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地域包括ケアシステムと歯科①/「地域包括ケアシステムとは…」

地域包括ケアシステムと歯科①/「地域包括ケアシステムとは…」

     ― 最近の研究報告から読み解く歯科の今後の方向性と役割を見つめる

昨年十月に行われた社会保険指導者講習会でも、宇都宮啓・保険局医療課長は、「平成24四年度の医療・介護報酬同時改定は地域包括ケアシステム(以下、「地域包括ケア」)構築の第一歩であり、今後の診療報酬・介護報酬改定や制度改正は、常に地域包括ケアの構築を目指すものになる」と述べており、今後歯科医療を行う上で「地域包括ケア」を理解する必要がある。
そこで、「地域包括ケア」の概要や問題点、歯科との関わりなどについて、今月から3回にわたり解説する

「地域包括ケア」とは、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護、予防のみならず、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」と、地域包括ケア研究会の報告書(※)において定義されている。

◆日常生活圏域について
日常活圏域とは、「概ね30分以内に駆けつけられる圏域」を理想とし、具体的には中学校区を基本としている。
主要な五要素の住宅、生活支援、医療、予防、介護は、並列関係ではなく、介護・医療・予防という専門的なサービスの前提として住宅と生活支援の整備があるとしている。
例えていえば、住宅は地域での生活の基盤をなす植木鉢で、生活支援は植木鉢に満たされる養分を含んだ土。生活(生活支援)という土がないところに、専門職の提供する介護や医療・予防を植えても、それらは十分な力を発揮することなく枯れてしまうということである。

◆2025年の超高齢社会問題に備え
2011年の介護保険法改正で、「国及び地方公共団体が地域包括ケアシステムの構築に努めるべき」と、第5条第3項に規定され、 「団塊」の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025(平成37)年以降の超高齢社会においては、①高齢者ケアのニーズの増大、②単独世帯の増大、③認知症を有する者の増加―が想定される。
加齢や疾病等により要介護状態となっても尊厳を保持し、住み慣れた地域で、その有する能力に応じて可能な限り自立した日常生活を営めるよう、それまでに地域包括ケアの構築を目指すということが、閣議決定された社会保障・税一体改革大綱(2012年2月)や社会保障制度改革国民会議報告書(2013年8月)に明記されている。

◆次回のポイントは…
以上、「地域包括ケアシステム」の概要とその背景について大雑把に述べたが、次回は、それに伴う見過ごすことのできない問題点、すなわち、歯科との関連、医療・介護の給付と負担、医療と介護の連携、自助・互助・共助・公助、大都市と地方圏などについてみていきたい。
※地域包括ケア研究会の報 告書はこれまでに以下の三点が公表されている。ご興味のある方は、ぜひご参照されたい。
①今後の検討のための論点整理(平成20年度老人保健健康増進等事業)
②平成21年度 老人保健健康増進等事業による研究報告書
③持続可能な介護保険制度及び地域包括ケアシステムのあり方に関する調査研究事業報告書 地域包括ケアシステム構築における今後の検討のための論点(平成24年度老人保健健康増進等事業)

橋本先生連載用イラスト300pix