額徴収制度」があり、60年代後半から70年代前半にかけ、保険診療に加えて無制限に差額徴収を行ったことで、当時の歯科医師は社会的なバッシングを受けた経験を持つ。その後、「保険給付外の材料等」を目安に保険診療と自費診療との峻別や、特定療養費制度(現在の保険外併用療養費制度)に「金属床総義歯」「小児の齲蝕管理」の導入が行われ、一定の制限のもとで「混合診療」が認められている。

こうした制限が取り払われることによって、差額徴収時代のような無制限の「混合診療」が横行し、不幸な歴史の二の舞になる懸念がある。将来的には、民間保険の拡大による医療費の増大、保険診療の抑制につながりかねず、規制改革会議による「選択療養」の提案は到底、容認できるものではない。